品川区

大型商業施設や魅力的な飲食店街。庶民的で利便性の高い「大井町」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「大井町」エリアの特徴

  • 大型商業施設、公共施設、飲食店街がそろう品川区の拠点
  • 3駅3線、バス網を利用できる交通利便性の高さ
  • 単身者需要が高く、安定した傾向の期待できる不動産市場

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アトレが併設された大井町駅

 エリアレポートVol.76では「大井町」駅をご紹介いたします。

 「大井町」駅は大井町線、りんかい線、京浜東北線の3線が利用可能です。23区の品川区に位置しており、駅前には大規模商業施設、区役所などの公共施設、魅力的な飲食店街などが広がっていて、人口集積の高いエリアとして品川区の拠点となっています。

 大井町駅周辺には商業施設が集積しています。駅ビルアトレを始め、西側のロータリー沿いにはイトーヨーカ堂、南側にはホテルや百貨店などが入る阪急大井町ガーデン。線路を挟んで反対の東側には大型家電量販店ヤマダ電機と区の総合区民会館きゅりあんがあります。また、東口に隣接している長い大井町銀座商店街の通りには各種コンビニ、ラーメン店、銀行、服飾店、クリーニング店、飲食店など生活に不可欠で便利な店舗が集まっています。これらが駅周辺にコンパクトにまとまっているため、日用品から買回品まで日々の買い物には事欠かないでしょう。

 線路沿いから東側にかけては東小路、平和小路という飲食店街が広がっています。駅前の近代的な雰囲気とは打って変わって、細い通りの両側に赤提灯の小さな店舗が並びます。規模は小さいながらも知る人ぞ知る店なども潜んでおり、昼は近隣の会社員がランチに、提灯が灯る頃には仕事帰りの人たちで賑わいます。

 その他にも品川区役所などの公共施設や、ミュージカルファンにはたまらない劇団四季シアター劇場[夏]、ガード下の専門店街など、大井町は多彩な魅力で溢れています。

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ホテルや百貨店などが入る阪急大井町ガーデン

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レトロな飲食店の集まる「東小路飲食店街」

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専門店や飲み屋小路などが並ぶガード下

都心も郊外も、アクセスを便利にする複数の路線網

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 品川区のほぼ中央に位置する「大井町」駅は東急大井町線とりんかい線、京浜東北線の3線が利用可能です。

 りんかい線を使えるのでJR山手線「大崎」駅へ出てしまえば都内各地へのアクセスの良さはもちろんのこと、東京テレポート・国際展示場・新木場などの湾岸エリア方面へのアクセスも可能です。また、りんかい線直通のJR埼京線を利用することで、池袋、新宿、渋谷へも乗り換えなしで行くことができます。
 京浜東北線は埼玉方面から神奈川方面を結ぶ、いわゆる「南北縦貫路線」であり、都心の主要な通勤路線の一つです。「品川」まで出てしまえば新幹線の利用や羽田空港へのアクセスも短時間で可能なので、出張などで遠方に行かれる方にもうってつけの駅と言えるでしょう。
 大井町線は大井町駅から神奈川県の溝の口駅を結び、一部の電車は鷺沼、長津田まで直通しています。

 このように大井町は都心も郊外も自在に行き来でき、交通利便性の高い駅です。この利便性の高さも単身者需要の高い理由の一つでしょう。

「大井町」駅周辺の賃貸市場

 大井町駅の賃貸市場を分析していきます。まずは賃料相場と築年数の比較です。23区平均と比較すると、賃料相場は23区の3,339円/㎡に対し、大井町は3,351円/㎡です。一方、賃料相場の最頻値は3,573円/㎡とやや高く、築浅の物件が市場を押し上げていますが、交通や駅周辺の利便性から考えると割安感のあるエリアといえます。

 次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧」を見てみると、大井町駅の単身者物件の月額賃料は「d.切片」の52,695円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の292円ずつ、築年数1年ごとに「b.築年」の771円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の1,931円ずつ値上がることがわかります。

 「賃料に対する影響割合の比較」から大井町駅の賃貸市場の傾向を分析すると、築年による賃料下落「b.築年/d.切片」は平均的です。一方、賃料のばらつき(市場の幅)を表す「e.標準偏差/d.切片」は23区よりも高く、リノベーションでの賃料改善効果の期待できる市場です。

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※リズムマンションDBより作成(データは2014年3月末日現在のデータです。)
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※重回帰分析は築10~30年、16㎡以上30㎡未満の物件から算出しています。

「大井町」の居住者特性

 「大井町」の居住者特性を見ていきます。まずは単身者世帯の比較です。

 東京都ならびに品川区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で約47%、品川区で約55%と、東京都と比較して単身者の多いエリアです。大井町も単身者割合は多く約57%です。2010年には約54%だった単身者割合が2015年には約57%と、数・割合ともに増加しています。

 次に対象エリア内の居住者の年齢構成をみると30代と40代が多く、全体の35%を占めます。大井町は昼間人口の多いエリアですが、夜間人口(居住人口)も高いエリアです。”住みたい街”として若い単身者からの需要が高いことが年齢構成比からも読み取ることができます。

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REISM 管理物件 ― 2017月11月現在 ―

 REISMでは大井町エリアでのリノベーション実績があります。

 飲み屋小路やガード下の専門店街など、庶民的な雰囲気も味わえ、運河や公園など自然も身近に感じられる「大井町」に憩いのリノベーション賃貸「forRest」。エイジング感漂う古材柱を木立のように並べた壁面には、収納スペースをレイアウト。キッチンも組み込まれた互い違いの戸棚で、料理したりTVを置いたり。居室のちょっとした鏡台も嬉しいポイントです。

 リノベーションをすることにより賃料は約16%向上(リズム査定/平米賃料比)

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借家数(供給)、人口(需要)ともに伸びる品川区

 「大井町」駅の所在する品川区は東京23区の南西部に位置し、「五反田」「大崎」の再開発エリア、「武蔵小山」「戸越銀座」のような商店街、「御殿山」「池田山」に代表される高級住宅街など様々な特徴の街が集積しています。

 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で約190千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。品川区を見てみると、供給にあたる借家数は5年の間に約7.4%増えているのに対し、空き家数は約48.9% 増えています。賃貸住宅の供給が高まるなかで、いかに居住者のニーズを捕まえるかが求められるエリアといえます。

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 エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。品川区の供給傾向も東京都や 23区の増減と似たような動きを見せおり、2000年頃から着工数の増加が見られ、 2006年以降は低い水準で抑えられていることがわかります。2009年以降はまた増加傾向がうかがえ、2015年も東京都と同じく増加傾向と予測できます。
 大井町においては、大規模な新規住宅供給や駅周辺の開発余地が少なく、区全体に比べて伸び率は低いことが予想されます。

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 人口の推移を見てみると、品川区の人口は年々増加していることがわかります。東京都によると品川区の人口は2030年以降に徐々に減少を始めますが、2040年の段階でも2005年人口比で約120%と高い水準を保っています。また、品川区の単身者数も2035年まで増加傾向と予測されています。
 大井町は品川区の中でも人口集積があり、拠点性の高いエリアです。大井町駅周辺地区まちづくり構想も策定されており、今後も品川区の拠点として単身者需要は安定した傾向が期待できるでしょう。

《まとめ》

 「大井町」駅は23区の品川区に位置しており、駅前には大規模商業施設、区役所などの公共施設、魅力的な飲食店街などが広がっていて、人口集積の高いエリアとして品川区の拠点となっています。生活利便性は非常に高いエリアといえます。
 また、都心の主要な通勤路線の一つである京浜東北線、埼京線直通のりんかい線、神奈川方面へのアクセスが良い大井町線が利用できることから、交通利便性は抜群です。

 不動産市場に目を向けると、築年による賃料下落は23区と同水準と安定した傾向が見られます。また、賃料のばらつき(標準偏差)の割合は高く、リノベーションでの賃料改善効果の期待できる市場といえます。総人口の増加や単身者世帯の増加の期待できる市場から、今後も不動産価値において安定した傾向が期待できます。

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