不動産投資

サラリーマンの不動産投資が副業扱いされない理由と5つの投資メリット

「マンション経営」などの不動産投資は、株式やFXなどの金融商品とは異なり事業性があるというのが大きな特徴です。しかし、これまで日本の多くの企業は社員の副業を禁止してきました。本業に専念できないようになる恐れがあるというのが主な理由ですが、それはもしかすると昔の不動産投資に対するイメージのせいかもしれません。

近年では不動産投資やサラリーマンの副業を取り巻く環境も大きく変化しており、特に以下の2点は注目に値するポイントです。

・社会全体の副業に対する認識が変わり、容認の方向になりつつある
・不動産投資が禁止されている副業の要件に該当しなくなってきている

上記の2点からは、今や不動産投資は副業には該当せず、サラリーマンも安心して取り組めるものであると読み取ることができます。先行き不透明な時代を生きていく不安を払拭する意味でも、サラリーマンは不動産投資への進出を考えるべきである理由を解説します。

1.日本の企業は副業禁止が多い

日本では今なお、多くの企業が副業を禁止もしくは奨励しないスタンスをとっています。厚生労働省が示したモデル就業規則にも、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」とする規定が盛り込まれています。

就業規則に副業禁止を盛り込んでいる企業は、「本業に支障が出る」「競合する事業に就かれると困る」「情報やノウハウが漏れるリスクがある」といった理由を挙げています。

1-1.本来は副業を禁止してはいけない

それでは企業は、その意思通りに従業員の副業を禁止できるのでしょうか。日本国憲法は第22条で「職業選択の自由」を国民の権利として認めています。「従業員の労働時間外の行動を縛り付けることはできない」あるいは「できたとしても限定的」というのが、通常の法律的な解釈です。それにも関わらず、副業禁止の規定が多くの企業の就業規則に盛り込まれているのが実情です。

2.副業禁止の背景と変化

高度成長時代の日本は経済が右肩上がりに成長し、企業で働く従業員は定期昇給と終身雇用により生活基盤が保障されていました。そのため、従業員は副業で収入を増やす必要がありませんでした。従業員は会社の仕事をしっかりやっていれば、自然と給与は上がったのです。「副業禁止」という規則に疑問も持たなかったでしょう。

しかし、バブル崩壊後は日本経済の成長が鈍化、給料は上がらず終身雇用も当たり前ではなくなりました。実際、この数年で「副業」や「パラレルキャリア」などの本業以外の仕事を持つ働き方が注目されはじめています。それと同時に、企業側にも変化が生まれつつあります。「うちでは十分な給料を出せないから、副業で稼いでください」という考えから、副業を容認するスタンスへ変えた企業もあるでしょう。

また、「副業を認めることが自社の本業にメリットをもたらす」という考え方も出てきていたり、「従業員に会社の仕事以外のチャレンジをさせてくれる」という企業イメージが社会に広がることをメリットと捉えて、中小企業だけでなく大手企業でも副業を認める企業が増えています。

2-1.サラリーマンの副業人口は増えている

ひとつの事実として、サラリーマンの副業人口は確実に増加しています。総務省の「就業構造基本調査」によると、1992年には757万人だった複数就業者(副業をしている人)が2002年だけは一時的に減少したものの、2017年には1,288万人となり、大幅な増加傾向となっています。

サラリーマンの中には本業だけが仕事ではないと考える人が、年を追うごとに確実に増えています。

3.不動産投資は「副業」なのか

確実に副業サラリーマンが増え続けているものの、「副業解禁」の企業は未だほんの一握りです。法的な解釈として副業に問題がないとしても、勤め先との関係が悪化して働きにくい環境になってしまう可能性もあります。また、就業規則違反という理由で裁判沙汰になるかもしれません。仮に裁判になっても、本業に影響がない範囲であれば勝訴する可能性は高いのですが、できることならば避けたいものです。

では、不動産投資の場合、どこからが「副業」になるのでしょうか。

3-1.不動産投資が副業となる基準

家賃収入を得ている人は1年に1回、不動産所得の確定申告をしなくてはなりません。所得税の計算では、不動産所得はその不動産の賃貸が「事業的規模」かどうかによって取扱いが異なります。事業的規模とされるラインは「5棟10室」といわれており、戸建物件なら5棟、アパートやマンションなら10室という意味です。サラリーマンの場合も、これらの基準が「副業」かどうかを分ける基準と考えてよいかもしれません。

もうひとつ、規模感とは別に「副業」と「投資」を分ける大きなポイントがあります。それは、収入を得るのに労働を伴っているか否かです。副業禁止の会社であっても株やFXといった投資を禁じていることはありません。その理由は、株やFXは資産運用の一環であり労働を伴わないからです。

不動産投資にもこれと同じ基準を当てはめると、入居者の募集業務や物件の管理などを専門の業者に外部委託することにより労働を伴わない形をとれば、副業に該当しないと考えることができます。

3-2.不動産投資を副業で行う際の注意点

副業に該当しない形をとりつつサラリーマンが不動産投資を行う場合には、以下の注意点を留意しておく必要があります。

①投資の重大な判断までアウトソーシングしてしまわないこと
②可能であれば会社にも不動産投資の事実を報告しておくこと
③本業に影響を及ぼさないこと

集客や物件の管理については、こうした業務を一括して委託できる専門業者にアウトソーシングするのがサラリーマンにとって最も無難な方法ですが、物件選びや購入、売却の判断など重要な投資判断は必ず自分自身で行いましょう。他人任せや他人の意見を鵜呑みにすることはリスクを高めます。

4.サラリーマンが不動産投資に向いている5つの理由

実は、サラリーマンは不動産投資を行うのにあたってとても有利な立場にあります。サラリーマンこそ不動産投資をするべき理由を5つのポイントで解説します。

4-1.銀行からの融資が通りやすい

収益物件の購入にあたって、ほとんどの不動産投資家は銀行の融資を利用します。そのためには銀行の厳格な審査に合格する必要がありますが、サラリーマンには安定的な収入と勤続年数という武器があります。これらの要素は返済能力を高く評価されやすく、特に勤続年数が10年を超えているなど安定した身分のサラリーマンは、その武器を大いに活用するべきでしょう。

4-2.生命保険のかわりになる

不動産投資には、生命保険効果があります。収益物件を購入し、そこから得られる賃料収入は、所有者が万が一亡くなったり、働けなくなってしまった場合であっても入居者がいる限り途絶えることはなく、残された家族の生活費にすることができます。

これを不動産投資の生命保険効果といいますが、そもそも不動産投資向けの融資には団信という生命保険が付帯しています。返済中に所有者(=被保険者)が亡くなったり高度障害の状態になった場合、保険金でローンの残債が完済される仕組みになっているため、仮に返済中であっても残された家族には残債のない収益物件が引き継がれます。

4-3.インフレ対策になる

経済はインフレとデフレという大きな局面を繰り返しながら推移しています。日本経済はバブル崩壊までインフレが進み、バブル崩壊によって一気にデフレに傾き、そこから「失われた20年」と呼ばれる長期デフレ局面となりました。アベノミクスでデフレを脱却し、不動産や株などの価格上昇が起きましたが、2020年のコロナショックで日本経済の先行きは不透明になりつつあります。

世界各国が大規模な金融緩和を続け、相対的な貨幣価値が下がることでインフレ圧力は強まります。インフレになると貨幣価値に対する現物資産の相対価値が高くなるため、不動産を所有していることは有効なインフレ対策となるでしょう。

現金だけではなく現金やその他の金融資産などを組み合わせて保有するのは、世界の富裕層にとって常識的な考え方です。資産防衛の意味においても、サラリーマンが不動産投資を行うことには意義があります。

4-4.年金補助につながる

先ほど不動産投資の生命保険効果について述べましたが、それと同時に不動産投資には年金効果もあります。現役世代のうちに収益物件を購入し、そこから得られる賃料収入でさらに物件を購入といった資産形成を進めておくことで、それらの資産が老後の収入源となります。

公的年金だけでは老後の生活をまかなえないことが取り沙汰されていますが、定年退職とともに収入が途絶える可能性が高いサラリーマンにとって、不動産投資による老後の収入源確保は公的年金だけに頼らない老後の生活設計に役立ちます。

4-5.管理業務を委託できるので本業に支障がでない

不動産投資が他のさまざまな事業と異なるのは、投資判断や資金計画など経営の意思決定以外の業務をほぼすべて外部の業者に委託できることです。

これは副業として不動産投資に取り組む人にとって非常に重要なことで、管理業務を可能な限り外部の業者に委託することで本業への影響を最小限に抑えられます。これにより、副業不動産投資家として成功する道が開かれていくでしょう。

4.サラリーマンが不動産投資に向いている5つの理由

5.まとめ

サラリーマンが副業で不動産投資をすることに問題はなく、今後はより副業容認の方向に社会が進むことを考えると、これから取り組む価値は大いにあるといえます。サラリーマンには融資に有利であることや、保険・年金の代わりになるなどのメリットも多く、今後ますますその意義は高まるでしょう。

そうは言っても、周りに不動産投資を行なっている人がいないと、なかなか一歩を踏み出しづらいかもしれません。そんな時は、実際に運用を始めた方のリアルな声を掲載したオーナー様の声や、オープンスクール「オーナー体験談」、不動産投資を成功させるためのノウハウや戦略をお伝えするベーシックセミナーもご活用ください。

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