墨田区

進化し続ける下町スタイルで暮らす「押上」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「押上」エリアの特徴

  • 2012 年のスカイツリーの開業での町の活性化
  • 昔ながらの商店街と住環境の良い落ち着いた街並み
  • 需要が高く、非常に安定した傾向の賃貸市場

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複数の路線が利用可能な押上駅前

 

 東京都墨田区にある「押上」駅は、2012年に開業したスカイツリーの真下にあり、周辺は都市開発とともにきれいに整備され観光はもちろん、ショッピング施設の「ソラマチ」を中心に多くの人がレジャーとしても訪れる東京の新スポットとして注目されています。

 駅から少し歩くと昭和の雰囲気を残した街並みが広がり、下町らしい老舗の飲食店も多く立ち並んでいて、東京の最先端とも言える都会的な面と昔ながらの面影を持つ街が融合した、数ある駅の中でも非常に特異な2つの顔をもつ街です。

 近年では老朽化が進んだ木造の古民家も、古き良きものは残しながらリノベーションしてオシャレなカフェなどをオープンさせたり、今後ますます街が個性的に活性化することが期待されています。

 また、24時間営業のスーパーや医療施設、区役所など生活する上で欠かせない施設も一通り備わっていて、住む街としても大きな魅力を持っています。このように都心と下町の生活を一緒に楽しみながら住みやすさも合わせ持つ「押上」は、都心で働く単身者が住みたい街としてこれからますます人気となっていくことでしょう。

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開発され整備されたスカイツリー周辺

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昔ながらの風景が残る押上商店街

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釣り堀もある憩いの場親水公園

4路線利用可能、ターミナル駅も近くでアクセス便利

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 「押上」駅は電車でのアクセスが非常によく、半蔵門線、都営浅草線、京成押上線、東武伊勢崎線の4つの路線が利用可能です。

 そのため大手町や渋谷、新橋、五反田へは乗り換えなく行くことができ、京急線への乗り換えを含めると、横浜や羽田空港方面へ行くにも便利であると言えます。

 また「押上」から浅草や錦糸町へ徒歩圏内で、錦糸町駅の交通も含めると新宿や千葉方面へのアクセスも可能、さらには上野駅や東京駅まで20分以内なので遠出する場合でも快適に移動していただくことができます。

 東京都内はもちろん、出張や旅行にも対応できる利便性は、都心に住む単身者には必須条件でもあり、交通の面でもこの「押上」は大きな魅力を持っていると言えるでしょう。

「押上」周辺の賃貸市場

 駅周辺の賃貸物件データをもとに、「押上」駅と23区の平均を比較すると、賃料相場では平米当たり約292円(20㎡で約5,840円)低いことがわかります。
一方、築年数の比較を見ると、「押上」は築年数の平均が7と、近年になってマンションの建設が増加してきたエリアであることが伺えます。

 重回帰分析により賃料の下落傾向を見ると、「押上」は築年による賃料下落率、徒歩分数による賃料下落率、ともに23区よりも低いことがわかります。古くから続く住宅街や住環境の良いエリアでよく見られる傾向です。

 また、標準偏差(賃料のばらつき)による割合も23区平均より低く、非常に安定した賃貸市場と判断できます。

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※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは2014 年3 月末日現在のデータです。重回帰分析は築10 ~ 30 年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。

押上と墨田区の居住者特性

 

 「押上」と墨田区の人口のうち、単身者世帯の割合をみると墨田区は44.78%、押上(徒歩15分圏内)で45.10%が単身者となっています。押上は古くから続く住宅街であり、また、墨田区には学校選択制度という小中高を選択できる制度があるため、ファミリー層も多い傾向にあると分析できます。

 また、押上エリア内の年齢構成をみると、全体的な傾向としては20歳~39歳の年齢帯が多く、男女比はほぼ半々。単身者からファミリー層、そして男性から女性まで、幅広い層に指示されているエリアであることが伺えます。

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REISM 管理物件 ― 2014 年11 月現在 ―

REISMでは墨田区でのリノベーション実績があります。

心和む下町に、ロフト(倉庫風)感満載のリノベーション空間が誕生。ブリックタイルが施されたシックな空間に仕上がっています。

リノベーションをすることにより賃料は約10%向上(弊社査定賃料比)。
非常に安定した賃貸経営を実現しています。

2014年11月現在の墨田区のリノベーション物件は上記1件のみですが、REISMでは今後も墨田区でリノベーションをしていく予定です。

空き家率が低下し、人口も増加している墨田区

 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2003年から5年の間に23区全体で約146千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。墨田区と周辺の区を見ると、各区によって借家数や空き家率の増減にばらつきがありますが、墨田区においては、供給にあたる借家数は伸びているにも関わらず、空家数は約9%減少しています。つまり供給以上に需要があることがデータからは読み取れます。

 数字上ではオーナーに有利な状況にも見えますが、もともとの総数が大きいので油断できません。とはいえ、高いニーズがある点はマンション経営を行う上でとても好ましいエリアであると考えられます。

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 エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。墨田区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。

 東京都の着工数は2011年、2012年、2013年と増加傾向を示していることから、墨田区の供給も2013年は増加すると予測できます。また、2014年には消費増税の影響で供給数の増加傾向は一旦落ち着くと予想され、市況は中古市場へとシフトしていくものと考えられます。

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 供給が増えて、需要がそれ以上に伸びている墨田区の需給バランスを見ると、人気物件は希少価値が高くなり、空室や家賃下落リスクは低くなることが期待できます。収益性という点でも魅力的なエリアといえますが、同じ情勢が続くかどうか、変化した場合にどう対応するかが将来の課題といえます。

《まとめ》

 

 2012年に東京スカイツリーの開業で一躍注目を浴びた「押上」ですが、もともと東京の下町として人気のエリアでした。古くからの町とあって、少し歩けば神社仏閣や老舗に出会うことができます。また、人情味溢れる商店街や墨田川など、下町ならではののんびりしたくなる魅力がこの町にはあります。

 交通面を見ても都営浅草線や東京メトロ半蔵門線など、計4線を利用可能と利便性の高く、需給バランスを見ても需要は非常に高いエリアです。今後の不動産価値においても安定した価値を保つことが期待できそうです。

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