千代田区

政治や司法機関の中枢が集まる「半蔵門」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

 

「半蔵門」エリアの特徴
  • 皇居、最高裁判所、大使館などの司法・政治機関が多く所在
  • 国の重要機関が集まるため、治安の良さはトップクラス!
  • リノベーション需要感度の高く、人口増加も見込める市場

 

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東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅

 エリアレポートVol.91では「半蔵門」駅をご紹介いたします。

「半蔵門」駅は東京の中心、千代田区に位置しています。皇居にある門の一つである半蔵門が駅名の由来であり、半蔵門線も半蔵門駅から名称がつけられました。

半蔵門エリアは基本的にはオフィス街。東京の中心というだけあり、駅周辺に大使館や最高裁判所、皇居などの司法・政治機関の集まっているエリアです。皇居のお濠ではランニングを楽しむ人たちが汗を流しています。国の重要機関が集まっているだけあって治安は良く、夜も静かな環境です。日本舞踊や歌舞伎が演じられる「国立演劇上」や博物館、ギャラリーも点在しており、文化的な側面も併せ持ちます。

半蔵門はオフィス街ではありますが、飲食店はほどよく点在しており、食事に困ることはありません。コンビニやファストフード店、深夜まで営業しているスーパーもあるため、働いて夜遅くなることがあっても安心です。高級住宅街として有名な番町エリアも半蔵門駅からすぐにあります。明治時代から作家や文化人が暮らし、現在でも風格を感じさせてくれる街並みは都内有数の高級住宅地として知られています。

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駅名の由来にもなっている皇居の半蔵門

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皇居周りのお濠はランニングのメッカとなっている

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司法の最高機関「最高裁判所」

通勤に便利な半蔵門線!都内のありとあらゆるところへ!

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 「半蔵門」駅は東京メトロ半蔵門線が通っています。半蔵門駅は他線と連絡していませんが、有楽町線「麹町」駅やJR中央総武線「市ヶ谷」駅が徒歩圏内にあり、複数路線を利用することができる立地です。

半蔵門線は田園都市線直通の通勤路線として機能しており、「渋谷」から「押上」までを結びます。渋谷駅、表参道駅などのショッピングに最適なエリアの他、国会議事堂や最高裁判所が立地する永田町駅、有数のビジネス街である大手町駅などがあります。また、半蔵門線は全14駅中13駅が他線へ連絡しており、他路線へ乗り継ぐにも便利な線です。徒歩圏内のJR中央総武線「市ヶ谷」を使えば東西へ、有楽町線を使えば池袋方面から月島方面へもアクセスが容易です。また、山手線の中心という立地だけあって、自動車での移動も非常に便利で、新宿や銀座、六本木まで15分ほどです。

都内の多方面に簡単にアクセスできる「半蔵門」は、交通面でも人気の高いエリアとなっています。

「半蔵門」駅周辺の賃貸市場

半蔵門駅の賃貸市場を分析していきます。まずは賃料相場と築年数の比較です。23区平均と比較すると、賃料相場は23区の3,339円/㎡に対し、半蔵門は4,161円/㎡。半蔵門エリアは千代田区というだけあって賃料相場が高めなエリアです。「築年別 平米単価の分布」を見ると、築浅に対する需要が高く新しい物件は賃料が高くなっています。そのため、築20年ぐらいまでは賃料の下落が大きく出ています。一方、築古物件は賃料相場がやや抑えめになっていますが、築20年から築50年まで安定した推移をしています。

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 次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧」を見てみると、半蔵門駅の単身者物件の月額賃料は「d.切片」の74,706と円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の1,065円ずつ値下がり、築年数1年ごとに「b.築年」の2,930円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の3,570円ずつ値上がることがわかります。面積の影響が非常に高く、面積を重視する人が多いことが伺えます。

「賃料に対する影響割合の比較」から半蔵門駅の賃貸市場の傾向を分析すると、半蔵門は築年による影響割合「b.築年/d.切片」と、標準偏差の割合「e.標準偏差/d.切片」が非常に高く出ています。市場の賃料の許容量の高さ=賃料の改善可能性と考えると、リノベーションによる賃料の改善効果が期待できる市場です。

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※リズムマンションDBより作成(データは2015年12月末日現在のデータです。)
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※重回帰分析は築10~30年、16㎡以上30㎡未満の物件から算出しています。

「半蔵門」の居住者特性

半蔵門の居住者特性を見ていきます。まずは単身者世帯の比較です。

東京都ならびに千代田区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で約47%、千代田区で約59%です。半蔵門の単身者世帯の割合を見てみると49%と単身者世帯は23区と同水準です。2010年からの人口推移を見ると、数としては2,600人弱増加しており、そのうちの6割以上が単身者です。

対象エリア内の居住者の年齢構成は、都心のオフィス街で賃料相場の高さもあり男女ともにやや高め。中でも40~50代の割合が高く、この年代で全体の35%近くを占めています。次いで30代が多く全体の15%で、40~50代と合わせると50%を占めています。利便性と落ち着いた住環境を求める層からの支持が高いエリアであることがわかります。

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REISM 管理物件 ― 2019月2月現在 ―

 REISMでは半蔵門エリアでのリノベーション実績があります。

壁一面に味わい深いブリックタイルをあしらった空間。むき出しにされたコンクリートの柱や天井がインパクト抜群な室内に、落ち着いた無垢のオーク材床とホワイトのブリックタイルが程よいこなれ感を醸し出します。

その他の近隣エリアのリノベーション物件はコチラから

<半蔵門でのリノベーション物件>
Brick 053 半蔵門
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借家数(供給)、人口(需要)ともに伸びる千代田区

「半蔵門」駅は東京の中心、千代田区に位置しています。千代田区には政府機関が多く集まり、それに隣接する形でオフィス街が建設され、大手企業の本社が多数立地しています。

住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で約146千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。「飯田橋」という地名のある千代田区を見てみると、供給にあたる借家数は33%伸びているにも関わらず、空家数は約53%減少しており、千代田区は需要の高いエリアといえます。

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エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。千代田区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せおり、2000年頃から着工数の増加が見られ、2006年以降は低い水準で抑えられていることがわかります。2009年以降はまた増加傾向がうかがえ、2016年以降も東京都と同じく増加傾向と予測できます。

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人口の推移を見てみると、千代田区の人口は年々増加していることがわかります。東京都によると千代田区は人口総数、単身世帯数ともに2035年まで増加傾向と予測されています。人口の増加=需要の増加と考えると、人口増加は不動産に良い影響を与えます。
半蔵門においても単身者数は増加しており、安定した不動産経営をすることができるエリアといえます。

《まとめ》

「半蔵門」駅は東京の中心、千代田区に位置しています。半蔵門エリアは基本的にはオフィス街。東京の中心というだけあり、駅周辺に大使館や最高裁判所、皇居などの司法・政治機関の集まっているエリアです。国の重要機関が集まっているだけあって治安は良く、夜も静かな環境です。日本舞踊や歌舞伎が演じられる「国立演劇上」や博物館、ギャラリーも点在しており、文化的な側面も併せ持ちます。

賃貸市場に目を向けると、高い賃料相場と、高いリノベーション需要感度(賃料の幅=標準偏差)があり、リノベーションに向いている市場です。人口も増加傾向があり、2010年から2015年の単身者数の推移を見ると、数としては1,500人弱増加。人口の増加=需要の高まりと考えると、半蔵門は今後も安定した需要があり、賃貸市場が大きく変動する可能性の少ないエリアと推測できます。

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