杉並区

新旧の文化が共存するまち「高円寺」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「高円寺」エリアの特徴

  • 活気ある商店街による生活利便性の高さ
  • ターミナル駅「新宿」、都心方面へのアクセスの良さ
  • 単身者世帯が多く、賃料相場の安定した賃貸市場

 

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駅北口を出るとすぐ目に入る「高円寺純情商店街」

中央線・総武線が通る「高円寺」は東京の西側、杉並区に位置しています。駅前には商店街が広がっており、小説の題材にもなった高円寺純情商店街をはじめ、5つの商店街が連なり、大きな商店街群を形成しています。商店街の中には八百屋や魚屋、肉屋などが並び、日々の生活品を求める買い物客で常に賑わっており、戦前から続いている商店街のため、昔ながらの商店街のカタチがそのまま残っている珍しい街であると言えます。一方で、古着屋やライブハウスなどの、若者向けのカルチャーも街のいたるところで存在感を見せ、休日になると多くの若者で賑わうことから、年代問わず多方面から多くの人を集める要素を持った街であるといえるでしょう。

駅から少し歩けば、駅前の賑やかさからは想像できないほど閑静な住宅街が広がっており、ファミリー層が住む戸建て住宅から単身者向けのマンションなども建ち並んだ穏やかな住環境を形成しています。このように、賑やかさと落ち着いた住環境の両方を併せ持つ高円寺は、学生やビジネスマンなどの、都心で暮らす多くの単身者から根強い支持を得つづけている、魅力的な街であると言えます。

高円寺レポート_02街の至る所には若者向けの古着屋が

高円寺レポート_03商店街は多くの買い物客で賑わう

高円寺レポート_04JR高円寺駅の様子(南口)

多方面への選択肢が多く、アクセス良好!

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「高円寺」駅からは、乗り入れ路線を含めると3路線(JR中央線・総武線・東京メトロ東西線)を利用することができます。JR線を利用することで「新宿」へ一本、「池袋」や「渋谷」などのオフィス・ショッピングエリアにも15分前後でアクセスできます。加えて、「中野」駅から乗り入れている東京メトロ東西線を利用することで、「東京」「日本橋」といったオフィス街にもダイレクトでアクセスすることが可能です。

また、「高円寺」は毎年住んでみてよかった街ランキング* にランクインしており、その理由として“アクセスの良さ”が最も多く挙げられていることから、居住者の充実したライフスタイルを演出する環境が整っていることがわかります。

このように多方面への行選択肢が多く充実した住環境が揃う「高円寺」は、学生やビジネスマンをはじめとする都会で暮らす単身者から絶大な人気を得ています。

※住んでみてよかった街ランキング…SUUMO調べ 住んでみて良かった街 関東編

「高円寺」駅周辺の賃貸市場

駅周辺の賃貸物件データをもとに、「高円寺」駅と23 区平均のデータを比較すると、賃料相場では平米当たり約81 円(20 ㎡で約1,620 円)高いことが分かります。

また、重回帰分析により賃料の下落傾向を見ると、「高円寺」は都心に近く、小規模商店の充実している利便性の高いエリアであるにも関わらず、賃料下落傾向は23 区平均より低く、緩やかな傾向であることがわかります。標準偏差による割合をみると、23 区平均より高いため、賃料設定の許容幅が大きく、リノベーション物件によるバリューアップにより高い賃料設定が可能なエリアということができます。

一方で徒歩分数による賃料の下落傾向は東京23 区平均に比べ強い傾向があり、徒歩10 分以上の賃貸物件は賃貸競争力は著しく落ちる地域と想定されます。

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※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは 築10~30年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。

杉並区と高円寺周辺の入居者の特徴

東京都ならびに杉並区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で45.71% に対して、杉並区は56.46% と比較的高いことがわかります。対象エリアとなる丁目(高円寺南1 丁目、2 丁目等)における単身世帯の割合をみてみると68.67% となっており、区全体の傾向とよりも高い、約7 割が単身者ということがわかります。また、対象エリア内の居住者の年齢構成をみると、20 ~ 39 歳の割合が34.8% と最も高く、約半数を40 歳未満が占めていることから、比較的若い世代の割合が多い傾向となっています。

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販売・管理物件の入居者傾向(2013年1月現在)

都内の好立地の中古マンションを投資向けに販売し、賃貸管理を行っています。
「高円寺」エリアでも、駅周辺の投資用賃貸マンションの販売・管理物件があり、リノベーション実績もあります。

実際に住んでいる方々の傾向をみると、前項の居住者傾向と同じく20~39歳の割合が最も高く、全体の約5割以上を占めており、新宿や中央線・中央総武線沿線の企業に通勤されている方が半数以上と多く見受けられました。

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借家数(供給)、人口(需要)ともに伸びる杉並区

住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2003 年から5 年の間に23 区全体で約146 千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5 年の間で全体的に増えています。杉並区と周辺の世田谷区・中野区・練馬区を見ると、各区によって借家数や空き家率の増減にばらつきがありますが、杉並区においては、供給にあたる借家数は5 年の間に約14.3%、空き家数は4.6% 増えています。賃貸住宅の供給が高まるなかで、いかに居住者のニーズを捕まえるかが求められるエリアといえます。

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エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23 区の増減は相関がみられます。一方で杉並区の供給傾向は大きな増減の変化は見られず、2000 年から2008 年まで年平均3,000 戸前後の供給が続いています。全体的な傾向として、2003 年と2006 年で比較的多く着工している一方、東京都全体は2009 年、2010 年と連続して過去10 年間での最小着工数であることから、杉並区の供給も2011 年は比較的低い状況であると予測できます。
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今後供給が減る傾向のなかで、杉並区の人口推移は年々伸びていることから、需給バランスの回復により、不動産価値にも価格下落率の低下など好い影響が期待できます。

《まとめ》

高円寺の魅力はなんといっても駅を中心に南北に広がる商店街。若者向けの衣料品(古着屋)、雑貨店、飲食店、ライブハウスなど、多数の小規模商店が林立して商店街が発展していることが特徴です。高円寺だけで衣・食・住と生活に必要なコンテンツが詰まった魅力的な街です。また、交通環境においても中央線・中央総武線が使えるため、「新宿」までおよそ10 分、「東京」へも快速で20 分と素早いアクセスが可能です。

都心方面へ素早くアクセスでき、その個性的な商店街から学生や若いサラリーマンに人気があり、不動産価格・賃料において安定した価値を保つことが期待できそうです。

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