豊島区

時代に流されない昭和レトロでモダンな街「大塚」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「大塚」エリアの特徴

  • 昔ながらの商店街と住環境の良い落ち着いた街並み
  • 山手線を利用できるため、都内各地への素早いアクセスが可能
  • 賃貸市場は安定している一方、供給がやや多く、居住者ニーズを捕まえるかが求められるエリア

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喧騒から離れた落ち着いた雰囲気の「大塚」駅前

 

 「大塚」は東京23区の西北部「豊島区」に位置しています。

 

 「大塚」は隣駅の「池袋」や「巣鴨」と比べるとあまりメジャーな駅では
ありませんが、その歴史は深く、戦前は三業地帯として池袋より栄えていました。駅の南北に広がる商店街には今でもその名残が残っており、中小の個人商店が多く見られます。

駅周辺の商店街は規模はさほど大きくはなく、駅から少し歩くと閑静な住宅街になっていきます。都内唯一の路面電車「都電荒川線」も走っており、町全体にゆったりとした下町情緒が溢れています。

 近年では開発も盛んに行われており、新たな商業施設や新しいマンションも目立ってきました。2013年9月に駅ビル「アトレヴィ大塚」が開業したことも記憶に新しいです。

 駅周辺で普段の買い物を済ませられる利便性と、喧騒から離れた住みやすさは大塚の大きな魅力といえるでしょう。

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都内唯一の路面電車「都電荒川線」

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商店街には個人経営の飲食店が多く、日常生活に必要なものも揃う

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駅周辺では今もマンション開発が行われている

JR 山手線と東京メトロ丸ノ内線でターミナル駅へのアクセスも良好!

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 「大塚」駅は山手線の中でも乗降客数が下から6番目と多くはなく、駅構内の混雑も少なく落ち着いた駅ですが、「池袋」まで1駅3分、「新宿」まで5駅12分とターミナル駅までのアクセスが非常に便利です。

 また、山手線の他にも都内で現存する唯一の路面電車 都電荒川線と、徒歩圏内に東京メトロ丸ノ内線「新大塚」駅があります。

 都電荒川線は早稲田から台東区「三ノ輪駅」までを結んでおり、丸の内線は池袋駅から東京駅を経て新宿駅まで山手線の内側をU字形に走行し、そのまま東京の西側「荻窪」方面までを結びます。

 「大塚」は都心部をぐるりと一周する山手線と、山手線の内側を通る丸ノ内線を使い分けることができ、快適な都心生活を送ることのできる利便性を持っています。

「大塚」周辺の賃貸市場

 大塚の賃貸市場を分析していきます。まず、賃料相場を23区平均と比較して
みましょう。

 大塚の賃料相場と23区平均の平米単価を比較すると、23区の3,339円/㎡に
対し、大塚は3,418円/㎡と、23区よりやや高い賃料相場であることがわかります。 次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧」を見てみると、大塚の単身者物件の月額賃料は「d. 切片」の51,359円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の710円ずつ値下がり、築年数1年ごとに「b.築年」の695円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の1,974円
ずつ値上がることがわかります。

 「賃料に対する影響割合の比較」から大塚駅の傾向を分析すると、大塚駅は
築年による影響は23区と同水準であり、賃料のばらつきが大きいことからリノ
ベーション感応度が高く、賃料改善が見込めるエリアと分析できます。

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※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは2014 年3 月末日現在のデータです。重回帰分析は築10 ~ 30年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。

「大塚」の居住者特性

 

「大塚」の居住者特性を、東京都と「大塚」と比較をしてみると、単身者比率は東京都で45.71%、大塚で56.36%とやや多い割合です。

男女比率の比較を見てみると、男女とも約50%と割合 は変わりません。一方、年齢構成比を見てみると、23区と比較して20-59歳の年齢帯の割合が多いエリアであることがわかります。

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REISM 管理物件 ― 2016 月4 月現在 ―

REISMでは大塚エリアでのリノベーション実績があります。

パッチワーク調の壁とコンクリの組み合わせが絶妙なAnti。部屋をグレイシュなトーンでまとめ上げたので、 レトロな街並みが残る大塚になじむどこか柔らかな空間のアンティーク部屋です。

リノベーションをすることにより賃料は約19%向上(弊社査定賃料比)。

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借家数、空家数ともに増加している「豊島区」

 「大塚」駅の所在する豊島区は東京23区の北西部に位置しています。「池袋」のような華やかな繁華街や、下町情緒溢れるおばあちゃんの原宿「巣鴨」、そして高級住宅地として有名な「目白」など、様々な特性の街が点在しています。

 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、23区全体で2008年から5年の間に約190千戸の賃貸物件が増え、「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。豊島区を見てみると、供給にあたる借家数は5年の間に16.2%増加し、空き家数は52.6%増加しています。

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 エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関して
いることがグラフから読み取ることができます。豊島区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。豊島区の着工数も2006年以降、低い水準で抑えられており、2014年の供給も比較的低い水準に収まると推測されます。

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 大塚駅は近年になってマンション開発が進んできたエリアであり、流入人口の増加が期待できるエリアでもあります。2014年までの人口推移を見ても年々伸びていることから、儒給バランスの回復により不動産価値にも価格下落率の低下など良い影響が期待できます。

《まとめ》

 「大塚」は東京23区の西北部「豊島区」に位置しています。「大塚」
の歴史は深く、太平洋戦争前までは三業地帯として池袋より栄えていました。駅の南北に広がる商店街には今でもその名残が残っており、周辺には中小商店が多く普段の買い物に困ることはありません。繁華街のような華やかさはありませんが、喧騒から離れた静かな住環境は、落ち着いた環境が好きな方から支持されています。

 不動産市場をみると、築年による賃料下落率は安定していますが、近年の開発の影響により賃料のばらつきがやや大きくなっています。開発で供給が増える中、希少性・競争力のある物件であるかどうかを見極めるため、しっかりとした分析力が必要になるエリアです。

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