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目黒区
祐天寺
コンパクトな商店街と上品な住宅街。ゆったりとした時間の流れる「祐天寺」
「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。
「祐天寺」エリアの特徴
- 駅名にもなっている国の登録有形文化財「祐天寺」
- コンパクトにまとまった便利な商店街と、上品な住宅街
- 賃料のばらつき(幅)が大きく、リノベーションの効果の期待できる市場
東急ストアが併設されている「祐天寺」駅
エリアレポートVol.69では東急東横線「祐天寺」駅をご紹介いたします。
「祐天寺」は東京の西側「目黒区」に位置しています。その駅名の名の通り、登録有形文化財「祐天寺」のある門前町として、江戸中期より繁栄してきた歴史有る地域です。東横線の隣駅「中目黒」や「学芸大学」と比べると華やかなイメージはありませんが、ゆったりとした上品な雰囲気の暮らしやすさが人気の理由です。
駅周辺は西口側と東口側で特長を持ったエリアが広がっています。西側は主に低層住宅街となっており、戸建てや低層マンションが多くみられます。どこか上品な雰囲気が漂い、人通りや交通量も少ないとても落ち着いた街並みです。
東口側には駅のロータリーから左右と正面にコンパクトにまとまった商店街が伸びています。古くから続いている生活用品店、和菓子屋、クリーニング店などに加え、最近ではおしゃれなカフェや飲食店なども増えています。地域のイベントも多く開かれ、地元を中心に幅広い世代に愛されています。また、若者から評判のファッション店・古着屋もあり、おしゃれな街としても一面も持っています。
商店街を抜けると「駒沢通り」へとたどり着きます。駒沢通り沿いは並木もあって落ち着いた風情が漂い、インテリアショップや、夕方の早い時間から行列のできるもつ焼き屋さんなどもあります。駒沢通りを少しいけば駒沢公園があり、週末のお散歩も楽しめることでしょう。
駅名の由来となった「祐天寺」も駒沢通り沿いにあります。その歴史は江戸時代から続いており、盆踊り大会や幼稚園の運営など、地域と深く結びついた由緒正しきお寺です。
上品な住宅街と、コンパクトな商店街のある「祐天寺」は、その住環境と利便性の高さから幅広い層から人気のエリアとなっています。
解体と新築計画の進む祐天寺駅ビル。祐天寺の新しい顔と憩いの場となることでしょう。
生活に必要なものがそろう祐天寺商店会
桜の名所としても有名な古刹「祐天寺」
東横線と副都心線の直通運転に加え、都心地下鉄への乗り入れも便利
「祐天寺」駅は東急東横線が通っており、各駅停車しか止まりませんが、渋谷まで10分程度、横浜や池袋、埼玉方面までも乗り換えなしでアクセスが可能です。
この駅で他の路線が乗り入れはしていませんが、「自由が丘」「田園調布」「中目黒」など都心地下鉄へ直通する駅と隣接しているため、1度の乗り換えであれば東京都内のあらゆる地域へ移動でき、非常に便利です。
また、この駅をはさむように駒沢通りと目黒通り、環七通りが通っていることから、電車でなくても自転車やバスを使って移動する人も多く見られます。
このように都心はもちろん、その他多方面へ様々なアクセスを選択できる「祐天寺」は、都心で働く単身者を始め若い人たちから絶大な人気を得ています。
「祐天寺」駅周辺の賃貸市場
祐天寺駅の賃貸市場を分析していきます。まずは賃料相場と築年数の比較です。23区平均と比較すると、賃料相場は23区の3,339円/㎡に対し、祐天寺は3,798円/㎡です。都内でも人気の高い東急東横線沿線というだけあって賃料相場は23区よりも高めですが、「中目黒」や「学芸大学」よりは割安感のあるエリアです。
また、築年平均の比較を見てみると、23区の21年に対して28年と、平均よりもやや古い建物の多いエリアであることがわかります。
次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧」を見てみると、祐天寺駅の単身者物件の月額賃料は「d.切片」の48,738円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の463円ずつ、築年数1年ごとに「b.築年」の682円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の2,357円ずつ値上がることがわかります。
「賃料に対する影響割合の比較」から祐天寺駅の傾向を分析すると、築年による賃料下落「b.築年/d.切片」は23区平均と同水準と安定しており、賃料のばらつき「e.標準偏差/d.切片」は23区平均よりも高いエリアです。駅周辺の商業施設開発やマンション開発などの多いエリアで見られる傾向で、リノベーションによる賃料の改善が期待できる賃貸市場です。
※リズムマンションDBより作成(データは2014年3月末日現在のデータです。)
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※重回帰分析は築10~30年、16㎡以上30㎡未満の物件から算出しています。
「祐天寺」の居住者特性
「祐天寺」の居住者特性を見ていきます。まずは単身者世帯の比較です。
東京都ならびに目黒区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全で約45%、目黒区で約46%に対し、「祐天寺」は約51%となっており、家族世帯多い目黒区の中でも、単身者世帯の多いエリアであることがわかります。
対象エリア内の居住者の年齢構成をみると、20~49歳の割合の合計で約50%と、若い世代が半数を占めています。また、男女比率を見てみると、47:53と女性割合のやや高いエリアです。
REISM 管理物件 ― 2017月4月現在 ―
REISMでは祐天寺エリアでのリノベーション実績があります。
渋谷、代官山、中目黒など、人気エリアと東横線でひと続きのまち「祐天寺」。古着屋をはじめ、アンティーク家具や珍しいプラントを扱うショップなど、遅くまで開いている店が多い街です。そんな旬な東京スタイルを味わえる街にある「Plain 027 祐天寺」。目をひくのは深みあるブルーの一面。床にはホワイトオークをあしらい、統一感あるシャープな1Rに仕上がりました。
リノベーションをすることにより賃料は約18%向上(リズム査定/平米賃料比)
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供給・需要、ともに伸びる「目黒区」
「祐天寺」駅は東京都「目黒区」に位置しており、主に住宅街として発展しています。「碑文谷」や「柿の木坂」「八雲」などの高級住宅地のほか、「自由が丘」や「中目黒」などのおしゃれな街、「学芸大学」や「都立大」などのどことなくインテリジェンスな雰囲気も漂う駅も多い区です。
住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で約146千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。「祐天寺」のある目黒区を見てみると、供給にあたる借家数は14.7%増加する一方、需要にあたる空家数は48.5%減少しており、需要の高まっているエリアであることがわかります。
エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。目黒区の供給傾向も東京都や 23区の増減と似たような動きを見せおり、2000年頃から着工数の増加が見られ、 2006年以降は低い水準で抑えられていることがわかります。2009年以降はまた増加傾向がうかがえ、2015年も東京都と同じく増加傾向と予測できます。
人口の推移を見てみると、目黒区の人口は年々増加していることがわかります。東京都によると目黒区は2025年前まで増加傾向と予測されており、2025年より徐々に減少を始めますが、2035年の段階でも2005年よりも多いと予測されています。
祐天寺においてはその利便性の高さと、門前町として繁栄してきた歴史ある地域であることから、今後も不動産価値の安定した市場が期待できます。
《まとめ》
「祐天寺」は東京の西側「目黒区」に位置しており、ゆったりとした上品な雰囲気の暮らしやすさが人気の街です。
駅周辺は西口側と東口側で特徴が違っており、西口側は主に低層住宅地となっています。戸建てや低層マンションが多くみられ、上品な雰囲気の漂う落ち着いた住宅街です。
一方、東口側は古くから続いているコンパクトな商店街が伸びており、近年では若者から評判のカフェや飲食店、ファッション店なども増えています。商店街を抜けると「駒沢通り」へとたどり着き、駅名の由来となっている「祐天寺」があります。「祐天寺」は江戸中期から続く由緒正しきお寺で、盆踊り大会や用地店の運営など、地域と深く結びついています。
不動産市場に目を向けると、供給も増える一方、それ以上に需要が伸びています。また、賃料相場が高くと賃料のばらつきも大きいため、リノベーションによる効果の期待できるエリアです。
「祐天寺」はその住環境の良さと、利便性の高さから幅広い層に人気のあるエリアです。駅ビルの新築計画も進行していることから、不動産価値においても安定した推移をすることが期待できます。