資産運用

安定的な資産運用は不動産投資が最適である理由

人口減少や少子高齢化などによって、多くの人が老後の社会保障について不安を感じています。ある生命保険会社の調査では、20~50歳代で将来に不安を感じている人は77%に上ったそうです。不安要素の一つには「公的年金の引き下げ」も挙がっています。年金不安と超低金利によって老後不安が高まる中、将来のために何らかの方法で効果的に資産を作る必要性があることは自明でしょう。

世の中にはさまざまな投資方法がありますが、数ある選択肢の中で安定的に資産を残すには不動産投資が適していると言われています。今回はその理由を考えてみます。

不動産投資による二つの大きなメリットとは?

資産運用とは、保有する資産を効率よく増やしていくことです。投資対象は、外貨預金、金(ゴールド)、国債、投資信託、株式、J-REIT(不動産投資信託)、不動産投資、FX(外国為替証拠金取引)などさまざまです。この中で、不動産投資には二つの特筆すべきメリットがあります。一つは投資のための資金を金融機関が貸してくれることで、もう一つは投資効果を自分で高めることができることです。

不動産投資では、投資対象となる物件を担保に、金融機関が購入資金を貸してくれます。最近は頭金ゼロのフルローンの審査は厳しくなってはいるものの、極論すると、自己資金がなくても投資資金を金融機関が貸してくれるのです。もちろん、ローンは期限までに必ず返さなければならないお金です。

これに対して、一般的な株式投資や投資信託の購入資金を金融機関が貸してくれることはありません。FXの場合は預け入れた資金の最大25倍までのレバレッジをかけて取引することができるので、うまくいけば儲かる可能性もありますが、その分大きな損失を被るリスクも高まります。毎月決まった家賃収入を得る不動産投資に比べると、断然ハイリスク・ハイリターンな投資というわけです。

投資効果を自分で高められるのも、不動産投資の魅力です。売買による差益で稼ぐ株式投資などは、売買のタイミングを自分で判断します。ただ株価は企業活動や社会情勢などによって変動し、FXは国際経済の動向に大きく左右されるので、投資家個人で株価や為替レートをコントロールできるわけではありません。

これに対して不動産投資は、オーナーが知恵を使ってリフォームや修繕、リノベーションなどで必要なところにお金をかけて工夫することで、入居率を高めて家賃収入を増やすことが可能です。自分自身の努力次第でリターンが変わってくることが、不動産投資の醍醐味でもあります。不動産投資というよりも賃貸経営というほうがピッタリくるかもしれません。

副収入、貯蓄、生命保険、節税と4つの効果

不動産投資で得られる効果は大きく分けて4つあります。

まずは「副収入」です。家賃は景気にほとんど左右されないので不景気に強いとされています。例えば、現在10万円の家賃が不景気になったからといって、急に5万円になることはありません。手元に残る金額で考えると少なく感じるかもしれませんが、毎月決まった金額が安定的に入るのは魅力です。

また、不動産投資は「貯蓄」の意味合いもあります。自宅用の住宅ではないので、ローンの支払いは自己資金でまかなうのではなく毎月の家賃収入を充てます。将来物件を売却した場合に得られるお金は手元に残ることになるので、貯蓄と捉えることもできるのです。

投資用物件を購入する際、住宅ローンと同様に、団体信用生命保険(団信)に加入します。団信はローンの契約者が返済中に死亡したり、高度障害などでローン返済ができなくなったりした場合、残債を保険会社が全部支払うというものです。万が一のことが起きても、不動産という財産を遺族に残せるので「生命保険」の代わりにもなります。

そして、最後に「節税効果」です。不動産の取得費用は高額になるため、数年に分けて費用を計上します。これを減価償却と言います。実際の現金支出はありませんが、会計上は費用として計上できるので、課税所得を減らすのに役立つ経費なのです。また、不動産投資が赤字になった場合、サラリーマンの方であれば、会社からの収入と合算する「損益通算」で、全体としての所得税を減らすことができます。つまり、節税に使えるということです。これも不動産投資の魅力の一つでしょう。

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターン

これらが不動産投資の最大の特長です。しかも、FXなどと比較してリスクが低く、貯蓄よりもリターンが大きいので「ミドルリスク・ミドルリターン」とされています。これらが「不動産投資は最も安定してお金を稼げる投資」と言われる理由でしょう。

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