不動産投資

不動産投資のローンを繰り上げ返済するメリットとは?

ローンを利用して不動産投資をはじめた場合は毎月返済をしっかりと履行していくことが重要です。定められた金額を完済まで払い続けてもいいのですが、お金を工面し繰り上げ返済すればさまざまなメリットが享受できます。そこで今回は不動産投資のローンを繰り上げ返済すると「どんなメリットがあるのか」について解説します。

不動産投資のローンを繰り上げ返済するメリットとは?

繰り上げ返済の方法とメリット

不動産投資では、一般的に入居者が払ってくれる家賃を返済原資として毎月のローンを返済していきます。しかし手持ち資金に余裕がある場合、月々の支払いとは別にローンの一部を前倒しして返済することが可能です。これを「繰り上げ返済」と呼び、繰り上げ返済をすることでローンの元金を減らすことができます。

繰り上げ返済のメリットは主に「返済期間の短縮」「毎月の返済額の減少」の2つです。当初の返済額で返済を続けることで支払期間を短縮することができます。また支払期間を当初のままにすれば、毎月の返済額を減らすことが可能です。例えば45歳で不動産投資を始め、25年間でローンを組んだ場合、支払いが終わるときには、定年を迎えることになるでしょう。

65歳まで無事に勤めあげられればよいのですが、リストラされたり体を壊して働けなくなったりするなどのアクシデントが起こる可能性もあります。そのため定年を迎えるまでに、ローンは完済しておきたいと考える人もいるでしょう。そういう人には期間短縮型が向いていますし、子どもの教育費が増えそうだという人には返済額軽減型がおすすめです。

>繰り上げ返済の方法とメリット

低金利のうちに返済して、将来の金利上昇リスクに備える

繰り上げ返済のメリットはほかにもあります。現在、日銀のマイナス金利政策によって金利は超低水準で推移しています。しかしこの低水準はいつまで続くか分かりません。例えば3,000万円の物件を金利2.3%、30年間で返済する場合、毎月の返済額は約11万5,440円、支払利息総額は約1,155万8,347円です。

5年後に金利が1%上昇すると6年目からの返済額は約12万8,957円、支払利息総額は約1,236万7,282円となり毎月の返済額で約1万3,517円、利息の支払総額は約80万8,935円も増えるのです。低金利のうちに返済しておけば、将来の金利上昇リスクに備えることができます。

総返済額の軽減

繰り上げ返済のもう一つのメリットは、返済の総額が減らせることです。3,000万円を2.3%で借りた場合、5年後に貯蓄とボーナスで200万円を工面して繰り上げ返済すると、6年目以降の毎月の返済額は約10万6,670円、総返済額は約3,200万901円になります。繰り上げ返済しない場合の5年後以降の総返済額は約3,463万1,947円です。

そのため繰り上げ返済した場合の総返済額は約3,463万1,947円-約3,200万901円=約263万1,046円減ります。200万円の繰り上げ返済で総返済額がこれだけ減少するわけですから、非常に効果的なことが理解できるのではないでしょうか。

繰上げ返済のデメリット

繰り上げ返済には、このようなメリットがある一方でデメリットもあります。たしかに繰り上げ返済を行えば、予定よりも早くローンが完済できたり、キャッシュフローが増えれば新たに購入した収益物件の繰り上げ返済にも充てられたりすることも可能です。ただこれはあくまでも手持ち資金に余裕がある場合に限ります。

無理に繰り上げ返済をして手持ち資金が不足してしまうと急に現金が必要になったときに、資金調達が困難になりかねません。「想定外のリフォームが発生する」「空室解消のための広告宣伝費が必要になる」「家賃滞納が発生する」など、賃貸経営にはトラブルがつきものです。貯金を崩さなければならなくなったり、新たな借り入れが発生したりすれば投資どころか日常生活に影響をきたしかねません。

そのため、あくまでも無理のない範囲での繰り上げ返済というのが大前提です。効果的な繰り上げ返済を行い、確実に資産を構築していきましょう。

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