投資の基本

銀行から融資を引き出せるのはこんな人だ!

資産運用への関心の高まりから、不動産投資にチャレンジする人が増えています。不動産は株式や投資信託など、他の金融商品とは異なるところが特徴です。株式や投資信託、FXでは(株の信用取引やレバレッジをかけたFXなど例外を除き)、基本的に自己資金で投資を行います。しかし、不動産投資はたいていの場合、購入する不動産を担保に、金融機関から融資を受けて投資を行う傾向にあります。

そのため、いかに金融機関から良い条件で融資を引き出すかが重要になります。そこで、今回は不動産投資における融資の意味や、金融機関に信頼されて融資を受けられるようになるためのポイントについて考えてみました。

金融機関からの融資で不動産投資は拡大する

不動産投資で金融機関からの融資が大事になる理由の一つは、不動産投資に必要な資金が大きいことがあげられます。株式や投資信託などは少額からの投資も可能ですが、不動産投資で現物を購入するとなれば、どんなに安い物件でも数百万円は必要でしょうし、1,000万円以上、あるいは数千万円〜数億円する物件も、珍しくありません。

潤沢な自己資金があって、融資を受けずに不動産を購入できる方もいますが、そうした例はあくまで少数派です。また、レバレッジを効かせられるという不動産投資の妙味を活かしていません。さらに、不動産投資では購入費用は物件を担保にして金融機関から融資を受け、物件から得られる家賃収入を融資の返済に充てます。

そのため、利子と元本を合わせた返済金額よりも家賃収入が大きければ、理論上は無限に投資を拡大していくことが可能です。これが王道の拡大方法になります。コツコツと買い増しや運用を続ける金融商品もいいですが、不動産投資は違った旨味のある投資手法といえるでしょう。

融資審査の突破が鍵

当然のことですが、銀行などの金融機関は、誰にでも無条件でお金を貸してくれるわけではありません。銀行からすれば、貸したお金は必ず回収したいので、「きちんとした返済能力があるか」「誠実に返済をしてくれる人物か」を審査されて、その審査を通過しなければなりません。ちなみに、金融機関から見て返済能力が高く、かつ誠実に返済しそうと思わせる要素を、一般的に「属性」と呼びます。返済能力が高そうな人物は「属性が良い」といわれます。

収入が多く返済能力が高いこと

属性として評価されるのは、職業や年収、現在の年齢などです。そこから返済能力が判断されます。当然、年収は高いほうが良いのですが、それだけではなく、継続的に一定以上の年収を得られているかが重視されるので、職業や勤務先が重視されます。端的にいえば、大企業の社員や公務員、または医師など、社会的信用の高い会社勤務のほうが有利です。また、融資の期間が長くなるので年齢が若い人のほうが有利になります。

きちんと返済できる人物かどうか

収入以外に「自己資金となる貯金がどのぐらいか」「他社からの借り入れはないか」「クレジットカードで事故歴はないか」など、個人の信用情報もチェックされます。この部分が、最近は特に重視されるようになりました。直近にクレジットカードの事故歴などがあっては、融資はかなり厳しくなります。自己資金が用意できるかどうかも判断材料の一つでしょう。自己資金の有無は、きちんと収支を管理する能力があるかを見ているのです。

属性が良いと融資条件も有利に

金融機関からローンを組むと金利が発生しますが、その金利は誰に対しても同じ利率が適用されるわけではありません。金融機関の審査で高評価を得られる人は、適用される金利は低くなりますし、その逆に評価の低い人は適用される金利が高くなります。貸す側にしてみれば、属性の良い人は、貸し倒れリスクが低く、そうでない場合は貸し倒れリスクが高くなるので、金利に違いが出るのです。

金利は不動産投資の結果に大きく影響します。不動産投資を始める際は、なるべく良い条件で融資が受けられるように、自分の属性を良くしておきましょう。ただ、勤務先や現在の収入を変えることはなかなかむずかしいでしょうから、借金を返済したり、コツコツと貯金をして自己資金を用意したりすることが大切になります。できるところから、始めましょう。

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