資産運用

レコーディング・ダイエットに学ぶ倹約術

「レコーディング・ダイエット」というものをご存じでしょうか。2007年にサブカルチャーの評論家やアニメのプロデューサーとしても知られている岡田斗司夫氏が、自著「いつまでもデブと思うなよ』で紹介したダイエット法です。このレコーディング・ダイエットの手法には、お金を倹約するための秘訣が詰まっているのです。

「なかなかお金が貯まらない」と思っている人に必見のレコーディング・ダイエットについて、今回はお伝えしたいと思います。

レコーディング・ダイエットが効果的な理由

レコーディング・ダイエットの最重要ポイントは、「レコード(記録)」することにあります。基本的には、食事や間食含めて、食べたものを記録していくだけです。なぜ、それだけでダイエットできてしまうのでしょうか。

簡単に言えば、記録したものを見直すことで、自分の意識に働きかける効果があるということなのです。人間は食べたそばから、何を食べたかを忘れてしまいがちです。3日前に、朝、昼、晩、それぞれ何を食べたかをすらすら言える人は、ほとんどいないのではないでしょうか。

食べたものを、逐一記録しておけば、あとで見返すことができますし、「記録」として目に見えるようになることで、頭の中だけで思い出した時よりも、「この日は食べ過ぎたな」とか「間食が多過ぎ」など、意識せざるを得なくなります。

また、一手間かかりますが、何をどれくらい食べたかが分かれば、だいたいの摂取カロリーも計算できます。このように可視化することで、よりはっきりと、食べた量が多い、少ないを意識できるようになります。

支出を記録するだけでもやってみよう

それではここで、倹約を「お金使いのダイエット」と考えてみましょう。レコーディング・ダイエットを参考にするとしたら、記録するものは、日々の「支出」となります。

支出を記録することは、実は「家計簿」を付ける際、最も基本的なアクションです。ただ、「家計簿を付けよう」と構えてしまうと、完璧に帳簿を付けること、数字を合わせることに気が行ってしまい、かえって長続きしなくなる危険性があります。

レコーディング・ダイエットの良さは、やることが「食べたものを記録するだけ」というシンプルさにあります。それが、三日坊主を防ぎ、ダイエットを継続させる力になるのです。ここはシンプルに「支出の記録」だけをしてみることをおすすめします。ちなみに、もし支出の記録が習慣化したら、その後にきっちり家計簿をつけることは、ほとんど苦にならないはずです。

記録に便利なアプリ・Webサービス

ただ、「支出を記録するだけ」といっても、実際にやってみると分かりますが、結構手間がかかるものです。

例えば、スーパーやコンビニなどで買い物をした後すぐに、ノートなりメモ帳を取り出して何にいくら使ったか記録する……などということをしていては、絶対に長続きしません。なので、普通はレシートをとっておいて、後でまとめて記録することになります。

今は便利なもので、スマートフォンの家計簿アプリで、レシートを撮影すると、そこに書かれている明細を読み取ってそのまま支出のデータとして取り込むことができます。代表的な家計簿アプリであるマネーフォワード、Zaim、Moneytreeなどは、この機能を使うことができます。

しかし、レシートをもらい忘れることもあります。あるいは、自動販売機で買い物をしてもレシートはもらえませんので、記録を忘れがちです。そのため、現金での支払いをなるべくやめて、決済方法をクレジットカードや電子マネーにまとめるのも、支出の記録を簡単にするコツです。

あとから明細書が紙やWebで見られます。一回一回の買い物でもらうレシートのように、あちこちに散らばってしまうことも防げます。

また、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどは、上述した代表的な家計簿アプリと連携して利用履歴を取り込むことができるため、レシートから入力した記録や、手入力の記録と合わせて、一元管理することも可能です。

このように、アプリや決済サービスを上手く使うことで、支出の記録は楽になるはずです。家計簿アプリにはいろいろな機能があります。それらを使いこなせれば確かに便利ですが、まずはシンプルに、支出の記録から倹約を始めてみてはいかがでしょうか。「習慣化」することで、記録するクセが身に付き、「常に倹約を心がける」という意識を、強化することにもつながるでしょう。

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