不動産投資

家賃収入があったら確定申告はするべき?税額はいくらになるの?

マンション経営をするにあたり、避けては通れないのが確定申告です。会社員の方は、納税に関する手続きのほとんどを会社が行っているため、マンション経営をスタートしてはじめて税金や確定申告に関する話題が身近になる方が多いでしょう。

そのため、マンション経営に興味があっても、

「家賃がいくらになったら確定申告すればいいんだろう」
「実際に給与に家賃収入が加わったら、税金はどうなるのだろうか」
「経費経費っていうけど、何が経費に使えるのかさっぱりわからない」

など、よく知らないがゆえに不安になってしまう要素がいっぱいで、マンション経営のはじめの一歩を踏み出せないでいる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、会社員をしながらマンション経営で家賃収入を得ることに興味がある方に向けて、以下のようにまとめました。

  1. 家賃収入がある人で確定申告すべき2タイプ
  2. 家賃収入の確定申告と経費
  3. 家賃収入を確定申告する流れと必要な書類
  4. 家賃収入と確定申告に関するよくある10のQ&A

最後までお読みになれば、マンション経営をはじめて家賃が入ってきたら、確定申告はいつすべきで、どのような節税方法があるのかなどがわかるようになり、安心してマンション経営をスタートできます。

家賃収入があったら確定申告はするべき?税額はいくらになるの?

目次

1.家賃収入がある人で確定申告すべき2タイプ

本章では、マンション経営で家賃収入が発生した場合、確定申告をすべき2タイプをまとめています。

家賃は確定申告では、「不動産所得」と呼びます。
会社からもらう給料は、「給与所得」です。

確定申告では、総不動産収入(入ってきた家賃全部)ではなく、そこから必要経費などを差し引いた分である「不動産所得」に対して課税されます。

不動産所得 = 不動産収入 - 必要経費

1-1.タイプ1 不動産所得が年間20万円以上ある人は確定申告が必要

不動産所得が年間で20万円以上ある人は、確定申告が必要です。
ここで気を付けたいのは、家賃収入が合計20万円以上なのではなく、一年間で合計した家賃収入から、必要経費を差し引いた分(不動産所得)が20万円以上ある場合に、確定申告が必要になるところです。

収入から差し引ける必要経費に関しては、2章で詳しく説明をしています。

1-2.タイプ2 会社員は不動産所得が赤字ならば確定申告すると節税できる

基本的に、年間の不動産所得が20万円以下の場合は、確定申告をする必要がありません。理由は、課税をする対象金額がないとみなされるからです。

しかし、会社員をしている場合は、本業である給与所得との「損益通算」をすることができますので、確定申告をすると節税になります。

損益通算とは、一定期間内の黒字に赤字をぶつけて、課税される金額を抑えることができる税制上の仕組みです。会社員としての給与所得に、マンション経営の赤字をぶつけた確定申告をすることにより、課税対象額が下がります。

その結果、源泉徴収で支払い済みの税金が還付されることになりますので、年間の不動産所得で赤字が発生した場合は、確定申告をしたほうが良いということになります。

関連リンク:なぜ不動産投資がサラリーマンにとって節税になるのか、落とし穴はないのか

【会社員がマンション経営をすると節税になる?】

マンション経営に興味を持ちはじめると、いろいろなところで目にするのが「会社員がマンション経営をすると節税ができる」というフレーズです。実際には、マンション経営=節税なのではなく、以下の2条件が必要です。

  1. 定収入があり、収支がマイナスであること
  2. 減価償却費が多く当てられること

1.は前項で解説した通り「損益通算」という、黒字に赤字をぶつける方法で節税をします。2.は、マンションの建物の寿命に関係します。

不動産には法定耐用年数という、その建物の税務上の寿命のようなものが割り当てられています。例えば、木造アパートであれば22年、鉄筋コンクリート造のマンションであれば47年です。

2章で説明する必要経費の中に「減価償却費」というものがありますが、これはマンションの取得費をその物件の耐用年数で割ったものを、毎年の経費として計上します。

例えば、同じ建物価格3,000万円のマンションであっても、築年数が浅く、耐用年数が多く残っている物件と、残り18年の物件であれば、耐用年数が短い物件のほうが節税につながると考えられています。

これらの節税効果と、購入する不動産に関しては、マンション経営に関する予備知識が必要になりますので、勉強をしながら、マンション経営と節税について理解していく必要があるでしょう。

このような勉強は独学でするのと同時に、マンション経営のプロフェッショナルである不動産会社の担当者に確認をしながら理解を深めていくことも大切です。

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2.家賃収入の確定申告と経費

本章では、確定申告の際、不動産所得から差し引くことができる「必要経費」に関してまとめています。会社で使う経費のことは何となくわかっても、自分が経営者になったら何が経費で使えるのかは、わからないものです。

マンション経営をスタートさせると、経営のために必要なさまざまな支出が発生しますが、これらの支出には大きく分けて

  • マンション経営の必要経費として計上できるもの
  • マンション経営の必要経費として計上できないもの

があります。

2-1.マンション経営の必要経費として計上できる主な18項目

マンション経営の必要経費にできる主な18項目リストです。これら経費計上できる項目は、確定申告時にその支出内容を証明するための明細書、領収書、通知書などの書面(またはダウンロード印刷)が必要です。

※書面が発行されない場合でも、書付などのメモやレシートになるものがあれば基本的には問題ありません。

  1. 固定資産税・都市計画税
  2. マンション購入に関する税金
  3. 減価償却費
  4. 司法書士や税理士などへの報酬
  5. 管理費
  6. 修繕費
  7. 交際費
  8. 旅費
  9. 交通費
  10. 自動車関連の費用
  11. 通信費
  12. パソコンなど事務用品類
  13. 情報収集費用
  14. 損害保険料
  15. ローンの利子や手数料
  16. 今お住まいの家の家賃の一部
  17. 今お住まいの家の水道光熱費の一部
  18. 事務所利用で借りている部屋やスペース

2-1-1.固定資産税・都市計画税

固定資産税とは、土地や家屋などの不動産を所有する人に、毎年課税される税金です。毎年1月1日現在の土地や家屋などの所有者に対し、市町村が課税をします。

例えば、東京都世田谷区でマンション経営をしていれば、ご自身が渋谷区に住んでいても、世田谷区からマンションの固定資産税が課されます。

購入したマンションが都市計画法に基づく「市街化区域内」にある場合は、固定資産税の納付通知書と合わせて都市計画税の納付通知書も送られてきます。

2-1-2.マンション購入に関する税金

経営するマンションを購入するためにかかった税金は、その年のみ経費として計上できます。マンション購入に関した税金は、以下の3つです。

  • 不動産取得税

    不動産取得税とは、不動産を購入建築するなどして不動産を取得したときにかかる税金のことです。取得したタイミングでかかる税金のため、購入した年のみの経費となります。

    参照:東京都 不動産取得税

  • 印紙税

    マンション購入をして不動産を取得したときに取り交わされる、契約書や書類に課税される税金です。契約金額によって課税額が決まっています。

    参照:不動産の譲渡消費貸借等に関する契約書

  • 登録免許税

    購入した不動産を「これは自分の所有する不動産です」という所有権を登録手続きするときにかかる税金です。土地や建物の引渡時に登録をする手続きがありますが、手続き自体は司法書士などの専門家が行います。

    参照:登録免許税の税額表

2-1-3.減価償却費

前章コラムで少し解説した、建物に対して発生する経費です。減価償却費とは、長い期間使うものは、長い時間をかけて費用にしていこうという、税法上の考え方です。

例えば、1,000万円の機械で法定耐用年数が5年の場合、1,000÷5年=年200万円となり、年に200万円ずつ5年かけて経費にしましょうということになります。

しかし、実際には買ったものをどのくらいの期間使うかは、人によっても、使い道によっても違うため、便宜上「これはだいたいこのくらい使いますよね」という目安が法定耐用年数として決められています。不動産では、

  • 木造:22年
  • 重量鉄骨:34年
  • 鉄筋コンクリート造:47年

という耐用年数が決められています。例えば、建物価格1億円で購入した新築の鉄筋コンクリート造のマンションであれば、1億÷47年=約2,128,000円が毎年の減価償却費として経費計上されることになります。なお、このように大きな金額が経費計上されると、課税対象額は軽減します。

参照:法定耐用年数表

2-1-4.司法書士や税理士などへの報酬

マンション経営のために不動産を購入すると、書類作成や確定申告のために司法や税の専門家に依頼をすることがあります。また、マンション経営に関する確定申告の相談や、経営面での相談をするためにお金のプロである税理士などに有償で相談をすることもあります。

これらの報酬は、マンション経営のための必要経費として計上できます。

2-1-5.管理費

建物や部屋の管理をする不動産管理会社に対して支払う管理委託費用です。
管理には

  • 運営管理:集金振込窓口、対応クレーム処理、督促
  • 建物管理:清掃メンテナンス、修理修繕、大規模修繕

などがあり、お持ちの不動産に必要な管理を選択します。管理費相場は「家賃×〇%」となっているケースが多く、1物件から申込ができます。

2-1-6.修繕費

マンション経営における修繕費とは、賃貸を開始した時からマイナスの状態になったものを、元の状態に修復するための工事です。原状回復とも言います。例えば、以下のような修繕が対象になります。

  • 部屋のクリーニング代
  • 壁紙の交換費用
  • フローリングの交換費用
  • 給湯器やエアコンの交換費用
  • 共用部分のメンテナンス費用 など

耐震補強や大きなリノベーションなどの、物件の価値を上げるための工事は含まれません。

2-1-7.交際費

マンション経営をするために必要となった、飲食や外出などにかかった費用のことです。
例えば、

  • 不動産会社の担当者との相談会
  • 喫茶店での打ち合わせ
  • セミナーなどの打ち上げ費用
  • 勉強会後の懇親会費用

などが含まれます。

2-1-8.旅費

マンション経営のためにさまざまな場所に現地見学などに行くこともあります。その場合の旅行費用、現地でかかった費用などを旅費として計上できます。

例えば、片道2時間かけて複数の物件を見学に行くなどで現地宿泊をする場合には、宿泊代や現地での食事代などを経費計上できます。

2-1-9.交通費

マンション経営に関わることに使った交通費は、全額、経費計上できます。

  • 電車代
  • タクシー代
  • 新幹線代
  • 飛行機代
  • ガソリン代
  • 自転車のレンタル代 など

これらも全て含まれます。

2-1-10.自動車関連の費用

マンション経営のために車を利用する場合は、自動車関連の費用も経費計上できます。自家用車と兼用にする場合には、不動産経営に関した利用分は経費計上できます。経費の内訳は以下になります。

  • 車両の購入代金
  • 車検などのメンテナンス費用
  • 自動車税
  • 保険料
  • レッカー代金 など

レッカー代金は経費として認められていますが、スピード違反や駐車違反による反則金罰金は対象外です。

2-1-11.通信費

マンション経営のために使う電話、スマホ、パソコンなどの通信費は、不動産会社の担当者や管理会社との連絡で必要ですので、経費として計上できます。通信費は主に以下のものが対象になります。

  • スマホ(携帯電話)の購入代金
  • 携帯電話会社に支払う料金/li>
  • インターネットのプロバイダーに支払う料金/li>

2-1-12.パソコンなど事務用品類

マンション経営のために新しくパソコンなどの事務用品を購入する場合は、全額経費計上できます。パソコン類などの事務用品は、主に以下のものが対象になります。

  • ノートパソコンなど
  • 使用するソフト等の代金(サブスクリプション課金の使用料も含みます)
  • ペンやノート、のりなどの消耗品
  • 事務所で使う机や椅子類
  • 事務所で使う棚などの家具類 など

すでにお持ちの個人用のパソコンをマンション経営の事務作業と兼用にする場合には、使用割合に応じて、機械の減価償却費として按分したものが経費計上できます。

2-1-13.情報収集費用

マンション経営をする上で必要な情報や勉強のための費用は、情報収集費用や取材費として経費にできます。経費対象には、以下のようなものがあります。

  • 新聞代
  • 雑誌代
  • 書籍代
  • ソフトDVD代
  • アプリ利用代金
  • 有料動画代
  • セミナー代
  • コンサルティング代 など

ただし、マンション経営に関した何らかの資格を取得するなどは、対象外です。あくまで、マンション経営者として必要な情報を入手するための費用です。

2-1-14.損害保険料

マンション経営が始まってからかかる損害保険料は経費になります。損害保険とは、不動産や物に対する保険のことで、主に、火災保険、地震保険、施設賠償保険などを指します。

事故や火災などで起きた室内設備に対する損壊などを補修するための保険で、その年度分の支払額が経費となります。入居している方の室内の家具や物品に関しては、入居者本人が賃貸人としての損害保険をかけています。

2-1-15.ローンの利子や手数料料

不動産を購入するために組んだローンの金利は、返済のたびにかかる必要経費ですので、毎月の経費として計上します。

不動産購入をした年に発生した金融機関でかかった手数料は、その年分のみ、経費として計上できます。また、繰り上げ返済などで発生した金融機関の手数料も、都度、経費計上できます。

2-1-16.今お住まいの家の家賃の一部

現在お住まいの家を、マンション経営の自宅兼事務所にする場合には、仕事で使っている部分の相当額が必要経費として認められます。お住まいの場所が賃貸であっても、住宅ローン返済中のマイホームであっても問題はありません。

自宅を事務所と兼用する場合、仕事で利用している部分を「事業使用割合」と言います。この割合の決め方は、自宅全体をどの程度まで仕事で使っているかで考えます。

例えば、2LDKの間取りで1室を寝室、残りの1室を事務所として使っているのであれば、おおよそ4~5割が事務所使用割合として認められます。

2-1-17.今お住まいの家の水道光熱費の一部

上記16同様、自宅の中で、マンション経営のための仕事場として利用している部分を、事業使用割合として、水道光熱費の一部を経費にできます。

例えば、一日中家で仕事をしているのであれば、照明やエアコンなどを一日中使用していますので電気代は4割程度まで認められることが一般的です。

2-1-18.事務所利用で借りている部屋やスペース

事務所として自宅以外に部屋を借りる場合は、事務所使用割合が100%ですので、全額経費計上できます。これらの事務所利用目的の場所として、

  • 定期的に借りるレンタルオフィス
  • 不定期で利用するレンタルスペース
  • 複数人と合同で使用するシェアオフィス
  • コワーキングスペース

などもありますが、これらもご自分の利用分を経費にできます。
ただし、事務利用であっても、マンガ喫茶、カラオケボックスなどは、もともとが娯楽目的の場所であるため、領収書があっても経費対象外となるケースが多いようですので、注意が必要です。

2-2.マンション経営の経費にできないもの

本項では、経費として計上ができないもの、マンション経営に関係はあっても、経費にはならないために確定申告の際に、間違えやすいものをまとめています。

  • ローンの元本
    毎月支払いをしているローン返済の元本分は、経費の対象外です。利息分だけが経費となります。
  • 私生活に関わるもの
    毎日の暮らしに関するものや、プライベートで使用するあらゆる項目は、マンション経営とは関係ないので、経費対象にはなりません。自宅と事務所を兼用している場合は、購入目的や使用割合で判断をしていきます。
  • 所得税・住民税
    所得税・住民税とも、マンション経営をしていなくても発生する税金ですので、所得税と住民税は経費にはなりません。節税の話には、所得税と住民税が出てくることも多く、混同しやすいので注意しましょう。

3.家賃収入を確定申告する流れと必要な書類

本章では、マンション経営を開始して、家賃収入が入るようになってから、確定申告をするまでの流れと必要になる書類などについてまとめています。

基本的には下図のように、確定申告に必要な書類を揃えて、期日までに申告と納税を済ませます。確定申告の期間は、毎年2月16日~3月15日(休日などが入る場合は変更あり)ですが、2020~2021年はコロナの影響により、期間が延長されました。必ず、国税庁ホームページで確認をしてください。

必要書類には、4種類あり

  1. 自分で記入して用意するもの
  2. 勤務先からもらうもの
  3. 不動産会社からもらうもの
  4. その他の機関からもらうもの

があります。自分で用意するもの以外は、年末までに書類が送付されてきます。翌1月になっても書類が揃わない場合には、関係する会社・機関に連絡をして書類を揃えておく必要があります。

3-1.必要書類1 自分で記入するもの

確定申告までにご自身で準備しておく書類です。不動産の確定申告は確定申告書Bというものを使用します。確定申告の方法は、白色、青色どちらでも、ご自身で希望した形で申請できます。両者の詳細な違いは4章のQ&Aで説明します。

  • 確定申告書B
  • 青色の場合:不動産所得用の青色申告決算書
  • 白色の場合:収支仕訳書

入手先は税務署国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーで無料で入手できます。会計ソフトを使用して作成したものを印刷する形でも問題ありません。

参考:所得税の青色申告承認申請書

3-2.必要書類2 勤務先からもらうもの

勤務先から発行される、源泉徴収票が必要です。
源泉徴収票には、会社から支払われた給与等の金額、所得税の支払い額などが記載されています。会社が源泉徴収票を社員に渡す時期は、主に年末調整後と退職後です。

  • 年末調整後
    その年の12月31日時点で会社に在籍している場合は、年末調整の後に、会社から「給与所得の源泉徴収票」がもらえます。一般的に、源泉徴収票が発行されるタイミングは12月末です。
  • 退職後
    12月31日になる前に転職・退職をした場合、原則として退職後1ヵ月以内に「給与所得の源泉徴収票」が発行されます。

予定したタイミングを過ぎても発行されない場合は、ご自身で会社に確認をして、源泉徴収票を入手してください。一度もらった源泉徴収票を紛失した場合には、同じく会社へ連絡して再発行してもらいます。

3-3.必要書類3 不動産会社からもらうもの

不動産会社(管理会社も含む)からもらう書類には以下のものがあります。

  • 不動産売買契約書
    不動産を購入・売却した年の確定申告で必要になります。売買時に、不動産会社から手渡されています。とても大切な書類のため、あらかじめコピーを取り、原本は大切に保管しておきましょう。
    また、売買時に不動産会社に支払った仲介手数料がわかる領収書なども一緒に用意しておきます。
  • 売渡精算書
    不動産の引渡時に受け取っていますので、コピーを用意します。売買時の登記費用や、立替代金などの明細が書いてあります。
  • 譲渡対価証明書
    マンションを購入した場合は、土地と建物の按分割合を示す書類として、売買契約書と一緒に手渡されますので、コピーを用意します。
  • 家賃送金明細書
    不動産会社に賃貸管理などを委託している場合は、年度末に、送金明細書が送られてきますので、コピーを用意します。明細の中には、管理委託料・修繕費用などが記載されています。
  • 賃貸契約書
    入居者が決まった時に不動産会社で作成しています。一般的に、物件オーナーには賃貸契約書の控えが送付されていますが、手元にない場合は、賃貸管理を委託している不動産会社から送付してもらいます。契約書には、毎月の賃料や、敷金礼金などの金額が記載されています。

3-4.必要書類4 その他の機関からもらうものの

その他、必要な書類は以下の4つです。

  • 金融機関借入金の返済予定表
    不動産購入でローンを組んだ場合、金融機関から郵送される(またはネットでプリントアウトできる)借入金の返済予定表です。
  • リフォーム見積書・請求書・領収書
    マンション経営のために不動産にリフォームなどをした場合は、リフォーム会社から送付された見積もり書・請求書・領収証が必要です。
  • 固定資産通知書
    ご所有の不動産がある自治体から、毎年4~6月頃、納付書と一緒に郵送されてきます。不動産購入をして、売主との間で固定資産税の精算をした場合は、固定資産税の精算書も必要です。
  • 火災保険地震保険などの証券と証明書
    保険証券は、加入してから1~2週間で自宅に郵送されます。確定申告に使う保険料の控除証明書は、秋ごろ~年末までにハガキなどで送られてきます。

これらの必要書類は、主に、確定申告の書類を作成するときに、必要な数字を記載するために使います。これ以外に、毎月、ご自身でつけている帳簿(エクセル・会計ソフト)も使って、よく確認しながら書類作成を行いましょう。

確定申告の期限は毎年3月15日ですので、年末が近くなったら、少しずつ書類の整理をしておき、時間の余裕を持って申告できるように準備しておきましょう。

また、マンション経営に関した書類には、契約書などの重要書類もありますので、コピーしたものを一箇所にまとめておくなど、書類・データ管理もしっかりしておきましょう。

4.家賃収入と確定申告に関するよくある10のQ&A

本章では、家賃収入と確定申告に関する、よくある10の質問とその回答をまとめています。

4-1.Q1:青色申告と白色申告、どちらを選ぶべきでしょうか?

A:マンション経営が事業規模になったら青色申告

マンション経営をスタートした時点では、どちらを選んでも問題はありません。白色申告は事前届け出が不要です。

青色申告をするには事前の届け出が必要ですので、青色申告を行おうとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、不動産の貸し付けをした場合には貸付開始日から2ヶ月以内)に、「所得税の青色申告承認申請書」を管轄税務署に提出し、審査を通過する必要があります。

ただし、青色申告は事業としての不動産貸付けでないと審査を通過しません。国税庁サイトによれば、事業として認められるマンション経営とは、以下の要件を満たしている必要があります。

不動産の貸付けが事業として行われているかどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断します。(1)貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
(2)独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。※判断は管轄税務署の担当者にまかされています。

参照:No.1373 事業としての不動産貸付けとの区分より

つまり、マンション経営をスタートした時点では白色申告でも問題ありませんが、その後、順調に不動産が増える・または、最初から10室近い数(またはそれに準ずる家賃収入額)でマンション経営をスタートさせるなど、上記の要件をほぼ満たすようであれば、申請をして青色申告にするのが良いでしょう。

青色申告になると、税制上の取り扱いが以下のように変わります。

  • ①帳簿

    青色申告では「複式帳簿」という、正規の簿記で記帳します。この正規帳簿は経理の基礎知識がない方の場合、正確な帳簿作成は不可能ですので、税理士に業務委託するのが一般的です。

    白色申告は、エクセルやノートに売上と経費の出入りがしっかり記載されていれば問題ありません。

  • ②青色申告特別控除
    青色申告で、正規の簿記で記帳し電子申告をした場合、特別控除として最高65万円が所得から控除されます。白色の場合は、このような特典はありません。
  • ③家族に給料を支払える
    青色申告をしている人は、妻や夫などの家族が事業の手伝いをしている場合には、家族に給料を支払うことができ、その給料は「青色事業専従者給与」として、事業の必要経費として計上できます。この家族は15才以上であり、生計を一つにしている人であれば、父母や子も組み入れることができます。

事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」で届け出をする必要があります。また、給料は、業務内容の対価として適正な金額である必要があり、経費を増やすために高給にするのはNGです。この給料を支払っている間は、配偶者控除や扶養控除が使えなくなります。

白色の場合は、マンション経営などの不動産事業をしている場合には、事業専従者控除を経費として計上できますが、人数と金額の上限が決まっています。

参照:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

  • ④貸倒引当金
    青色申告をしている人は「貸倒引当金」を設けることができます。貸倒引当金とは、売掛金・貸付金などのお金の貸倒による損失見込み額のことで、つまり「これは、今年中に回収できそうにないな」という金額に対して、年末時点の貸金残高の5.5%までを必要経費として計上できます。
  • ⑤赤字の繰り越し
    青色申告をしている人は、マンション経営で赤字が出た場合、その赤字分を翌年以降3年間にわたって繰越すことができます。つまり、赤字を出した次の年が黒字になっても、前年に出した赤字が埋まるまで、3年は所得税がかからないことになります。

このように、青色申告になると税制上の特典が増えますが、同時に、正規帳簿できちんと帳票類が整備されているか等に対する税務署のチェックは厳しくなります。ご自身の計画されている事業規模や、活用できる特典の範囲などを総合的に比較して、どちらにするかを判断していくと良いでしょう。

4-2.Q2:確定申告の準備はいつから始めるべきでしょうか?

A:毎年1月頃からスタートしましょう。

確定申告の準備という意味では、毎年1月頃からが良いでしょう。年末~1月にかけて、郵送で送られてくるべき書類が揃い、確定申告の書類整理がしやすくなるからです。ただし、経費などのご自身で管理すべき帳票類は、日頃からこまめに会計ソフトなどに記入をしておきましょう。

4-3.Q3:確定申告をしなかったらどうなりますか?

A:無申告加算税をプラスした税額を支払うことになります。

確定申告すべき収入があったのにしなかった場合、本来納めるべき税額の15~20%の無申告加算税が加算されます。無申告加算税は、本来納める税額の

  • 50万円以下の部分:15%
  • 50万円を超える部分:20%

となります。仮に、50万円の税額だった場合は、50万円+(50万円×15%=75,000円)=575,000円が納税額となります。申告を忘れていた場合、自発的に「期限後申告」を行えば、加算される割合は上記より5%軽減されます。

どちらにしても、確定申告をしないでいると、余分に税金を支払うことになりますので、申告期限は守るようにしましょう。

4-4.Q4:家賃収入があっても節税したいのですが

A:減価償却費と優遇税制を使いましょう。
会社員として給与をもらいながらマンション経営をし、さらに大きく節税したい場合には、減価償却費に着目しましょう。

マンション経営の場合で例を出して計算してみましょう。

例)中古マンションを建物価格3,000万円で購入 耐用年数が5年だった場合マンション価格3,000万円 ÷ 耐用年数5年=600万円/年

このマンションの減価償却費は、年600万円ずつ5年間にわたって経費計上できることになります。

上記の場合、毎年600万円ずつ減価償却費が計上されていますが、実際のマンション購入費は初年度に支払い済みですので、実際には出ていかない600万円が、会計上のみ経費として支出を生み出しています。

つまり、マンション経営で節税をしたい場合には、この減価償却費を大きく取れるタイプの物件を購入すると、不動産所得で赤字を生み出すことができます。

冒頭でも解説をしましたが、会社員をしながらマンション経営をすると、損益通算により会社員の給与所得にマンション経営の赤字をぶつけて所得を圧縮し、税額を軽減することができます。

減価償却費が大きければ大きいほど会計上の赤字を大きくできるため、より多くの所得を圧縮することができ、節税効果が高まります。

また、ある程度の規模になったら青色申告の申請をして特別控除を受けることで、所得税の課税額をさらに減らすことができます。

参照:No.2100 減価償却のあらまし

4-5.Q5:経費にするものの領収書がない

A:支払い事実がわかるものがあればOK

経費にかかった金額を証明するのは、主に領収書やレシートですが、それがないタイプの経費もあります。そのような時には、支払い事実がわかる物があれば問題ありません。例えば

  • 電車の乗車履歴
  • カードの利用明細書
  • スマホレシート
  • 写メをしたレシート
  • 通帳の記帳

など、いつ・どこで・何に・いくら使ったが分かれば良いのです。これらの履歴や明細書がない場合には、自分で出金伝票を切り、その時に使用した金額と内容などを記載したものを使います。

4-6.Q6:確定申告書のAとB、どっちを使うの?

A:マンション経営をしている方はBです。
すでに解説した通り、不動産経営をしている方は、申告書Bを使います。

Aを使う方は、国税庁のホームページによれば「所得が給与所得や年金などの雑所得、総合課税の配当所得、一時所得のみで予定納税額のない方」とありますが、かんたんに言えば、年収2,000万円以上ある会社員・株式で大きな所得を得た会社員などの、一部の人のことです。

4-7.Q7:事業専従者って誰のこと?

A:マンション経営している自分を、手伝ってくれている人のことです。

事業専従者というのは、妻・親・子供など生計を共にしている15才以上の親族で、その事業のお手伝いをしている人のことです。例えば、

  • 仕事部屋を片付けてくれている
  • 領収証の整理をしてくれている
  • 仕事の電話が来たら応対してくれている
  • お茶やお菓子をタイミング良く出してくれている

などの雑用をこなしているだけでも、専従者となります。実際、これらの作業を外部にお願いすれば、それ相応の時給が発生します。

4-8.Q8:家賃収入のあるマンションにも住宅ローン控除は使えますか?

A:使えません。マンション経営には事業用ローンが適用されます。

住宅ローンは、そこに住まう方のためのローンですので、人に貸す目的の不動産には使えません。

マンション経営で組むローンは、「事業用ローン」(金融期間によって商品名が違います)といって、不動産経営で収益を得るためのローンとなります。

ローン審査基準も、申込者の社会属性に加え、その物件で将来的な収益がどのくらい見込めるかも考慮されます。住宅ローンは住む人本人の給与が返済原資ですが、事業用ローンの返済原資は家賃収入ですので、その不動産の価値を審査されます。

4-9.Q9:ふるさと納税も経費にできるって本当?

A:経費とは違います。個人事業主は「事業主貸」、企業は「損金」で扱います。

ふるさと納税は、その目的自体が事業ではないため、経費にはなりません。しかし、ふるさと納税をする主な理由は節税ですので、課税額を減らすために経費にしても良いのかなと思うのも無理はありません。

個人事業主が行ったふるさと納税は経費ではなく、事業主のポケットマネーを事業のお金として貸したことになり、帳簿上は「事業主貸」として計上します。会社形式にしている場合は「損金」として計上します。

ふるさと納税で節税ができる仕組みは、支払った金額から自己負担分2,000円を引いた部分が寄付金控除として扱われ、先に所得税が還付され、後から翌年分の住民税が控除(住民税の減額)されるので、上限額の範囲内であれば節税にはなっています。

4-10.Q10:確定申告をすれば税金還付はありますか?

A:確定申告をして税金が戻る人には条件があります。

確定申告=税金還付ではなく、条件を満たす人が、確定申告によって税金が戻ってきます。基本的に以下の条件が揃っている時には、税金還付があります。

条件①:会社から給与所得をもらっている
条件②:マンション経営が赤字

会社でもらっている給料を「給与所得」、マンション経営で得ている家賃収入を「不動産所得」といいますが、確定申告時にはこの給与所得と不動産所得を足した金額に税率をかけて税額が決まります。

所得税はお金をたくさん稼いでいるほど税率が高くなる累進課税ですので、会社員としての給与+マンション経営の賃料の合計額が多いと、その分、税率も高くなってしまいます。

しかし、本記事前半で解説した通り、会社員の方がマンション経営を行う場合は損益通算を行えますので、不動産経営が赤字の場合には払いすぎている税金が還付されます。

しかし、本来のマンション経営の目的は、税金還付ではなく、マンション経営が軌道に乗ることで得られる家賃収入と資産形成ですので、このことは忘れないようにしましょう。

5.まとめ

本記事では、マンション経営を始めたら、避けては通れない確定申告についてまとめました。

思ったよりも経費として計上できるものがあり、驚かれた方もいるのではないでしょうか。また、税金の仕組みに触れることにより、なぜ、多くの人が「会社員をしながらマンション経営をするのが良い」と言っているのかも、イメージできたかと思います。

しかし、これらのことが頭で理解できても、実際にマンション経営者として歩き始めるには、まだ少しの温度差があるでしょう。REISMでは、オンラインセミナーやサイト上でのさまざまな資料提供などを通じて、これからマンション経営を始める人が、知識を得ながら、一歩ずつ着実に、経営者となるのを万全にサポートしています。

マンション経営の目的は、家賃収入を得て資産形成を行うことです。そのためには、入居者がずっと家賃を支払い続けてでも「ここに住みたい」と思ってくれる場所を提供する必要があります。
REISMでは、人が長くそこに愛着を感じ、快適な暮らしが出来るライフスタイルそのものを提案しています。長いマンション経営の期間、マンションオーナーをずっとサポートできる信頼のおける不動産会社として、日々、情報をアップデートしています。マンション経営と将来の資産形成が気になり始めたら、私たちREISMにご相談ください。

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