資産運用

老後破産のないシニアライフのために今からやっておくべき5つの対策

老後破産は、若い方や年収の高い方にとっても無関係な話でありません。「年金が足りない」という話題がネットを騒がせてから何年も経ちますが、今現在でも、日本の年金問題を抜本的に解決できる対策は、何一つないと言っても良い状態です。

このような背景で生きている私たちは、人生で起きるさまざまなことをきっかけに、誰もが老後破産をする可能性があります。

本記事では、老後破産となってしまう理由や、そのような事態になることを、どうやって回避するべきかを、以下のようにまとめました。

  1. 老後破産とは
  2. 老後破産につながる5大要因と対処法
  3. 老後対策を30代40代から考えておくべき4つの理由
  4. 今から出来る・間に合う!老後破産しないための対策5つ

最後までお読みいただければ、若い方でも早期から老後資金のことを対策すべきである理由が、おわかりいただけます。また、具体的に何をすれば豊かな老後を送れるのかも、わかるようになります。

Japanese pension handbook and currency

1.老後破産とは

老後破産とは、定年後、収入より支出の方が増えてしまい、だんだんと生活が成り立たなくなっていくことです。実際に所持金や貯金が0円で破産している状態というよりも、高齢になればなるほど、貧乏に向かって進んでいくようなイメージです。

元気に働いている時には想像しにくいのですが、定年後、多くの方は年金収入がメインになり、現役時代よりも収入が少なくなります。再就職をした場合でも、現役時代よりは手取りが少なくなることが多いため、やはり収入が少なくなります。

しかし、現役時代の生活スタイルをシニアライフでも続けていると、どうしても毎月入ってくるお金よりも出ていくお金の方が多くなります。

支出過多の状態が続けば、預貯金を切り崩して生活していくことになりますので、もっと先に使う予定だった老後資金が目減りしていくことになります。

その結果、長く続くセカンドライフを最後まで乗り切るための蓄えがなくなり、十分とは言えない年金を頼りにすることになるため、生活に困窮することになります。これが老後破産です。

2.老後破産につながる5大要因と対処法

本章では、定年後、老後破産につながってしまう要因を5つに分けて説明しています。今現在30~40代の方は、将来困らないために、今から老後破産の要因となるものは、早めに対処をしていくようにしましょう。

要因1. 自分の年金受給額が把握できていない
要因2. 生活費が高いまま
要因3. 教育費の負担が大きい
要因4. 医療費や介護費の負担がある
要因5. 想定外の出費がある

2-1.要因1. 自分の年金受給額が把握できていない

現役時代の会社員は、定年や老後は遠い先の話だという感覚があるため、あまり自分の年金受け取り額のことを正確には把握していない傾向があります。

また、厚生年金の払い込みは給与天引きであるため、ご自身の給与から毎月いくら差し引かれているのかを聞かれて、パッと答えられる方の方が少ないと言えます。

このように、多くの会社員は、自分の年金額がいくらになるのかをハッキリとは知らないまま、定年を迎えることが多い傾向にあります。

年金は、もらう年齢に近くなってから手取り額を増やすことは難しいため、将来の年金額は現役時代のうちに把握し、備えをしておく必要があります。

【対処法】

まずは、ご自身の給与明細を確認し、年金の給与天引きがあるかを確認してください。会社の場合は「厚生年金」が公的年金に相当します。

現在では少なくなりましたが、ブラック企業と呼ばれる会社や、株式公開をしていないタイプの会社で働いている場合、会社に年金制度自体がないケースもあります。

このような会社に勤めていると、長年働いてきているのに、厚生年金に加入できておらず、働いている期間分の年金を納めていなかった、ということもありえます。

公的年金は最低でも10年間納めないと、年金納付をしていても、受給権利が発生しません。若い時には年金のことはあまり真剣に考えないものですので、しっかりと確認していない方もいらっしゃる可能性があります。

ご自分の年金額は、会社の経理担当に聞けば、勤続年数から概算して大体の金額がわかりますので、教えてもらえます。または、ご自身でねんきんネットに登録すれば、これまでの年金払い込み記録と、このまま支払い続けた場合の、将来の年金額の試算を確認できます。

厚生年金は、現在所属している会社の年金額しかわかりませんので、転職をしている方は、ねんきんネットで確認すれば、社会人になってから現在までの支払い状況のすべてを確認できます。

また、自営業やフリーランスなど会社に所属をしていない方は、国民年金をご自身で払い込んでいますので、その記録をねんきんネットで確認できます。

参照:日本年金機構 ねんきんネット

確認をしてみて、将来もらえる年金が明らかに足りない・少ないと思われる場合は、今から、老後資金の補完ができる方法を探る必要があります。

厚生労働省の調査によれば、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は約146,000円、国民年金受給者の平均年金月額は約56,000円となっています(いずれも令和2年度末現在)。

ただし、厚生年金の金額は、大卒入社から退職するまでの全期間を払い続けた場合の話ですので、途中で支払いをしていない期間があれば、受給額は、これよりも下がることになります。

2-2. 要因2. 生活費が高いまま

総務省統計局の調査によると、ごく一般的な生活をした場合の、1ヵ月に必要な生活費は、平均月額で約235,000円です。これは、現役時代も含めた国民の平均的な生活費です。

老後は、この金額をなるべく下回る必要があるのですが、政府統計によると、世帯主が65歳以上の家の平均月額支出は約220,000円であり、多くの方はセカンドライフが始まった後も、生活費をたいして縮小していないことがわかります。

このような生活の仕方は、資産や預貯金にかなり余裕があれば問題はないのですが、そうではない場合、万が一のケガや病気など、大きなお金が出ていくライフイベントが発生すると、老後資金が大きく目減りすることになり、老後破産につながりやすくなります。

【対処法】

今現在、老後破産に向かっているシニアの多くは、現役時代に生活費を拡大してしまっているため、老後になって生活費を小さくすることに上手く適応できずにいます。

今30~40代の方は、今の若いうちから、収入が増えても生活レベルを上げない努力をしておくことで、昇給した分は全て貯蓄や投資に回すことができるようになり、老後資金をスムーズに増やせるようになります。

また、「生活レベルを上げる=贅沢をする」ことではなく、快適な暮らしができる、シンプルな生き方をするなど、「生活のレベルを上げる=質の良い生活」という風に、考え方を切り替えることで、個人にとってやるべきことが見えてくるようになります。

例えば、不要なものを断捨離して、自分にとって価値のある物だけに囲まれて生きることを選択すると、不要なものにお金を使うこともなくなり、自分にとって価値あることに大きな投資をすることも選択できるようになります。

2-3.要因3. 教育費の負担が大きい

子供の教育費は、人生でマイホームローンと並ぶ大きな支出です。現在30~40代の方々は、今のシニア世代よりも、結婚をして子供を持つ年齢が遅いため、定年を迎える60歳近くなっても、まだ子供に教育費がかかる方がかなりいます。

例えば、40歳で第一子が生まれた場合、子供が成人を迎える時の親の年齢は60歳です。また、兄弟姉妹がいれば、全員が成人するまでに定年してからさらに4~6年の期間、教育費・お小遣いなどが発生し続けることになります。

夫婦で働くことが増える世代でもありますので、現役中はそれほど困ることにはなりませんが、それでも、定年を迎えてもなお、数百万円の支出が何年も続くことは老後資金に大きな影響を与えるに間違いありません。

【対処法】

教育費をいくらかけるかは、子供のその後の人生にも大きな影響を及ぼしますので、子供の教育費はできる限り削らずに、育ててあげたいものです。

このような場合の対策としては、iDeCo(確定拠出型年金)という、支払い額を調整できるタイプの年金積立を、厚生年金または国民年金とは別枠ではじめるのがおすすめです。

iDeCoは年間最大81万円までを個人年金として拠出することで、自分仕様の年金づくりができる制度です。掛金は最低5,000円からで金額を自分で決めることができ、事前に連絡をすれば、掛金を減額・増額するのは自由です。

大きなお金を必要としない時には掛金を増やし、支払いが大変な時には最少額の掛金にするようにしながら、確実に老後の手取り額を増やすようにバランスを取ることができます。

また、子供が小さかった時にかけていた生命保険の見直しも行いましょう。特に、大学入学までした子供の場合、今後の大きなイベントは就職と結婚くらいであり、万が一、親に何かあっても、自力で生きていくことができます。

そのため、一家の大黒柱が亡くなった時の高額な生命保険料は不要となりますので、一旦、解約をするのもいいでしょう。そして、老後資金が整った頃に、必要であれば、高齢者向けの生命保険に加入しなおすようにすれば、教育費の捻出と、老後資金の準備のバランスを取っていくことができます。

また、ある程度、まとまった老後資金の目途が見えてきた、または相続などでまとまった金額ができたときには、お金だけを貯めるのではなく、不動産のような実体のあるものへの投資で、お金と実物資産の両方を増やしていく方法も、あわせて検討してみましょう。

2-4.要因4. 医療費や介護費の負担がある

高齢になると、何かしらの疾病を抱えていたり、ケガや病気をしやすくなったりします。若いとき健康だった方でも、年を取ってくると、どこかしらに不調が出て、病院通いをすることになるケースもあり、若い時よりも医療費がかかるようになります。

現役世代の医療負担は3割、70歳からは2割、75歳以上は1割負担ですが、今後これらの割合は引き上げられる可能性もあります。

また、早い方は30~40代でも親世代が病気や介護が必要になり、金銭的なサポートが必要になることがあります。

【対処法】

まず、若い頃から健康に気をつけご自分の健康を維持するように心がけます。同時に、親世代の介護の話も、親が元気なうちに話し合いをしておく必要があります。

基本的に親の介護のための資金は、親のお金でするのがルールです。しかし、現時点で親が老後破産になりかけている可能性もあり、万が一の場合には子世代にそのしわ寄せがくる可能性もあります。

そのようなケースを想定し、子供が任意の介護保険に入るなど、親の介護のために自分たちの老後資金が圧迫されてしまい、将来、自分たちが老後破産をするようなことにならないよう、人生をしっかりとガードをしておく必要があります。

2-5.要因5. 想定外の出費がある

人生で想定外の出費があると、老後資金はあっという間に目減りします。想定外の出来事とは例えば次のようなことです。

  • 離婚で高額の慰謝料を支払うことになった
  • 子供が大きくなったのに働かないで家にいる
  • 事故などで多額の賠償金を支払うことになった
  • 儲け話に乗って大金を失う

どれも、若い時は何回でもやり直しがきくため笑って済ますこともできますが、退職後のように、定期収入が年金しかなく、再就職のあてもない状態では、人生のリカバリーがしにくくなり、老後破産につながりやすくなります。

【対処法】

例に出した中で、若くても高齢でももっとも注意すべきなのは、事故などを起こすことです。ご自身がケガしたのであればまだしも、相手にケガさせた場合には、その賠償金で老後資金がほとんど消えてしまう可能性があります。

人生には想定外の支払いが起きる可能性があることを前提に、若い時から、車に乗る場合や新しいことを始める際には、必ず何かあった時に責任を果たせるだけの保険に入ってから行動することを習慣づけるようにしましょう。

3.老後対策を30代40代から考えておくべき4つの理由

2019年6月に金融審議会市場ワーキング・グループから発表された「高齢社会における資産形成・管理」の報告によれば、老後の生活費を公的年金だけに頼った場合は、毎月5万円の赤字が発生し、定年後20年生きると約1,300万円、30年で約2,000万円の赤字になるため、長生きをすればするほど、多くの世帯で老後破産が起きる可能性があるということです。

このレポートの「老後は2,000万円の赤字になる!」という言葉が多くの日本人にとって衝撃的であったため、ネットニュースでも話題騒然となりました。その結果、若い方でも

「今から2,000万円の貯金を作るのは絶対に無理」
「自分は、老後は暮らしていけないかもしれない」

と将来が不安になった方も多いかと思います。

本記事でも前出したように、厚生年金の平均支給額は月額で約146,000円、国民年金にいたっては約56,000円です。これに対し、平均的な65歳以上の世帯の月額支出は約220,000万円ですので、単純計算でも、毎月7万円以上の赤字が延々と続く計算になります。

しかし、レポートをよく読むとわかりますが、実はこの数字は老後の生活を公的年金だけに頼った老後設計のまま、老後生活が始まるまでに何も準備せず、さらに退職金や相続などを含めた、まとまった資金が全く用意できなければ、という前提の話なのです。

そのため、多くの方は、気づいた時点から老後資金の対策をスタートすれば、老後破産を自力で回避できるばかりか、豊かなセカンドライフを迎えることも可能です。

30~40代の方は、まだ自分の老後が明確にイメージしづらいため、今の段階から何十年も先のことの対策をするのは、あまりにも早すぎるのではないかと感じるかと思います。

しかし、次の4つの理由から、若い方でも、気がついた時から老後対策をしておくべきなのです。

  1. 時代が違う
  2. 50代はとても忙しい
  3. 定年まではあっという間
  4. 70代からは無収入

3-1.時代が違う

今の日本の年金制度は、制定当初は加入者が自分で積み立てたものをリタイア後に自分で受け取るという積み立て方式でスタートしましたが、途中から、現役世代から徴収した保険料を、高齢者に年金として給付する賦課方式(現役世代から年金受給世代への仕送りに近いイメージ)に変更されて現在に至ります。

年金を受給する人が少なければ、この賦課方式でも問題はありません。実際、昭和60年代(1985年頃)までは、何も問題がありませんでした。

当時は年金を受給する高齢者が少ない一方で、日本で人口が最も多いと言われる団塊の世代の人たちが現役社会人であったため、保険料がどんどん徴収でき、年金の国庫が潤っていたからです。

しかし、時が経過して、団塊の世代がリタイアメントをするタイミングを迎えると、年金を受給する側と、年金を支払う側の数が逆転します。徴収する金額よりも年金で支払うお金が多ければ、厚生年金も国民年金も今まで積み立てていたお金があっという間になくなっていきます。

いくつかのシミュレーション計算では、このまま対策をしなければ年金支払いに使う積立金は、2030年には底をつくとまで言われています。

これらの問題に対して政府は、年金運用の改善などの他に、iDeCo・NISAなどの自助努力で対策できる制度を設けて支援をしていますが、その効果が十分であるかはまだ結果が出ていない状態です。

年金支払いを10年以上していれば、年金が全くもらえないということにはなりません。しかし今後、日本経済がどんどんインフレしていった場合、自分がリタイアメントをしたときに年金と蓄えた老後資金で十分な生活ができる保証がないのです。

このように、昔と今、そして今とこれからは、全く時代が違うことを前提に、若い時から老後の対策をしておくほうが安全と言えます。

3-2.50代はとても忙しい

50代は、実は人生の中で非常に忙しい時代でもあります。まず、ご自身が所属している場所で、責任のある仕事を任されるため、非常に多忙になります。

さらに、子供が受験や成人する、親の介護が始まるなど、自分以外のことでも問題がいっぱいになります。

反面、気力体力は衰え始めますので、ようやく真剣に自分の老後やリタイアメント後の人生を考えられるようになるのですが、その具体的な対策をし始めるころには、退職まであと数年というカウントダウンが始まっている状態です。

老後資金を解決するための退職金がいくらになるのか、残っている住宅ローンはどうするのかなど、対処しなければならない問題もあり、それぞれに最善の対処をするには、あまりにも時間が足りないのです。

このようなことにならないために、今30~40代の方は、今からリタイアメントをした後のことを想定した人生設計を、一度真剣に考えておくべきでしょう。

例えば、マイホームはいつ買うのか、貯蓄はどうするのか、結婚や子供はどうするのかなど、人生で起きるさまざまなイベントに対して自分なりのプランを持っておくと、ある程度の準備をしたうえで対処できるようになります。

50代はとても忙しい

3-3.定年まではあっという間

リタイアメントをした後は、すぐにセカンドライフを始める方と、再就職をする方がいます。これらの人生の選択も、早い段階から考えて準備を始めることで、スムーズに道が開けるようになります。

例えば、今勤めている会社の定年が60歳であれば、年金受給がはじまる65歳まで働ける会社に転職をしておくのも一つの方法です。早めのリタイアをする予定であれば、早期退職に大きな退職金を用意するタイプの会社を選択しておくこともできます。

定年後に再就職を希望する方は、早い段階から50代以上でも通用する資格や技術を身につける、人的ネットワークを広げておく、開業資金を貯めておくなどの準備が必要です。

また、人生を早い段階からリタイアメント(FIRE)する予定であれば、年金支給が始まるまでの期間をサポートする、例えば不動産収入のような、確固たる別枠の収入も必要となってきます。

このような定年後の人生設計は、十分に検討する準備期間がないと、少ない選択肢の中から選ぶことになってしまいます。それが不幸だというわけではありませんが、選択肢の多さは、豊かさの要素の一つと言えるでしょう。

3-4.70代からは無収入

今の日本企業は、定年の年齢を60~65歳に定めている企業が多く、66歳以上の人材を雇用するところはほとんどありません。

2021年施行の改正高年齢者雇用安定法により、70歳までは雇用が続けられるように、企業への改革努力を奨励していますが、その効果が出てくるのはかなり先の話になります。

このような背景から、多くの方は70歳以上になると無収入の状態になります。無収入になると、老後生活の頼みの綱が年金と預貯金だけになりますので、年金額が少ないと心細い老後を送ることになります。

さらに問題なのが、年金受給開始年齢の引き上げ問題です。現時点では、1961年4月2日生まれ以降の方は、年金受け取りは65歳に引き上げられています。しかし、それだけでは年金の財源調整ができないため、今後は70歳、75歳へと段階的に引き上げが行われる予定です。

このような国民全体に影響のある変更は慎重に行われますので、すぐに変化することはありませんが、今の法改正のスピードのままで行けば、1970年代生まれ(現在の50歳前後)は70歳からの受給、1980年代生まれ以降(現在の40歳前後)は、75歳の後期高齢者となってからの受給になる可能性が高いでしょう。

そうなると、一般的に定年となる60歳から15年もの間、75歳まで働かせてくれる就職口を見つけるか、それ以外の方法で生活費を確保しなければ、年金が始まるまでの間に、老後貯金を食いつぶしてしまうことになりかねません。

このように、時代と日本経済が変わっていく姿を先取りし、早い段階からの老後対策を自分で講じておくことで、再就職・ゆっくりとした生活・自営や開業など、セカンドライフの生き方を自由に決めることができるようになります。

4.今からできる・間に合う!老後破産しないための対策5つ

本章では、今からスタートできる、老後生活が始まるまでの期間に十分間に合う、老後破産を避けて、豊かなセカンドライフを送るための対策を5つにまとめています。

  1. 今後のライフプランを立てる
  2. 住宅ローンは早めに返す
  3. 生活費の見直しをする
  4. 預貯金額を整理して資産総額を確認する
  5. 不動産経営で資産形成をスタートする

4-1.今後のライフプランを立てる

老後破産をしないために、何歳から始めても効果的なのがライフプランを立てることです。

ライフプランとは、生涯生活設計とも言い、人生で起きる大きなライフイベントを基軸としながら、自分にとっての夢や目標を含めた理想の生き方を考えることです。

例えば、ライフプランや人生の夢や目標には、以下のようなものがあります。

人生の大きなライフイベント例

  • 進学
  • 結婚
  • 出産
  • マイホーム購入
  • 転職
  • 退職
自分にとっての夢や目標例

  • 年に一回は海外旅行に行きたい
  • 海外留学をしたい
  • 副業としてカフェをはじめたい
  • 不動産投資家として成功したい
  • 早期リタイアをして会社はじめたい
  • 老後は田舎で暮らしたい

自分の望む人生を書き出していくことで、ライフプランを現実のものにするためには、ケースによっては大きなお金が必要になることや、生活の心配をしないでも大丈夫なように、不動産経営などで確実な副収入を確保しておく必要があるなど、自分が望む人生を送るにあたって、本当に必要なことが明確に浮かび上がってきます。

また、ライフプランを明確にすると、ただ漠然と「お金が欲しい」という感覚から、「〇歳までに〇〇万円のお金を準備しておく必要がある」など、期日と金額が具体的になります。

期日と金額がハッキリしてくると、それを毎日の生活収支に落とし込むことができるようになるため、生活のどこを節約し、他に何を強化することで目標とする人生になるのかも、数字的な根拠を持った状態でわかるようになります。

このようになると、仮にそれが節約であったとしても、目標に向かって日々まい進しているという実感があるため、精神的にはワクワク感のあるものになり、その結果、目標が達成しやすくなり、将来への漠然とした不安も払拭することができます。

具体的なライフプランは、書き込み式の本を購入するとわかりやすく作成できるでしょう。

ライフプラン

4-2.住宅ローンは早めに返す

現在30~40代の方は、ローンを支払い始めたばかりの方や、これからマイホームを購入し住宅ローンを組む方予定の方も大勢いらっしゃると思います。

これから住宅ローンを組む際には、できれば定年までに完済できる範囲の買い物をするような購入プランを考えてみるようにしてください。

例えば、以下のように支払総額を減らす、またはローン完済を早めるような方法を考えて実行に移します。

  • 購入予定のマンションを一回りコンパクトにする
  • 最初の10年はボーナスを全額ローン支払いに充てる
  • 夫婦で働いているうちは、妻の給与は全額ローン返済に充てる

特に、独身の方や子供がいない夫婦の場合は、生活スタイルを自在にコントロールすることが可能です。少し大変だと感じることもありますが、退職後に住宅ローンが残る大変さと比較したら、大したことではありません。

また、賃貸のままで暮らし、代わりに不動産経営で物件を複数持ち、将来まとまった家賃収入を手にしてから、定年後、自分が好きなところにマイホームを購入するという選択肢もあります。

どの方法でも、お金の心配や不安のない生活による精神的な自由や解放感が手に入ります。

関連記事:サラリーマンが不動産投資をする4大きっかけと成功する3つのエッセンス

4-3.生活費の見直しをする

ライフプランを作り、自分の人生でこれから何をしていくら必要かが分かったら、生活費の見直しをして、不要な出費を抑えるようにします。

また、家の中にある、自分のライフプランに直結しないものは、これからの自分には必要のないものである可能性があるので、精査したうえで手放すようにします。

何でもかんでも手放してミニマリストになる必要はありませんが、不要なものを手放して、より少なく所有するというミニマリスト的な考え方は、ライフプランに沿った生活費の見直しにはとても役に立ちます。

例えば、ただネットやSNSで見たものを、よく考えずに買っている癖のある方は、今後は、自分のライフプランと照らし合わせて買う・買わないを判断する習慣がつくようになります。

その結果、自然と消費が減り、ライフプランに沿った選択ができるようになり、自分の人生を満ち足りたものにするものだけが集まってくるようになります。

4-4.預貯金額を整理して資産総額を確認する

預貯金などを確認し、今現在、自分がいくらの資産があるのかを数字でハッキリと把握します。預貯金・株式・外貨・不動産・金など、現金化できるものがいくらあるかをザっと計算したものが、今現在のご自分の総資産です。

手元にある資産が、多くても少なくても問題ではありません。大切なのは、今ある資産からライフプランに必要なお金と、老後の生活に必要なお金を作るということです。

思ったよりも多いケースや、思ったよりも少ないケースがありますが、どちらにしても、資産把握をした後は、生活に必要なお金以外は、預金口座にはプールせず、何かしらの形で活用・運用するようにします。

例えば、現金であれば毎月決まった金額を株式などの金融商品に回し、お金にお金を生んでもらうようにします。老後資金を作るためのiDeCo、資産を増やすためのNISAは、少額からスタートでき、節税対策にもなり、さらに運用で出た利益には税金がかからない仕組みになっています。

これらの投資には、ある程度の知識や情報が必要ですので、少し勉強が必要にはなります。いくつかの資料に目を通し、最初はとても少ない金額からはじめてみることで、お金が増える仕組みを理解することができるでしょう。

4-5.不動産経営で資産形成をスタートする

不動産経営とは、都心部にある区分マンションなどを人に貸すことを前提に購入し、その物件に入居者を募り、家賃収入をもらうという投資方法です。

物件購入の際にはローンを組むことになりますが、毎月の賃料の一部が返済に充てられ、ローン負債は徐々に減っていきます。毎月手元に残るお金もできますので、スタートしてからすぐに副収入が発生します。

また、物件の時価よりもローンの残金が小さくなった時点で、その物件は含み益を得ている状態になりますので、保有しているだけで現金が得られ、さらに資産拡大も期待できます。

さらに、景気が良くなって不動産価格が上昇したときに、売却をしてまとまった利益を得れば、老後資金の問題を早期に片付けることも可能です。

このように不動産経営は、続けても・途中で利益確定してもよいという、自由度の高い資産づくりができます。

また、一般的な投資は1人で頑張って結果を出すのが普通ですが、不動産経営の場合は、物件購入からその後の経営管理まで、その分野のプロフェッショナルである不動産会社にすべて任せられる環境が整っているのも大きな魅力です。

信頼できる不動産会社とパートナーシップを組み、お金を作るシステムを作り上げてしまえば、ライフプランを実現するための自分の時間を確保したうえで、長期安定収入を手にすることができ、老後破産の心配はかなり遠のくことになります。

5.まとめ

本記事では、老後破産についてまとめました。老後に必要な資金はまとまった金額になるため、準備をするには長期戦になることがご理解いただけたと思います。また、そのスタートは早ければ早いほどよく、定年が見えてくる年齢になればなるほど、選択肢が狭くなることもわかりました。

老後資金の作り方として、まずは厚生年金や国民年金をしっかりと支払い、最低10年という受給資格をクリアしておくことで、老齢年金という保証を手にすることができます。

しかし、これだけでは老後の一般的な生活費としては足りないので、預貯金または、安定した収入が入ってくる仕組みづくりが必要になります。

預貯金は長期間コツコツと増やしていけばある程度の金額にはなりますが、万が一、ご自分が定年するときに大きくインフレに傾いていた時には、持っている資金では生活費が足りなくなる可能性があります。

老後資金準備にはいろいろな方法がありますが、インフレに強く長期安定収入が期待できる点で、不動産経営は、老後破産を回避する方法として、とても適しています。

まずは不動産経営に関する正しい知識を得て、誠実で信頼のおけるパートナー探しからはじめてみましょう。将来の年金や老後資金に不安のある方は、REISMの不動産投資セミナーをのぞいてみてください。

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