不動産投資

不動産投資をするなら知っておきたい東京再開発で大規模施設ができるエリア

日本一といっても過言ではない規模で再開発が行われている渋谷をはじめとして、東京では2020年3月時点で目下再開発が目白押しです。2020年の東京五輪をきっかけに、日本の首都はその姿を大きく変貌させようとしています。

再開発は今後の人口動向や物件の資産価値にもかかわるだけに不動産投資家なら押さえておきたいポイントです。ここではそのエリアとそれぞれの特徴について紹介します。

不動産投資をするなら知っておきたい東京再開発で大規模施設ができるエリア

100年に1度の再開発で便利になる渋谷〜ビットバレーの再興なるか〜

渋谷では2019年が一つの山場となり、駅周辺を中心に「100年に1度」といわれる規模でオフィスビルの建設が行われています。例えば「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷ブリッジ」「渋谷フクラス」「渋谷ソラタス」など続々と完成していく最先端ビルには、そのオフィス環境を求めてIT企業が多数押し寄せている状態です。

2000年前後のネットバブル期に渋谷は「ビットバレー」と呼ばれていました。なぜなら米国シリコンバレーのように多くのIT企業が集まっていたからです。しかし「六本木ヒルズ」が完成したことで、その多くは六本木に流れてしまいました。その後2012年4月に開業した「渋谷ヒカリエ」へ「株式会社ディー・エヌ・エー」、同年10月に「LINE」が移転するなど再び渋谷は盛り上がりを見せ始めます。

2019年には、ITの巨人「Google」が「渋谷ストリーム」に入居しました。渋谷区に拠点を置く「サイバーエージェント」「ディー・エヌ・エー」「GMOインターネット」「ミクシィ」の4企業が渋谷をITの世界的技術拠点にすることを目的に「SHIBUYA BIT VALLEY」(シブヤ・ビットバレー)プロジェクトを始動させ、ビットバレー再興に動いています。

ちなみにサイバーエージェントは、会社から2駅以内に住む社員に家賃補助を出す制度を始めて話題となりました。他のIT企業も同様の制度を導入しているといいます。こうした企業に勤める若いサラリーマンは比較的高収入で「職住近接」を好む傾向にもあるといわれていますので、不動産投資をするうえで渋谷近辺は非常に狙い目といえます。

100年に1度の再開発で便利になる渋谷〜ビットバレーの再興なるか〜

文化の街としてイメージ向上に取り組む池袋

池袋駅は4社8路線が乗り入れるターミナル駅で都内から埼玉方面までどこへ行くにも便利な駅です。駅周辺には若者やファミリー向けの商業施設も充実していますので、住むには便利な街といえるでしょう。

その一方で池袋には駅の西口から北口にかけて大きな歓楽街があり、かつては「客引き」「呼び込み」「声かけ」などが頻繁に行われるようなエリアでした。2000年には、池袋にある公園の近くに住む青年を主人公にしたテレビドラマが大ヒットし、扱われたテーマは「不法滞在」「マルチ商法」「援助交際」など暴力的なシーンも多かったことから、街に対するネガティブなイメージを持ち治安の面で不安を感じていた人も多かったかもしれません。

また2014年には民間有識者組織が池袋のある豊島区を東京23区で唯一、2040年に20~39歳の若年女性が半減し人口を維持することができない「消滅可能性都市」と指摘されたことにより、さらに“街”としては、喜ばしくない情報が世間で広まってしまいました。

そうしたこともあり、行政が子育て支援などに本腰を入れ始めた結果、2018年には人口もV時回復、1978年ぶりに29万人を突破しました。池袋はこれまでのネガティブなイメージから脱却し、子育てにもやさしい地域として変わりつつあるといえでしょう。

さらに2019年11月には、旧豊島区庁舎と豊島公会堂の跡地に演劇や伝統芸能を公演するホールなど8つの劇場がある複合商業施設「Hareza池袋」が完成し、アニメやサブカルチャーといった「クールジャパン」の発信地として、さらに街自体のイメージアップにつながっているようです。若い世代が集まる池袋駅周辺は、若者世代を対象としたワンルームマンションの展開が十分に検討できるエリアといえるでしょう。

新駅「高輪ゲートウェイ」「虎ノ門ヒルズ」

2020年3月にはその名称で物議を醸したJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」が暫定開業します。「まちびらき」は2024年で品川駅から田町駅までを一体開発する「品川開発プロジェクト」が進行中です。日本の新たな玄関口となる国際交流拠点を目指しているだけあって地上45階のビル、文化創造施設、商業施設や病院、ホテルなど大規模開発が行われ活気ある街となりそうです。

東京メトロ日比谷線の新駅「虎ノ門ヒルズ」の開業は2020年6月を予定しています。圧倒的存在感を示している「虎ノ門ヒルズ森タワー」は2020年1月に竣工し4月には地上36階の虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーが開業予定です。2020年6月には24階建ての東京虎ノ門グローバルスクエア、2023年7月には地上49階の虎ノ門ヒルズステーションタワーの竣工予定が続きます。

今後この周辺では若手のビジネスマンをターゲットとした賃貸需要が旺盛になることは間違いないといえるのではないでしょうか。

臨海エリアも晴海フラッグの有明、タワマンの豊洲が熱い

このほか東京五輪の選手村跡地をマンション群に生まれ変わらせる「HARUMI FLAG」が生まれる有明にも注目です。2020年4月には劇団四季専用の劇場や露天風呂付大規模温浴施設を備えた全749室のMICE対応ホテル、1,500戸超のトリプルタワーマンションが整備されます。MICEとは 以下の頭文字をとった造語でビジネスイベントの総称です。

  • Meeting(企業などの会議)
  • Incentive Travel(企業などの行う報奨や研修旅行)
  • Convention(国際機関や団体、学会などが行う国際会議)
  • Exhibition/Exit(展示会や見本市など)

このエリアは上述のエリアとは異なり、将来の人口増加を見込んで街づくりが加速するエリアといえるでしょう。

今回紹介したような再開発の行われるエリアには、人々が数多く集まり労働需要が生まれ、必然的にその近隣も含めて賃貸需要の発生が期待できるでしょう。不動産投資では、再開発エリアの需要を見逃さないように日頃から情報収集を心がけるようにしておくことも大切です。

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