投資をギャンブルにしない。投資と投機はどう違う?
投資と投機。響きは似ていますが、投資にはポジティブなイメージを、投機にはネガティブなイメージを抱いている人が多いのではないでしょうか。投機=ギャンブルだと思っている人もいるかもしれません。あなたが目指している資産運用は、投資でしょうか、それとも投機でしょうか、この際、ハッキリさせましょう。

資本を投じる「投資」
投資というのは、基本的に言えば、何かを生産をしている人や企業に自分のお金を出して、その生産活動を通じて生まれた利益の中からその果実を受け取ることです。株式投資では、投資家が企業・経営者に出資すると、企業はより大規模、あるいはより高度な事業が行えるようになり、それで得られた収益による配当金や株価上昇などで投資家に還元します。
投資の目的は、自分のお金(資本)を増やすことですが、社会が必要としているサービスの提供や雇用拡大、社会貢献につながっていることに加えて、自分のお金が経済を動かしているという実感が投資の醍醐味でしょう。
機会に投じる「投機」
一方、投機というのは機会(チャンス)に投じるものといえます。株や為替などの価格変動のように短期的な値動きをを「儲けるチャンス」ととらえて売り買いします。なので、デイトレードや外国為替取引などは投資ではなく投機と分類されます。
投資と異なり、企業の活動を応援するような意味合いは含まれていません。目的はあくまでも金儲けです。後述するギャンブルと同様、何らかの付加価値が生まれるわけでもありません。ここに、投機が「マネーゲーム」と呼ばれ、ネガティブなイメージを持たれる理由があります。

投資も投機もギャンブルとは異なる
投機は「ギャンブル」と言われることがあります。確かに、投資も投機も、手持ちのお金を増やすためにする行為であり、下手をすれば元金を失ってしまうことあることに違いはないのですが、ギャンブル(賭博)とは、金銭や品物を賭けて争う遊戯です。
ギャンブルで儲かるどうかは偶然性が高く、多額の現金が動いたとしても、胴元と参加者の間で、金銭が往来するだけですから、経済的な生産はゼロだと言えます。しかし株式投資は、間接的に企業の生産性を向上させ、社会の貢献につながるものです。そこが異なるため、ギャンブルは「遊び」だというわけです。その射幸性も相まって、そこに人生の楽しみを見いだす人もいることも確かですが、それで身を滅ぼす人がいることも事実です。
投資を成功させるためには
さて今回は、投資と投機の違いについて説明してきました。投資と投機は、時々、混同されてしまいますが、根本的なところが大きく違います。将来に備えて、資産形成を目指しているならば、自分のお金は投機ではなく投資に使うべきでしょう。
投資は元本割れのリスクがあります。そのリスクをコントロールするためにも経済ニュースをチェックしたり、銘柄選びに慎重になったり、できる限りの努力をするべきです。そうした失敗を起こさないためにも、経済の知識を身に付け、スキルと経験を積み、自分自身が成長できるように努力しましょう。
例えば、商品先物取引のようなハイリスクの投資で成功するためには、世界の農産物や原油の需要や生産事情、地政学リスクなど、幅広い知識が必要で、しかも、将来を予測する力を身につける必要があります。
大人気の金融漫画『ナニワ金融道』では、知識がゼロで、営業マンに勧められるがままに商品先物取引に手を出して、人生が狂ってしまった公務員の姿が描かれていました。投機をすべて否定するわけではありません。しかし、リスクが非常に高いことを理解するべきです。自分がリスクをコントロールできる範囲で行うことが賢明です。