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山手線新駅開業へ、周辺の再開発で人気エリア化は確実

2020年3月14日、JR山手線の田町駅と品川駅の間に「高輪ゲートウェイ駅」が開業したため、同駅周辺では開業にともなう再開発が進んでいます。このエリアは羽田空港のみならず東海道新幹線などへのアクセスも良く、また歴史的に文化の薫る土地です。今後街のブランド価値が上がる可能性は高く、不動産投資家には最も見逃せないエリアになっています。

山手線新駅開業へ、周辺の再開発で人気エリア化は確実

2020年3月開業の高輪ゲートウェイ駅

「高輪ゲートウェイ駅」は1971年の西日暮里駅以来に新設された山手線の新駅です。JR東日本が「未来の駅」と位置づけるように、駅舎は有名建築家を起用した斬新なデザインで環境に配慮したさまざまな先端技術を採用しています。自動改札機はQRコードで通過できる新型を設置、周辺施設や路線の乗り換えを人工知能(AI)で案内するロボットなども試験的に導入されることが発表されています。

高輪ゲートウェイ駅付近エリアの特長

駅が「ゲートウェイ」(玄関口)とネーミングされたように、このエリアの特長は何といっても交通アクセスの良さでしょう。山手線以外にも京浜東北線の電車が停車します。東京駅まで約11分の距離で、さらに隣は品川駅のため東海道新幹線や東海道線、横須賀線などへの乗り換えもスムーズです。

また、2027年に開業予定のリニアモーターカー(中央新幹線)は品川駅が始発です。リニアモーターカーは名古屋駅までわずか40分のため、東京~名古屋間が通勤圏になります。駅の西側の「高輪」は、同じ港区の麻布や青山と比べると知名度は少し下がるかもしれませんが、古くからの高級住宅地です。有名スポットとしては、『忠臣蔵』で有名な赤穂浪士の墓地がある泉岳寺があります。

そのほか、上皇后両陛下が転居される「高輪皇族邸(旧高松宮邸)」、豪華西洋建築で有名な旧竹田宮邸の「グランドプリンスホテル貴賓館」など盛りだくさんです。もともと土地柄の良いエリアが国内外に向けた新たな玄関口となるだけに、10年も経たないうちに大きく発展している可能性が高いといえるでしょう。

高輪ゲートウェイ駅付近エリアの特長

再開発の概要

駅周辺の再開発では、2024年の「まちびらき」に向けて品川駅~田町駅までを一体開発する「品川開発プロジェクト」が進んでいます。日本の新たな国際交流拠点として地上45階のビル、文化創造施設、商業施設、病院、ホテルなどが大規模に開発される予定です。

品川開発プロジェクトが完了すると山手線内で最大級のビジネス地区になります。JR東日本は、1日の利用者数を開業当初は2万3,000人、2024年には12万3,000人に増えると見込んでいます。活気のある街が誕生しそうです。また駅周辺だけでなく徒歩圏内には、人口増加にともない商店や飲食店もできるでしょう。

家賃相場は1Kで14万円前後?!

新駅開業で新設される商業ビルには、最先端の人気店が入ることになるでしょう。新幹線や羽田空港へのアクセスの良さから、出張の多いエリートビジネスマンや企業経営者、芸能人、スポーツ選手、外国人富裕層などが集まることが見込まれます。そうなると山手線内でもトップクラスのハイブランドエリアと評価され賃貸需要も高まるのではないでしょうか。

つまりこのエリアの収益物件は、「高い家賃でも低い空室率が見込める」ということになります。隣の田町駅は1Kで約12万7,100円、品川駅は約12万5,200円(2020年3月23日時点)です。高輪ゲートウェイ駅は新駅でしかも交通の便が非常に良いため1Kでも13万~14万円台の家賃も期待できるでしょう。

2020年3月23日時点で賃料が高い傾向なのは原宿駅約15万6,800円、浜松町駅14万5,800円、新橋駅14万4,100円と続きます。しかしこれらの駅に匹敵する「街」が誕生することになりそうです。今回は山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」周辺について解説しました。不動産投資家にとって間違いなく検討すべきエリアの一つでしょう。下調べもかねて一度周辺を散策されてみてはいかがでしょうか。

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