大田区

昭和の名残も漂う大田区の商業・行政の中心地「蒲田」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「蒲田」エリアの特徴

  • 大田区の商業・行政の中心地として発展しており、商業施設、行政施設、活気ある商店街が集まる
  • 交通利便性も高く、ターミナル駅や空港などへのアクセスの良さ
  • 大田区で民泊認可の条例案が可決され、変わりつつある不動産投資のスタイル

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2008 年にできた商業施設グランデュオ蒲田とJR 蒲田駅

 

 「蒲田」は東京23区の南部・大田区に位置しています。「大田区」は元々「大森区」と「蒲田区」の2つの区が合併してできた区で、大田区内の商業は大森と蒲田、行政機関は蒲田に集中しており、「蒲田」は都心から少し外れた地区では有数の商業地区です。

 蒲田は昭和キネマの名作『蒲田行進曲』の舞台として、古くから映画の街として知られてきました。松竹の撮影所があったことから「流行は蒲田から」ともいわれていた時代もあります。現在では東京南部有数の商業地区として発展しており、2008年に駅周辺の大規模再開発に始まり、2014年には東急プラザがリニューアルしています。

 駅周辺の大規模商業施設だけではなく、JR蒲田駅の西口と東口にはロングアーケードの商店街が広がっています。もともと戦後の闇市から育ってきた蒲田だけに、非常に活気のある商店街です。

 戦後から続く活気ある商店街と、駅前の再開発による新しい街並み。その二つが交じり合って蒲田は独特な魅力を形成しています。

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東口駅前は綺麗に整備されている
駅から離れたエリアは住宅街になっている

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西口SUNRIZE ショッピングモールは買い物客で賑わいをみせる

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東急線沿いのバーボンロードには個性的な飲食店が集まる

京急線をあわせ5線利用可能で、羽田空港へも直通!

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 「蒲田」駅はJR京浜東北線、東急多摩川線、東急池上線の3線を利用することができます。蒲田から徒歩圏内の京浜急行・空港線「京急蒲田」駅を含めると5路線を利用可能です。

 JR京浜東北線はターミナル駅へのアクセスが非常によく、「品川」駅まで13分、「東京」駅まで22分と近く、「横浜」駅までも19分でアクセス可能なため通勤に便利な沿線です。また、京急蒲田からは羽田空港まで直通でアクセスすることができ、旅行や出張などで遠方に
行かれる方にも便利です。

 東京都内はもちろん、出張や旅行にも対応できる利便性は、都心に住む単身者には必須条件でもあり、交通の面でも「蒲田」は大きな魅力を持っていると言えるでしょう。

「蒲田」周辺の賃貸市場

 蒲田の賃貸市場を分析していきます。まず、賃料相場を23区平均と比較してみましょう。

蒲田の賃料相場と23区平均の平米単価を比較すると、23区の3,339円/㎡に対し、蒲田は3,465円/㎡と、23区よりやや高い賃料相場であることがわかります。

 次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度
影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧」を見てみると、蒲田の単身者物件の月額賃料は「d. 切片」の56, 449円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の1,220円ずつ値下がり、築年数1年ごとに
「b.築年」の628円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の1,826円ずつ値上がることがわかります。これを相対的に比較するため、「b.築年」と「d.切片」の割合を築年による減価率と定義して23区と比較すると、蒲田は築年による賃料の下落が
小さく、安定した市場であるといえます。

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※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは2014 年3 月末日現在のデータです。重回帰分析は築10 ~ 30 年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。

「蒲田」の居住者特性

 

 「蒲田」の居住者特性を、東京都と「蒲田」のある「大田区」と比較をしてみると、東京都で45.71%、大田区で47.92%、蒲田で50.21%と、単身者の割合は多いエリアです。

男女比率の比較を見てみると、男性が約52%、女性が48%と、やや男性のほうが多くなっています。また、年齢構成比を見ると、女性の比率は東京都よりもやや低く、男性比率は20-59歳の年齢帯で多いことがわかります。もともと町工場の多いエリアであったこと、ビジネス街へのアクセスもよいことなどから、男性比率が高い要因と推測できます。

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REISM 管理物件 ― 2016 月2 月現在 ―

REISMでは蒲田エリアでのリノベーション実績があります。

羽田空港国際化に伴い再開発が進む東京南部の玄関口「蒲田」駅から程近いエリアに佇む人気リノベーションシリーズの「Kitchen 012 蒲田」。
玄関を入るとすぐ目の前には存在感抜群の大きなカウンター式キッチン、居室部分に使用したオーク材のフローリングはあえて幅広なものを選び少しワイルド感を、壁面に取り付けた飾り棚やキッチン上部の収納棚にはアクセントカラーにグレーを使用し室内全体をクールに仕上げました。

リノベーションをすることにより賃料は約14%向上(弊社査定賃料比)。

その他の近隣エリアのリノベーション物件はコチラから

民泊を認める条例案が可決された「大田区」

 「蒲田」駅の所在する大田区は東京23区の最南部に位置しています。埋め立て地や東京湾近くの地域に工場の多いエリアや、都内の高級住宅地として有名な「田園調布」や「山王」など、2つの顔を持っています。

 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で約190千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。大田区を見てみると、供給にあたる借家数は5年の間に23.2%増加し、空き家数も54.5%増加しています。

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エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。大田区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。大田区の着工数も2006年以降、低い水準で抑えられており、2014年の供給も比較的低い水準に収まると推測されます。

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また、2020年のオリンピックに向け、訪日外国人増加対策として、大田区では国家戦略特区として民泊を認める条例案が12月7日に可決されました。2016年2月4日現在で、2物件の認可がされており、Airbnbなどの民泊サービスは増加すると考えられます。不動産を貸すだけではなく、新しい形の投資方法は、空室対策に有効な手段として注目されています。

《まとめ》

 

蒲田は昭和キネマの名作『蒲田行進曲』の舞台として、古くから知られている「蒲田」。現在では、大田区の商業・行政の中心として発展しています。駅前にはグランデュオ蒲田や東急プラザなどの商業施設が立ち並びます。また、駅周辺にはロングアーケードの商店街も続いています。戦後の闇市を発祥とした商店街は活気があり、買い物客で賑わいをみせています。

 

賃貸市場を見てみると、築年による賃料下落率も安定しており、賃料のバラつきも大きくリノベーションによる賃料改善効果も期待できるエリアと分析できます。また、蒲田の所在する大田区は国家戦略特区として全国に先駆け民泊の認可が始まったエリアです。今後、大田区の中心として不動産投資の新しいスタイルも広まっていくと考えられます。

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