投資の基本

治安の良いエリアは犯罪情報マップで探そう

入居者が安全に暮らせるかどうか配慮するのも、不動産投資を行う上で大切なポイントです。入居者のターゲットを単身女性やファミリー世帯に設定している場合は、特に重要になってくるでしょう。今回は地域の治安の良さを調べる際、非常に参考になる「犯罪情報マップ」について、その活用法とともにご紹介します。

治安の良いエリアは犯罪情報マップで探そう

治安は良いに越したことはありませんが、治安のあまり良くない地域での不動産投資が絶望的かというと、そうではないケースもあります。そのようなエリアでは物件を安く購入できる可能性が高く、うまく賃貸経営をすることで高めの利回りが期待できる可能性もあるからです。「多少治安が悪くても、家賃が安いほうがいい」という入居者も一定数存在しています。

しかし治安の悪いエリアの物件は、単身女性や小さい子どものいるファミリー世帯からは敬遠されてしまうでしょう。このような層は物件を探す際、治安が良く安全に暮らせる地域であることを条件に入れていることがほとんどです。ターゲット層によって、地域の治安を重視する度合いが大きく変わってくることを覚えておきましょう。

犯罪情報マップを有効活用

警視庁は防犯情報として活用してもらうために、東京都の犯罪発生情報を地図上に表示した犯罪情報マップを公開しています。

地図を見るだけで各エリアの犯罪数や犯罪別の発生情報を確認できるので、所有物件があるエリアや、これから購入しようとしている物件があるエリアで、どのような犯罪がいつどこで発生したのかを簡単に調べることができます。

すでに物件を所有している場合は、犯罪情報マップから得た情報を入居者に教えてあげることで、入居者の満足度向上につながるでしょう。これから物件を購入する場合は、該当エリアの治安を調べる上でとても便利なツールになってくれます。

犯罪情報マップ
http://www2.wagmap.jp/jouhomap/Portal

実際に街を歩いて治安チェック

警視庁の犯罪情報マップは有用ですが、リアルな情報収集も大切です。物件を購入する際は、信頼できる仲介業者に依頼するのが望ましいですが、その業者に物件周辺の治安状況を確認することに加えて、自分で実際に足を運んで街の状況を確認するようにしましょう。その際に大事なのが、日中だけでなく夜間も足を運ぶことです。

入居希望者は日中に内見するケースがほとんどなので、わざわざ夜間に確認する必要はないと思われるかもしれません。しかし、入居者の普段の生活を考えると、早朝に学校や会社へ出かけ、夕方から深夜にかけて帰宅するケースがほとんどでしょう。特に最近の子どもたちは、学習塾や習い事に忙しく、遅い時間に帰宅することも少なくありません。そのため、保護者は遅い時間帯の治安を気にしています。

昼と夜で街の印象がまったく違うこともよくあります。酔っ払いや若者がコンビニ前に“たむろ”していたり、物件までの帰り道に街灯が少ない、といった不安材料に気づくかもしれません。その逆もあるでしょう。コンビニなどのお店の明かりも含めて思ったよりも街灯が多く、パトロールする警察官もいて、夜でも安心できる街かもしれません。

また、駅から物件までの道だけでなく、物件から学校や病院までの道も確認しておきましょう。通り道に「事故多発」など注意喚起のための看板があったら要注意です。そのようなことは、実際に現場に行ってみないとわかりません。

実際に街を歩いて治安チェック

セキュリティーを向上させるリフォーム・リノベーション

周辺エリアの治安を重視する層を入居者ターゲットにする場合、リノベーションやリフォームによって物件そのものの防犯性を高める方法もあります。新築物件であれば最新のセキュリティー設備が備わっているかもしれませんが、中古物件はセキュリティー設備があっても古く、新築物件と比較すると、どうしても劣ってしまう部分もあるでしょう。

ホームセキュリティーが導入できれば心強いですが、当然その分コストもかかるので全物件に導入するにはハードルが高いと感じてしまうかもしれません。そのような場合は、玄関扉を「ディスクシリンダー (鍵の真ん中に溝があり、横に凹凸がある)」錠から、「ディンプルシリンダー (平べったい鍵の裏表に複数の溝がある)」錠に交換するだけでも、ピッキングに対する防犯性を高めることができます。

また、空き巣や性犯罪者などは窓から侵入するケースが多いと言われているため、玄関や窓の付近に人間感知のセンサー付きライトを付けたり、窓ガラスや窓鍵を強度の高いものに交換するということも、コストをあまりかけず比較的簡単にできる防犯対策です。

犯罪情報マップで地域の治安を確認するだけではなく、実際にその場に足を運び、入居者への声かけや物件の防犯対策を実施して、行動につなげていくことが大切です。

3年以上勤めた会社員へ。
あわせて読みたいおすすめコラム