世田谷区

元祖安全・安心のまち!緑豊かな学生街「明大前」

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

「明大前」エリアの特徴
  • 大学と商店街が共存。商店街と地域住民でつくる安心・安全の学生街
  • 駅舎のリニューアルと再開発。京王線の拠点としての将来性
  • 若い単身世帯が多く人口も増加傾向

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駅名にもなっている「明治大学和泉キャンパス」

 エリアレポートVol.93では「明大前」駅をご紹介いたします。

 「明大前」駅は東京の南西部、世田谷区に位置しています。駅名にもなっている明治大学を始め、様々な教育機関が集まる学生街です。その実、明大前は治安も良く、交通利便性の高さから単身者から家族世帯まで暮らしやすい街としても人気です。

 明大前は学生街のため駅前商店街にリーズナブルな飲食店が多く並びます。平日には学生たちが多く見られますが、騒がしいといった印象はありません。商店街の規模は大きくありませんが、スーパーや薬局、飲食店がそろっており、単身者が生活を送るには十分でしょう。

 駅北側の甲州街道を超えると明治大学和泉キャンパスが、さらに進むと日本大学鶴ケ丘高等学校が見えてきます。そのすぐ近くには玉川上水緑道公園が通っており、のどかな住宅街が広がっています。一方、駅南側はすぐ住宅街になっており、世田谷区らしい低層の落ち着いた住宅街です。明大前では地域の住民と商店街が自警会を結成して地域のパトロールを行っています。治安がとてもよく、女性でも安心して暮らすことができるエリアです。

 また、明大前駅は京王線連続立体化事業に伴い、駅舎のリニューアルと再開発が予定されています。まだまだ学生街というイメージの強い駅ですが、京王線の主要駅として将来が楽しみなエリアです。

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「すずらん通り」を始め、駅前にはいくつかの商店街がある

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甲州街道・永福ICが近くにあるため、自動車での移動も便利

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緑豊かな玉川上水緑道公園

京王線、井の頭線の主要駅!相互間の接続で「渋谷」「新宿」まで一本!

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 「明大前」は京王線、井の頭線の2路線が利用可能です。共に日本の大手私鉄の一つ京王電鉄の路線で、「明大前」は2路線の主要駅であり相互間の接続駅となっています。庶民的で親しみやすい雰囲気の街が多く、運賃が安いのも京王電鉄の特徴といえます。

 京王線は「新宿」、井の頭線は「渋谷」、両路線ともにターミナルを起点とした路線です。「明大前」からアクセスの良さは抜群。井の頭線は急行、京王線は京王ライナー以外の電車が止まります。乗り換えなしで「新宿」まで8分、「渋谷」まで6分。若者に人気の「下北沢」や「吉祥寺」へも井の頭線で一本と非常に便利な立地です。通勤にレジャー、買い物など、様々なライフスタイルに対応できる利便性が京王線の人気の理由でしょう。また、京王線は新宿駅から先が都営新宿線に乗り入れている電車もあるため、「市ヶ谷」「九段下」といった都心や、「神保町」「岩本町」「馬喰町」などの神田・日本橋エリアに乗り換えなしでアクセス可能。新宿エリアはもちろん、それ以外のエリアへの通勤利用者のニーズも掴むことができます。

「明大前」駅周辺の賃貸市場

 明大前駅の賃貸市場を分析していきます。まずは賃料相場と築年数の比較です。賃料相場は23区の3,339円/㎡と同水準。学生街であることから比較的割安の物件も多く、50年前から安定的に物件が供給されていることがわかります。明大前駅は利便性の割に割安感のあるエリアといえます。

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 次に重回帰分析で「築年数」「徒歩分数」「面積」の3つの変数が賃料にどの程度影響を与えているかを分析します。「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧」を見てみると、明大前駅の単身者物件の月額賃料は「d.切片」の60,024と円からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の453円ずつ値下がり、築年数1年ごとに「b.築年」の881円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の1,770円ずつ値上がることがわかります。 

 「賃料に対する影響割合の比較」から明大前駅の賃貸市場の傾向を分析すると、明大前は徒歩による影響割合「a.徒歩/d.切片」、築年による影響割合「b.築年/d.切片」、標準偏差の割合「e.標準偏差/d.切片」ともに23区平均と同水準です。安定した傾向といえますが、明大前エリアは供給数も多く、今後の動向に注意が必要なエリアでもあります。

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※リズムマンションDBより作成(データは2015年12月末日現在のデータです。)
※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※重回帰分析は築10~30年、16㎡以上30㎡未満の物件から算出しています。

「明大前」の居住者特性

 明大前の居住者特性を見ていきます。まずは単身者世帯の比較です。東京都ならびに世田谷区の人口のうち単身者世帯の割合をみると、東京都全体で約47%、世田谷区で約50%です。明大前の単身者世帯の割合を見てみると62%が単身世帯。家族世帯の多い世田谷区において、明大前は単身者比率の高いエリアです。また、2010年からの人口推移を見ると総数で3.12%、単身者で1.84%増加しています。

 対象エリア内の居住者の年齢構成は学生街ということもあり、若い世代が多く、20~30代の年代だけで全体の34%を占めています。

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REISM 管理物件 ― 2019月4月現在 ―

 REISMでは明大前エリアでのリノベーション実績があります。

 アクセントカラーを居室の一部に入れ、シンプルな中にもメリハリを効かせたリノベーションシリーズ「Union」。ナラ材を使ったパーケットフローリングがモダンな表情を見せる空間は、ブラックのアクセントが程よいスパイス。容量たっぷりなウォークインクローゼットやディスプレイに使える壁面の飾り棚、ちょっとした小物置き場として活躍するカーテンレール上の戸棚など随所に感じる気遣いが嬉しいデザインです。

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借家数(供給)、人口(需要)ともに伸びる世田谷区

 明大前の所在する世田谷区は東京23区の南西部に位置し、都区の中では都心からは遠い場所にあります。「成城」に代表される閑静な住宅街や、「シモキタ(下北沢)」「サンチャ(三軒茶屋)」「ニコタマ(二子玉川)」など世代を超えて人々を魅力するエリアが多いのが特徴です。

 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で約190千戸の賃貸物件が増え、同調査による「空き家の変化」を見ると、空き家数も5年の間で全体的に増えています。世田谷区を見てみると、供給にあたる借家数は5年の間に約7.9%減っているのに対し、空き家数は約38.3% 増えています。賃貸住宅の供給が高まるなかで、いかに居住者のニーズを捕まえるかが求められるエリアといえます。

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 エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることがグラフから読み取ることができます。世田谷区の供給傾向も東京都や 23区の増減と似たような動きを見せおり、2000年頃から着工数の増加し、 2006年以降は低い水準で抑えられていることがわかります。2009年以降はまた増加傾向がうかがえ、2016年も東京都と同じく増加傾向と予測できます。

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 人口の推移を見てみると、世田谷区の人口は年々増加していることがわかります。東京都によると世田谷区の人口は2025年以降に徐々に減少を始めますが、2040年の段階でも2005年人口比で約106%と高い水準を保っています。一方、世田谷区の単身者数は2035年まで増加傾向と予測されており、明大前も2010年から単身者数は増加しています。不動産市場にもよい影響が期待できます。

《まとめ》

 「明大前」駅は東京の南西部、世田谷区に位置しています。駅名にもなっている明治大学を始め、様々な教育機関が集まる学生街です。商店街の規模は大きくありませんが、スーパーや薬局、飲食店がそろっており、単身者が生活を送るには十分でしょう。明大前では地域の住民と商店街が自警会を結成して地域のパトロールを行っています。また、明大前駅は京王線連続立体化事業に伴い、駅舎のリニューアルと再開発が予定されています。まだまだ学生街というイメージの強い駅ですが、京王線の主要駅として将来が楽しみなエリアです。

 賃貸市場に目を向けると、徒歩・築年・賃料のばらつきは23区平均と同程度。経年による賃料の変動可能性が低いエリアです。単身者世帯も増加傾向にありますが、明大前は供給戸数が多いエリアであるため、今後の動向に注意が必要なエリアでもあります。

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