世田谷区

緑と歴史と、人に寄り添う優しい街「松陰神社」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「松陰神社前」エリアの特徴
  • 新旧が調和したゆったりとした空気感の商店街
  • 幕末の思想家・教育者である「吉田松陰」を祀った松陰神社
  • 賃料相場の幅が大きく、リノベーション効果の期待できる賃貸市場

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世田谷の住宅街をゆったりと走る路面電車

 エリアレポートVol.88では「松陰神社前」駅をご紹介いたします。

 「松陰神社前」は東京23区の南西部 世田谷区に位置しています。東急世田谷線で三軒茶屋から4駅目。駅名にもなっている幕末の思想家・教育者である吉田松陰を祀った松陰神社があり、学問の神として崇敬を受け、毎日多くの参拝者が訪れています。

 駅前には世田谷線沿線らしい日々の買い物や休日の散策にちょうど良い商店街が広がっています。昔から松陰神社前にある人気のパン屋、薬局、精米店、おでん屋、写真館など。大型スーパーや銀行、チェーンの飲食店のある繁華街のような華やかさはなくとも、暮らしの中でしみじみと良さを感じられる商店街です。そんな懐かしさを感じさせる商店街の中にアートや写真集を扱う古書店、雑貨屋、隠れ家的な小さなバーやカフェなどの新しいお店も多く見られ、街に賑わいを添えてくれます。
 その新旧入り混じった優しい雰囲気が、人に寄り添うような、松陰神社前のゆったりとした空気感を醸成しています。また、世田谷区役所や税務署の最寄り駅のため、公的な手続き等に便利なのも嬉しいポイントです。

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幕末の思想家・教育者である吉田松陰を祀った松陰神社

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懐かしい商店街の中にある新しい古書店

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タイムスリップしたかのような雰囲気のトタン板のアーケード街

田園都市線とバスでアクセス性の高さも魅力

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 「松陰神社前」は三軒茶屋駅と下高井戸駅間の10駅を結ぶ東急世田谷線が通っています。都内では珍しい路面電車で、沿線の街にはレトロなお店や歴史ある寺社などのスポットがたくさんあり、住環境の良さが人気の路線です。

 交通利便性を見てみると、レトロでおしゃれな街として人気の「三軒茶屋」まで3駅5分とすぐ。「三軒茶屋」からは都心へのアクセス性の高い田園都市線が通っており、「渋谷」駅まで2駅(急行なら1駅)で着くことができるアクセス性の高さが魅力です。さらに田園都市線は、東京メトロ半蔵門線と相互乗り入れ運行をしているので、田園都市線から乗り換えなして「永田町」「九段下」「大手町」などオフィスエリアにアクセスすることができます。

 また、世田谷通り沿いには東急バスと小田急バスが走っており、田園調布駅や五反田駅、渋谷駅にも行きやすいので、徒歩や自転車で行きにくいエリアへも気軽にアクセスできます。

「松陰神社前」駅周辺の賃貸市場

 松陰神社前駅の賃貸市場を分析していきます。まずは賃料相場と築年数の比較です。23区平均と比較すると、賃料相場は23区の3,339円/㎡に対し、松陰神社前は3,243円/㎡。都心からはやや離れており平均的な賃料ですが、近年になって新しい世代の流入が増えており、不動産市場にも良い影響が期待できます。

 次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧」を見てみると、松陰神社前駅の単身者物件の月額賃料は「d.切片」の45,549と円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の777円ずつ値上がり、築年数1年ごとに「b.築年」の741円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の1,899円ずつ値上がることがわかります。

 「賃料に対する影響割合の比較」から松陰神社前駅の賃貸市場の傾向を分析すると、松陰神社前は築年による賃料下落「b.築年/d.切片」、標準偏差の割合「e.標準偏差/d.切片」のすべて23区平均よりもやや高いことがわかります。また、徒歩による影響はプラスと出ており、隣駅の影響が大きく出ていることが伺えます。リノベーションによる賃料の改善効果が期待できる市場です。

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※リズムマンションDBより作成(データは2015年12月末日現在のデータです。)
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※重回帰分析は築10~30年、16㎡以上30㎡未満の物件から算出しています。

「松陰神社前」の居住者特性

 松陰神社前の居住者特性を見ていきます。まずは単身者世帯の比較です。

 東京都ならびに世田谷区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で約47%、世田谷区で約50%です。松陰神社前の単身者世帯の割合を見てみると55%。家族世帯の多い世田谷区の中でも、単身者世帯の多いエリアです。2010年からの推移を見ると、数としては1,000人ほど増加しており、その半数が単身者世帯です。

 対象エリア内の居住者の年齢構成をみると男女ともに20~40代までの割合が高く、この年代で50%以上を占めています。ファミリー層にも単身者層にも人気が高いことが数値からも読み取れます。

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REISM 管理物件 ― 2018月11月現在 ―

 REISMでは松陰神社前エリアでのリノベーション実績があります。

 2面の窓から自然光が心地よく入る室内に、本格派なステンレスキッチンとオリジナルカウンターがまるでお気に入りのカフェのように映える空間です。オーク材のフローリングや大ぶりのペンダントライトが空間を盛り上げる室内には、ブラックの扉やネイビーのアクセントウォールをポイントに。タイルをあしらったワイドなパウダールームやルーバー扉つきのクローゼットなど使い勝手も良好です。

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借家数(供給)、人口(需要)ともに伸びる世田谷区

 松陰神社前駅の所在する世田谷区は東京23区の南西部に位置し、都区の中では都心からは遠い場所にあります。「成城」に代表される閑静な住宅街や、「シモキタ(下北沢)」「サンチャ(三軒茶屋)」「ニコタマ(二子玉川)」など世代を超えて人々を魅力するエリアが多いのが特徴です。

 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で約190千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。世田谷区を見てみると、供給にあたる借家数は5年の間に約7.9%減っているのに対し、空き家数は約38.3% 増えています。賃貸住宅の供給が高まるなかで、いかに居住者のニーズを捕まえるかが求められるエリアといえます。

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 エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。世田谷区の供給傾向も東京都や 23区の増減と似たような動きを見せおり、2000年頃から着工数の増加し、 2006年以降は低い水準で抑えられていることがわかります。2009年以降はまた増加傾向がうかがえ、2016年も東京都と同じく増加傾向と予測できます。

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 人口の推移を見てみると、世田谷区の人口は年々増加していることがわかります。
 東京都によると世田谷区の人口は2025年以降に徐々に減少を始めますが、2040年の段階でも2005年人口比で約106%と高い水準を保っています。
 一方、世田谷区の単身者数は2035年まで増加傾向と予測されており、松陰神社前も2010年から単身者数は増加しています。
 大きな開発は予定されていないため、劇的な増加は期待できませんが、大きく変動する可能性の少ないエリアと推測できます。

《まとめ》

「松陰神社前」は東京23区の南西部 世田谷区、東急世田谷線で三軒茶屋から4駅目。駅名にもなっている幕末の思想家・教育者である吉田松陰を祀った松陰神社があり、学問の神として崇敬を受け、毎日多くの参拝者が訪れています。駅前には世田谷線沿線らしい日々の買い物や休日の散策にちょうど良い商店街が広がっています。新旧入り混じった優しい雰囲気が、人に寄り添うような、松陰神社前のゆったりとした空気感を醸成しています。
 賃貸市場に目を向けると、築年による賃料下落「b.築年/d.切片」、標準偏差の割合「e.標準偏差/d.切片」が23区平均よりもやや高く、リノベーションによる賃料向上の効果が期待できる市場です。
 世田谷区の単身者数は2035年まで増加傾向と予測されています。松陰神社前の単身者数も2010年から増加しており、大きく変動する可能性の少ないエリアと推測できます。

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