不動産投資

ローン審査を通しやすくするためのコツ

昨今、退職金制度の見直しや年金の先細りなどから将来に対する不安は拡大しており、給与や年金とは別に資産運用で長期的に資金を得たいと考える人が増えています。そこでサラリーマンの間でも人気が高まってきているのが不動産投資です。

不動産投資はしてみたいと考える人に立ちはだかるのが、ローンという壁です。よく分からないと、「高い」という理由だけで避けてしまい、そのため不動産投資を躊躇する……そんなケースもあるようです。

そこで不動産投資ローンの仕組みや審査のポイント、収支計画のコツなどをご紹介します。

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住宅ローンとは違う不動産投資ローン

不動産投資ローンとは、アパートやマンションなどに、投資・収益化のために購入することを目的としたローンです。本人やその家族が住むための家を購入する住宅ローンとは違います。

メリットは、少ない初期投資(頭金)で高額物件を購入できること。レバレッジが効くわけです。少額の自己資金でも賃貸物件のオーナーになれますので、しっかりした賃貸経営ができれば堅実な投資法になり得るでしょう。

デメリットは、住宅ローンより金利が高いことや審査基準が住宅ローンより厳しいことなどです。基本的には月々の家賃収入からローン返済をされる人が多いので、空室期間の長期化は経済的ダメージとなってしまいます。空室率の低い物件を見極め、安定した賃貸経営をすることが不動産投資ローンを組む上で重要だと言えるでしょう。

<参考>
不動産投資で最も怖い空室リスクを減らすには?
人口が減る今後、賃貸で家賃収入は見込めるのか

収支計画書を作る上でのポイント

不動産投資で長期に渡って収益を上げ続けるためには、実現性の高い収支計画が必要です。事業、そして収支が3年後、5年後にはどのように推移するのか、その見通しを立てるために収支計画書を作成します。

まずは収入と支出に何があるのかを把握します。収入は家賃・駐車場料金・礼金など、支出にはローン返済額・修繕費用・税金などが含まれます。収入から収支を差し引いたものが収益となります。

次に、これらの収支が将来的にどのようになるのかシミュレーションします。抑えておくべきなのは、「家賃」「空室率」「修繕費用」の3つです。基本的に家賃は年々下がっていくものです。物件の立地条件や築年数等、経済環境によっても変わってくるが、基本的に家賃は築年の経過と共に下がっていくものです。
中長期的に考えて、5~10%程度は下がることを想定しておきましょう。

空室率も長期的には上がると考えておいたほうがいいでしょう。募集に強い管理会社と組んだり、室内をきれいにしたり、ウォシュレットなどの安価に付けられる設備は充実させるなどの対策をして、空室率を下げる工夫が必要です。

最後に修繕費用ですが、入居者入れ替え時や設備の取り換え時には費用が発生します。長期的には物件が劣化しますので、室内全体をリフォームするなどの対応も必要です。これらの費用を計算に入れておくことや、事前に修繕積立金などを計上しておくと収支計画書にも信憑性が増すはずです。

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<参考>
不動産投資で収益性を計る利回りの計算方法と着目すべきポイントとは

金融機関はどこを見ているのか 審査基準を抑える

不動産投資ローンは事業性の融資という性格もあり、審査はやや厳しい傾向にあります。とはいえ、審査には基準となるポイントがあります。そこをしっかり抑えて融資が受けられるようにしましょう。

大切なのは購入する物件の収益性の高さです。物件の家賃収入などで返済するわけですから、収益力が高い物件のほうが融資を受けられる可能性は高くなります。収益性の高さを裏付けられる収支計画書を出せれば、印象は良いはずです。

次に本人の返済能力もポイントです。これは住宅ローンの審査基準とほぼ同じようなもので、自己資金や年収、勤務形態、個人信用情報などの属性情報です。たとえ空室が多くなり、家賃収入が滞った場合でも、支払い能力があれば金融機関は前向きに評価してくれるかもしれません。

これらのポイントを総合的に判断された上で融資を受けることになります。住宅ローンと違って、物件選びとその収支計画の精度が非常に重要であることは肝に銘じておきましょう。

不動産投資は比較的高い利回りが期待でき、株式投資と比べてリスクもコントロールしやすいといえます。たしかにローンの審査基準はやや厳しいですが、それを超えることは長く賃貸経営を続けていくうえで必要なプロセスですし、ローンが組めれば初期投資も少なくて済みます。また必要なポイントを抑えることで、融資の可能性は高められます。

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<参考>
不動産投資でローンを引くとき頭金はどのくらいの割合が相場なの?

3年以上勤めた会社員へ。
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