渋谷区

商店揃いの住みやすいまち『笹塚』

「REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、そのエリアの特長をレポートしています。

 

「笹塚」エリアの特徴

  • ターミナル駅「新宿」から近いアクセスのよさ
  • 単身者世帯の高い賃貸需要
  • 商店街、駅前商業施設をはじめとする商店の充実による生活利便性の高さ

 

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駅を降りてすぐの商業施設「京王クラウン街」

「笹塚」が特徴的なのは、まず駅を降りてから商店が充実していることです。改札を出た目の前から広がる「京王クラウン街」には飲食店はもちろん、ドラッグストアやユニクロなどのアパレルショップも並びます。駅ホームがある高架下を利用しているため、アーケード施設のように雨の日も傘いらず。さらに駅を出れば「笹塚ショッピングモール21」という商業施設が立ち、アパレル雑貨や飲食店、書店、スーパー、クリニックから郵便局まで揃ってます。さらに駅の南口・北口どちらにも商店街が並んでいるので、笹塚のどこに住んでいても、殆どの方は駅からの通り道で買い物を済ませることができます。サミット、ライフなどの大型スーパーもあり、生活環境の良さはとても高いエリアといえます。
笹塚レポート_02駅前「ショッピングモール21」はお店が充実

笹塚レポート_03駅の南北とも賑やかな商店街がのびる

笹塚レポート_04高架下は整備されオシャレな飲食店街に

高架下空間の活用による駅前再整備事業京王電鉄が駅を中心とした開発事業としててがけるエキチカ商業施設のなかでも、2011年7月にリニューアルした「京王クラウン街」は店舗数36と、23区内では「渋谷マークシティ」に次いで多く、今後も開発が予定されていることから、いかに利用客数が多く、電鉄会社として「笹塚」の駅前整備事業に力を入れているかがうかがえます。

新宿から近く、地下鉄の乗り入れとあわせてアクセス良好!

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「笹塚」駅は、京王線、京王新線の利用が可能で、京王線なら1駅5分で新宿へアクセスできるため大変便利です。また、京王線は新宿駅から先が都営新宿線に乗り入れている電車もあるため、「市ヶ谷」「九段下」といった都心や、「神保町」「岩本町」「馬喰町」などの神田・日本橋エリアに乗り換えなしでアクセス可能。新宿エリアはもちろん、それ以外のエリアへの通勤利用者のニーズも掴むことができます。

さらにバス便も充実しており、電車で行くと乗り換えが必要な「渋谷」「中野」「代々木上原」などの駅を結んで運行しています。電車とバス利用もあわせると、とても交通の便がよいことがわかります。

また、新宿駅に近いことは、特に帰宅の遅い新宿駅通勤者にとって終電を逃した場合のタクシー代が比較的安く済む利点があり、そうした点もアクセス性の高さを表しているといえます。

「笹塚」駅周辺の賃貸市場

「笹塚」駅周辺の賃貸物件データから平米賃料単価をみてみると、東京都内、23区のデータと比べて「笹塚」駅の平均価格は高く、また標準偏差(ばらつ
き)が小さいことから、価格のふれ幅は都内、23区に比べて少ないことがわかります。

また、本エリアに近いターミナル駅・新宿と比較すると、賃料相場では平米当たり約400円(20㎡で約8,000円)の差があるものの、東京都内、23区と
比べると、どちらも高い水準であることがわかります。一方、築年数の傾向をみると、「笹塚」は比較対象エリアに似て、全体の傾向として比較的古い
物件が多く、築年数に対する平米賃料の減価傾向をみても、23区平均の-5.2%と比べて、「笹塚」は-1.4%と、築年数が古くなっても賃料は下がりにく
いエリアであることがわかります。

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※賃料単価は中央値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。
※データは16 ㎡以上30 ㎡未満の物件から算出しています。

渋谷区と笹塚周辺の居住者の特長

人口のうち単身世帯の割合をみると、東京都全体で45.71%に対し、渋谷区は57.04%と割合として比較的高いことがわかります。対象エリアとなる笹塚(1~3丁目)、幡ヶ谷(1~3丁目)の調査資料から単身世帯の割合をみてみると、区全体の傾向より約1割も多い67.51%となっており、笹塚駅周辺エリアは一人暮らしの方が特に多いということがわかります。また、対象エリア内の居住者の年齢構成をみると、20~39歳の割合が37.2%と最も高く、次いで40~59歳が約27%、60歳以上が約21%。比較的若い世代の割合が多い傾向となっています。

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販売・管理物件の入居者傾向(2012年2月現在)

都内の好立地の中古マンションを投資向けに販売し、賃貸管理を行っています。「笹塚」エリアでも、駅周辺の投資用賃貸マンションの販売・管理物件があり、リノベーション実績もあります。

実際に住んでいる方々の傾向をみると、年齢は全員前項の居住者傾向のなかで最も割合の高かった20~39歳の方々で、約8割の方が女性の入居者でした。職種は学生や社会人、通学・勤務地は新宿・渋谷エリアや沿線以外に乗り換えが必要な方もいる、とさまざま。異なるニーズをもつ入居者が多いということは、それだけエリアに魅力を感じている人が多いということが言えると思います。

空き家率が低下している渋谷区

住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、平成15年から5年の間に23区全体で約146千戸の賃貸物件が増え、「空き家の変化」によると空き家も5年の間で全体的に増えています。各区によって借家数や空き家率の増減にばらつきがありますが、渋谷区をみると、借家数が上昇しているのに対して空き家数が減少していることが分かります。つまり供給以上に需要があることがデータからは読み取れます。他の区と比較すると総数が少ないなかでの傾向ですが、こうしたニーズがあることはマンション経営を行う上でともて好ましいエリアであるといえます。

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エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関していることをグラフから読み取ることができます。渋谷区の供給傾向も東京都や23区の増減と似たような動きを見せています。2010年の数値は公表資料が無いため予測となりますが、全体的な傾向として、2004年と2008年で比較的多く着工している一方、東京都と23区ともに2009年、2010年と連続して過去10年間での最小着工数であることから、渋谷区の供給も2010年は比較的低い状況であると予測できます。

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供給が増えて、需要がそれ以上に伸びている渋谷区の需給バランスを見ると、人気物件は希少価値が高くなり、空室や家賃下落リスクは低くなることが期待できます。収益性という点でも魅力的なエリアといえますが、同じ情勢が続くかどうか、変化した場合にどう対応するかが将来の課題といえます。

《まとめ》

渋谷区では、今後のまちづくり整備事業の根幹となる「笹塚一・二・三丁目地区まちづくり指針」を平成23年7月に発行し、「笹塚」駅を中心とした周辺エリアのまちづくりについてまとめています。幹線道路沿いのマンションを除けば木造住宅が多く防災面に課題があることから防火・耐震補強に取り組むこと、緑化率が区内平均より低いことから緑化に力を入れたいことなど、「交通・景観・生活・みどり・防災」の5つの視点から方針が立てられて
います。現在営まれている地域生活を基点として、より住みやすいまちづくりのための計画が検討されているため、今後も住環境が向上していくものと思われます。また、駅前の京王グループのビルの取り壊しによる事業計画がこれからはじまる予定で、跡地に何が立てられるかはまだ公表されていませんが、高架下の整備事業とあわせて駅前の開発により一層地域の盛り上がりが期待できそうです。

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