市況

空室率が高い地域でも大丈夫な不動産

不動産投資の今後について、肯定的な意見を持っている人は何人いるでしょうか。少子高齢化、人口減少社会に突入した日本は、大規模な移民の受け入れでもしない限り、不動産に対する需要が減り続けると考えられています。

こうした不動産市場の見通しは地方のみならず、東京などの首都圏でも懸念する声が出てきました。ある調査会社によると、現在の東京の空室率は約36%です。不動産投資ではバブルの頃のような短期売買による売却益狙いを除けば、長期にわたって物件を貸し出し、家賃を得るというビジネスモデルです。そう考えると、空室率上昇は大問題でしょう。こうしたニュースを見たり、読んだりしたことで、不動産投資には関心があるけれども、二の足を踏んでしまっているという人たちも多いのではないでしょうか。

36%という数字を恐れないでください。「恐れるに足りない」とまでは言いませんが、決して絶望的なものではありません。きちんとポイントを押さえた投資が行えれば、むしろ都内の不動産投資は高い可能性を秘めています。

空室率上昇の背景

そもそもどうして空室率は上昇してしまっているのでしょうか。少子高齢化が原因と思われる人もいるでしょう。確かに人口減少は始まりましたが、そこまで本格的に進んではいません。2020年を境に、世帯数が減少に転じるという予測もありますが、まだその影響は出ていませんから、現時点での空室率上昇をうまく説明できません。

空室率上昇の要因は、需要減少ではなく、供給過剰にあります。確かに不動産投資を行う人は増えました。2000年代に入り、不動産投資に関する書籍も多く出版され、不動産投資がブームのようになったこともあります。

日銀のゼロ金利政策や住宅購入者の減少で、金融機関が不動産投資ローンの営業に力を入れたことも影響したでしょう。相続増税の対策で新築アパートの建築や区分所有マンションを購入する例も増加しています。

東京の出生率高くありませんが、地方や海外から流入する人口が多く、現在も人口は増加しています。ただ、人口増加による不動産需要を期待して、それを上回るスピードで、賃貸住宅などの不動産開発が進んだ結果、供給過剰が発生し、空室率が上昇してしまったのです。

管理会社との関係づくりと調査や内見のポイント

これから不動産投資を始められるのであれば、自分が投資したい物件に対する需要と、そのエリアの適切な家賃相場について、徹底的に研究してください。また、家賃相場と設備のグレードのバランスを追求することも大切です。築古物件でもリノーベーションを行い、家賃を上げざるをえないような場合でも、室内が綺麗で使い勝手が良くなったことで、人気物件になるとこともあるのです。

ただ、そうは言っても不動産投資初心者の方は、初めてで何もわからず不安だという人も多いでしょう。そのような場合は、信頼できるパートナーを探しましょう。良い不動産会社は、地域の賃貸市場に詳しく、金融機関とのローン交渉なども手助けしてくれます。また、購入物件に瑕疵があるかどうかは、正直言って素人ではわかりません。しかし、良い不動産会社であれば、きちんと見抜いてアドバイスしてくれます。

不動産投資は長期で行う資産運用です。良いパートナーを見つけた上で、物件購入する際は、自分の目できちんと物件を確認し、駅からの距離感や街の雰囲気も確かめることで、ようやく不動産投資の準備は可能になるのです。少なからぬお金を投入することになりますが、空室率を恐れる必要はありません。良いパートナー選びと自分で調べる努力を怠らなければ、必ずチャンスはあるのです。

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