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不動産投資
「ワンルームはやめたほうがいい」は本当?7つの理由と成功するための鉄則
「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」という言葉は、資産形成を考える多くの方が、一度は耳にしたことがあるかもしれません。この記事では、なぜ「やめたほうがいい」と言われるのか、その理由を徹底的に解剖します。
最後まで読めば、「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」という言葉に思考停止することなく、自分自身の頭で冷静に判断し、後悔のない選択をするための知識と視点が身についているはずです。
目次
- 1.「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」と言われる7つの理由
- 2.「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」は全ての人に当てはまるのか?
- 3.メリット・デメリットを再確認!本当に自分に合っているかを見極める
- 4.それでもワンルームマンション投資を検討したい人が知るべき成功戦略
- 5.新築より中古?ワンルームマンション投資で注目すべき選択肢
- 6.「やめたほうがいい」と後悔しないための最終チェックリスト
- 7.「やめたほうがいい」は思考停止ワード。自分の頭で判断しよう
- 8.ワンルームマンション投資に関するよくある疑問と回答
1.「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」と言われる7つの理由
ワンルームマンション投資は、比較的少額から始められる不動産投資として人気がありますが、一方で「やめたほうがいい」といった否定的な声も少なくありません。ここでは、そうした声の背景にある代表的な7つの理由を取り上げ、それぞれを具体的に解説していきます。
1-1.理由①:キャッシュフローが出づらく、毎月赤字になるケースも多い
「ワンルームマンション投資は儲からない」という声は、最もよく聞かれる批判の一つです。これは根拠のない噂ではなく、多くのケースで現実に起こり得ます。その最大の原因は、収支計画の甘さにあります。
業者が提示する「表面利回り」という数字に惑わされてはいけません。これは年間の家賃収入を物件価格で割っただけの単純な指標で、経営の実態を正確には反映していないからです。実際の経営では、以下のようにお金が流出していきます。
- ローン返済:毎月の最大の支出です。
- 管理費・修繕積立金:毎月必ず発生し、築年数と共に値上がりする傾向があります。
- 固定資産税・都市計画税:毎年、必ず支払う必要があります。
- 保険料:火災保険や地震保険への加入は必須です。
- 原状回復費用・広告料:入居者が退去するたびに発生する突発的な支出です。
これらの必要経費を差し引いた後の「実質利回り」で計算しなければ、手元にお金が残るどころか、毎月数千円~数万円の持ち出し(赤字)が発生する「マイナスキャッシュフロー」に陥ります。特に金利が上昇すれば返済額は増え、キャッシュフローはさらに悪化します。これが「儲からない」と言われる最大の理由です。
1-2.理由②: 空室リスクによって収入がゼロになりかねない
ワンルームマンション投資の収益の源泉は、言うまでもなく家賃収入です。しかし、その収入が突然途絶える「空室リスク」は、オーナーにとって悪夢そのものです。「都心だから大丈夫」「駅近だからすぐ決まる」といった安易な考えは非常に危険です。立地選定を誤れば、悪夢は現実になります。
- 駅から遠い、アクセスが不便:徒歩10分を超える物件や、主要駅へのアクセスが悪い物件は敬遠されます。
- 周辺環境の悪化:周辺に大学や工場があり、その移転・撤退によって賃貸需要が激減するケースがあります。
- 物件の魅力低下:築年数が古くなり、設備や内装が時代遅れになると、競合物件に見劣りします。
長期空室に陥っても、家賃収入はゼロなのにローンの返済や管理費の支払いは容赦なく続きます。焦って家賃を下げれば収支はさらに悪化し、まさに負のスパイラルです。この空室の恐怖が、「やめたほうがいい」と言われる大きな理由なのです。
1-3.理由③:悪質な販売業者による高値掴みや不利な契約
不動産業界には、残念ながら知識の浅い投資初心者を狙う悪質な業者も存在します。ワンルームマンション投資に対して「やめたほうがいい」と言われる背景には、こうした業者による被害の声が少なからずあります。
- 相場を無視した高額販売:市場価格を大きく上回る金額で物件を販売し、差額で莫大な利益を得ている。特に土地勘のないエリアや新築物件で多発。
- 手数料や諸費用の水増し:本来は数十万円で済むはずの登記費用や火災保険料などが、不透明な形で上乗せされていることがある。
- 心理的圧力をかけて即決を迫る:「この物件は他の方も検討中です」「今月中に契約すれば特別条件でご案内できます」などのセールストークで、冷静な判断ができないようにする。
「担当者が親切だったから」と安易に信用してしまうのは禁物です。彼らは営業のプロです。一度結んだ契約を覆すのは非常に困難であり、業者選びの失敗は、投資の失敗に直結します。
1-4.理由④:売りたいときに売れず、残債だけが残る可能性がある
ワンルームマンションは、売却したいときに必ずしも希望の価格で売れるとは限りません。これは「流動性リスク」と呼ばれる不動産特有のリスクです。ワンルームマンションの主な買い手は投資家であり、物件の利回りや収益性をシビアに見て判断します。そのため、居住目的の物件のように「気に入ったから買う」といった感情的な取引は期待しにくく、価格交渉も厳しくなりがちです。
また、売却価格がローン残高を下回る「残債割れ」に陥ると、売っても借金だけが残ることになりかねません。このように、状況によっては思うように売却できず、資金を回収できない可能性があることも、「やめたほうがいい」と言われる理由の一つです。
1-5.理由⑤:新築ワンルームマンションは価格が割高で利回りが低くなりがち
「新築」という響きに安心感を持つ方は多いかもしれませんが、投資用ワンルームマンションにおいては、新築は避けたほうがよいとされる理由があります。
まず、新築物件の価格には、販売会社の利益や広告費、営業経費などが上乗せされています。いわゆる「新築プレミアム」と呼ばれる部分です。そのため、購入直後に市場価格に合わせて価値が下がると言われており、買った瞬間に含み損を抱える構造になっているケースもあります。
また、価格に対して家賃水準が見合わないケースも多く、表面利回り・実質利回りともに低くなりがちです。家賃は立地や築年数よりも需要と相場で決まるため、同じエリアの中古物件と比べて大きな家賃差がつきにくく、価格の高さに見合う収益を得にくいのです。
こうした構造により、新築ワンルームマンションは「資産としての価値よりも、販売側の利益を優先して価格設定されている」と指摘されることもあります。収益性の低さから、「投資としては避けるべき」とされる大きな理由の一つです。
1-6.理由⑥:サブリース契約は「保証」と言いつつ不利な条件が多い
「空室でも家賃を保証します」というサブリース契約は、一見すると非常に魅力的に映ります。しかし、これは「やめたほうがいい」と言われる大きな理由の一つです。「家賃保証」という言葉は、決して未来永劫の保証を意味しません。
- 家賃の見直し:契約書には「2年ごとに家賃を見直す」といった条項があり、景気や周辺相場を理由に、保証家賃は容赦なく引き下げられます。
- 免責期間:新規入居者が決まるまでの一定期間は、家賃が支払われない「免責期間」が設定されていることがほとんどです。
- 業者倒産リスク:サブリース会社が倒産すれば、家賃保証は当然なくなり、入居者との関係も複雑化します。
- 一方的な解約:オーナーからの解約は厳しい条件が課せられている一方で、業者側からは簡単に解約できる契約になっているケースも少なくありません。
サブリースは、業者が安定的に利益を上げるための仕組みであり、オーナーのリスクを完全になくすものではありません。「保証」という甘い言葉の裏に隠された不利な実態を見抜けないと、手痛い失敗を招きます。
1-7.理由⑦:節税効果は一時的で、後に税負担が増えることもある
ワンルームマンション投資では、減価償却費などの経費を計上することで、不動産所得が赤字になり、その赤字を給与所得と損益通算することで、所得税や住民税を抑えられる場合があります。これが「節税効果」としてよく語られる仕組みです。
しかしこの効果は、あくまで初期の数年間に限られる一時的なものです。減価償却費は年数とともに減り、やがて計上できる額が小さくなっていきます。一方、ローン返済では元本部分の比率が年々増えていくため、「帳簿上は黒字なのに、実際のキャッシュは残らない」という状況に陥ることがあります。このような状態は、「デッドクロス」と呼ばれます(ローン返済での元本部分は実際には現金支出を伴いますが経費として計上できません)。
また、そもそも損益通算ができるということは、不動産経営としては赤字であるということです。つまり、収益性の低い投資をしていることの裏返しでもあります。節税を主目的として投資を始めてしまうと、本来目指すべき資産形成とは逆方向に進んでしまうリスクがあるのです。こうした理由から、節税目的でワンルームマンション投資を選ぶことには慎重になるべきだとされています。
2.「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」は全ての人に当てはまるのか?
ここまで「やめたほうがいい」と言われる理由を見てきました。では、ワンルームマンション投資は、誰にとっても避けるべき選択肢なのでしょうか。
答えは「No」です。重要なのは、投資家自身の特性や準備状況です。ここでは、失敗・後悔しやすい人と、逆に成功しやすい人の特徴を紹介します。
2-1.ワンルームマンション投資で失敗・後悔しやすい人の5つの特徴
「やめたほうがよかった」と後悔しがちな人には、いくつかの共通点があります。もし一つでも思い当たることがあるなら、投資を始める前に一度立ち止まって考え直すことをおすすめします。
2-1-1.目的が曖昧な人
「なんとなく将来が不安」「副収入が欲しい」といった漠然とした理由で始める人は、営業トークに流されやすく、不利な物件でも契約してしまいます。
2-1-2.勉強不足・情報弱者の人
リスクやデメリットを学ばず、業者の言うことを鵜呑みにする人は、悪徳業者の格好のターゲットです。情報収集を怠る人は、確実に「カモ」にされます。
2-1-3.リスク許容度が低い人
空室や家賃下落、突発的な修繕費の発生に精神的に耐えられない人は、不動産投資に向いていません。短期的な収支の悪化で狼狽し、投げ売りしてしまう可能性があります。
2-1-4.業者に丸投げする人
「プロに任せておけば安心」と考え、物件選びから管理まで全てを人任せにする人は、問題が発生したときに何も対応できません。最終的な責任は全てオーナー自身が負うことを理解していません。
2-1-5.短期的な利益を求める人
不動産投資は、長期的な視点でコツコツと資産を育てるものです。すぐに儲けたい、一攫千金を狙いたいという人は、高リスクな物件に手を出したり、短期売買で損失を出したりします。
2-2.ワンルームマンション投資で成功しやすい人の5つの特徴
一方で、数々のリスクを乗り越え、ワンルームマンション投資で着実に資産を築いている人たちも存在します。彼らには以下のような共通点があります。
2-2-1.目的が明確な人
「毎月5万円のキャッシュフローを得て、25年後に無借金の資産を手に入れる」など、具体的で明確なゴールを設定しています。この目的が、全ての判断のブレない軸となります。
2-2-2.十分な知識を持つ人
メリットだけでなく、リスクやデメリットを徹底的に学び、理解しています。自分の頭で考え、情報の真偽を判断できる「情報強者」です。
2-2-3.長期的な視点を持つ人
10年、20年先を見据え、目先の利益に一喜一憂しません。家賃収入(インカムゲイン)をコツコツ積み上げ、時間を味方につける戦略を取ります。
2-2-4.信頼できるパートナーを持つ人
誠実な不動産会社や、客観的なアドバイスをくれる税理士などの専門家を味方につけています。彼らと対等な関係を築き、チームで投資に取り組んでいます。
2-2-5.堅実な資金計画を立てられる人
表面利回りに惑わされず、あらゆるコストやリスクを織り込んだ現実的な収支シミュレーションを行います。自己資金にも余裕を持ち、不測の事態に備えています。
3.メリット・デメリットを再確認!本当に自分に合っているかを見極める
ここまで「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」と言われる理由や、失敗しやすい人・成功しやすい人の特徴を見てきました。ここでは、あなたがこの投資に本当に向いているのかを見極めるための材料として、ワンルームマンション投資のメリットとデメリットを整理しましょう。
| ワンルームマンション投資のメリット | ワンルームマンション投資のデメリット |
|---|---|
| 都市部の安定した単身者需要を狙える 他の物件タイプに比べ、都市部では単身世帯の需要が底堅く、景気変動の影響を受けにくい傾向がある。 |
空室時の収入が「ゼロ」になる アパート一棟と違い、ワンルーム投資は一室が空くと収入がゼロになる。収入が途絶えてもローン返済や経費の支払いは続く。 |
| 物件価格が手頃でローンを組みやすい 給与収入を基にしたローン商品が豊富で、他の事業用不動産に比べ、投資の第一歩を踏み出しやすい。 |
利回りが低く、赤字経営に陥りやすい 特に新築や都心物件は価格が高騰しがちで、ローン返済や経費を差し引くと持ち出しになるケースが多い。 |
| 物件が規格化されており、管理・比較が容易 間取りや設備がある程度似ているため、初心者でも相場観を掴みやすく、管理会社への委託もしやすい。 |
入居者の入れ替わりが激しく、経費がかさむ 単身者は居住期間が短い傾向があり、退去のたびに原状回復費や広告料が発生しやすい。 |
| 良い立地の中古物件が市場に出やすい 相続などで個人が手放すケースもあり、新築では手が出ない好立地の物件を購入できるチャンスがある。 |
競合物件が多く、家賃競争になりやすい 似たような物件が多いため差別化が難しく、築年数と共に家賃が下落しやすい。売却時も価格競争に陥りやすい。 |
もし、デメリットを理解したうえで対策を講じ、メリットに大きな魅力を感じるのであれば、ワンルームマンション投資は有効な選択肢となり得ます。しかし、少しでも不安が残るなら、今は慎重になるべきかもしれません。
4.それでもワンルームマンション投資を検討したい人が知るべき成功戦略
「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」と言われる理由やメリット・デメリットを理解したうえで、それでも挑戦したいと考える方に向けて、ここでは成功確率を飛躍的に高めるための6つの鉄則を解説します。
4-1.目的を明確にし、ブレない投資判断軸を持つ
「なぜ、ワンルームマンション投資をするのか?」この問いに、具体的かつ即答できなければなりません。「老後資金のため」であれば「いつまでに、いくら必要なのか」。「副収入が欲しい」なら「毎月、いくらのキャッシュフローを目指すのか」。
目的を具体的に数字に落とし込むことで、初めてあなたの投資判断軸が生まれます。この軸があれば、営業担当者から「利回り10%の掘り出し物です!」と言われても、「自分の目標キャッシュフローを達成するには、この経費構造では無理だ」と冷静に判断できます。
4-2.メリット・デメリット、リスクを徹底的に学び、情報弱者にならない
一部の誠実ではない業者が狙うのは、知識のない「情報弱者」です。カモにされないための唯一の対抗策は、あなた自身が情報で武装することです。
4-2-1.書籍
不動産投資に関する本を最低でも10冊は読みましょう。成功体験だけでなく、失敗談からも学ぶことが重要です。
4-2-2.セミナー
業者が主催する無料セミナーは、最終的に自社の商品を売ることが目的なので注意が必要ですが、知識の入り口としては有効です。中立的な立場のファイナンシャルプランナーや先行している投資家が開催するものも探してみましょう。
4-2-3.Webサイト・ブログ・SNS
信頼できる不動産会社や、現役の投資家が運営するブログから、リアルな情報を収集します。
メリットだけでなく、「やめたほうがいい」と言われる理由、つまりリスクとデメリットを徹底的に学ぶことで、業者の話の裏側が見えるようになります。情報武装こそが、あなたを守る最強の鎧です。
4-3.「やめたほうがいい物件」を避け、優良物件を見抜く目を養う
ワンルームマンション投資の成功は、9割が物件選定で決まると言っても過言ではありません。「やめたほうがいい物件」を確実に見分け、避けましょう。
4-3-1.立地は「10年後」で考える
今の人気だけでなく、10年後も賃貸需要が見込めるか?再開発計画や人口動態など、未来を予測する視点が不可欠です。
4-3-2.管理は「中身」を見る
エントランスが綺麗でも、管理の質が良いとは限りません。必ず「長期修繕計画書」「修繕履歴」「管理組合の議事録」を確認してください。修繕積立金が不足しているマンションは、将来、高額な一時金を請求される時限爆弾を抱えている可能性があります。
4-3-3.現地確認を怠らない
地図やデータだけでは分からないことが多くあります。昼と夜、平日と休日で周辺環境の雰囲気は変わります。自分の足で歩き、「自分が住みたいか?」という視点で厳しくチェックしましょう。
4-4.「儲からない」を回避する現実的な収支シミュレーションとリスク管理
「儲からない」という失敗は、現実的なシミュレーションを行うことで回避できます。業者の甘いシミュレーションを鵜呑みにせず、必ず自分で計算してください。
4-4-1.実質利回りで判断する
表面利回りは無視しましょう。管理費、修繕積立金、固定資産税、保険料、原状回復費用など、全ての経費を盛り込んで「実質利回り」を算出します。
4-4-2.ストレステストを実施する
「年間のうち〇ヵ月間、空室になったら?」「〇年後、家賃が〇%下落したら?」「ローン金利が〇%上昇したら?」など、最悪の事態を想定したシミュレーション(ストレステスト)が不可欠です。これらの厳しい状況でも、キャッシュフローがプラスを維持できるか、あるいは持ち出しに耐えられるかを検証します。この一手間が、あなたの資産を守ります。
4-5.悪徳業者を避け、信頼できる不動産会社と専門家を味方につける
ワンルームマンション投資は、一人で戦うものではありません。信頼できるパートナーを見つけられるかが、成功を大きく左右します。
4-5-1.悪徳業者の見抜き方
メリットばかりを強調してリスクの説明をせず、「今決めないと他の人に取られる」などと契約を急かしたり、こちらの質問に誠実に答えなかったりする業者は危険です。しつこい電話勧誘も典型的な手口の一つです。
4-5-2.信頼できる不動産会社の見つけ方
最低でも3社以上を比較検討し、管理戸数や入居率といった具体的な実績データを開示してくれる会社を選びましょう。担当者がメリット・デメリットの両方を誠実に説明してくれるかどうかも、重要な判断基準になります。
4-5-3.専門家を味方につける
不動産投資に詳しい税理士やファイナンシャルプランナーに相談し、第三者の客観的な意見を聞くことも非常に重要です。
4-6.購入時から売却まで見据えた長期的な視点を持つ
出口の見えないトンネルに入ってはいけません。ワンルームマンション投資は、「買うとき」に「売るとき」のことまで考える必要があります。
4-6-1.誰に売るのか
主な売却先は、他の個人投資家か不動産買取業者です。個人投資家には市場価格に近い価格で売れる可能性がありますが時間がかかり、買取業者にはスピーディーに現金化できるものの価格は安くなる傾向があります。
4-6-2.いつ売るのか
ローン残高と市場価格のバランスを見ながら最適なタイミングを探ります。購入前に「15年後にローン残高が〇〇円の時、△△円で売却できそうだ」といった仮説を持つことが、出口戦略の第一歩になります。
5.新築より中古?ワンルームマンション投資で注目すべき選択肢
ワンルームマンション投資で物件を選ぶ際、「新築か中古か」は大きな分かれ道です。特に「新築は避けた方がいい」という声をよく耳にしますが、その背景を正しく理解したうえで、自分に合った投資戦略を考えることが重要です。
5-1.新築ワンルームが敬遠されるのはなぜか?
新築ワンルームマンションは、購入直後に資産価値が下がる「新築プレミアム」の影響を受けやすく、収益性も低くなりがちです。それでも販売され続けているのは、高所得者層に向けた「節税対策商品」としての需要があるからと考えられます。
減価償却による損益通算は一定の税負担軽減につながりますが、それは一時的な効果に過ぎません。資産形成を目的とする場合は、節税効果よりも物件そのものの収益性や将来の資産価値に注目する必要があります。
5-2.中古ワンルームマンションは「収益性重視」の選択肢
中古ワンルームマンションは、新築に比べて価格が市場相場に近く、家賃とのバランスが取りやすいのが特徴です。物件価格が抑えられている分、実質利回りを確保しやすく、毎月のキャッシュフローも前向きに見込みやすくなります。
また、中古物件の多くはオーナーチェンジ物件であり、すでに家賃実績や入居履歴があることが前提です。そのため、将来の収支を具体的にイメージしながら、リスクを見積もったうえで購入判断ができます。
立地や築年数、入居者傾向などの「過去の実績」を参考にできる点は、新築にはない大きなアドバンテージです。収支計画の精度を高めたい人や、安定収入を重視する人にとって、現実的で取り組みやすい選択肢といえるでしょう。
5-3.中古×リノベーションという応用戦略
さらに一歩踏み込んだ手法として、中古ワンルームマンションにリノベーションを施す戦略があります。あえて築年数の経った物件を割安で購入し、フルスケルトン(内装をすべて解体し骨組みだけの状態)から再構築することで、現代の入居者ニーズに合った魅力的な住空間を生み出すことが可能です。
例えば、内装の刷新、水回りのグレードアップ、収納や照明の最適化などを通じて、見た目と機能の両面で物件の価値を引き上げられます。これにより、周辺の競合物件との差別化ができ、多少家賃を上げても入居希望者が集まりやすくなるのが大きなメリットです。
築古物件が抱える「設備の老朽化」や「空室リスク」といった課題を、自らの工夫と改善で解決し、収益性を高められる点がこの戦略の強みです。
6.「やめたほうがいい」と後悔しないための最終チェックリスト
最後に、これまでの知識を基に、あなたの投資判断の「解像度」をもう一段階上げるための最終チェックリストを用意しました。これは「知っているか」ではなく、「自分の言葉で説明できるか」を問うものです。すべてに明確に答えられて初めて、後悔しないための準備が整ったと言えます。
6-1.【投資目的の言語化】なぜ「他の投資」ではなく「ワンルーム投資」なのか
「老後資金のため」という目的は多くの投資に共通します。そのうえで、なぜ「株式投資」や「投資信託」ではなく、あえて「ワンルームマンション投資」を選ぶのか、その理由を3つ以上、具体的に説明できますか?(例:レバレッジ効果、インフレ耐性、インカム収入の安定性など)。この問いに答えられない場合、まだ目的の解像度が低いかもしれません。
6-2.【リスクシナリオの具体化】「最悪の事態」をシミュレーションしたか
「金利が上昇したら」と漠然と考えるのではなく、検討中の物件で「金利が現在の1.5倍」「家賃が15%下落」「2年連続で3ヵ月の空室」という3つの事態が同時に起きた場合、月々のキャッシュフローが具体的にいくらの赤字になるか計算しましたか?
この極端なストレステストを通じて、自分のリスク許容度の限界値を数値で把握することが重要です。
6-3.【業者選定の客観性】その不動産会社を「選んだ理由」を合理的に説明できるか
「担当者が親切だったから」という感情的な理由を排除し、「他社と比較して、この会社の〇〇という点が優れていたから」と、第三者にも納得してもらえる客観的な理由を3つ以上挙げられますか?(例:管理手数料の透明性、入居率の実績データ、提案された物件の論理的な根拠など)。業者選びの基準が明確でなければ、ただの「相性」で決めたことになってしまいます。
6-4.【出口戦略の仮説検証】5年後、10年後、15年後の売却プランを立てたか
「いつか売る」ではなく、検討中の物件について「5年後、10年後、15年後」のそれぞれの時点で、ローン残債はいくらで、想定売却価格はいくらで、手残りはプラスになるのか、という3パターンの売却シミュレーションを行いましたか?
出口を複数想定しておくことで、将来の市況変化にも柔軟に対応できます。
6-5.【最終的な覚悟】この投資の「全ての責任」を自分で負う覚悟はできているか
もしこの投資が失敗に終わったとしても、「業者のせいで」「時代が悪かった」などと他責にせず、「最終的に判断したのは自分自身である」と、その結果のすべてを受け入れる覚悟はできていますか?
この当事者意識がなければ、厳しい局面を乗り越えることはできません。
これらの問いに、よどみなく、自信を持って答えられるなら、あなたは「やめたほうがいい」と言われる数々の失敗パターンを回避し、自分自身の判断で投資を始めるスタートラインに立ったといえるでしょう。
7.「やめたほうがいい」は思考停止ワード。自分の頭で判断しよう
「ワンルームマンション投資はやめたほうがいい」という言葉は、準備不足のまま始める人にとっては真実です。本記事で解説した通り、キャッシュフローの悪化や悪徳業者の罠など、そのリスクは決して小さくありません。
しかし、これらのリスクを理解し、正しい知識と戦略で臨むなら、ワンルームマンション投資は有効な資産形成の手段となり得ます。最終的に成功するか失敗するかは、物件や市況以上に、あなた自身の準備と覚悟にかかっています。この記事を参考に、噂に流されることなく、後悔のない選択をしてください。
8.ワンルームマンション投資に関するよくある疑問と回答
Q1.本当にワンルームマンション投資は儲からないのですか?
収支計画が甘ければ儲かりません。しかし、経費やリスクを正確に織り込んだ現実的なシミュレーションを行い、プラスのキャッシュフローが見込める物件を適正価格で購入できれば、安定した収益を得ることは十分に可能です。
Q2.「カモにされる」とは具体的にどういうことですか?
相場より著しく高い価格で物件を買わされたり、不利なサブリース契約を結ばされたりすることです。避けるには、自分自身が相場観を養い、複数の業者を比較し、契約書を精査すること。そして何より、業者の話を鵜呑みにしないことです。
Q3.もし始めてしまって「やめたい」と思ったら、どうすればいいですか?
まずはローンの残高と、現在の売却相場を確認します。売却してもローンが残る「残債割れ」でなければ売却は可能です。難しい場合は、管理会社の見直しや繰り上げ返済で収支改善を図り、売却のタイミングを待つことになります。
Q4.ワンルームマンション投資以外におすすめの資産運用はありますか?
NISAやiDeCoを活用したインデックス投資は、少額から始められ、分散効果も高いため、多くの方におすすめできます。不動産にこだわるなら、J-REIT(不動産投資信託)も選択肢の一つです。自分のリスク許容度に合った方法を選びましょう。
Q5.結局、ワンルームマンション投資はどんな人に向いていて、どんな人には向いていないのですか?
長期的な視点でコツコツと学び、努力を続けられる人に向いています。逆に、短期で楽に儲けたい人や、勉強せずに人任せにしたい人には絶対に向いていません。不動産投資は「事業」であるという認識が持てるかどうかが、大きな分かれ目です。


