投資の基本

不動産投資で金利を少しでも安く融資を引き出すには?

長引く日銀のマイナス金利政策で金融機関の低金利が続いているため、多額の融資を利用して行う不動産投資に対する関心は、ますます高まっています。ただ不動産投資のためのローンは住宅ローンよりも金利が高めなので、「できることならば、もう少し低金利で融資を受けられたら」と多くの人が考えているはずです。

ここでは金利と金融機関の関係、店頭表示の金利よりも低く借りられるようにするためにできることなどについて考えてみましょう。

不動産投資で金利を少しでも安く融資を引き出すには?

不動産投資用ローンと金融機関と金利相場の関係

一般的にはメガバンク、地方銀行、信用金庫、ノンバンクといった順に金利は高くなるといわれています。貸出金利はメガバンクが0.5~3%、地方銀行や信用金庫は2~5%の間が平均的な金利水準といえるでしょう。ノンバンクはさらに融資を受けやすくなります。しかし当然金利も高くなるので最終手段として検討する人が多い傾向です。

不動産投資用ローンと金融機関と金利相場の関係

固定金利より変動金利がいい

金利の種類は「固定」と「変動」の2種類です。「固定」には「返済期間の全期間固定」と一定期間だけが固定になる「固定金利期間選択型」に分かれます。固定金利は返済期間中の全期間、もしくは一定期間、金利が変化しないのに対して、変動金利は金融情勢を反映して変化するというものです。変動金利は金利の見直しが年に2回、返済額の見直しが5年に1回といわれています。

金利上昇で返済額が増えてもそれは上限125%までと設定されているので、金利が急変しても際限なく上昇するわけではありません。現在、固定も変動も低金利ですが、より安く借りられるのは変動金利です。金利上昇局面では固定金利、現在のように低金利が継続する局面では変動金利で融資を受けるのがセオリーといえます。

固定期間中に売却し、融資を返済する場合、一定のペナルティが発生しますので、もしキャピタルゲインが主な狙いで売却予定時期を決めているならば、固定金利期間選択型で短期の固定金利にするか、金利の低い変動金利を選択するべきでしょう。

低金利で借り入れるには収益性のよい物件を選択

不動産投資のための融資を受けた後、もしローンの返済が不能になったときは、金融機関は担保設定した物件を売り払って現金化し資金を回収します。金融機関側からすると、より回収を確実にするためには物件価値が高いほうが良いわけで、その点を審査の際、金融機関は厳しく判断しています。収益性が高く、売れやすい物件であることが望ましい傾向です。

審査前に属性をUP

不動産投資でローンを借りる際に重要な基準となるが借り手の「属性」です。年収や勤務先、家族構成、資産状況、金融リテラシーなど複合的に借り手のことを評価します。あなたの属性が「高い」と判断されると、ローンの返済が滞るリスクが低いと考えられ、金融機関の審査は通りやすくなることが期待できます。言い換えると属性が高くなれば、借入れできる額が大きくなり、金利も低くなる傾向があり非常に有利ということです。

しかし「属性UP」には近道がなかなかありません。具体的に「確実に貯金額を増やす」「将来の相続関係を整理する」「評価の高い連帯保証人を確保する」「他のローンで滞納しないようにする」といったことが属性UPにつながります。年収の高い大企業に転職することも有効ですが、勤続年数3年以上という条件をつけられるかもしれません。

このほか不動産投資で、すでにローンを組んでいて安定した返済実績があると金利を低くするように金融機関と交渉することも検討できます。なぜなら、こういう人に対しては「他行に乗り換えされないように、金利を下げて、お客さんでいてもらおう」と金融機関も考えるからです。

投資実績の多い不動産会社を選ぶ

提携ローンが豊富な不動産投資会社を選ぶことも重要です。属性以外にも借り手の年齢、投資スタイルで最適な融資は変わります。実績のある不動産会社を選べば、各投資家に合った適切な融資が受けられるように金融機関と交渉しマッチングをしてくれるでしょう。

不動産投資は多額の借入金で行うものです。そのため金利の高低が成否の鍵を握っています。少しでも低金利の好条件で借りられるように、できる努力は惜しまないことが成功の第一歩ではないでしょうか。

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