投資の基本

結婚相手に「副業で不動産投資をしている」と言われたら

結婚を考えている相手とは、将来のためにも経済観念についてよく話し合っておきたいものです。年収はもちろんのこと趣味に費やすお金や節約の仕方、毎月の貯蓄額などこれから一緒に暮らしていくうえで非常に重要なことになります。そんな話をしているとき例えば「副業で不動産投資をしている」と打ち明けられたら、どのように考えればよいでしょうか。

結婚相手に「副業で不動産投資をしている」と言われたら

高収入の可能性が高いから好条件

不動産投資をしている人は、多くの場合、金融機関で数百万円から数千万円のローンを組んで物件を購入しています。その人の「属性」と金融リテラシーを金融機関が評価したからこそ、その融資は認められました。言い換えると以下のようなことが証明できるのではないでしょうか。

  • しっかりとした年収がある
  • 倒産する可能性の低い企業に勤務
  • 携帯電話やクレジットカードの滞納などの事故もない
  • 頭金を払えるだけの貯金をしてきた
  • 計画性のある人物

つまり例えば結婚相談所で紹介された人がプロフィール欄に「副業として不動産投資をしています」と書いていた場合、経済的には好条件の相手なのかもしれません。

ここだけは確認しよう

結婚相手が副業で不動産投資をしていたとしても手放しで喜ぶのは早いかもしれません。なぜなら投資である以上成功する人もいれば失敗する人もいるからです。一般的に不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンとされています。株式やFXのように相場が暴落して一夜で大損するようなことは考えにくい資産です。

ただし、いつまでたっても入居者が見つからなかったり金利が上昇して返済額が増えてしまったりと、投資が失敗するリスクがまったくないわけではありません。結婚相手に対して隠しごとをするのは好ましいこととはいえないでしょう。そのためこうしたリスクについて「相手がどう考えているのか」「毎月の返済額はどのくらいなのか」「手元に残るお金はいくらなのか」などためらわずに尋ねてみましょう。

場合によってはキャッシュフローが少なかったり修繕費が多かったりすることがあるかもしれません。しかし大切なことは本当のことをしっかりと説明してくれるかどうかです。きちんと計画を持って投資をしているのであれば、むしろ誠実でしっかりと遂行できる意志の強さも兼ね備えているといえるのではないでしょうか。

ここだけは確認しよう

持ち家が無理な場合も

「結婚したらマイホームが欲しい」という人も多いのではないでしょうか。マイホームを購入するには、多くの人が住宅ローンを利用します。金融機関で融資を受けようとする人には融資限度額があり属性によって融資限度額は変化するのが一般的です。ただ明確な基準は公表されておらず金融機関によっても異なります。

一般的な融資限度額の目安としては年収の数倍から10倍程度までです。そのため不動産投資で融資を受けている人の中には、マイホームを購入する際、住宅ローンが認めてもらえない場合もあります。2019年5月に長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」の資金使途が居住用ではなく投資用として不正利用されていたことが、ニュースで伝えられ大きな話題となりました。

事件の結果を受けて不動産投資の審査はより厳しくなるでしょう。真面目に不動産投資に取り組んできた人たちにとって「寝耳に水」というような出来事です。不動産投資をしている人が「マイホームを買うので融資してほしい」と交渉した際に「本当に居住用なのか」と厳しく確認されることもあるようです。マイホームの購入では、夫婦の共同名義にするとローンも折半できます。

融資枠を上手に使う方法を2人でじっくり相談してマイホームの購入に備えたほうがよいでしょう。

ピンチのときに支えられるのか

副業としての不動産投資で家賃収入が得られるのであれば生活費の足しにしたり老後資金に充てたりと使い道はそれぞれです。ただ投資である以上リスクからは逃れられません。大事なことは、パートナーがピンチになったときに相手を支えてあげられるかどうかです。例えば自分も不動産投資に興味を持ち、理解を深め一緒に投資してもいいかもしれませんね。

リスク分散のために物件を共同名義にすることも方法の一つです。そうした場合、それぞれが確定申告を提出することになりますが、減価償却や控除の恩恵を受けて2人とも節税できる可能性があります。今回は結婚相手が不動産投資をしている場合、相手に確認しておきたいことや持つべき心構えを説明してきました。

投資の経験のない人は、投資自体に抵抗があるかもしれません。しかしマイナス金利の時代において将来に備えるための資産形成という意味では、不動産をはじめとする投資活動は欠かせないでしょう。そのときに投資の経験があり不動産という資産を手にした相手ほど頼もしいものはないのではないでしょうか。あなたなら投資経験のない人とある人、どちらを選びますか?

3年以上勤めた会社員へ。
あわせて読みたいおすすめコラム