千代田区

世界最大のBook Town として知られる文教エリア「神保町」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「神保町」エリアの特徴

  • 世界的にも有名な古書の街であるとともに、学生街・グルメの街としても有名。
  • 東京メトロ三田線/ 半蔵門線、都営新宿線の3 線が使える利便性の良さ。
  • オフィス街も近く、学生からサラリーマンまで単身者需要の高いエリア!

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主要道路が交わる神保町交差点

 

 東京都千代田区、皇居の北側に位置する「神保町」。この辺りには明治大学や日本大学など多くの大学があり、学生や研究者が多く集まっていたため、次々と書店が作られ、大正時代以降は古書街として全国的にも有名になりました。

 今では、昔の面影を残した古本屋もありつつ、ブックカフェやレコード店なども増え、新旧融合した新しいカルチャーも発信しています。

 駅周辺には高層ビルやマンション、商業施設までも建設されていて、古書街だけでなく、グルメやショッピングエリアとしても注目を集めるようになり、より多くの人がこの神保町の街散策を楽しむようになりました。

 また、「すずらん通り」と名付けられたメインの商店街はそんな神保町を象徴する店が立ち並ぶ他、スーパーやディスカウントストアを備え、生活するにも非常に便利です。 

そのため学生から都心で働く単身者まで注目を集めている街であり、これからの発展も期待できると言えるでしょう。

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それぞれの出口が違う表情の神保町駅

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靖国通り沿いに並ぶ大型古書店

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書店、グルメ、スーパー、何でも揃う商店街

東京都心のあらゆる方面を網羅する利便性高いアクセス手段

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 「神保町」は東京メトロ半蔵門線、都営三田線、都営新宿線の3路線が
交わり、「新宿」「渋谷」「目黒」へはダイレクトに、1度の乗り換えを含めれば山手線のどの駅に行くにも20分程度でアクセス可能です。

 また、「水道橋」「御茶ノ水」が徒歩圏内なのでJR中央線、総武線も併せて利用することができます。

 靖国通りと白山通りの主要道路が交わり、この界隈を自転車で行き交う人を多く見かけることがありますが、ここで暮らす上で、自転車を利用する事が可能であれば「秋葉原」や「東京」まで10分程度足らずで移動することができたり、目的に合わせて様々な交通手段を選べるので、通勤はもちろん、遅くまで外で活動する単身者にとっては非常に生活しやすい環境と言えます。

神保町周辺の賃貸市場

 駅周辺の賃貸物件データをもとに、「神保町」駅と23区の平均を比較すると、賃料相場では平米当たり約837円(20㎡で約16,740円)高いことがわかります。賃料相場は比較的高いエリアといえます。

 重回帰分析による賃貸市場の傾向をみると、「b.築年/d.切片」の割合が高くなっています。「賃料単価と築年数(単回帰)」を見ると、築古物件が少なく、近年の物件数多いことから、近年再開発で築年による影響割合が高くなっていると考えられます。

 また、「e.標準偏差/d.切片」の割合をみると、23区平均よりも高く、リノベーションを施すことにより賃料が改善する可能性の高いエリアです。

 築年の経った物件でも希少性の高い物件ならば、リスクの少ないエリアであると判断できます。

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※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは2014 年3 月末日現在のデータです。重回帰分析は築10 ~ 30 年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。

千代田区と神保町の人口特性

 

 東京都ならびに千代田区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で45.71%に対して、神保町(徒歩15分圏内)は58.44%が単身者となっており、単身者が多いエリアであることがわかります。また、対象エリア内の居住者の年齢構成と男女比をみると、男女の比率は半々、年齢帯は20~39歳の割合が高く、20歳未満は比較的少ないことがわかります。オフィス街も近いため、若い働く単身者世代の需要が高いエリアであることが読み取れます。

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REISM 管理物件 ― 2014 年9月現在 ―

REISMでは「神保町」エリアのリノベーション実績があります。

世界最大級の書店街として有名な「神保町」。読書好きな方のために、「Hondana」シリーズを選定致しました。幅3.9メートル、棚数が135個もある特大本棚が付いており、天井から床までつづく本棚に愛蔵書を全部並べることができることできます。

リノベーションすることにより、賃料は約11%上昇。(弊社査定賃料比)
2011年の竣工時から賃料は落ちることなく、安定した賃貸経営を実現しています。

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空き家数が増える中で、差別化が求められる千代田区

 千代田区は永田町や大手町、丸の内などのオフィス街があるため、23区の中でも住宅の少ない特殊なエリアといえます。住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2003年から5年の間に23区全体で約146千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。千代田区と周辺の区を見ると、各区によって借家数や空き家率の増減にばらつきがありますが、千代田区においては、供給にあたる借家数は5年の間に約13.7%、空き家数は146.2%増えています。総数が少ないため増加数自体はさほど多くありませんが、油断はできません。いかにニーズを捕まえるかが求められるエリアといえます。

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エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。千代田区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。全体的な傾向として、東京都・23区ともに2009年~2011年と連続して過去10年間と比較して着工数は抑えられている一方、2012年からは増加傾向を示しています。23区・千代田区の供給も2013年は若干増加すると予測できます。また、2014年には消費増税の影響で供給数の増加傾向は一旦落ち着くと予想され、市況は中古市場へとシフトしていくものと考えられます。

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 また、千代田区の人口推移は増加傾向を示しており、神保町近隣では再開発も予定されています。元々物件数も少ないエリアであり、物件の供給数も抑えられていることから、需給バランスの回復により不動産価値にも価格下落率の低下など好い影響が期待できます。

《まとめ》

 

 「神保町」は書店や古本店、出版社、出版問屋などが集中し、書店の街として世界的にも有名です。明治10年代にこの地域に相次いで創立された学校に合わせて書店が次々にできていったのがその始まりだといわれています。近年でこそ大学の高層化や再開発などの建設で街並みも変貌を遂げつつありますが、神保町の魅力は少しも変わっていません。訪れる度に新たなお店や本との出会いがあります。

 不動産市場においては、高い賃料相場とリノベーションでの賃料改善可能性の高さ、そして需給バランスの回復により不動産価値にも価格下落率の低下など、良い影響が期待できます。立地は申し分ないエリアですので、差別化された競争力のある物件を選ぶ、あるいはバリューアップすることで、失敗のリスクは低いエリアともいえます。

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