不動産投資

不動産投資。得をするか損をするか、どう見極めればいいのかを解説!

不動産投資において、誰もが何よりも重視するのが、採算が取れるのかということでしょう。「儲けが出る」とは、年間家賃収入が返済額を上回ることですが、「儲けが出ない」には大きくは2種類あって、年間の家賃収入額が少なすぎるケースと、年間の返済額が多すぎるケースがあります。こうした基本を知る上でも大切な不動産投資で見極めるべきポイントについて考えてみましょう。

知っておくべき「利回り」と「キャッシュフロー」

不動産投資の儲けを考える上で、絶対に知っておくべき指標として、「利回り」と「キャッシュフロー」があります。

まず、利回りには、投資用物件サイトなどで表示されている「表面利回り」があります。これは、年間家賃収入を物件価格で割って百分率を出したものです。簡素化した例として利回りが10%で物件価格(区分)が1,200万円の場合、年間家賃は120万円となります。月額家賃にすると10万円です。ただ、これはあくまでも満室を想定したもので、現実とは異なります。

一方、表面利回りに諸経費を加味したものを「実質利回り」と呼びます。家賃収入から運営諸経費(空き室損失費用、管理料、修繕積立金、固定資産税、都市計画税など)を差し引いたものを、物件価格と取得経費(不動産仲介手数料、司法書士手数料、印紙税、登記費用など)を足したもので割った数値となります。先ほどの例で、運営諸経費が年間20万円、取得経費が100万円とすると、実施利回りは7.7%となります。この例のような区分所有だと、表面利回りから約2%下がると考えればよいでしょう。

最後がキャッシュフロー(CF)です。これは簡単にいうと「手元に残る資金」のこと。税引き前利益(家賃収入-諸経費-返済利子)から税金(所得税・住民税)と返済元本を差し引き、償却費を加えたものになります。

融資期間は20年以上に

儲けを出すには、融資の返済期間を長くして、月々の返済額を低く設定することも、キャッシュフローを積み上げる上で非常に重要です。例えば、単純計算で、1億円を金利4%で借り、10年間で返済するならば、利息も含めて、毎年12,149,412円を金融機関に返すことになりますが、30年ローンにすると、毎年5,728,980円となり、返済額は半分以下に抑えられます。(借り入れ条件の変更がなく、ボーナス返済もなしの場合)

つまり、返済期間が長いほど、キャッシュフローは確保しやすくなるということです。

一般的に返済期間の採算ラインは20年とされています。返済期間が短くなればなるほど、年間返済額は多くなり、儲けは出にくい状況になるのです。

ローンの期間は建物の耐用年数で決まります。耐用年数は建物の種類で異なり、木造は22年、軽量鉄骨は27年、重量鉄骨は34年、鉄筋コンクリートは47年です。ここから築年数を引いたものが残存耐用年数となります。一般的に、ローンの返済期間は、ここからさらに短くなります。審査の厳しい銀行では、劣化状況や経済状況などを加味して、さらに短く耐用年数を見積もることがありますので、注意してください。

この「8%、20年」ラインは、あなたが不動産投資で採算を取るための重要な指標です。ただし、この基準をすべてクリアしていなければならないというわけではなく、ひとつとして同じ不動産はありませんから、各物件で条件は異なります。
大切なことは、利回りと返済期間、そして儲けの関係をよく理解しているということです。損をしては本末転倒です。じっくりと物件や融資条件を分析し、採算の取れる不動産投資を心がけましょう。

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