不動産投資

リノベーション×中古区分投資が長期的にあなたの資産形成を安定させる理由とは

2017年9月、日本初の民間分譲マンションと言われる「四谷コーポラス」の建て替え事業が開始されました。1956年に竣工された築60年のレトロマンションに特別な思い入れを持つ人も多いようです。

中古マンションは、購入するにも、賃借するにも、コストパフォーマンスに優れた物件と言えますが、それに加えて、リノベーションが施されたレトロマンションに住みたいというファン層が多いのも魅力です。

レトロマンションという特殊な価値のあるマンションだけに限らず、中古マンションは不動産投資家からも注目の的です。高騰が続く新築マンション と比べて購入しやすい価格の物件が多く、立地条件に恵まれた中古マンションであれば入居者からも選ばれる可能性が高いからです。

しかし、中古マンションには設備が古い、今どきのデザインではないといった古さゆえの弱点もあります。それならリノベーションによって物件の付加価値を新たに創造すれば、魅力的な物件になるのではないかというのが、「リノベーション×中古区分投資」です。

本記事では、「リノベーション×中古区分投資」の利点について紹介していきます。

1.「リノベーション×中古区分投資」が有利と言われる理由

一口に不動産投資と言っても、その手法は多岐にわたります。そのなかで、なぜ「リノベーション×中古区分投資」が有利と言われるのか、その理由について詳しく見ていきましょう。

1-1.立地条件が良く優良物件に生まれ変わらせることができる

個人投資家が不動産投資を始めるとなると、有望なのはやはり住居向けマンションへの投資でしょう。しかし、一棟マンションは購入価格が高くなることに加え、中上級者向けといわれていることもあり、初心者には区分マンション投資が最も無難かつ低リスクと言えます。

マンション投資には新築と中古の選択肢があるわけですが、新築はどうしても購入価格が高くなりがちです。先ほども述べたように、マンション投資の有望な候補地である首都圏は新築マンション価格の高騰が続いています。

不動産経済研究所が発表した2022年2月のレポートでは、同時期に販売された東京23区内の新築マンションの平均価格が9,685万円 であることが明らかになりました。区分マンションなのに「億超え」が目前になるという、空前の価格高騰です。

不動産投資の利回りは「年間の家賃収入÷物件の購入価格」で算出されるため、購入価格が高いと分母が大きくなり、どうしても利回りが低くなります。

その点、価格に値ごろ感のある中古マンションであれば立地条件のよい物件を探しやすく、唯一のデメリットである「古さ」さえ克服すれば優良物件に生まれ変わらせることができます。

1-2.低価格で競争力と収益性の高い投資物件に仕上げられる

先ほども述べたように、中古マンション投資には初期投資額を低く抑えられるという大きなメリットがあります。

特に、中古の区分マンションを対象とすることで、新築と比較し利回りの高い手頃な物件を見つけやすくなり、不動産投資の初心者やサラリーマン大家さんでも、リスクを限定しながら投資を行うことができるでしょう。

一般的に、中古区分マンションは、設備も最新のものではなく、デザインも代わり映えしない物件が多いため、競争力という観点では弱い面があります。

画一化されたコンセプトやデザインだと、結局は家賃の引き下げでしか競争力を高めることができません。家賃の引き下げは利回りの低下を招きますし、一度引き下げると下げる一方になってしまうため投資家にとっては不利な状況になります。それを避けるためにも重要なのが、マンション物件の差別化です。

差別化を図るために、デザイナーズ物件を新築する、もしくは新築のデザイナーズ物件を購入する方法もあります。しかし新築物件は先ほども述べたように初期投資額が大きくなり、利回りは低くなりがちです。

中古マンションは不動産市場の需給バランスで価格が決まるため実勢価格ですが、新築マンションはその物件を建てて販売するために要した経費と、ディベロッパーの利益額によって決まります。そのため、どうしても実勢価格より高くなってしまい、この価格上乗せ分は「新築プレミアム」と呼ばれています。

新築で買ったばかりの物件をすぐに売りに出すと、ほとんど新築なのに売却価格は低くなってしまいますが、それは中古市場では新築プレミアムが上乗せされないからです。

その点、中古区分マンションを安く購入して、リノベーションによってデザイナーズ物件のような付加価値を実現できれば、低価格で競争力と収益性の高い投資物件に仕上げることが可能になります。まさに、この点こそが区分のリノベーション投資が有利な理由と言えるでしょう。

2.「リノベーション×中古区分投資」の3つのメリット

当記事では、「リノベーション×中古区分投資」の魅力をお伝えしていますが、ここでは不動産投資家にとってはきわめて重要な3つのメリットをお伝えします。

2-1.立地条件の良い物件をさらにバリューアップできる

中古マンションのなかには立地条件に恵まれた物件が多く含まれている点も見逃せません。不動産は「動かざる資産」です。当然ながら立地条件のよい土地から順に建物が建っていくので、あとから建てられたマンションは残された土地から候補地を選ぶ必要があります。

もちろんプロの目利きが必要になりますが、中古マンションのなかから時間が経っても色あせることのない価値である立地条件に恵まれた物件を見つけ出すことができれば、リノベーションによって新築を上回る価値をもった物件を生み出すことも可能です。

2-2.時流に合った戦略で競合物件との差別化を図れる

人々の価値観が多様化していることに伴い、マンションなど居住空間を選ぶ人の価値観も多様化しています。その一方でマンションの間取りやコンセプトは画一的で、室内を見ただけではどのディベロッパーのマンションなのか区別がつかないことも少なくありません。

3LDKのマンションによく見られる「田の字」間取りや、ワンルームマンションの画一的な内装では満足できない人が増えているにもかかわらず、それに応えられていない物件がとても多いのが実情です。

そのため、時流にあった戦略によって物件を差別化し、画一的なマンション同士で起こりがちな家賃の引き下げ競争から距離を置くことが収入の安定化につながります。

近年のリノベーション技術は飛躍的に進歩しており、リノベーション前とは見違えるような室内空間を創りだすことも可能です。その技術をもっている不動産会社であれば、より「リノベーション×中古区分投資」は成功しやすくなるでしょう。

2-3.空室リスクを回避できるどころか待ち行列ができる可能性も

入居者の価値観が多様化している時代において、「万人受け」を狙うのは戦略として不利です。多様化するニーズに的確に応え、そのコンセプトを選びたいと思ってもらえる人にしっかりと刺さる物件づくりをするのが、これからの不動産投資に求められる価値観です。

差別化された物件づくりをすることで競合が少なくなり、不毛な家賃の引き下げ競争に巻き込まれることはなくなります。「万人受け」を狙ってしまうと家賃の引き下げ競争に参戦せざるを得なくなるため、空室を回避するためには収益性の低下が避けられません。

しかし、リノベーション物件は他にもあります。今後こうした物件が増えることによって差別化された物件同士の競争になるのではないか?と思われる方もいるかもしれません。

有望な分野には後発の参入が相次ぐのが市場経済なのでそれは避けられませんが、重要なのはいかに入居者のニーズを正確にとらえ、それを形にできるかです。

リノベーション物件が有望な分野であることに着目して物件数は増加傾向にありますが、そのすべてが入居者に選ばれる価値を持ち合わせているかというと、そうとはいえない物件も少なくありません。

見た目だけ真似をしても、本質的な価値は生まれないでしょう。「リノベーション×中古区分投資」にはそのための哲学やノウハウ、そしてコンセプトを形にする技術力が必要なのです。これが揃ってはじめて、空室リスクを抑えるどころか特定の人に強く支持され、行列ができるほどの人気物件となります。

3.不動産投資でのポイントは融資期間

一般的に、中古マンションの担保価値は高いとは言えませんが、都心部などの区分所有マンションであれば、比較的価値が安定しているため、担保価値という面で優位性があります。

新築マンションを購入した場合には、経年による価値下落は大きいものの、中古で購入した場合には価値下落も緩慢となります。

融資においては、融資期間を長く設定できるとキャッシュフローの面で有利になります。例えば、木造の戸建物件投資を考えると、そもそも新築物件の法定耐用年数が22年と短いため、融資期間も長く設定することが困難になります。

これに対して、鉄筋コンクリート造のマンションの場合、法定耐用年数は47年と長く、融資期間もそれに応じて長く設定できるという傾向があります。長期の融資を組むことができれば、毎月の返済金額は抑えられ、キャッシュフローの改善に寄与するでしょう。

中古マンションの場合、築年数によって法定耐用年数の残存年数が異なります。一般的に金融機関の不動産投資ローンは建物の法定耐用年数内で融資期間を設定 するため、法定耐用年数が47年のマンションであっても築20年であれば残存期間は27年です。

つまり、ローン期間の上限も27年となります。中古マンションを購入する場合にはあまり築年数が古すぎると融資期間が短くなるため、「新しすぎず、古すぎない」ことも重要です。

4.高利回りを狙える「リノベーション×中古区分投資」は強力な投資法

物件購入費用に加えて、リノベーション費用に対する融資も受けられるなら、不動産投資のレバレッジをより高めることができます。つまり、リノベーションと中古区分の組み合わせにより、利回りを最大化することにつながります。

ただし、融資期間を長期に設定することは、元利金の総返済額を大きく増やす原因にもなります。無理のない範囲の期間を設定するというバランス感覚も財務戦略上は大切にしたいところです。

それともう一点、不動産投資向け融資の傾向にも目を配る必要があります。以前に起きたスルガ銀行の不祥事やコロナ禍などの影響もあり、金融機関の融資審査は厳しくなる傾向が続いています。

野村不動産が行った不動産投資家に対するアンケート調査でも29.2%の人たちが「審査が厳しくなった」と回答しており、「求められる自己資金の割合が高くなった」「フルローンが難しくなった」などの回答が上位 を占めていることからも審査の厳格化が浮き彫りになっています。

高利回りを狙える「リノベーション×中古区分投資」ですが、肝心の融資が出ないと絵に描いた餅になってしまうため、自己資金の多寡や融資期間、物件選びなどにおいて審査を意識した戦略も求められます。

物件を購入する不動産会社は、提携金融機関が多いことや、融資の審査に向けた提案力に優れている会社を選びたいところです。

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