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開業した高輪ゲートウェイ駅の影響と今後も続く東京の都市開発

2020年3月14日、ついに山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」が開業しました。東京の動脈ともいえる山手線で約49年ぶりとなる新駅開業は非常に重要な意味を持ち、不動産投資家には極めて関心の高い情報です。今回は高輪ゲートウェイ駅開業による不動産市況への影響や今後の人の流れ、これから予定されている東京の都市開発が不動産市況に与える影響について解説します。

開業した高輪ゲートウェイ駅の影響と今後も続く東京の都市開発

新駅開業で起きた変化

高輪ゲートウェイ駅は、49年ぶりとなる山手線の新駅開業とあって大きな注目を集めていました。しかし、新型コロナウイルスの影響で自治体による外出自粛要請や企業によるテレワーク推進がされるなか、当初予定されていた記念式典は中止、関連イベントも延期されてしまい盛り上がりに欠けるスタートとなってしまいました。

とはいっても、この新駅が地域住民の生活や経済に大きな影響を与える可能性は非常に高いでしょう。高輪ゲートウェイ駅は羽田空港までのアクセスも良く、海外に向けた日本の玄関口となることから「和」を意識した木目調が採用された素晴らしいデザインになっています。同時にAIを活用した無人コンビニの設置や自動清掃ロボットが導入されるなど、現在の日本の最先端技術が使われている点でも魅力に富んだスポットです。

この新駅は、JR山手線の田町駅と品川駅の中間に位置する車両基地の跡地に作られました。近隣の高輪2丁目や港区港南2丁目エリアの交通利便性を一気に高めており、今後この地域を活性化することでしょう。新型コロナウイルスの騒動が終息した後には、新規店舗のオープンやオフィス移転が見込まれています。

また高輪ゲートウェイ駅は単体での開発ではなく、田町~品川駅間における旧車両基地の開発計画の一環です。車両基地の再編成によって生まれた約13ヘクタールという広大な敷地にオフィスビルや高層マンション、商業施設やホテルなどが建設されます。世界の玄関口「グローバル ゲートウェイ 品川」をコンセプトに大規模開発が期待されています。

この計画によって田町~品川間は今以上に魅力的な街となり「田町駅~高輪ゲートウェイ駅~品川駅」につながる沿線の不動産価値に好影響を与えることでしょう。

都市開発の注目点

都市開発の注目点

高輪ゲートウェイ駅とグローバルゲートウェイ品川に限らず、大型の都市開発はそのエリアの就業人口や観光客の増加につながります。また再開発エリアのみならず、そのエリアにアクセスする沿線の不動産価値も高めてくれるでしょう。東京では、今後の2020~2030年の10年間にまだまだ新たな開発計画がたくさん予定されています。都内には投資に望ましいエリアが続々と生まれてくるでしょう。

最も注目されるのは、2027年に予定されているリニア中央新幹線(品川~名古屋間)の開通でしょう。東京の発着は品川駅で神奈川県のJR橋本駅近辺の神奈川県駅(仮称)を経由し山梨県、長野県、岐阜県を通って愛知県の名古屋駅までつながります。従来の東海道線よりも内陸側を通るため、新たな人の流れを生み出し東京でいえば品川やその周辺の活性化につながるでしょう。

ビジネスの中心地として確固たる地位を築いている丸の内エリアでも2027年に向けて「東京駅前常盤橋プロジェクト」という再開発が進む予定です。また2019年東棟が竣工した渋谷駅直結の複合施設型超高層ビル、渋谷スクランブルスクエアも中央棟や西棟は2027年の竣工予定で渋谷の都市開発はこれからが本番です。

今後20年間にわたって行われる予定の新宿駅・駅前広場・駅ビルの再開発「新宿グランドターミナル」構想もあります。なお2023年に東京造幣局跡地に東京国際大学のキャンパスが開校する予定で、池袋エリアでは若者人口が大幅に増えることでしょう。

狙い目は好アクセスの中古物件

一般の不動産投資家がこうした大規模な都市開発に直接関与することは難しいでしょう。しかし開発地域にある不動産物件の賃貸需要は今後増加すると予測されるため、可能性のある投資物件を見つけることができれば絶好のチャンスです。なかでも利回りの期待できる中古物件が狙い目でしょう。中古物件では設備やデザインの古さから賃貸で不利になると気にされるかもしれません。

しかし中古物件をリノベーションすることで、最新の設備やデザインに生まれ変わらせることが可能です。リノベーションしていても購入価格は新築物件より安くなるので、競争力のある賃料で貸し出すことができます。高輪ゲートウェイ駅に限らず都市開発は不動産の価値に大きな影響を与えるため、しっかりと情報を入手・分析して対象エリアの中古物件を探していくのがおすすめです。

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