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墨田区
曳舟
下町の情景と、再開発による新たな魅力が重なる街「曳舟」
「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。
「曳舟」エリアの特徴
- 明治~大正当時から残る下町の情景と、再開発による街の活性化
- ターミナル駅や空港などへのアクセスの良さ
- 賃貸市場は安定している一方、供給がやや多く、居住者ニーズを捕まえるかが求められるエリア
東武伊勢崎線「曳舟」駅 2017 年には駅ビルが竣工予定
「曳舟」は東京23区の北東部にある墨田区、「とうきょうスカイツリー」
駅の一つ隣に位置しています。
墨田区の東側は元々、1880年台から1920年代まで工業で発展してきた
地域です。曳舟は東京大空襲の被害が少なかったことから、現在でも
当時からの古い家屋と町工場残っており、下町の情景が色濃く残って
います。
近年になってからは地域住民の取り組みから、駅周辺の再開発や、
駅の高架化や道路の整備などが急ピッチに進められてきています。旭
化成不動産レジデンスの「マーク・ゼロワン曳舟タワー」を始め、昨年竣工
した「アトラスタワー曳舟」など。2017年には7階建ての駅ビルが竣工し、
白鬚橋病院が開院予定です。
東京の新しいランドマーク「スカイツリー」を眺めながら、下町らしい
商店街で買い物をする。そんな穏やかな生活を送ることができるのが
「曳舟」の魅力といえるでしょう。
鳩の街通り商店街にある自転車雑貨店
ユニークでお洒落なお店も下町ならでは
下町らしい町並みの隙間からはスカイツリーが望める
駅西側の再開発エリアは近代的な街並み。商店街も併設されていて生活にも便利
4 路線利用可能、ターミナル駅も近くでアクセス便利
「曳舟」駅は東武伊勢崎線、東武亀戸線の2線を利用することが
できます。直通運転をしている半蔵門線、「曳舟」から徒歩5分にある
京成押上線「京成曳舟」も含めると4線を利用可能です。
「大手町」や「渋谷」、「浅草」、「錦糸町」へは乗り換えなく行くことが
でき、「錦糸町」駅の交通も含めると新宿や千葉方面へのアクセスも
可能。さらには上野駅まで20分、東京駅まで25分、京成押上線を使えば
成田空港へのアクセスも便利なので、遠出する場合でも快適に移動
することができます。
東京都内はもちろん、出張や旅行にも対応できる利便性は、都心に
住む単身者には必須条件でもあり、交通の面でも「曳舟」は大きな
魅力を持っていると言えるでしょう。
「曳舟」周辺の賃貸市場
曳舟の賃貸市場を分析していきます。まず、賃料相場を23区平均と比較して
みましょう。
曳舟の賃料相場と23区平均の平米単価を比較すると、23区の3,339円/㎡に対し、
曳舟は3,058円/㎡と、23区よりやや安い賃料相場であることがわかります。
次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度
影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析
結果一覧」を見てみると、曳舟の単身者物件の月額賃料は「d. 切片」の53, 571円
からスタートし、徒歩1分ごとに「a. 徒歩」の140円ずつ値下がり、築年数1年ごとに
「b. 築年」の506円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c. 面積」の1, 081円ずつ値上がる
ことがわかります。
相対的に比較するため、「b.築年」と「d.切片」の割合を築年による減価率と定義
して23区と比較すると、曳舟は築年による賃料の下落が小さく、安定した市場で
あるといえます。
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは2014 年3 月末日現在のデータです。重回帰分析は築10 ~ 30 年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。
「曳舟」の居住者特性
「曳舟」の居住者特性を、東京都と「曳舟」のある「墨田区」と比較をしてみると、
東京都で45.71%、墨田区で44.78%、曳舟で37.96%と、単身者の割合はやや少ない
エリアです。
男女比率の比較を見てみると、男女による差はほぼ見られません。一方、年齢構成比
を見ると、40-59歳の年齢帯割合が東京都よりもよりやや多いことがわかります。
子育てのしやすい街を目指している墨田区ならではの居住者特性といえるでしょう。
REISM 管理物件 ― 2016 月1 月現在 ―
REISMでは曳舟エリアでのリノベーション実績があります。
新名所である東京スカイツリーから程近い場所に位置する「Hondana 014 向島」。西側には
隅田川、浅草と昔ながらの下町風情が漂よう人気エリアです。本はもちろん、お気に入りの小物
や洋服などを陳列して東京ライフを満喫していただいています。
リノベーションをすることにより賃料は約14%向上(弊社査定賃料比)。
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借家数(供給)、人口(需要)ともに伸びる墨田区
「曳舟」駅の所在する墨田区は東京23区のやや北東側に位置しています。「両国」や
「押上」などの下町が多く、全国的に有名な「東京スカイツリー」も墨田区に存します。
住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体
で約190千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も
5年の間で全体的に増えています。墨田区を見てみると、供給にあたる借家数は5年
の間に約21.5%増えているのに対し、空き家数は約89.0% 増えています。賃貸住宅
の供給が高まるなかで、いかに居住者のニーズを捕まえるかが求められるエリアと
いえます。
エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。墨田区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。
東京都および墨田区の着工数は2011年、2012年と増加傾向にあるものの、2013年、
2014年には増加傾向が緩やかになっており、墨田区の供給も2014年は若干の
増加に収まると推測されます。また、消費増税の影響で供給数の増加傾向は一旦
落ち着くと予想され、市況は中古市場へとシフトしていくものと考えられます。
墨田区は人口推移も年々伸びており、曳舟においては再開発による街の活性化で、不動産価値にも価格下落率の低下など良い影響が期待できます。
《まとめ》
「曳舟」は現在でも明治~大正時代からの古い家屋と町工場残っており、下町の情景が色濃く残ったエリアです。近年になってからは地域住民の取り組みから、駅周辺の再開発や、駅の高架化や道路の整備などが急ピッチに進められてきています。旭化成不動産レジデンスの「マーク・ゼロワン曳舟タワー」を始め、昨年竣工した「アトラスタワー曳舟」など。
2017年には7階建ての駅ビルが竣工予定で、街の活性化が期待できます。
交通面を見ても東武伊勢崎線、亀戸線の他、直通運転の半蔵門線、徒
歩圏内の京成押上線の計4線を利用可能と、利便性の高いエリアです。
賃貸市場は築年による賃料の減少傾向が非常に小さく落ち着いており、
安定した賃貸市場といえます。一方、市場の需要と供給に目を向けると
供給の方が多い傾向があり、いかに居住者のニーズを捕まえるかが求め
られるエリアといえます。