台東区

多様な楽しみ方を享受できる街「上野」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「上野」エリアの特徴

  • アメ横、上野恩賜公園、美術館など、多様な楽しみ方を享受できる街
  • 10 以上の路線が乗り入れる「北の玄関口」
  • 町との共存を大切にした開発による、安定した賃貸市場と需給バランスの良さ

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上野駅公園口。上野には国内外から観光客が訪れる

 

 「上野」は東京23区の北東部「台東区」に位置しています。

 

 上野といえば「アメ横」の愛称で知られる『アメヤ横丁』。上野駅から
御徒町駅まで約500m続いている活気に満ちた商店街です。活況なアメ横の様子をワイドショーで見たことがある方も多いと思います。鮮魚や乾物店、衣料品、飲食店などバラエティに富んだ約400店ものお店が軒を連ねており、歩いているだけでも楽しめます。

 上野の魅力はアメ横だけではありません。桜の名所としても有名な「上野恩賜公園」には、美術館や博物館、資料館、図書館など多数の文化施設が集積しています。その他にも、上野東照宮をはじめとする歴史的建築物なども点在していて、文化的な活動も楽しめます。

 このように多様な楽しみ方を享受できることが「上野」という街の魅力
といえるでしょう。

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アメ横は平日でも多くの買い物客で賑わう

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春になると上野恩賜公園には多くの花見客が訪れる

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公園には国立西洋美術館などの文化的な施設集積している

10 以上の路線が乗り入れる「北の玄関口」

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 上野駅は「北の玄関口」と言われるように、多くの路線が乗り入れています。その数は新幹線を含めると10路線以上にも及びます。

 

 JR山手線が使えるので「東京」、「池袋」、「新宿」、「渋谷」などの主要エリアへはもちろんのこと、多種多様な路線を利用することで通勤や通学、プライベートで利用するほとんどの場所へ快適に移動できます。

 また、上野は「北の玄関口」と言われるように、東北、秋田、山形、上越、北陸新幹線が乗り入れているおり、旅行や出張などで遠方へ行く場合にも便利です。「京成上野」からは成田空港へも直通アクセスが可能です。

 出張や旅行にも対応できる利便性は都心に住む単身者には必須条件でもあり、交通の面でも「上野」は大きな魅力を持っていると言えるでしょう。

「上野」周辺の賃貸市場

 上野の賃貸市場を分析していきます。まず、賃料相場を23区平均と比較してみましょう。

 上野の賃料相場と23区平均の平米単価を比較すると、23区の3,339円/㎡に対し、
上野は3,640円/㎡と、23区よりやや高い賃料相場であることがわかります。

 次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程
度影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰
分析結果一覧」を見てみると、上野の単身者物件の月額賃料は「d. 切片」の
56, 670円からスタートし、徒歩1分ごとに「a. 徒歩」の581円ずつ値下がり、築年数
1年ごとに「b. 築年」の636円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c. 面積」の1, 790円ずつ
値上がることがわかります。これを相対的に比較するため、「b.築年」と「d.切片」の
割合を築年による減価率と定義して23区と比較すると、上野は築年による賃料の
下落が小さく、安定した市場であるといえます。

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※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは2014 年3 月末日現在のデータです。重回帰分析は築10 ~ 30 年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。

「上野」の居住者特性

 

 「上野」の居住者特性を、東京都と「上野」と比較をしてみると、単身者比率は東京都で45.71%、上野で45.81%とほぼ同水準です。

 男女比率の比較を見てみると、男女とも約50%と割合は変わりません。一方、年齢構成比を見てみると、23区と比較して20歳未満と20-39歳の年齢帯の
割合が少なく、40歳以上の年齢帯の多いエリアであることがわかります。

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REISM 管理物件 ― 2016 月3 月現在 ―

REISMでは上野エリアでのリノベーション実績があります。

上野公園をのんびり散歩、美術館や博物館でアート鑑賞、カフェで読書…文化的なライフスタイルを送ることができる「上野」に、居室に「こもりスペース」を設けた新コンセプト「Nest」が誕生しました。

リノベーションをすることにより賃料は約11%向上(弊社査定賃料比)。

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空家数はほぼ横ばいの「台東区」

 「上野」駅の所在する台東区は中央からやや北東寄りに位置しており、東京で最も古い市街地のひとつである浅草や、北関東・東北地方からの玄関口と知られる「上野」などがあり、区は全般的に商業地となっています。

 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で約190千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。台東区を見てみると、供給にあたる借家数は5年の間に23.5%増加しているものの、空き家数は0.5%とほぼ横ばいです。

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 エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。台東区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。台東区の着工数も2006年以降、低い水準で抑えられており、2014年の供給も比較的低い水準に収まると推測されます。

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 供給が増えて、需要がそれ以上に伸びている台東区の需給バランスを見ると、人気物件は希少価値が高くなり、空室や家賃下落リスクは低くなることが期待できます。収益性という点でも魅力的なエリアといえますが、同じ情勢が続くかどうか、変化した場合にどう対応するかが将来の課題といえます。

《まとめ》

 

 「上野」といえば「アメ横」の愛称で知られる『アメヤ横丁』。非常に
活気のある商店街で、上野駅から御徒町駅まで約500m続いており、鮮魚や乾物、衣料品などのバラエティに富んだ約400店のお店が軒を連ねています。また、桜の名所として知られる「上野恩賜公園」には、美術館や博物館などの多数の文化施設が集積しており、文化的な活動も楽しむことができます。

 

 賃貸市場をみると、築年による賃料の下落率は低く安定しています。また、需要と供給をみても、供給が増えている一方空家数はほぼ横ばいと、需給バランスは取れています。

 上野は開発を行う際に「街との共存共生」を基本指針として考えてき
ました。今後も上野の魅力を活かした町づくりを行うことで集客の波及
効果も高まり、ますます上野エリアの活性化が期待できそうです。

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