資産運用

投資に失敗は付き物。そのなかでも失敗しにくい理想的な投資モデルとは?

投資に「絶対」「100%」はないので、成功することがある一方で失敗することもあります。

しかし、これから投資を始めようと考えている投資初心者の方の多くは失敗のことをあまり想定していない傾向があります。逆にベテランの投資家は多くの失敗を経験し、投資に失敗は付き物であることをよく知っています。投資では、失敗とどう向き合うかでトータルの成否が大きく分かれます。

そこで本記事では、人はなぜ投資で失敗してしまうのか、失敗しないためにはどうするべきかといった部分にスポットを当てて、投資で失敗しない方法や失敗しにくいといわれる投資モデルなどについて解説します。

投資に「絶対」「100%」はないので、成功することがある一方で失敗することもあります

1.なぜ投資で失敗してしまうのか

人が投資で失敗してしまうことには、実は明確な理由があります。その理由を3つの項目にまとめました。すでに失敗したことがある方は、これらに当てはまるものがないか自問自答してみてください。これから投資を始める方は、これらが実際に起きている失敗の理由であることをしっかり押さえておきましょう。

1-1.よく理解しないまま投資している

投資の目的は、資産を増やすことです。株やFX、投資信託、不動産、債券など投資の対象はさまざまですが、これらすべてに共通している願いは資産を増やし、豊かな人生を手に入れることです。こうした願いを抱くことは間違いではありませんし、投資のモチベーションとしてあるべき姿です。しかしこれが前に出すぎていると大事なことを置き去りにしてしまいます。

投資にはリスクが付き物で、期待リターンが大きい投資ほどリスクも大きくなります。リターンばかり追い求めているといつしか大きなリスクを取ってしまい、そのリスクが現実になると資産の大半を失ってしまうことになります。こうしたリスクとリターンの関係を正しく理解し、適切なリスク管理ができるかどうかは投資を行う上での生命線ともいえる部分です。

近年はネット上で投資に関する情報を簡単に入手することができます。しかしその情報は玉石混交で、それらのすべてを鵜呑みにすることは危険です。自分が行っている投資で利益が出ることを願って発するコメントやメッセージのことをポジショントークといいますが、あふれている投資情報のなかにはポジショントークも含まれているため、すべてが公正中立ではありません

自称も含む専門家の意見やネット上の記事や動画などはあくまでも参考情報であり、それを理解して判断するのは投資家自身です。よく理解しないままに他人の意見を鵜呑みにしてしまうのは典型的な失敗パターンです。

1-2.余剰資金の範囲を超えて投資している

投資に回してよいのは余剰資金のみ、というのは大原則です。今月必要になる生活費などを投資に回しているような方は、その時点ですでに失敗が始まっているといえます。その理由は、次のようなケースを想定すると分かりやすいでしょう。

ある銘柄の株を買ったものの、その株が値下がりしたとします。それなら安くなったところで買い増しをしようとして、余剰資金以外のお金を使って買い増したとします。思惑どおりに株価が回復すれば買い増した分を売って問題は解決できますが、回復しない、もしくはさらに株価が下落したらどうでしょうか。

生活費で株を買ってしまっている場合は、値下がりした株を売って生活費を確保しなければなりません。まだ持っていれば回復するかもしれない株を、泣く泣く売って損失を確定しなければならないわけです。
このように余剰資金以外のお金を投資に回してしまうと、投資判断以外の理由で不利な売買を迫られることがあります。

投資に回してよいのは余剰資金のみ、これを徹底できるかどうかで投資の世界で生き残っていけるかどうかが決まるともいえます。

1-3.投資におけるマイルールを決めていない

成功している投資家の多くは、マイルールを持っています。ある価格になったら買い、それがある価格になったら売る。逆にある価格になってしまったら損切りをする、といった具合です。ここに人間心理を介入させず、粛々とマイルールを実行し、経験を積むごとにそのマイルールを磨き上げていくのがベストです。

しかしながら、人間は感情を持った生き物です。投資の失敗原因としてよく指摘されるものに、プロスペクト理論があります。ある投資をしていてわずかな含み益が出ているものの、利益確定の目標に到達していないとします。「目標には到達していないが、逆に含み損になってしまう可能性もあるので、少なくても利益が出ているうちに確定させておこう」と考えることがあります。

逆に損をしてしまったらそれを取り返そうとして無謀な投資をしてしまうこともあります。これらはいずれもプロスペクト理論で説明されており、人間の感情が引き起こすものです。こうしたリスクも、マイルールを設けてそれを守ることを徹底していれば回避できます。

投資に失敗は付き物。そのなかでも失敗しにくい理想的な投資モデルとは?

2.投資で失敗しないためには長期分散投資が有利

投資には、さまざまなスタンスがあります。株やFXの世界でよく耳にする「成功話」の多くは、短期売買を繰り返して大きな利益を狙う投資スタンスです。大きな利益を狙える一方で、リスクも高くなります。

その対極と言えるのが、長期分散型の投資でしょう。とりわけ世界を視野に入れて国際分散投資をすれば、さらにリスクを抑える効果が見込めます。短期的・局地的に見ると、景気の波や投機的な仕掛けなど短期的な値動きから私たちは逃れることができません。

国や地域だけでなく、投資対象を分散させることも大切です。国内外の株式や債券に、バランス良く分散投資をするようにしましょう。個人で分散投資を行うのは簡単ではありませんが、「グローバル」「インデックス型」「バランス型」などをキーワードにした投資信託を利用すれば、手間をかけず、国際分散投資が可能です。

また、長期投資の視点で有効なものに不動産投資があります。マンションやアパートなどの現物資産を所有し、そこから家賃収入を得るビジネスモデルです。不動産は衣食住の一角をなす、人の生活に欠かせないものです。それだけに景気変動などの影響を受けにくく、資産価値が短期的に大きく動くことはごく稀です。

後述するような都心物件を選べば将来的にも価値が維持される可能性が高く、安定的な家賃収入を見込むことができます。一獲千金のような利益を得られる可能性は高くはありませんが、逆に長期的に利益を得続けられる点は投資の成功パターンのひとつといえます。

3.不動産投資は失敗しにくい?

先ほど、長期投資の選択肢として不動産投資を挙げました。不動産投資は物件選びや管理方法さえ間違えなければ失敗しにくい投資といわれており、さらに今では個人も参入しやすい環境が整備されています。

3-1.不動産投資が低リスクと言われる理由

株やFXなどと比べて、不動産投資は低リスクであるといわれています。その理由は、いくつかあります。

①現物資産を所有する
不動産投資ではアパートやマンションなどの不動産を所有します。もしうまくいかないと判断したとしても売れば損失を最小限に抑えることができますし、場合によっては自分が住むことでリスクを解消できる余地もあります。

②不動産の価値は短期的に変動しにくい
景気が悪化しても人は住居を必要とするため、物件選びさえ間違えなければ不動産が無価値になる可能性はとても低く、景気の変動にも強い特性があります。

③インフレ耐性
2022年より世界はインフレの傾向が強まっており、特に欧米ではその傾向が顕著です。日本でもじわじわとインフレの足音が聞こえる状況が続いていますが、不動産は現物資産なのでインフレになると価値が上昇しやすく、不動産を所有することでインフレ対策になります。
インフレになると逆に現金は実質的な価値が目減りするため、資産を不動産で持っておくこと自体がインフレへのリスク管理になるのです。

3-2.失敗しにくいのは都心・中古・区分マンション

不動産投資が低リスクであるといっても、何でもよいわけではありません。先ほどから「物件選びを間違えなければ」と条件をつけているのも、そのためです。それでは、どんな不動産投資が失敗しにくいのでしょうか。

まず、最も重要なのが立地です。過疎地の不動産がほぼ無価値になっていることを考えると、逆に東京などの都心もしくは都心に近い立地の物件は今後も価値が下がりにくいと考えられます。都心の物件というとマンションが筆頭格ですが、マンションを一棟丸ごと購入するとなると億単位の資金が必要です。そこでおすすめしたいのが、マンションを1戸単位で所有する区分マンション投資です。

また、不動産には新築と中古があります。新築物件は市場価格ではなく物件を建築して販売するのに要した費用にディベロッパーの利益が乗せられて決まるため、市場価格よりも高くなる傾向があります(この価格差を新築プレミアムといいます)。

中古物件はすでに不動産市場で流通しているため、市場の需給で価格が決まります。つまり新築よりも適正価格で取引されており、比較的安く購入できるメリットがあります。

しかしながら、中古マンションは新築と比べて古くなっていることは否めません。それゆえに集客力の低下が懸念されるわけですが、この問題を解決できるのがリノベーションです。立地に恵まれた中古区分マンションを仕入れ、唯一に近い弱点である「古さ」をリノベーションによって解決すれば、理想的な条件のマンション投資が実現し、失敗しにくいビジネスモデルとなります。

4.投資は失敗するもの、大切なのはどうリスクを抑えるか

投資に失敗は付き物で、いかにリスクを適切に管理するかは投資家として必須のスキルです。そのために知っておくべき多くの失敗の理由、失敗を回避する方法などについて解説しました。

また、失敗しにくい投資として不動産投資、そのなかでも中古の区分マンションをリノベーションする投資モデルについても紹介しました。投資に興味はあるけれど失敗するのが怖いとお考えの方は、まずは都心・中古・区分マンション投資から始めてみてはいかがでしょうか。

3年以上勤めた会社員へ。
あわせて読みたいおすすめコラム