資産運用

不動産投資で成功する人の特徴3選と成功している人の事例2選

「不動産投資で成功する」とは、どういう状態を意味するのでしょうか。安定的な家賃収入が入り続けることも成功の1つの形といえますが、不動産投資にはそれ以外の「成功」もあります。

不動産投資を始める以上、誰もが成功を願うものです。しかし実際には成功する人、失敗する人がいます。この両者にはどういった違いがあるのか、これを知ることも不動産投資を成功に導くヒントになるでしょう。

そこで本記事では、不動産投資の成功とは何かを定義し、成功する人、失敗する人とはどのような人なのかを解説します。これまでに成功してきた人たちの事例も紹介しますので、それを知ることでご自身の成功モデル構築にお役立てください。

不動産投資で成功する人の特徴3選と成功している人の事例2選

1.不動産投資の「成功」の定義

不動産投資における「成功」について、おそらく多くの方々は以下のようなイメージをお持ちなのではないかと思います。

  • 毎月の安定的な家賃収入が入り続けて生活が豊かになる
  • 家賃収入が老後資金の不安を解消してくれる
  • 購入時よりも物件が高く売れて利益が発生する

これらはもちろん、いずれも正解です。しかし、これだけでは不十分な部分もあります。なぜなら、不動産投資をしている人には以下のようなメリットもあるからです。人によって不動産投資に求めるものはさまざまですが、これらのメリットを自分のものにした人たちも不動産投資で成功した人と定義することができます。

  • 不動産物件を所有することで所得税、住民税の節税が実現した
  • 相続税の節税に役立った
  • 不動産を所有していることで信用力が向上し、お金を借りやすくなった
  • 「FIRE」を達成して自由を手に入れた

不動産投資には節税メリットもあります。すべての人に当てはまるメリットではありませんが、条件や属性によってはとても大きなメリットになります。

4つめに挙げた「FIRE」というのは、近年若い人たちの間でムーヴメントになっている「経済的自由、早期リタイア(Financial Independence, Retire Early)」のことです。資産運用で得られる収入だけで生活できる仕組みを構築して、仕事に縛られず自由に生きる考え方です。

不動産投資の家賃収入は不労所得に近い位置づけなので、この「FIRE」を目指す人にとっても有効な手段とされています。不動産投資で「FIRE」を目指し、それを達成した人も不動産投資で成功した人に含まれるでしょう。

2.不動産投資で成功する人の特徴

不動産投資では誰もが成功を目指すわけですが、成功する人にはいくつかの共通する特徴があります。これから不動産投資を始めようとお考えの方は、これらの特徴に当てはまるものがないかセルフチェックしてみてください。

2-1.地道な努力をいとわない

不動産投資は「物件を買ったらあとは家賃収入が入るのを待つだけ」だと思っているとしたら、それは大きな間違いです。

確かに家賃収入が安定的に入るビジネスモデルですが、その仕組みを作り上げるために不動産投資家は地道な努力をしています。失敗しないためには不動産流通の仕組みや不動産市場の動向、物件管理に関するノウハウなど、多岐にわたる知識を幅広く網羅し、精通している必要があります。

不動産投資を始める人が最初にやることは物件選びでも購入でもなく、まずは勉強です。これをいとわず、コツコツと努力できる人は不動産投資で成功できる資質の持ち主です。

2-2.結論を急がず長期目線で成功を目指せる

すぐに結果が出ないことは、不動産投資の特性の1つです。株やFXなどの投資だと戦略が的中するとその場で利益を手にすることができますが、不動産投資は長い期間をかけて収支をプラスにもっていく長期目線の投資です。

物件の取得に要した費用を回収するまでは赤字収支が続くので、それも最終的な成功のために必要なことであると理解してじっくりと取り組めることは、不動産投資家に欠かせない資質です。

不動産バブル当時のように購入した物件の値上がり益を狙うよりも、インカムゲインである家賃収入をコツコツと蓄積していくことに手ごたえや喜びを感じる人は、不動産投資家向きです。

2-3.決めたことを実行に移せる実行力がある

不動産投資では少なくとも数千万円クラスのお金が動きます。標準的な収入クラスの人にとっては大きな買い物で、それゆえに決断には勇気も必要になります。

「もっと〇〇になってから」「〇〇になるまで待とう」といったように慎重な判断をするのはよいことですが、慎重になりすぎるとビジネスチャンスを逃してしまいかねません。

物件に関する条件を決めて資金計画も万全なのであれば、あとは決断力や実行力が成否を決めます。大きなお金が動く判断ですが、それを計画通りにこなせる実行力がある人は、不動産投資で成功できる人といえます。

3.不動産投資で失敗する人の特徴

不動産投資で失敗する人の特徴は、先ほど解説した「成功する人」の裏返しです。勉強することが好きではない人、面倒に感じる人はその筆頭でしょう。勉強せずに不動産物件を購入するということは、「よく分からないもの」に数千万円のお金を投じているのと同じです。

しかもそのお金の大半が金融機関からの借入金だとしたら、「よく分からないものを買うのに数千万円の借金をした」ことになります。これがどれだけリスキーなことであるかは、いうまでもないでしょう。

学校での勉強や受験勉強が苦手だったということは、問題ではありません。大切なのは不動産投資というこれから飛び込む世界についての知識や経験であり、必要なことを勉強するのに努力をいとわないことです。

もう1つ、とても重要な失敗しやすい人物像があります。それは、自分で考えて行動できない人です。不動産投資では勉強がとても重要だと述べましたが、それは自分で適切な判断ができるようになるためです。勉強が面倒だからと何もかも「プロ」に任せてしまっている人は、いつか失敗することになります。

他人の意見がいつも正しいとは限りませんし、仮に正しくないと気付いたとしても勉強していないとそれを自分で修正できません。勉強しないことは失敗のリスクを高めますが、だからといって何でも他人任せにしてしまうのは、さらに失敗のリスクを高めます。

4.不動産投資の成功事例

実際に不動産投資で成功している人の「成功モデル」を紹介しましょう。独身の方と、ファミリーの方の成功事例です。

4-1.事例① 28歳男性(会社員・独身・年収500万円)

28歳の時点で独身の男性が将来のことを考え、不動産投資に参入しました。頭金は10万円、年利1.65%で2,060万円の融資を利用して2,070万円の物件を取得します。

ローン返済は毎月6万4,598円で管理費が1万5,066円です。家賃収入は8万5,000円なので毎月の収支は+5,336円、年額だと6万4,032円です。

これだけだと収入はそれほど多くないと感じるかもしれませんが、ローン完済後は毎月+6万9,934円、年間だと約84万円の収入になります。この事例では60歳時点で繰り上げ返済をしているので、老後の収入源が1つ確保されました。

4-2.事例② 40歳男性(会社員・既婚、年収780万円)

結婚していて子供がいる人にとって重要なのは、子供の教育費や住宅ローン、自分たちの老後資金などのバランスです。不動産投資を始めるにあたって重視したのは、ローンの返済負担がないこと。家賃収入だけでローン返済ができる仕組みを確立し、完済後に老後の収入源にする長期戦略です。

40歳の時に自己資金10万円で借入金は2,250万円、合計2,260万円で物件を購入しました。家賃収入からローン返済と管理費を差し引くと+4,988円なので、プラス収支のままローン返済が可能でした。

54歳からは教育資金が落ち着いてきたことを受けて毎年100万円の繰り上げ返済を行い、62歳でローンを完済。以後は毎月7万5,544円のプラス収支となり、年額で90万円以上の安定収入が確立しました。

5.不動産投資で成功するためには

ここでは、不動産投資で成功するためのポイントを解説します。

5-1.資金、知識、人間関係を強化

資金、不動産に関する知識、金融機関・管理会社・仲介会社の優秀な担当者との良好な人間関係。この3つがそろっていたら、いうことはありません。どれか1つにでも強みを持っていれば、不動産投資は成功に近づきます。

たとえリーマンショック後のような厳しい経済状況でも、勤め先や年収がよければ、金融機関から投資に必要な額の融資を引き出せるでしょう。土地計画法や築基準法の知識が豊富なら、物件の良し悪し、建築会社の良し悪しを見抜くことも可能になるはずです。

また、不動産会社から提案された物件に対しても適切な判断ができるようになるため、他人任せにすることによるリスクもなくなるでしょう。

金融機関や管理会社、仲介会社の担当者に認めてもらえるような投資家になるためには、何よりも実績が必要になります。ビジネスパートナーとWIN-WINの関係を築くのは簡単な話ではないかもしれませんが、何よりも大事なのは誠実な人柄にあることは間違いないでしょう。信頼は人間関係を強めます。

5-2.不動産価格が安いときに始める

同じスペックの物件でも購入時期で価格は変わるものです。土地価格や建設費用は、景気動向に左右されます。過去の事例として、2010年当時に1億円で購入できた物件が、2016年になると1億6,000万円程度にまで高騰したこともあります。

その一方で、物件価格の上昇ほど家賃水準を上げることはできません。つまり、不動産投資の収益性(利回り)は、物件の購入価格に大きく影響されるということです。

2013年頃から首都圏のマンション価格は緩やかな上昇傾向が続いており、2023年時点ではその傾向がほぼ10年間続いていることになります。今後もさらに上昇すると見込むこともできますが、その逆にマンション価格相場が天井をつけて今後下落していく可能性もあります。

次に不動産価格が下がるのはいつなのか、確実なことをいえる人はいませんが買い時は逃さないようにしましょう。

5-3.空室対策は万全に

空室になれば家賃収入はゼロです。空室リスクをいかに抑えるかが、不動産投資で「勝ち組」になるためには重要になります。空室発生の原因は大きく分けて3つあります。そして、それぞれには改善策が存在します。

家賃

1つめの原因は物件の賃料が、その地域の家賃相場と比較して高すぎるということです。ミスマッチのままでは、いつまで経っても入居者は現れません。周辺相場をしっかり確認して、物件に見合う適正な賃料に設定し直すことが重要です。

入居者探し
2つめの原因は、客付けを任せた不動産会社が入居者探しに熱心でないことが考えられます。「仕事を全然してくれない」と、相手ばかりを責めるのではなく、不動産会社に支払っている手数料の金額が十分かどうか見直してみましょう。

手数料次第では、物件紹介の優先順位を上げてくれるかもしれません。お金に余裕があるなら広告費に使うことを検討してみてもいいかもしれません。また、客付けも管理会社だけでなく、複数の不動産会社に依頼してみるのも手です。

物件設備、デザイン
3つめの原因は、物件の設備や間取り、デザインが古くなり、入居者のセンスに合わなくなってしまっていることです。天井扇(シーリングファン)や温水洗浄便座など、「あったらいいな」と思えるような設備や家具を充実させてみましょう。自転車やスノーボードのような大きなものも収納できるスペースを造るなどのリノベーションも一考の余地があります。

特に近年では画一的なコンセプトのマンションよりも、多様な個性に応えられる差別化された物件が好まれる傾向があります。競合物件との差別化を図り、特定の人たちに支持される物件づくりをすることも有効な戦略です。

6.不動産投資の成功の裏に、地道な努力あり

これから不動産投資を始める、もしくは始めたいとお考えの方々に向けて、不動産投資の成功についての解説をしてきました。

本文中でも述べているとおり、不動産投資の成功には地道な勉強や努力が欠かせません。しかも長期目線のビジネスだけに、長期間にわたってコツコツと努力を続けられる人こそが、不動産投資で成功できる人です。

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