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投資の基本
不動産投資の成功率を高めたい方必見!失敗者の特徴6選と成功者の特徴8選
不動産投資を始める理由は人それぞれですが、共通しているのは「成功したい」という強い思いでしょう。成功率については、本文中でも述べているように公式なデータは存在しませんが、成功率を高めるための方法やリスクを回避し、失敗を防ぐためのノウハウは確立されています。
これから不動産投資を始める方にとって大切なのは、成功率を高めるノウハウをどれだけ効果的に実践できるか、そしてリスクをどのように適切に管理するかです。本記事では、不動産投資の成功を目指すために必要な知識とポイントをまとめています。

目次
1.不動産投資で成功率というデータは存在しない
不動産投資の成功率に関する公的なデータというものは存在していません。その理由は、「成功」の定義が人によって違うためです。
成功とは、ざっくりと言えば「その人にとって価値のあるゴールをしたかどうか」です。つまり、全く同じ時期に不動産投資をはじめても、その人が不動産投資を通じて得ようと思ったゴール設定によって、「成功した」「失敗した」と感じる度合いは変わっていきます。
高い目標をゴールに設定していれば、いくら不動産収入があっても「成功していない」になりますし、クリアしやすいゴール設定であれば、少し収入が増えただけでも「成功した」となります。
多くの方は、以下の4つのどれかが「不動産投資をやってみよう」と思うきっかけになっています。同時に、これらは不動産投資のゴール設定にもなります。
- 資産形成
- 年金対策
- 節税
- セミリタイアメント・FIRE
【資産形成】
お金を貯めたい、財産が欲しいなど、自分で資産を作って増やすことが目的です。不動産投資以外にも、株の取引・FX・仮想通貨などのハイリスクハイリターンな金融商品、定期預金や外貨預金などで着実にお金を増やすローリスクローリターンの資産形成をする方もいます。
不動産投資は、不動産という現物資産を得ながら、将来の金銭的な利益も目指すタイプのミドルリスクミドルリターンの資産形成方法です。
関連記事:投資スタート前に知っておくべき3つの投資タイプとおすすめ投資3原則
【年金対策】
退職後の年金額に不安があり、年金の足しにしようと不動産投資を始める方もいます。特に、ネットニュースなどで話題になった「年金2,000万円問題」などをきっかけに、安心した老後生活のためには、手持ち資金をコツコツ増やしていくだけでは不十分であることが周知されました。
そのため、若い方でも将来に不安を覚えて、老後の生活を支える対策の一つとして、不動産投資をスタートさせるケースも多い傾向にあります。
関連記事:年金制度は崩壊する?公的年金の最新事情と第2の年金を作る方法を解説
【節税】
年収の高い方が、節税目的のために不動産投資をスタートさせるケースです。主に、アッパーマス・準富裕層と呼ばれる方々で、年収が高いため所得税も多くかかります。
高収入で激務のため、預貯金がどんどん増えるのに反して、適切な資産形成対策をする暇もない傾向があります。
このようなタイプの方々が、自身のライフスタイルに合った資産形成方法の一つとして、節税目的で不動産投資を選択しています。
関連記事:アッパーマス層ってどんな人?資産・年収・生活エリアなどを徹底解剖
【早期リタイア・FIRE】
経済的に自立したライフスタイルを求める方々が注目しているのが不動産投資です。投資ができる基礎のお金を作り、それをもとにして資産を増やし、早期リタイアをして自由に生きる、今の言葉でいう「FIRE」を目的にしています。
これまでも早期リタイアという考え方はありましたが、どちらかというと、若いときにがむしゃらに働いてお金を稼いだ後は、悠々自適に好きなことをして暮らすというイメージです。そのため、大手企業の高収入のサラリーマンや事業主などの成功者などが選択するライフスタイルでした。
同じ早期リタイアでも、FIREの場合は節約と貯蓄を基本にしたスタイルなので、若くても、元手が小さくても、普通のサラリーマンでも実現可能です。
早期リタイアの達成方法は複数ありますが、現物資産として手元に不動産が残る「不動産投資」に注目が集まっています。
2.不動産投資の成功率をほかの投資と比較すると?
前述の通り、不動産投資には「成功率」という明確なデータは存在しません。その理由は、成功の基準が投資家それぞれのゴール設定に大きく左右されるためです。
同様に、他の投資手法でも「成功率」を一概に語ることは難しいものの、それぞれの特徴やリスク・リターンのバランスを理解することで、自分に合った投資手法を見極めるヒントになります。
ここでは、多くの投資家が取り組んでいる主要な4つの投資手法と不動産投資を比較しながら、それぞれの特性や魅力を解説していきます。
- REIT(不動産投資信託)
- 株式投資
- 投資信託
- FX(外国為替証拠金取引)
2-1.REIT(不動産投資信託)
運用対象が不動産に特化した投資信託のことを、REITといいます。そのなかでも東京証券取引所に上場しているREITはJ-REITと呼ばれ、株式と同様に売買できる手軽さや運用の透明性などもあって投資家からも人気です。
J-REITは運用益の90%以上を分配すると法人税が免除される仕組みがあるため配当性向が高く、「買って保有するだけ」で定期的に分配金が得られる点が魅力です。住居型やホテル型、ヘルスケア施設型など運用する不動産の種類によってさまざまな種類の銘柄がありますが、複数のジャンルを組み合わせた複合型や総合型といったリスク分散性の高い銘柄もあります。
【不動産投資との違い】
どちらも不動産を運用する点では共通していますが、物件選びや資金調達などはすべて投資法人が行うため、投資家は「買って保有するだけ」です。その意味ではREITのほうが手軽ですが、現物の不動産投資のように融資を利用できたり節税効果があるといったメリットはありません。
2-2.株式投資
「投資といえば株」と、多くの人々が連想する資産運用の代表格です。日本を代表する企業が上場する東証プライムだけでも1,643もの銘柄が上場しており(2024年11月時点)、それ以外も合わせると数千銘柄もの選択肢があります。日本株以外にも米国株など外国株も人気で、選択肢が無数にあるところが株式投資の面白さでしょう。
ただし、個別株投資はハイリスクハイリターン投資です。日経平均株価やS&P500(米国の代表的な500銘柄の動向を示す株価指数)といった株式市場全体に投資する「インデックス投資」のほうがわかりやすく、リスク分散性にも優れています。
【不動産投資との違い】
株式投資はハイリスクハイリターンだけに成功すると大きな利益を得られますが、初心者がいきなり大成功するのは難しく、特に個別株は中上級者向きです。不動産はミドルリスク商品なので株式投資で見られるような一獲千金はありませんが、堅実に利益を積み上げることができます。
2-3.投資信託
投資家から預かった資金を運用のプロであるファンドマネージャーが運用し、値上がり益や分配金が投資家の利益になる仕組みが、投資信託です。投資信託のなかでも証券取引所に上場している銘柄はETFと呼ばれ、インデックス投資をしたいと考える投資家の多くはETFを運用しています。
株価指数など市場全体の動向を示す指数と連動するインデックス型投資信託の他に、特定のテーマ株を集めた銘柄(AI関連、ロボット関連など)、市場の平均値(つまりインデックス)を上回る投資リターンを目標に運用するアクティブ型投資信託などがあります。
運用をプロに任せられること、複数の運用商品を組み合わせているのでリスク分散効果があることなどがメリットです。
【不動産投資との違い】
リスクを分散して運用をプロに任せることが投資信託の本質なので、自分で判断して資金を調達し、物件を購入するという不動産投資とは本質が異なります。リスクの分散性が高いため長期的にコツコツと積み立てていくのであれば不動産投資と共存しやすく、両方に取り組む投資家も多くいます。
2-4.FX(外国為替証拠金取引)
異なる通貨同士を通貨ペアとして組み合わせ、そのレート変動による為替差益や、金利差調整のために受け渡しされるスワップポイントによる利益を狙うのがFXです。
日本国内では25倍までのレバレッジをきかせられるため投資効率が高く、少額からでも大きな利益を狙えるメリットがある一方でリスクも高く、証拠金不足による強制ロスカットで資金の大半を失う恐れがあります。
資金をさまざまな投資に分散するなかでFXに資金を投じることは否定しませんが、「全額を失っても構わない」と思える資金のみにしておきましょう。
【不動産投資との違い】
不動産投資とFXの両方には、レバレッジ効果があります。そのため手持ち資金よりも大きな金額の運用ができるため投資効率が高く、少額からの資産形成に適しています。
とはいえ、ハイリスク投資の代表格であるFXは、「ギャンブルである」と評価する人もいます。それだけに少額から大きな利益を狙える面白さがあるわけですが、不動産投資のように現物資産の裏付けがあるわけではないので、あくまでも資金のごく一部で「夢を買う」という感覚で取り組むのが良いでしょう。
3.不動産投資のメリット・デメリット

不動産投資のメリットやデメリットについてはさまざまな記事などで解説されていますが、ここでも簡単におさらいしておきましょう。
3-1.メリット
不動産投資のメリットと考えられる点を、以下に列挙しました。すでにご存じのものもあれば、初めて見るものもあるかと思います。
- 安定的な家賃収入が得られる
- 融資を利用できるので少額からでも始められる
- 他人資本で運用できるため資産形成効果が高い
- 他の投資商品と比べて値動きが起きにくく資産価値が安定している
- 生命保険と同等の効果がある
- 所得税と住民税の節税効果がある
- 相続税の節税効果もある
先ほど不動産投資信託としてREITを紹介しましたが、ここで挙げたメリットのほとんどはREITではなく現物の不動産投資だからこそ得られるものです。その意味でも不動産投資はメリットがとても多い投資と言えます。
3-2.デメリット
次に、不動産投資のデメリットも見てみましょう。
- 不動産投資特有のリスクがある
- 流動性が低くなる場合があり、好きなときに売れるとは限らない
- 物件を維持、管理する必要がある
- 初心者にとって物件選びは簡単ではない
- 固定資産税が発生する
このなかには、現物の資産を保有するがゆえのデメリットもあります。株やFXなどの経験はあっても不動産投資の経験はないという方にとって、こうした現物資産特有のリスクは気になるところではないかと思います。1つ目に挙げた「特有のリスク」については、別の章で解説します。
4.不動産投資が失敗につながりやすい人に共通する6つの特徴
不動産投資における成功の定義は人それぞれですが、不動産投資における失敗の定義は「利益が出ない」ことです。
本章では、せっかく不動産投資をスタートしても、失敗につながりやすくなってしまう方の特徴を6つにまとめています。
- 計画性がない
- 不動産会社を比較していない
- 勉強していない
- 人任せ
- 判断が遅い
- 物件選びが悪い
4-1.計画性がない
不動産投資には計画性が必要不可欠です。準備不足の状態で、「きっと、なんとかなるさ」という楽観的なスタンスではじめるのは、失敗のもとです。
基本的に、不動産投資は長期間にわたって行う投資です。長期の運用中には、家賃下落・突発的な修繕費の発生・空室・自然災害などのリスクが発生する可能性があります。
また、長期の運営をしている中で、ご自身のライフスタイルにも、転勤・リストラ・退職・病気・結婚・離婚など、さまざまな変化があります。
不動産投資をスタートする際には、物件とご自身の両方に、何かあった場合のことも想定し、危機管理を含めた上で、長期の運営計画を立てておく必要があります。
関連記事:不動産投資の5つのリスクとは?リスクの回避策も分かりやすく解説
4-2.不動産会社を比較していない
不動産投資をスタートするときに、頼りになるのが、さまざまなシーンでサポートをしてくれる不動産会社の存在です。
不動産投資用の物件を扱う会社は、数多くありますので、複数の不動産会社の資料を見たりセミナーに参加したりして、内容をよく比較検討してから「ここは!」と思える1社を選択するようにしてください。
会社を比較しないと、例えば、おすすめされた物件価格や返済計画プラン、運営後の管理プランなどが適切なものかどうか、判断のしようがないからです。
複数の会社の資料を比較検討すると、会社ごとの特徴や、自分と相性の良い不動産会社がどこなのかがわかるようになってきますので、最低3社は資料請求とセミナー参加、できれば個別相談までしてみることをおすすめします。
4-3.勉強していない
不動産投資は、勉強不足のままスタートしてしまうと、思わぬ失敗を招きかねません。不動産投資をしてみたいと思ったら、スタート前に勉強をしっかりしてからにしてください。
不動産投資を全体的に学ぶ方法としては、まずインターネットで不動産投資関連の記事を複数サイトを横断して読む、不動産会社に資料請求をしてパンフレットなどをよく読むなどがあげられます。
インターネット上には不動産投資の種類・ノウハウ・成功例・失敗例などがたくさん公開されています。玉石混交であることを前提に読んでいけば、かなり勉強になるはずです。
不動産会社主催のセミナー参加は、以前は「本気の人しかいないのかも」という、心理的ハードルが高いものでしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、オンライン開催が主流になっていますので、少し興味がある段階でも、気軽に参加できるようになりました。
上記以外にも、複数の著者が出している書籍・雑誌の特集なども併せていけば、スタート前にある程度の知識を蓄えることは可能です。
あまりお金をかけずに学べる方法はいくらでもありますので、積極的に情報を集めて勉強するようにしてください。
4-4.人任せ
人任せ、営業担当者任せの場合は、不動産投資の成功率はかなり低くなります。
不動産投資の取引では、不動産に関した知識以外にも、金融・マーケティング・法律などの、幅広い知識と経験則が必要になります。資料などには不動産以外の専門用語も多く、最初は何を言っているか全くわからないのが普通です。
百戦錬磨の営業担当者の話を聞いているうちに、だんだん面倒くさくなってしまい「もう、全部お任せします」と丸投げしたくなることもあります。
しかし、不動産投資がスタートしたら、全ての経営責任を取るのは、営業担当者ではなく、オーナーである自分自身です。営業担当者や、セミナー担当者などにサポートをお願いするのは良いのですが、どのような情報でも、最終的には自分で調べて確認をしてから判断することになります。
判断がつかないのは情報不足が原因ですので、確信が持てるまで情報収集を繰り返してください。その上で、複数の不動産会社の意見に耳を傾けて判断するようにします。
ほとんどの不動産会社は業界全体のことを考えた良心的な会社です。しかし、中には、利益が期待できないような物件をおすすめしてくるようなところもあることを前提に、複数の会社から、じっくりと話を聞いていくようにすれば、失敗を回避できる可能性は高くなります。

4-5.判断が遅い
不動産投資は、一件で数百万〜数千万円という大きな金額が動く取引です。そのため、慎重に判断するのは良いのですが、あまりに慎重になりすぎると、せっかくの優良物件を取り逃がすことになります。
収益を生みやすい良質な物件は、プロの不動産投資家から初心者の不動産投資家まで、みんなが欲しい物件ですので、悩んでいる間に誰かが買ってしまいます。
会社員をしているときには、どのような場合でも即断即決はせず、上司の回答をあおぐのが普通です。しかし、不動産投資を始めたら、ご自身が経営者ですので、必要な時に適切で迅速な判断ができるだけの、情報を把握している必要があります。
4-6.物件選びが悪い
物件選びに失敗し、リスクの多い物件を買ってしまうと、不動産経営は失敗をしやすくなります。そのような物件を掴んでしまう原因のほとんどは、勉強不足・情報不足です。
例えば、不動産情報に掲載されている利回りの高さや、エリア条件を重要視しすぎ、住む人を考慮していない物件にとびついてしまうことがあります。
または、有名な会社の担当者の説明を鵜呑みにする、業界で有名な先輩投資家の言うことを鵜呑みにするなど、裏付けのない情報でも、大きな影響力がある人物に頼った結果、問題のある物件を掴んでしまうことがあります。
ビジネスデータはあくまでデータであり、物件の賃料収入が安定するためには「入居者ありき」であることを忘れると、失敗してしまう可能性が高くなります。
5.不動産投資で成功している人に共通する8つの特徴
本章では、不動産投資で成功をしている人に共通する、8つの特徴をまとめています。これから不動産投資をスタートさせる方は、なるべくこの特徴を取り入れるようにしてみてください。
- ゴールが明確
- とにかく勉強熱心
- 相場を把握している
- 欲しい物件が明確
- 判断が早い
- 絶対に焦らない
- 優秀な管理会社に委託している
- 物件探しパートナーの存在
5-1.ゴールが明確
不動産投資で成功している方の多くは、スタートする前の段階で、不動産投資で何を得たいのか、成功することによってどんな人生を送りたいのか、つまり、ゴール設定が明確です。
例えば、年金の補填にするのがゴールなのであれば、60歳で定年退職をした後、最低でも15〜20年は安定賃料収入が続いてくれないと困ります。
そのためには、大きな家賃下落をしにくく、空室ができてもすぐに次の入居者が決まるような、駅前の築浅マンションや、中古マンションをフルリノベーションした物件などを投資対象にする必要があります。
また、中古で購入した物件を、時代に沿って生まれ変わらせることができる、きちんとした経営ノウハウを持った不動産会社にサポートについてもらうなど、長期運営前提での不動産会社探しも非常に重要です。
それ以外にも、将来、買った時よりも高い値段で不動産売却して、売却益を出していきたいと考えているのであれば、不動産価値が上がる可能性の高い、再開発地域・新路線が出来る地域などを中心にして、物件を探していく必要があります。
ご自身にとってのゴールが明確だと、自分が選ぶべき物件もハッキリしてきます。その結果、当初に決めた不動産投資で得たい結果を得やすくなるのです。
5-2.とにかく勉強熱心
不動産投資に限らず、投資で成功している方は、基本的に勉強熱心です。つぎ込んだ投資額を将来にわたって安全に守りながら資産形成をするために、常に、自分自身の情報更新を怠りません。
特に不動産投資は、不動産業界のことだけではなく、金融・法律・司法など細かなルールがたくさん関わってくるため、広い範囲での知識が必要です。
物件購入の際には、不動産売買に関する事柄や、物件の判断の仕方、ローンなどに関した金融関係の知識全般が必要になります。
経営スタート後の管理は専門会社に委託するのが一般的ですが、連絡があるときには、常に何らかの判断をあおがれる立場です。
もちろん、どのシーンでも、不動産会社の担当者のサポートやアドバイスはお願いできますが、ある程度のことがわかっていなければ、提案が適切かどうかもわかりません。
そのため、不動産経営をする方は、持っている物件数の多少に関わらず、ご自身で積極的に勉強をしているか、忙しい自分に代わって動ける優秀な右腕となる不動産会社の担当者と緊密な連絡を取っています。
5-3.相場を把握している
どんなに優良物件だと思って購入しても、その物件から想定通りの利益が得られるとは限りません。成功率の高い不動産投資をする方は、自分が想定している家賃で、長期の需要があるかどうかを、きちんと自分で調査しています。
この場所ならこのくらい、などのエリア相場以外にも、物件の広さとしての相場・社会背景の変化を想定した相場など、常に、入居者が「うん、この値段だったら」と納得してもらえる家賃相場をつかんでいます。
相場相応の賃料は、入居者にとって納得のいく値段ですので、かりに景気が悪くなっても、退居などをせずに、長期に住んでもらえる可能性が高くなります。その結果、長期的に安定した賃料収入を確保しやすくなります。
このように、相場に合った家賃設定でローンの返済計画を立てた上で、料金設定の幅を持っておくと、万が一、空室が発生した場合でも、ローン返済への影響が最小で済みます。
別の言い方をすれば、相場相応の家賃でシミュレーション計算をして、先々に利益が出なくなる可能性が少しでもあるならば、どんなに好条件だと思えても、見送ったほうが良いということになります。

5-4.欲しい物件が明確
成功している方は、どのエリアに、いくらまでなど、物件選択の条件が明確です。例えば、23区・中古20年以内・ワンルーム・駅から徒歩10分以内など、具体的な条件がハッキリと決まっています。
このような「欲しい物件の条件」は、不動産投資のゴールと深い関係があります。
ゴールがハッキリしていると、それに見合った物件が明白になってきますので、ゴールに見合った収益物件を探しやすくなり、結果的にゴール達成がしやすくなります。
逆に言えば、不動産物件情報を見ているときに、自分の条件があれこれ動いてしまうようであれば、まだ、ゴール設定が不明瞭である証拠です。
希望する条件の決め方は、先に予算・エリア・賃料収入の3条件を決め、それ以外にオプションとして付け加えたい条件をいくつかリストアップします。
希望する条件すべてをクリアする物件はほとんどありませんので、オプション条件の中で「これだけは譲れない」ものを決めておきます。
優先順位上位以外のものは、臨機応変に取捨選択していくようにすれば、希望に近い物件でありながら、ある程度の選択肢の幅がある物件探しができます。
5-5.判断が早い
不動産投資がうまくいっている方は、投資物件を見て、その物件を買うかどうかを、短時間で判断できるという特徴があります。物件選びは慎重にすべきですが、不動産投資物件の市場には、はじめたての方からプロの投資家までがいます。そのため、良質な物件ほど瞬殺で売れてしまいます。
不動産投資で成功率を上げていくためには、投資物件情報の取捨選択・現物確認をした際の投資判断が迅速である必要があるのです。
迅速な判断ができるベースには、情報量と、得た情報に対して確認ができる不動産会社というパートナーの存在があります。
さらに情報を常に更新しているため、担当者からの連絡内容で、瞬時に「買う・買わない」などの判断ができるのです。
5-6.絶対に焦らない
不動産投資で結果を出してきている方は、物件との出会いは「タイミング」が大事だということを知っています。
不動産投資を始めたら、誰もが、なるべく早く、良い物件に出会い、早く収益を得たいと考えます。しかし、不動産の場合は、まず良質な物件ありきの話ですので、希望する条件の物件が出てこなければ、そもそも買う必要がありません。
早く不動産投資をスタートさせたいと焦るあまり、納得のいっていない物件を購入してしまうと、自分が思ったようには運営できないこともあります。その結果、ゴールが遠のいてしまうことになりかねません。
不動産投資が上手くいっている方は、「良い物件はそうたくさんはない」ということをよく理解しているので、物件選びに焦りません。
特に、はじめての不動産投資の場合は、最初の1件目で納得したものを選び、可能な限り成功率を上げないと、その先の資産形成計画にまで大きく影響してしまいます。
良いと思える物件に出会えるまで、焦らず、根気よく探し続けることが大切です。
5-7.優秀な管理会社に管理委託している
はじめて不動産投資をスタートする方の多くは、会社員などをしながら、副業として不動産投資を始めます。平日は本業に時間を取られることから、建物管理や賃貸管理は自分ではできないことが多いため、専門会社に委託をすることになります。
不動産投資で成功している方は、この管理会社選びがシビアです。投資用の不動産は自分の財産でもあり、これから財産を増やしてくれる金の卵です。
財産を自分の代わりに管理してくれる会社は、優秀でなければなりません。このように考えているため、不動産投資で結果を出している方は、次のようなことをチェックしています。
特に退居があった時にすぐに次の入居者を見つける営業力があるかどうかが重要です。
物件のあるエリアに詳しいか
特に、自分が物件から離れた場所に住んでいる場合、管理する不動産会社は物件エリアに強い方が望ましいでしょう。
費用に見合った仕事をしてくれるか
委託料は1件の賃料に対しての%報酬です。毎月、固定費として出ていくことになりますので、費用に見合った仕事をしてくれなければ、経費の無駄になります。
担当者に遠慮なく相談ができるか
不動産業界や不動産に関した法律やお金に関する専門的な意見が聞けるか、経営パートナーとして頼りにできるかもチェックしています。
将来、複数の戸数を経営する、または一棟マンション経営を計画している方にとっては、信頼できる不動産会社は必要不可欠です。
また、会社が良くても担当者に問題がある可能性もありますので、ネットなどで検索して資料を比較した上で、必ず担当者とも面会をしてから、管理会社を決めるようにしています。
5-8.物件探しパートナーの存在
はじめての不動産投資では、物件選びと同じくらい、どの不動産会社から物件購入をするかが大切です。不動産投資家にとって、最良の結果とは、その人にとっての不動産投資のゴールを、確実に達成できることです。
不動産会社の中には、残念ながら、あまり投資向きではない物件を、投資用物件として紹介しているところもあります。
成功するために大事なのは、これから長い期間を、不動産投資と経営のパートナーとして一緒にやっていける、信頼と実績のある不動産会社から物件を購入することです。
そのような会社は、これから不動産オーナーになる方が、不動産投資を通じて得ようとしているゴールが達成できるようなサポートをしてくれます。
6.よくある不動産投資の種類と特徴を知っておこう
不動産投資をする物件には、いろいろな種類があります。本章では、これから資料やセミナーなどで良く見聞きすることになる、4タイプの不動産投資の種類と特徴を簡単にまとめています。
- 新築マンション 区分
- 中古マンション 区分
- マンション一棟
- 土地活用
6-1.新築マンション 区分
新築一棟マンションのうちの、1室を所有することです。新築ですので資産価値が高く、少な目の自己資金でも購入できるケースが多いというメリットがあります。売却も築年数が多く残っている状態であれば、流動性も高めです。
「新築プレミア」効果で、入居者が決まりやすい点も特徴です。また建物すべてが新品ですので、修繕費はかなり先まで発生しません。
デメリットとしては、新築物件であることから物件の値段が高いことと、資産価値が下がるスピードが早いことです。新築と呼べるのは「まだ誰も住んだことがない物件」のみですので、一回でも入居者が付いた瞬間から、中古物件となります。
6-2.中古ワンルーム 区分
中古一棟マンションの中の、1室を所有することです。新築物件よりも値段が下がっているため、買いやすく売りやすいというメリットがあります。
デメリットは、経年によって徐々に家賃が下落することや、周辺に新築マンションができてしまうことで、相対的に家賃相場が下がってしまうことです。
また、徐々に修繕が必要となるサイクルが短くなる傾向があります。仮に、区分所有の部屋を良好に保っていても、建物自体が経年劣化することには、オーナーが自力で対応することができません。
ただし、フルリノベーションで物件に新しい価値を加えることで、新築区分に匹敵する値段で賃貸に出すことも可能です。
6-3.マンション一棟
マンションを丸ごと所有することです。マンションの物件は、ワンルーム・ファミリー・オフィスなどさまざまです。複数の種類の賃貸物件がある一棟物件もあります。
一棟を持つということは、土地建物すべてを所有することですので、大きな資産形成が可能です。経営面では、一棟丸ごと持つことで、空室が発生しても他の物件でカバーできるというメリットがあります。
デメリットとしては、大きな買い物ですので、大きな自己資金が必要です。売却したい時も、金額が大きいために流動性は下がります。
また、賃料収入が発生する物件が一か所に集中しているため、自然災害などが起きた場合にはリスク分散ができず、大きなダメージを受けやすいことがあげられます。
6-4.土地活用
相続などで得た不動産や土地がある場合、土地活用という方法で不動産から収益が得られるようにする方法があります。
土地活用には、マンションなどの住居を貸す経営以外にも、店舗貸し・駐車場経営・コインランドリー経営・貸倉庫経営などがあります。
しかし相続をした土地のエリアや条件によっては、どのような経営をしても良い結果にはつながらないケースもあります。その場合は、不動産を一旦売却し、そのお金で区分マンションなどの不動産投資をするという土地活用法もあります。
今後、相続の可能性があり、その中に不動産が含まれている場合は、親が元気なうちに相続に関した話し合いの場を設け、節税を視野にいれた不動産投資の提案もしてみましょう。
また、ご家族だけで判断がつかない場合には、複数の不動産会社から資料を取り寄せ、信頼と実績のある会社に無料相談をしてみるのも良いでしょう。
7.不動産投資の成功率を上げるために知っておきたいリスク
不動産投資には、現物資産ならではの特徴が影響するものも含め、大きく10種類のリスクが存在します。ここでは、それぞれのリスクを詳しく解説するとともに、既に確立されている有効な対策についても紹介します。
- 空室リスク
- 家賃滞納リスク
- 災害リスク
- 家賃下落リスク
- 修繕リスク
- 倒産リスク
- 借入リスク
- 金利上昇リスク
- 流動性リスク
- 税金リスク
7-1.空室リスク
入居者家賃を収入源とするだけに、空室は不動産投資における最大のリスクと言えます。空室を100%なくすことはできませんが、いかに空室ゼロに近づけられるかが不動産投資の成否に直結します。
【リスクへの有効な対策】
賃貸住宅の価値のほとんどは立地で決まるといっても過言ではありません。今だけではなく将来も需要が見込める立地条件の物件を所有し、客付けの能力が高い管理会社や不動産会社を味方につけることが有効な対策になります。
7-2.家賃滞納リスク
入居者がいても家賃を滞納されてしまうと、収入が入らなくなってしまいます。滞納が長期化すると退去してもらう必要がありますし、資金繰りにも悪影響を及ぼします。
【リスクへの有効な対策】
家賃の督促は精神的にも負担の大きい業務だけに、家賃回収も含めて管理会社に委託するのが無難です。家賃保証会社を入れてリスクヘッジをする方法も有効です。
7-3.災害リスク
自然災害による所有物件へのダメージは、現物資産特有のリスクです。リスクが顕在化すると賃貸物件としての機能を失ってしまう恐れもあります。
【リスクへの有効な対策】
自然災害を完全に回避することは不可能ですが、自治体が発表しているハザードマップを参考にして物件選びをすることで一定のリスクヘッジが可能です。また、「起きてしまった」場合のことも想定して火災保険や地震保険に加入しておくことも必須でしょう。
7-4.家賃下落リスク
建物は経年劣化するため、いつまでも「新築同様」「築浅物件」ではいられません。経年劣化とともに家賃が下落していくのもリスクの1つです。
【リスクへの有効な対策】
建物の劣化は避けられませんが、需要が低下しない立地条件であれば、「場所」は劣化しません。将来に向けて価値が低下しにくい立地条件の物件を選ぶことはとても重要で、それを踏まえた物件の提案力は不動産会社の力量にも関わる部分です。
7-5.修繕リスク
内装や設備なども時間の経過とともに劣化するため、修繕やメンテナンスが必要になります。ある程度予測できるものだけでなく、突発的な故障などもリスクに含まれます。このリスクが顕在化すると大きな出費を伴うことが多く、収益悪化につながります。
【リスクへの有効な対策】
突発的なものも含めて、修繕リスクは事前に織り込んでおくべきです。そのために修繕積立金を用意しておくことは必須ですし、そもそも資金ギリギリの状態ではなく一定の余裕をもたせた経営をすることも重要です。
7-6.倒産リスク
管理を委託している管理会社が万が一倒産してしまうと、管理業務が止まってしまうだけでなく、最悪の場合は預けているお金や家賃を持ち逃げされてしまう恐れもあります。
【リスクへの有効な対策】
管理会社選びは、倒産リスクも考慮して行いましょう。管理戸数や実績が豊富で財務基盤がしっかりしている会社のなかから委託先を選ぶためには、不動産会社のサポートや助言も役立ちます。
7-7.借入リスク
金融機関の融資を利用して物件を購入している場合、毎月の返済義務があります。空室が発生するとローン返済のためにあてこんでいたお金が入ってこないせいで資金ショートのリスクが高まります。
【リスクへの有効な対策】
ある程度の自己資金を確保し、借入額を抑えることで返済負担を軽くすることが重要です。また、空室を極力発生させないよう、入居者のニーズを満たす物件選びや管理体制の整備も欠かせません。
7-8.金利上昇リスク
日本は長らく超低金利が続いているため、不動産投資ローンの金利も低い水準が続いています。しかし、2024年には日銀がマイナス金利を解除し、さらなる利上げを示唆しています。今後は金利が上昇し、返済負担が増える可能性があります。
【リスクへの有効な対策】
変動金利型のローンを利用している場合、今後の金利上昇による影響を受ける可能性があります。影響を抑えるためには借入金を早期に少なくしておくのが有効なので、可能であれば繰上返済をするのが良いでしょう。これからローンを組む場合は変動金利型ではなく固定金利型のローンを選ぶのも1つの対策です。
7-9.流動性リスク
不動産を売却するには買い手の存在が不可欠なため、いつでも簡単に売却できるとは限りません。特に、賃貸経営がうまくいかずに物件を手放そうとしても、収益性の低い物件は買い手が見つかりにくい傾向があります。その結果、売却が思うように進まず、税金やローン返済の負担だけが延々と続くリスクが生じる可能性があります。
【リスクへの有効な対策】
そもそも売却しなければならないような物件は買うべき物件ではなく、収益性の高い物件であれば手放す必要もありません。流動性の低さは不動産の本質的な部分でもあるので、最初から売らなくても良い物件を選ぶことが重要です。
また、物件の種類別ではワンルームマンションが最も流動性が高く売却しやすいので、その視点で物件を選ぶのもおすすめです。
7-10.税金リスク
不動産投資は、多くの税金との関わりがあります。購入時、所有時、売却時それぞれに税金が発生するので、それを考慮した資金計画が不可欠です。
【リスクへの有効な対策】
税金については購入前から知り得る情報であり、税額も計算可能です。購入前の資金計画でしっかりと税金についても考慮した上で、無理のない資金計画を立てましょう。逆に不動産には減価償却費といって節税効果につながる経費もあります。税金面ではマイナスばかりではなくプラスの効果もあるので、それもしっかりいかしたいところです。
8.不動産投資で結果を出すために大切なこと
本章では、これから不動産投資をスタートする方が、結果を出していくために大切なことを3つにまとめています。
- 物件は立地がすべて
- 時代と人が求める物件であること
- 不動産投資のコーチ的存在がいること
8-1. 物件は立地がすべて
不動産投資物件にとっての理想の立地とは、駅近で生活に便利なエリアのことです。賃貸物件を借りる方は、利便性を優先しますので、駅から歩いて10分以内であったり、家に着くまでの間にコンビニやスーパーなどの生活に必要なものが揃う場所であることを求めています。
さらに、主要ターミナル駅にアクセスが良いことや、職場や学校にスムーズに行けるなど、便利であればあるほど、入居者を獲得しやすく、更新もしてもらいやすくなります。
周辺環境にどのような企業・大学・施設などがあるかで、ある程度、入居者層の方向性が見えてきます。はじめての不動産経営をスタートさせるときには、勉強として、気になる物件の周辺環境を自分の目で確かめに行き、入居者としての視点も養っておきましょう。
同時に、このようなマーケティングを正確に行える不動産会社からの情報提供や物件紹介も必要になってきますので、不動産情報は、複数の会社の提案するものを比較検討しておくことも大切です。
立地は、後から自分で変えることができないタイプの条件ですので、物件選びの際の最優先事項として、できる限り立地条件の良い物件から選ぶようにします。
8-2.時代と人が求める物件であること
人のライフスタイルは時代によって変わっていきます。一昔前は、なんでも新品で設備もいっぱいある物件が良しとされてきましたが、令和の現代では、ミニマリズムに代表されるように、物を大切にする・物を持たないシンプルな住まいが人気です。
不動産は必ず経年しますので、どんな建物でも、いずれは中古物件になり、かならず時代背景と合わない物件になります。中古物件が築浅物件と変わらないほどの入居率を維持するためには、多くの人から求められる「今の時代」の内装とライフスタイルを提案する必要があるでしょう。
オーナー側がそのような考え方をしていても、リフォームやリノベーションを担当する会社に理解がなければ、お金をかけても、時代に沿った物件に生まれ変わらせることは難しいので、不動産会社選びは、納得のいく結果を出すために、とても大事になります。
8-3.不動産投資のコーチ的存在がいること
不動産投資で結果を出すためには、はじめての不動産投資のサポートをしてくれる、不動産会社の存在がとても重要になります。
例えば、わからないことを何度でも勉強できる環境、融資について親身になって相談できる、優良な入居者を探してくれる管理体制があるなど、はじめての不動産投資で進んでいくステージによって、必要なサポートをしてくれる、信頼と実績のある不動産会社の存在が不可欠です。
9.リスクと失敗を回避すれば不動産投資の成功率は大きく向上する
不動産投資は、適切な知識と準備があれば成功率を大幅に高められる投資手法です。現在では、多くの成功事例やノウハウが確立されており、それらを活用することでリスクを回避しやすくなっています。
本記事で解説した内容をしっかり理解し、潜むリスクや失敗を的確に回避することで、不動産投資を「失敗しない」レベルから「成功を確実にする」ステージへと進化させましょう。