資産運用

不動産小口投資の良いところ取り、不動産投資型クラウドファンディング

「クラウドファンディング」という言葉が一般的になってきました。ネット上で提示されたプロジェクトに魅力を感じた人が、少額から出資する仕組みのことです。

当初は寄附や社会貢献活動などに広く用いられてきたクラウドファンディングですが、このクラウドファンディングの仕組みを活用して不動産投資ができることをご存じでしょうか。一体どのような手法なのか、投資家にとってどんなメリットがあるのかを解説していきたいと思います。

<目次>
1.クラウドファンディングの基礎知識
1-1.クラウドファンディングとは?
1-2.クラウドファンディング市場は拡大

2.不動産投資型クラウドファンディングとは
2-1.不動産投資型クラウドファンディングの仕組み
2-2.現物不動産投資との違い
2-3.REITとの違い
2-4.ソーシャルレンディングとの違い

3.不動産投資型クラウドファンディングのメリット・デメリット
3-1.不動産投資型クラウドファンディングのメリット
3-2.不動産投資型クラウドファンディングのデメリット

4.リスクとリターンを確認し、賢く運用しよう

1.クラウドファンディングの基礎知識

最初にクラウドファンディングについての基礎知識を、市場が拡大し続けている現状を交えて解説します。

1-1.クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは「crowd(群衆)」と「funding(資金調達)」を組み合わせた造語です。資金を必要とする事業者がプロジェクトごとに、インターネットを介して不特定多数の人から比較的少額の出資や協力を募る手段として活用されており、すでに多くの成立プロジェクトがあります。

これまでは、どのようなプロジェクトでも資金調達をするには、金融機関から融資を受けることが基本でした。しかし金融機関から融資を受ける場合、実績や担保が必要となります。そのため、多くの人が担保の壁の前でプロジェクトを諦めてしまっていたのです。

しかし、クラウドファンディングを利用すれば、事業が魅力的であったり出資者に何らかの見返りがあるのであれば、実績や担保がなくてもネットを通じて資金を集められるようになりました。1人当たりの出資は少額でも、多くの人の心をとらえれば合計額はまとまった金額になります。

クラウドファンディングには「寄付型」「購入型」「投資型(ファンド型)」「貸付型(ソーシャルレンディング)」「株式型」などのタイプがあります。不動産投資の資金調達を可能にするタイプとして広く用いられているのは、「貸付型」です。不動産投資のプロである投資会社が出資を募り、その資金で物件を購入して運用して得た利益を出資者に還元するという仕組みです。

マンション一棟を購入するような不動産投資では多額の資金が必要になります。通常、金融機関から融資を得て物件を購入しますが、まとまった頭金が必要となったり、多額の融資を受けることへの不安などが、不動産投資を始める際の高いハードルとなってきました。しかし、クラウドファンディングなら多くの個人投資家が少ない資金からでも不動産投資を始めることができます。

1-2.クラウドファンディング市場は拡大

矢野経済研究所は、2017年度時点での国内クラウドファンディングの市場規模を、対前年比で127.5%増の約1,700億円と推計しました。翌年の2018年には2,000億円の大台を突破する見込みと推計しており、クラウドファンディング市場が爆発的な拡大を続けていることが浮き彫りになっています。

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出典:矢野経済研究所のプレスリリースより

不動産投資にも関係する貸付型の規模は全体の90%以上を占めており、数あるクラウドファンディングの中でも不動産投資を含む事業性を帯びたタイプが圧倒的に多数を占めていることが分かります。

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出典:矢野経済研究所のプレスリリースより

これだけ市場規模が拡大しているということは、それだけ事業者と出資者の双方にメリットがあるからです。そのメリットも含めて、不動産投資型クラウドファンディングの世界を解説していきましょう。

2.不動産投資型クラウドファンディングとは

不動産投資型クラウドファンディングとは名称の通りクラウドファンディングの一種で、一般の出資者から集めたお金で運用し、そこから生まれた収益を出資者に分配するスキームのことです。

個人投資家にとって不動産は高額商品であり、自分だけで購入するとなると資金調達が必要ですし、失敗した時のリスクが大きくなってしまいます。それを小口化することで投資のハードルを下げたのが不動産投資型クラウドファンディングです。クラウドファンディングの仕組みをそのまま、不動産投資に当てはめたものと理解すると分かりやすいかもしれません。

2-1.不動産投資型クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングには、資金を募る事業者と資金を出す出資者がいます。不動産投資型クラウドファンディングの場合は、事業者は不動産を購入して運用する役割を担い、出資者は投資家としてお金を出す側になります。

不動産投資型クラウドファンディングでは運用対象の不動産が情報公開されているので、その不動産に投資をしたいと考えている投資家が出資者となります。そして事業者は出資者から集めたお金であらかじめ提示していた物件を購入し、そこから得られる賃料収入などを出資金に応じて分配します。

最初から運用期間が設定されているので、その運用期間が終わったら最初に約束していた利回りの分だけ分配金を支払って運用終了となるのが一般的な形です。

2-2.現物不動産投資との違い

不動産投資というと投資家自身が収益物件を購入して賃料収入を得る形が広く知られていますが、これは現物の不動産を所有するため現物不動産投資と呼ばれています。

現物不動産投資と不動産投資型クラウドファンディングの最大の違いは、投資家自身が不動産を所有するかどうかです。クラウドファンディングの場合は事業者が不動産を所有するため、投資家は不動産を管理する必要がありません。また、現物不動産を自分だけで購入するわけではないので、少額から始められる点も現物不動産投資との大きな違いです。

2-3.REITとの違い

投資家から募ったお金で不動産を運用するという意味では、REITと同じではないかと感じる方は多いと思います。REITとの大きな違いは、購入する不動産を投資家が選べるかどうかです。

REITは投資法人が運用する不動産を選定し購入するため、投資家がそれを選ぶことはできませんが、不動産投資型クラウドファンディングの場合は購入する不動産の実名が公開されているので、それを見て購入するかどうかを検討することができます。

また、不動産投資型クラウドファンディングではマンションなど住居物件に投資をしますが、REITの場合は物流施設やホテル、商業ビルなど運用対象は多岐にわたります。

2-4.ソーシャルレンディングとの違い

クラウドファンディングの仕組みを利用した高利回りの金融サービスとして、ソーシャルレンディングが人気を集めています。ソーシャルレンディングの中には不動産に投資をするものがありますが、これとは何が違うのでしょうか。

根本的な違いは、利益の源泉です。ソーシャルレンディングの「レンディング」は資金調達という意味なので、お金の貸し借りを基本としたサービスです。そのためソーシャルレンディングでは資金を貸し付けたことによる利息が利益の源泉となります。不動産を購入した場合であっても、その物件を購入した運用主体にお金を貸しているのであり、運用益から利息の支払いを受けることで利益が発生します。

それに対して不動産投資型クラウドファンディングは事業者自らが不動産を購入、運用するため、そこから得られた賃料収入が利益の源泉となります。

3.不動産投資型クラウドファンディングのメリット・デメリット

主な不動産小口化商品との違いを理解していただいたうえで、不動産投資型クラウドファンディングのメリットとデメリットをそれぞれ解説していきましょう。

3-1.不動産投資型クラウドファンディングのメリット

クラウドファンディングによる不動産投資は不動産のプロが厳選した好条件の案件で、利回りも5~15%前後と定期預金や個人向け国債と比べて圧倒的に高い利回りになります。しかも投資後の運用期間中は事業者が管理も行うため、投資家はほとんど手間いらずです。

運用対象の不動産は担保になるので、大幅な元本割れのリスクは少ないでしょう。不動産会社によっては物件の価値が下落した場合、出資率の割合まで不動産会社が下落分を負担するという契約の商品を販売していることもあります。

また、利益に関しても運用益を「出資者優先」で分配する会社が多いので、予定通りの利回りが期待できる可能性は他の投資よりも高いかもしれません。

リスク管理の観点から不動産投資型クラウドファンディングのメリットを挙げると、運用の透明性が高いことと投資家にとっての選択肢が広いことが大きなポイントです。

REITやソーシャルレンディングはいずれも投資家が直接運用不動産を指定することはできませんが、不動産投資型クラウドファンディングでは購入する不動産が開示されているため、投資家はその不動産を購入する感覚でプロジェクトを選ぶことができます。

3-2.不動産投資型クラウドファンディングのデメリット

とてもメリットの多い不動産投資型クラウドファンディングですが、もちろんリスクやデメリットもあります。少額から気軽にできるとはいっても投資に変わりはなく、元本や利回りの保証はありません。さらに投資期間が決まっていることが多く、その間はキャンセルができず途中でお金の入用があっても多くの案件では現金化することができません。

不動産投資の醍醐味であるレバレッジ効果についても、その効果はあまり享受できないと思っていたほうが良いでしょう。現物不動産投資の場合はローンを利用することにより少ない投資額で大きなリターンを期待することができますが、クラウドファンディングの場合はそもそもの投資額が小さいため、現物不動産投資に比べてどうしてもリターンは小さくなりがちです。

また、これはメリットの裏返しなのですが、2020年7月現在で主要業者が募集している案件を見ると、ほとんどの案件が募集直後に満額到達してしまうか抽選になっています。

それだけ人気が高いことを示しているわけですが、募集金額の数倍規模で応募が殺到している案件もあり、これだと投資したいと思っていてもなかなか実行できないのが実情です。早い者勝ちというイメージが強くなりすぎると十分な検討をせずに応募してしまうリスクもあるため、投資をする際には慎重に検討することが大事です。

4.リスクとリターンを確認し、賢く運用しよう

不動産投資型クラウドファンディングはこれまでにあった小口投資商品の「良いところ取り」をしたような投資スキームなのでメリットも多く、投資価値の高い案件も多数あります。

だからといってまったくのノーリスクではありませんが、ローリスクで不動産の選定と運用をプロに任せることで利益を得られる可能性が高いというのは初心者の方々にとっては魅力でしょう。不動産投資に興味を持ったばかりという初心者の方には、リスクを回避しながら経験を積むという意味でも有意義な投資法かもしれません。

キーワード: 資産運用
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