不動産投資

不動産投資詐欺に注意!よくある手口10パターンと回避する5つの行動

「確実に儲かる」「今しかない!」などの甘い言葉を使い、不動産投資をしようとしている人から金銭などをだまし取ることを「不動産投資詐欺」と呼びます。

本記事では、はじめての不動産投資をご検討中の方が、安全に長期的な収益を得られる不倒産投資家・不動産経営者になるために、知っておくべき詐欺の手口についてまとめています。

不動産投資詐欺に注意!よくある手口10パターンと回避する5つの行動

1.よくある不動産投資詐欺の手口10パターン

よくある不動産投資詐欺の手口10パターン

不動産投資で詐欺を働く人たちのやり口は大変巧妙ですので、どの話が詐欺で、どの話がまともなのかは、見分けがつきません。ただし、不動産投資詐欺の商品や販売スタイルには、いくつか共通したものがあります。

本章では、よくある不動産投資詐欺の手口として10のパターンをまとめました。多くの詐欺師たちは、いくつかのパターンを組み合わせていますので、10のうち2つ以上が当てはまったら、一旦立ち止まるようにすれば、大きなトラブル予防に役立ちます

1-1.物件が実在しない

実際には存在しない物件を、あたかもあるかのような不動産情報を流し、その物件を購入するための手付金を支払うと、そのお金を持ち逃げする手付金詐欺の手法です。

不動産は安いものでも数千万単位のお金が動きますので、手付金として2割の金額をもらえれば、一回で数百万円の詐欺ができます。担当者(詐欺師)がグループで働けば、数千万~億の詐欺被害を出すこともできます。

多くの場合、「人気物件だから手付金だけでも払っておいたほうが良い」「手付金を頂ければ当社で物件を確保します」など、購入希望者の競争心をあおってきます。

不動産購入の際に手付金を支払うことは、マイホーム購入でも普通にあることなので、ある程度の金額を支払うことに心理的な抵抗がないのも、手付金詐欺にひっかかる大きな理由の一つです。

詐欺の手口
良さそうな物件があったので、今までとても親切・丁寧に対応してくれていた担当者(詐欺師)に、物件購入を検討していることを伝えた。すると、人気物件で申し込みが殺到することが予想されるので、手付金を頂ければ弊社からの購入申し込みにして、一定期間だけでも物件を押さえられますと提案をされたので、その人を信用して手付金として400万円を支払った。

その後
手付金を支払った後、1~2回の短いメール連絡があった後、携帯も会社の電話もつながらなくなった。慌てて弁護士に相談に行ったが、手付金は契約前提で支払うものなので、契約書がなければ契約不履行にはならないことがわかり、頭が真っ白になった。

1-2.高額な仲介手数料

物件は存在し、売買も成立するのですが、高額な手数料をだまし取ることを目的とした詐欺です。不動産の取引には様々な手数料が発生しますが、代表的なものには、仲介をしてくれた不動産会社に支払う仲介手数料があります。

仲介手数料は、宅建業法により「売買価格×3%+6万円+消費税」という上限が定められており、これ以上の金額を要求することはできません。しかし、不動産取引をはじめてする方で、この宅建業法を知らない場合には、法外な料金を請求されていることがわかりませんので、言われるがまま支払ってしまうことがあります。

ひどい場合は、不動産投資物件を紹介するまでに、詐欺グループが複数の不動産会社を演じ、「合計で4社の仲介をしているので4社分の仲介料が必要です」と言って、4倍の仲介手数料を請求するケースもあります。「不動産の売買には仲介手数料が発生するもの」という一般常識を逆手に取った手口といえます。

詐欺の手口例
投資マンションとして2,000万円の物件を購入した。送付されてきた請求書にある通りに不動産会社の口座に振り込みをしておいた。不動産投資を始めることは誰にも話していなかったが、経営も順調だったので、半年くらいしてから、学生時代の友人に話をしたときに「そんな高い仲介手数料なんて、さては、億ションでも買ったな」とからかわれて、ハッとした。

その後
物件自体は自分の名義になっているし、不動産投資経営も順調だからなにも疑わなかったが、家に帰って仲介手数料を確認すると、相場の3倍近い金額だった。家族にも内緒で不動産投資をしたので、誰にも話さなかったことも、詐欺にあった原因だと思った。

1-3.誇大広告をしている

実際の条件よりも良い情報を、不動産購入希望者に「おとり」の情報として提供し、本当に売りたい自社物件に誘導する手口です。広告方法は、宅地建物取引業法(宅建業法)と、不動産業界の自主規制としてルールが設定されており、一般的な不動産会社は、誇大広告をしません。誇大広告の内容は、具体的には、以下のようなものがあります。

  • 駅近くではないのに「駅利用がしやすく便利」などと表示する
  • 成約済みの人気物件を、まだ販売中であるかのように表示する
  • 必要な諸費用の記載をせず、契約後に追加支払いをさせる
  • 実際の物件とは違う画像を使う

これは売買だけではなく賃貸物件でもよくある手法です。このような表示をする会社に問い合わせると、実際に何らかの不動産物件の取引はできるのですが、最初に見た情報とは違うものが提供されます。

物件は手に入りますので被害としては小さめですが、本来買うことがなかった物件を買わされる可能性があります。国土交通省は宅建業法32条で、虚偽、誇大広告をつかった「おとり」広告を禁止しています。

詐欺の手口例
ネットで好条件の投資物件を見つけた。問い合わせをすると、他にも未公開物件があるので、面会をしたいという連絡がきた。最初に問い合わせをした物件は、成約済みになってしまったが、よく似た物件で、もう少し割安感のあるものを提案されたので購入した。最初の物件ほどではないが、気に入って買ったものなので、後悔はしていない。

その後
ネットで不動産投資物件を探していたら、あの時と全く同じ物件が載っていた。画像なども全部同じで「え?」と思ったが、次の瞬間「あ、騙された」とわかった。

1-4.不利益な情報を隠す

購入者にとって重大な不利益になる情報を伝えないで、売買契約を成立させます

購入者にとって、どこまでが不利益なのかは、人によって違いますが、基本的に後から代金が発生したり、購入者の努力で変更できないようなことは、不利益な情報として事前に伝える必要があります。例えば、以下のような情報です。

  • 雨漏りなどの重大な修理箇所がある
  • 日当たりが極端に悪い
  • 近隣に迷惑住民がいる
  • 購入してほどなく周辺環境が大きく変わる

このようなトラブルは、不動産投資に限らず、一般の不動産売買でも起こります。ただし、一般取引の場合は、不利益な情報を隠していたことが判明した時点で、仲介をした不動産会社に「事実の誤認があった」ことを追求し、契約の取り消しをさせることも可能です。

しかし詐欺の場合は、事実を隠されていたことが分かった時には、詐欺グループは姿を消していますので、問題を解決するのは購入者本人になります。つまり、泣き寝入りになる可能性が高いです。

詐欺の手口例
都心から車で1時間の海辺に別荘が売り出されていた。JR駅から徒歩で行けるので、割高だとは思ったが、緑に囲まれた部屋の窓から海が見えるのがウリになると思って、「別荘」という前提でマンションの最上階を購入した。

1ヵ月後、内装工事の下見に訪れたら、周辺の木々が伐採されて、買ったマンションは丸裸で別荘感ゼロ。周辺は大型マンションの基礎工事がしてあった。担当者に電話をしたがつながらない。地主さんにお会いすると「土地活用の話は、この辺の不動産会社ならみんな知ってたよ」と言われ、愕然とする。

その後
森みたいだった木々は一本も残っておらず、大型マンションが建築されると窓からは海も見えなくなる。別荘という名目で購入したが、購入したときの前提条件が全く変わってしまった。

1-5.囲い込み商法

囲い込みとは、意図的に情報に制約を付けることで判断力を鈍らせ、少ない情報の中で決断をするように迫る手口です。例えば、他の物件とも比較したい、他の会社からの情報も得たいという気持ちに対し、以下のような提案で揺さぶりをかけます。

  • この物件はうちの専売なので、他社では扱っていません
  • A社は評判が悪いので、おすすめできません
  • 先日キャンセルが出て、〇〇さんにしかお知らせしていないんです

担当者(詐欺師)からの提案は真偽の確かめようもなく、かといって、よい物件は人にはとられたくないと焦る投資家の心理を巧みについてきます。非公開物件は、ネット検索をしても情報が出てこないため、データのみで即断即決を迫られます。

詐欺の手口例
とある不動産投資会社のセミナーで知り合った人と、他のセミナーでも何度も席が同じになることがあり、同じ投資初心者の仲間として、何度か飲みに行き懇意になった。ある日、「君がずっと探していた条件に近い物件があるから、一緒に見に行かないか」と連絡が入り、一緒に見に行った。

少し迷っていると、担当者が「未公開だから知ってるのは〇〇さんだけ」「前の方が審査落ちになったので、私たちだけが情報を持ってる」と言われ、大きなチャンスを逃したくない気持ちになり、契約をした。

その後
特に問題はないように思えたが、自分が買ってから1ヵ月後くらいにレインズに同じ建物の部屋が何件も出ていて、しかも500万円近く安くなっている。さては、審査落ちキャンセルの話もウソだったかと思い、せめて文句を言おうとしたら、セミナーの友人も担当者も「おかけになった電話番号は現在使われておりません」になっていた。

1-6.強引な勧誘と時間制限

購入希望者に時間的な制約をつけることで判断力を低下させ、短期間で自社での購入を決断させようとする手口です。例えば、購入を迷っている、他社と比較したいという方に、以下のような言葉で揺さぶりをかけます。

  • こんないい物件、このエリアだとここしか無いですよ
  • これからまだ、4組様をご案内する予定なんです

このように「近いうちに大きなチャンスが失われるかもしれない」という不安に、わざと心理的な圧力をかけ、他社で購入するチャンスを消していきます。

前項の囲い込みと似ていますが、こちらは主に時間に区切りをつけて即断即決を迫ります。本来、投資は情報を十分に検証したうえで、冷静な判断をすべきですが、その考える時間をなくす手法です。

詐欺の手口例
セミナーで知り合った、未公開物件のみを取り扱う不動産投資会社の経営者からの情報で、物件の情報確認のために、ホテルのラウンジで待ち合わせた。提案された5件のうち2件はだめだったが、3件は気になったので、その場で電話確認してもうと「同じような問い合わせが来ていますが、今この場で、どれかに決めていただければ、押さえられますよ」と言われた。

不動産投資の勉強をしているときに、有能な投資家は判断が早いと書いてあるのを思い出して即決。これで自分も不動産投資家の仲間入りだと喜び、手付金の振り込みをした。担当者は「書類が揃ったら連絡します」ということで、その日はそれで終わりになった。

その後
連絡を待っていたが連絡がこない。不安になって会社に電話をしたが、電話はつながらず、会社の住所に行ってみたら、そのビル自体が存在していなかった。

1-7.デート商法

異性と知り合いになってデートを重ね、親密になったところで、不動産の購入をすすめるという、色恋詐欺の一つです。恋愛感情を使って金品を巻き上げるデート商法は、不動産投資以外にも、高額絵画販売、結婚詐欺・海外ロマンス詐欺など多数のパターンがあり、昔からある手口です。

今は恋活・婚活のアプリやサイトも多く、LINEなどのSNSで個人的な関係が成立しやすい環境があるため、昔よりもデート商法は成功しやすくなっています。

担当者(詐欺師)は、こちらの信頼や愛情につけこんできますので、相手への恋愛感情が強いほど断りにくくなります。その結果、不要不急の商品であっても、仕方なく契約をしてしまいます。

現在は、消費者契約法により、学生や新社会人などの「社会経験が乏しい人」がこのような詐欺に引っかかった場合には、クーリングオフ期間後でも契約の取り消しができるようになっています。しかし一般社会人の場合、ケースにもよりますがクーリングオフ期間が過ぎてからの契約取り消しは難しい傾向にあります。

詐欺の手口例
婚活アプリで知り合った3歳年下の女性(詐欺メンバー)と、何回かデートをした。アプリで結婚生活の条件なども公開していたので、将来のためとして、マンションのオープンハウスを見るデートをするようになり、不動産投資のセミナーにも参加するようになった。「結婚して子供ができたら、育児中に家賃収入があるのは安心」と提案され、彼女との将来のためにと、不動産投資をはじめることにした。

その後
売買契約が完了したあたりから、彼女からの連絡が減り、ある日、LINEアカウントがなくなった。携帯に電話しても出ず、彼女の勤め先に電話すると「そのような社員は弊社にはおりません」と言われ、あれ?と思う。しかし、頭の中には「フラれたかも」ということしかないので、不動産詐欺とは思わなかった。

1-8.海外不動産投資商法

投資をする不動産が海外にあり、投資希望者が現地で物件確認することが難しいことを利用した不動産投資詐欺です。実態のない不動産を販売する、実際の値段の何倍もの金額で売る、存在しない開発計画に投資させるなどの方法があります。

投資先の実情がわからないのと、送金は国内の代理店(詐欺グループ)にするため、集金だけしてお金を持ち逃げされ、お金も戻らず不動産も手に入らないこともあります。

知らない国の不動産には手を出さないことが一番ですが、どうしても投資をしたい場合は、窓口になっている不動産投資会社をよく調べてから判断するようにしてください。

詐欺の手口例
ホテル付属のリゾートマンションを買って、それを日本人と外人にバケーションレンタルする投資セミナーに参加した。ハワイやプーケットなど、世界のリゾート地で投資に成功しているという、パッとしない見かけの登壇者の成功話を聞いているうち、「どうせやるなら、こっちのほうが」と思い始めた。

高級感のあるパンフレットやホームページなど、信頼できそうな感じがあった。ハワイのコンドミニアムならばホテルよりも割安に購入できるので、手付金の一部を仮押さえ代金として支払い、本国にある不動産会社からの審査結果を待つ。ダメなら即日返金されるということだ。

その後
審査が終わるまで3日くらいかかるといわれたが、その後の連絡がない。昨晩見ていたホームページを開けてみると「404 not found」になっていた。

1-9.二重譲渡詐欺

二重譲渡詐欺とは、1つの物件を2人以上に売る不動産詐欺のことです。特に、現金のみでの売買を提案してくるケースでは、注意が必要です。

例えば2人への譲渡詐欺を行う場合は、1人目の購入者が契約を済ませて代金を現金で支払い、2人目の購入者も同じようにお金を支払いますが、この時に1人目の人よりも早く不動産登記をします。

1人目は現金で支払ってしまいましたが、不動産登記上、物件は2人目のものになりますので、物件を所有することができません。1人目は、お金を全額だまし取られたうえで、さらに物件もないことになります。

高度な詐欺グループでは、パソコン画面などを駆使して、2人以上のターゲットに同時に二重・三重・四重もの譲渡詐欺が行えます。わずか15分ほどで数億円をだまし取ることも可能です。ローンを組むと売り主・買い主・銀行の融資担当者・不動産会社の担当者・司法書士などが複数同席しますので、この方法はできなくなります

詐欺の手口例
不動産投資セミナーにいくつも参加していたが、なんだかどれも高いなと思っていた。ある日、電信柱に好条件のマンション物件売却の張り紙があり、これなら不動産投資にも使えると思い、書いてある不動産会社に電話をしてみた。

「売り主さまの都合で、現金一括でしか対応できません」と言われたが、投資用に用意していた頭金で買える範囲の金額だったのでOKをした。火曜日に不動産会社に足を運び、売り主(詐欺の仲間)に会い、物件を見てから契約書にサインをし、現金での振り込みをその場でした。売り主の都合に合わせ、木曜に登記の書き換えなどを司法書士事務所ですることになった。

その後
当日、指定の場所に行っても誰も来ない。間違えたか?と思って電話をしても携帯もつながらない。怖くなり、弁護士の無料相談に電話をしたら「詐欺の可能性あり」と言われる。法務局で物件確認をすると、全然違う人の名前が代金を支払った日の前日に登記されていた。

1-10.サブリース詐欺

サブリースとは、不動産管理会社が賃貸物件をオーナーから借り上げ、空室の有無に関係なく、毎月一定額をオーナーに支払う、転貸(サブリース)契約のことです。サブリース会社は、入居者募集・家賃回収・建物管理などをオーナーの代わりに行い、毎月の委託料(サブリース料)を徴収します。料金は賃料の10~20%、例えば、20万円の賃料であれば毎月2~4万円を支払うことになります。

プロの詐欺グループが行うサブリースは、口頭説明の内容と実際のサブリース契約内容が違います。説明では「賃料は下げない」「30年間賃料保証」と言ったのに、実際にはほぼ毎年、賃料の見直しによる減額があり、拒否権がオーナーにないなど、オーナーにとって著しく不利な契約内容になっています。

この内容ではサブリース契約ができないとオーナーがつっぱねても、不動産投資のパッケージ契約になっているため、サブリースを解除するなら、マンション購入などを含めたすべての契約を白紙に戻すうえに、金融機関への途中解約の違約金が発生すると脅迫まがいのことを言われるケースもあります。

オーナーは、不動産投資で1円も儲からないうちに、違約金で数百万取られるくらいならばと、サブリース契約をするように追い込まれます。さらに経営開始後も、さまざまなデメリットが生じる傾向があります。

詐欺被害の手口例
サブリースだと空室保証もしてくれるので、委託管理と一緒にサブリースもある不動産投資のパッケージに申し込んだ。経営が開始すると「空室が続いているので、毎月の振込を減額するか、物件賃料を下げさせてほしい」と連絡が入る。どちらも嫌だと断ると「それでは支払いができません」と、毎月の賃料を支払ってこなくなった。

それなら自分で管理をするからサブリースを解約したいと申し出ると、契約上、途中解約を物件オーナーからはできないと断られる。契約書をよく読むと、解約ができないばかりか、オーナー都合で途中解約をすると違約金まで発生することがわかった。

その後
違約金目的の詐欺と訴えるオーナーや、サブリース会社の調子の良いうたい文句に騙されたと騒ぐオーナーの両方がいることがわかったが、自分はどちらなのかがわからずじまいだった。

2.不動産投資詐欺を回避する5つの行動

不動産投資自体は、信頼と実績のある会社の担当者と一緒に、しっかりした知識をもって行えば、決して危険なものではありません。しかし次のような行動を怠ると、そこに詐欺師がつけこみやすくなりますので、注意が必要です。

2-1.知識と情報を得る

不動産投資のことが気になりだしたら、まずは不動産投資に関した知識と情報を集めてください。ネット情報だけではなく、書籍やセミナー参加など、さまざまなメディアからの視点で知識を多角的に増やしていきます。

知識と情報はご自身を詐欺から守るだけではなく、実際に不動産投資をスタートするときにも、経営者として成功しやすくしてくれます。

不動産投資で詐欺を働く人々は実際に存在しますが、不動産投資業界にある会社のほとんどは、善良で誠実な会社です。そのため、知識を蓄える際に3~5社の情報を網羅するようにしておくと、強引な勧誘や詐欺的な手口などにも気付きやすくなります

2-2.物件と会社を調査する

情報収集が進むと、手元にはさまざまな不動産投資会社の資料がたまっていきます。良さそうだなと思う会社があっても、まずはもらった資料を整理し、会社の背景を調べてください。新しい会社が悪いということはありませんが、詐欺を回避するという意味では、創業から10年以上経っている会社の方が安全です。

会社はホームページに掲載のある企業に関した情報をもとに、どのような事業を、何年くらい行っているのかなどを確認します。もらった物件資料のほかに、その会社に関して調べたこと、自分の感想、関連する書籍などがあれば、1つのファイルにまとめておき、後でパートナー会社を選ぶときのために、確認しやすいようにしておきます。

そのうえで、各社のネットでの口コミを探してみます。「A社 クチコミ」「A社 詐欺」などと入れると、良くない噂がある会社は、書き込みが見つかることがあります。100%信じる必要はありませんが、悪い評判も頭に入れておけば、被害を遠ざけることができます

2-3.確認と面談を省かない

ここまで進んでくると、パートナー会社の候補がいくつかに絞られてきます。パートナーにする会社は、はじめから決め打ちをせずに、複数の候補会社が主催するセミナーや勉強会に参加したうえで、担当者ともよく会話をしてから決めることが大切です。

その時に、個別に物件を提案されるかもしれませんが、資料を持ち帰って、物件を調べる癖をつけてください。こういった面談と確認を繰り返す習慣がつくことにより、実際にスタートしたときにも、詐欺以外の失敗も回避しやすくなります。

2-4.専門家のアドバイスを受ける

パートナー候補会社が2~3社に絞れたら、資料や物件情報をもって、複数の専門家にアドバイスをもらいましょう。ここでいう専門家とは、お金の専門家であるファイナンシャルプランナー、税金の専門家である税理士、法律の専門家である弁護士や司法書士のことです。

ご自分が住んでいる、または勤めている自治体に、専門家の相談を無料でできるサービスがあります。「これから、不動産投資をしようと思っている」と伝え、おかしなところがないか、どこがおすすめなのかなどを、素人として単刀直入に聞いてみます。

厳しい意見が出ることもありますが、プロの意見として耳に入れておくことで、スタート後に、適切な判断ができる確率が高まります。また、提供した資料の中に詐欺被害を出したグループなどがあれば、指摘してもらえます

2-5.詐欺被害情報を確認する

最後に、詐欺の情報を確認します。最新情報は国民生活センターに掲載がありますので、サイトの検索窓に「不動産投資詐欺」「詐欺」などと入れると、以下の画像のように、詳細な詐欺情報が出てきます。

国民生活センター

出典:国民生活センター

詐欺被害の傾向や手口がわかりやすくまとめられていますので、今起きている詐欺のことがよく理解できるようになります。

番外編:詐欺にあった!そんな時はどうすべき?

慎重に行動したつもりでも、詐欺被害にあった時のために、相談先をまとめました。万が一の際は、以下を参考に慌てず対処しましょう。

  • 国土交通省

    しつこい勧誘・脅迫めいた契約など、悪質だと思われる体験をした場合は、その時の日時・勧誘してきた会社名・会社所在地・免許証番号・担当者名・やり取りの内容などを記録したうえで、免許行政庁に連絡をしてください。

  • 独立行政法人 消費生活センター
    消費者ホットライン188に電話をかけると一番近いセンターにつないでくれます。類似する訴えの有無などをもとに、詐欺であるかを判断し、その後の行動を提案してくれます。
  • 宅地建物取引業保証協会
    所属する不動産会社とその会員が起こした不動産トラブルに対して、苦情解決のために動いてくれます。
  • 法テラス
    明らかに詐欺にあったと自覚しているのであれば、すぐに弁護士に相談する方法もあります。懇意にしている弁護士がいない場合は、まずは法テラスに電話をすると、相談内容によって必要な制度の案内や、無料相談を行ってくれます。

3.不動産投資で成功するために大切な5つのこと

本章では、これからはじめての不動産投資をご検討中の方向けに、不動産投資で成功するために大切なことを5つにまとめています。これらの大切なことは、すでに不動産投資で成功している方々が、実践している共通点でもありますので、参考にしてください。

3-1.不動産投資のメリット・デメリットを理解する

不動産投資をしてみたいという気持ちが強いと、どうしても不動産投資の良いところばかりを探そうとしてしまいます。しかし、どのような投資方法にも、かならずメリットとデメリットがあります。

不動産投資に関する情報を集め始めたら、まずはメリットとデメリットに情報を分けていき、メリットがある場合は「これで誰が得をするのか?」、デメリットがある場合も「これで損をするのは誰か」という視点で、冷静に比較するようにします。

デメリットを十分に理解したうえで、そのデメリットに対する対策も講じるようにしておき、それでも大丈夫だと思えたら、具体的に話をすすめるようにしてください。このような考え方の習慣をつけることで、結果的に不動産投資詐欺にも引っかかりにくくなります。

関連記事:不動産投資家とは?年収やメリット・デメリット、向いている人の特徴3つ

3-2.警戒心を持つ

不動産投資の紹介をしている会社のほとんどは、誠実で信頼のおける不動産会社です。しかし、中には、親切そうな対応をしながら、不動産投資をしようと熱意を持っている方から、お金をだましとろうとする詐欺師もいます。

特に狙われやすいのは、警戒心が薄く、提供された情報のすべてを鵜呑みにしてしまう、人の良いタイプです。今はIT技術も進化していますので、詐欺集団がそれっぽいホームページを作り、うそや宣伝文句などを使って巧みに情報操作をすることも可能です。

どこで提供された情報であっても、一旦、家に持ち帰ったうえで、ネット・雑誌・書籍・その他の情報など、多チャンネルを使って情報の信ぴょう性を確かめるようにしてください。このような警戒心を持つことは、詐欺を遠ざけるばかりではなく、将来の不動産経営においてもプラスになります。

3-3.契約書などは全部読む

契約書やそれに付随する重要事項説明などの文書には、法的な効力があります。そのため、契約書にサインをしたら、どんな内容であっても守らなければならず、契約を守れなかった場合は法的な制裁措置が発生します。

不動産投資では大きな金額が動きますので、契約書の内容は注意をしてチェックし、おかしいと思ったら、署名も捺印もしてはいけません。読んでも自分で内容が精査できない場合は、弁護士などに書類を見せ、法的におかしなことがないかをチェックしてもらってから、次の行動に移るくらいの慎重さが必要です。

特に、スマホで新規登録やログインをする際に、会員約款などをよく読まず、下にササっとスクロールをして「同意」ボタンを押しているような方は、今後、十分な注意をするようにしてください

3-4.長期的な視点を持つ

不動産投資は短期決戦ではなく、長期的な視点を持って取り組むことが大切です。また、長期的な投資をする際には、途中で何があっても大丈夫なように、バランスの良い投資をすることも重要です。不動産投資は数ある投資方法の1つですが、多くの成功している投資家は、いくつもの投資を同時にしながら、バランスよく資産を増やしています。

投資の世界でよく聞く言葉に「卵は一つのカゴに盛るな」があります。この言葉の通り、これから不動産投資をスタートする予定でも、それだけに頼るのではなく、株式・投資信託・金・外貨など、さまざまなポジションからバランスよく投資を行い、トータルで利益を出すという考え方を持つ方が、より不動産投資を成功させやすくなります

また、このような考え方を持つことによって、心理的な焦りがなくなりますので、詐欺にも引っかかりにくくなります。

関連記事:アセットアロケーションの基本と不動産を組み込むことがおすすめの理由

3-5.不動産投資のパートナー会社を持つ

不動産投資で成功をするためには、数ある会社の中から、信頼と実績のある不動産会社をパートナーとして選ぶ必要があります。このような伴走者の存在により、初めての不動産投資でも不動産詐欺情報を上手により分けて、ご自身にとって最適な不動産を購入し、不動産投資家としての第一歩を、確実に踏み出すことができるようになります。

REISMでは、はじめての不動産投資でも成功しやすい、都心一等地での「リノベーション投資」を提案しています。具体的には、多くの人に人気がある駅近で生活に便利なエリアの中古マンションを買い取り、部屋は骨組みだけを残して、すべての配管・間取り・インテリアを、大幅に変更して物件に新しい命を吹き込みます。

このようにして、中古物件に全く新しい価値を生み出した後に、オンリーワンな賃貸物件として貸し出します。こうすることにより、投資の初期費用を押さえながら、物件価値を高め、長期安定した家賃収入を得やすくします。

不動産投資には数々の手法がありますが、私たちREISMは、リノベーションを投資戦略として取り入れることにより、都会で「オシャレに自分らしく住みたい」と願う多くの入居希望者を募ることに成功しています。

まずは、数ある不動産投資情報の中から、私たちREISMの投資方法を体験するために、不動産セミナーや勉強会、相談会にご参加ください。わからないことがあれば、スタッフが丁寧に対応させていただきます。

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4.まとめ

これから不動産投資をスタートしようとお考えの方のために、不動産投資詐欺についてまとめました。さまざまな詐欺の手口も解説しましたが、自分が被害にあったら笑いごとでは済まなくなります。

不動産投資詐欺に引っかからないために一番大事なのは、自分が正しい情報を多角的に持っていること、さらに、信頼できるパートナー会社がいることです。まずは、信頼と実績のある不動産会社のセミナーに参加をして、不動産投資に関する正しい情報を得てください。

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3年以上勤めた会社員へ。
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