港区

開発計画が進むオフィスと学生の街「田町」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「田町」エリアの特徴

  • 有名企業や大学などが集まるオフィス/ 学生街
  • 山手線と京浜東北線の他、徒歩圏内に計4 路線を利用できる交通利便性
  • オリンピックと山手線新駅で注目が集まる芝浦/ 芝エリア!

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平日の昼間、多くのビジネスマンと学生が行き交う「田町」駅前

 

 昔から学生と庶民の街として栄えてきた東京都港区「田町」。オフィス街、そして慶応義塾大学・芝浦工業大学を中心に学生の街として多くの人が集まります。

 「田町」駅周辺は芝浦口(東口)と三田口(西口)で表情を変えます。

 三田口周辺はオフィス街・学生街として栄えており、大企業や外資系企業が並びます。駅から少し歩いて桜田通りに出ると名門として知られる慶應義塾大学があり、その向こうには東京タワーを正面に見ることができます。

 芝浦口は東京湾に面しているのが特徴です。埋め立て地ということもあり以前はほとんどが工業区域でしたが、近年開発が進められており、現在では多くのマンションが立ち並びます。街中には運河が入り組んでおり、運河沿いの遊歩道や芝浦公園など、緑地環境も整備されています。

 また、品川~田町間では2020年にJR山手線の新駅開業が予定されています。地域の特色を活かし、職・住・学の融合した街づくりと開発が進められる「田町」は、今まさに注目のエリアといえます。

三田口の桜田通りにある名門「慶應義塾大学」東門

慶應義塾大学を過ぎると東京タワーが見える

芝浦口の運河沿いにはマンションが立ち並ぶ

「田町」駅と「三田」駅あわせて4 線。羽田空港へも乗り換え1 回!

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 「田町」駅はJR山手線と京浜東北線が乗り入れています。 日本のビジネスの中心である「東京」駅まで8分、東海道新幹線が利用可能な「品川」駅へは2分という好立地です。また、山手線隣駅の「浜松町」からは東京モノレールが利用可能で、羽田空港へ30分でアクセスが可能です。その他、山手線と乗り継ぎ1回で都内各地へアクセスが可能ですし、京浜東北線を使えば神奈川から埼玉方面へもアクセスすることができます。

 また、地下鉄三田線、浅草線が乗り入れている「三田」駅にも隣接しています。三田線は品川区「目黒」駅から千代田区「大手町」を通り、板橋区方面へ。浅草線は大田区「西馬込」駅から中央区「日本橋」を通って、スカイツリーのある墨田区「押上」までを結びます。

 開発による市場価値向上への期待だけでなく、このような交通利便性の良さも近年注目を集めている理由の一つです。

「田町」周辺の賃貸市場

 まずは田町駅の賃料相場から見ていきましょう。田町駅の賃料相場と23区平均を比較すると、平米当たり約752円(20㎡で約15,040円)高いことがわかります。都心に近く交通利便性の良い田町は、23区内でもやや高めの賃料水準です。

 次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度影響を与えるかを分析していきます。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧」を見てみると、田町の単身者物件の賃料は「d. 切片」の52, 374円からスタート
し、徒歩1分ごとに「a. 徒歩」の988円ずつ値下がり、築年数1年ごとに「b. 築年」の607円
ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の2,444円ずつ値上がることがわかります。

 これを23区と相対的に比較するために「b.築年/d.切片」「a.徒歩/d.切片」と定義してみると、田町は徒歩による影響割合はやや大きく、築年による影響割合と標準偏差の割合は小さいことがわかります。再開発が行われているエリアですが、学生街としての側面も持つため、築年と標準偏差の割合が低い安定した市場であると考えられます。

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※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは2014 年3 月末日現在のデータです。重回帰分析は築10 ~ 30 年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。

田町の居住者特性

 

 「田町」と田町駅のある港区の居住者特性をみていきましょう。まず、単身者世帯の比較をしてみると、田町は57.72%が単身者と、港区と類似した傾向があることがわかります。

 エリア内の「年齢構成比と男女比率」を見てみると、男女比率はほぼ半々と性別による差は見られません。一方、年齢別に見てみると男女ともに20-39歳の若い年齢帯が最も多いエリアであることがわかります。近隣にオフィス・大学があり、ビジネス街各地へのアクセスも良好なため、若い男女からの需要が高いと推測できます。

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REISM 管理物件 ― 2015 月3月現在 ―

REISMでは田町エリアでのリノベーション実績があります。

オフィスビルと飲食店が並ぶ賑やかな通り沿いにある「Chic005 三田」ミニマルな洗練された居室と上質な無垢材の温もりが組み合わさり、自然の寛ぎを備えた住環境。田町駅と三田駅の2路線が最寄りで通勤アクセスも抜群によく、SOHOとしても利用可能なので、自由なアーバンライフスタイルを存分に満喫いただけることでしょう。

リノベーションをすることにより賃料は約10%向上(弊社査定賃料比)
2011年の竣工時から賃料は落ちることなく、安定した賃貸経営を実現しています。

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供給物件のなかで、より差別化が求められる港区

「田町」駅は港区に所在し、港区は青山・赤坂などの商業エリアや、六本木などの歓楽街、麻布・白金台などの住宅街、汐留・台場などの大規模開発地区があり、さまざまな特徴をもっています。

 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で約190千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。港区を見てみると、供給にあたる借家数は減っているにも関わらず、空き家となっている賃貸住宅数は約18%増えています。賃貸住宅の供給が高まるなかで、いかに居住者のニーズを捕まえるかがカギとなるエリアといえます。

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エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。港区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。

東京都の着工数は2011年、2012年と増加傾向にあるものの、2013年には増加傾向が緩やかになっており、港区の供給も2013年は若干の増加に収まると推測されます。また、2014年には消費増税の影響で供給数の増加傾向は一旦落ち着くと予想され、市況は中古市場へとシフトしていくものと考えられます。

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 供給は2003 年~ 2006 年の間に著しく伸びているものの、2007年以降は抑えられている傾向にあります。2020年には田町と品川駅の間で山手線の新駅の開業が予定されており、また、港区は人口推移も年々伸びていることから、儒給バランスの回復により不動産価値にも価格下落率の低下など良い影響が期待できます。

《まとめ》

 

 「田町」駅の西側、三田口周辺には有名企業や外資系企業の高層オフィスビルが立ち並んでおり、近隣には慶應義塾大学や芝浦工大芝浦キャンパスなど教育施設も多く存在しています。ビジネスマンと学生が訪れる街だけあってバラエティに富んだ飲食店が集まっています。一方東側は東京湾に面しており、運河沿いには近年になって開発されたマンションが立ち並んでいます。

 交通利便性も高く、「田町」駅には山手線と京浜東北線が、近隣徒歩圏内の「三田」駅には都営三田線・都営浅草線が乗り入れており、都心で働く単身者からの需要が高いエリアです。

 オリンピック開催を控えて大きな変貌を遂げようとしている芝浦・芝エリア。「品川」と「田町」の間に山手線の新駅が暫定開業が予定されていることから「田町」への注目も高まっています。再開発でエリアの魅力が高まり活性化すれば、将来的な賃料・価格といった不動産の価値に期待できます。

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