中央区

下町文化と開発エリアが融合する街『月島』

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「月島」エリアの特徴

  • 下町情緒豊かな街並みと、高層住宅が同居した街
  • 単身需要は高いが、空家数の増加傾向があり、希少性や差別化が求められる賃貸市場み
  • 大江戸線と有楽町線の2 線利用可能で都心へのアクセスも良好

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月島の代表スポット「もんじゃストリート」で有名な西仲通り

 

 東京湾で最初の埋立地として知られる「月島」は、かつては工場や倉庫街として利用されていました。当時、そこに住む子供たちに向け、駄菓子屋で始まったもんじゃ焼きは、今では「月島」名物となり、通りには数えきれないほどの専門店が立ち並んでいます。

その街の雰囲気から、下町情緒豊かなイメージを持つ人が多いようですが、ここ数年で「月島」全体が再開発され、清澄通りや隅田川沿いを始め、高層マンションや新興住宅地がいたるところに続々と建設されています。

 その上、「月島」は丸の内や銀座などのビジネス街や湾岸エリアも近く、開発されたエリアには、遅くまで営業している日用品店やレンタルショップ、病院や郵便局などが新しくでき、生活に必要なものは全て近隣で揃えられるようになったため、新たに移り住む人も年々増え続けており、中央区の中でも新しい居住区として注目を集めています。

 「月島」の、下町の名残を持ちつつ、高層マンションが並ぶ環境は、一見ファミリー層が多いと思われがちですが、東京都の中心という立地条件はもちろん、使われていない倉庫をオシャレな店舗にするなど、新旧を融合させた、新たな価値を生み出す魅力的なエリアとして、都心で働く単身者からも多く支持されています。

再開発高層マンションと昔ながらの住宅

歴史風情も感じさせる佃公園

隅田川沿いから見た中央大橋とスカイツリー

都心のあらゆる主要エリアへスムーズにアクセス可能

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 「月島」は、地下鉄有楽町線と大江戸線の2路線が乗り入れし、「新宿」や「池袋」までは乗り換えず、「渋谷」までも30分以内と、東京湾近くの立地ながらも都心まで快適にアクセスすることができ、また、同じ中央区内の「銀座」まで徒歩圏内という交通の面でも大きな魅力を持っています。

 新たな埋め立て地区ということもあり、「月島」内の道路は清澄通りを中心に、碁盤の目のように整備されており道幅も充分に確保されているため、自転車で移動される人も多く見かけることができます。

 「月島」を通る、東京駅~有明の路線バスを利用すれば、電車では行きづらい湾岸地区の「台場」などへもスムーズに行くことができるため、普段の通勤だけでなく、ショッピングやレジャーにおいても優れた利便性を持つことから、東京都心生活に非常に適した居住エリアとして注目されています。

月島周辺の賃貸市場

 駅周辺の賃貸物件データをもとに、「月島」駅と23区の平均を比較すると、賃料相場では平米当たり約169円(20㎡で約3380円)高いことがわかります。

また、築年数の平均値・最頻値を見ると23区平均より低く、散布図をみても築25年頃を境に物件数が増えていることが確認できます。リバーシティ21を皮切りに高層マンションが次々に建築され始めたのが丁度この時期です。

 現在でも再開発が進行中のエリアなので、築年数による下落率は23区平均よりも高くなっています。一方、徒歩分数による影響は非常に低いエリアです。市場の賃料許容幅を表す標準偏差は23区より割合こそ低いものの、値自体は23区より高いため、リノベーションに向いているエリアといえるでしょう。

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※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは2013 年10 月31 日現在のデータです。分析は築10 ~ 30 年、16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。

中央区と月島の人口特性

 

 東京都ならびに中央区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で45.71%に対して、月島(徒歩15分圏内)における単身世帯の割合をみてみると、49.06%が単身者となっておりなっており、約半数近くが単身者世帯であることがわかります。

また、対象エリア内の居住者の年齢構成と男女比をみると、男女の比率は半々、年齢帯は20~39歳の割合が高く、都心へ通勤する若い世代の需要が高いエリアであることが読み取れます。

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REISM 管理物件 ― 2014月1月現在 ―

 REI SMでは「月島」エリアのリノベーション実績があります。

 月島の属する中央区では借家数、空家数ともに増加傾向があります。そのため万人に受け入れられるようなコンセプトよりも、REISMのコンセプトの中でも特に個性的な本棚をコンセプトにした空間『Hondana 002 勝どき』としてリノベーションを施しました。。賃料は約6%向上(弊社査定賃料比)。

 隅田川沿いでゆったりとした読書ライフを過ごしたい方にお勧めの一室に仕上がって
います。

その他のエリア内のリノベーション物件はコチラから

空き家数が増える中で、差別化が求められる中央区

住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、平成15年から5年の間に23区全体で約146千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。中央区と周辺の港区・千代田区を見ると、各区によって借家数や空き家率の増減にばらつきがありますが、中央区においては、借家数・空き家数ともに増えていることが分かります。賃貸住宅の供給が高まるなかで、いかに居住者のニーズを捕まえるか、より求められるエリアといえます。

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 エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。中央区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。2012年の数値は公表資料が無いため予測となりますが、全体的な傾向として、東京都・23区ともに2009年、2010年、2011年と連続して過去10年間での最小着工数であり、東京都の2012年は若干増加していることから、中央区の供給も2012年は横ばいか若干増加すると予測できます。

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 供給が低く抑えられている中、中央区の人口推移は年々伸びていることから、需給バランスの回復により不動産価値にも価格下落率の低下など好い影響が期待できます。

《まとめ》

 

  隅田川沿いの下町情緒豊かで古い街並と、新しく開発された街並みが同居した街「月島」。「もんじゃストリート」として有名な西仲道り商店街は下町の香りが漂い、昔からの商店が軒を連ねています。佃地区にはリバーシティ21の高層住宅が立ち並び、近未来的な空間を造っています。

現在でも再開発が次々と計画、進行されており、これからも成長を続けていくエリアです。

 月島は相場賃料も高く、開発も盛んなポテンシャルの高いエリアですが、その一方で中央区全体の空家数・借家数ともに増加傾向があり、希少性の高い物件を選ぶ必要のあるエリアであるといえます。

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