不動産投資(管理)

新法で健全化されるサブリースのメリットと契約前に確認すること

サブリースと聞くと、ネガティブなイメージを持ってしまう人もいるかもしれません。実際、過去に問題のある契約でトラブルになった事例もいくつかありました。

しかし現在は、国土交通省がサブリースに関するガイドライン、いわゆるサブリース新法を施行し、健全化が図られています。この新法でどのような点が改善されたのかとあわせて、今後サブリース契約をする際に確認すべきポイントを解説します。

新法で健全化されるサブリースのメリットと契約前に確認すること

サブリースの仕組みと注意点

サブリースとはサブリース会社がアパートなどの賃貸物件をオーナーから借り上げ、入居希望者に転借する契約です。オーナーに支払われる家賃が一定期間保証されるため、空室が発生しても家賃収入に影響しないというメリットがオーナー側にはあります。

しかし、一定期間経過した後は賃料の見直しができたり、サブリース会社側から契約解除ができるといった条項が契約の中に盛り込まれているケースが多く、空室が多い物件は途中で賃料を下げられ、結果としてオーナーの家賃収入も減ってしまいます。

ところがこの条項についての説明がオーナーにしっかりとされておらず、事前に聞いていた収入にならないとトラブルになることが一部のサブリース会社で多発しました。さらに空室を埋めることができず、オーナーへの家賃支払いが滞り破綻するサブリース会社も現れ、社会問題となったのです。

問題は仕組みではなく契約の仕方

サブリースはしっかりと契約内容を理解しておけば、空室によって家賃収入が変動するリスクを回避しやすく、オーナーにメリットのある仕組みです。管理費は通常の賃貸より若干高めですが、空室対策に奔走したり、入居者からのクレームに頭を悩ます必要がなくなることを考えれば、十分許容範囲でしょう。

しかし、家賃の見直しや契約解除などの取り決めをサブリース会社側が十分に説明していなかったことや、説明をしていたとしてもわかりにくい表現であったことが原因で、オーナー側に誤解が生じ問題となりました。また、中にはメリットばかりを強調し、併せ持つリスクをしっかりと説明していなかったケースもあったようです。

サブリース新法で規制された点

こうした事態を受け、国土交通省は2020年に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」、いわゆるサブリース新法を設け、サブリースの適正な契約を促すことになりました。この法律では主に次の3点が規制されています。

  1. 誇大広告の禁止
  2. 不当な勧誘等の禁止
  3. 契約締結前における契約内容の説明及び書面交付

サブリース問題では、メリットばかりを強調した広告や勧誘によって、賃貸事業の知識や経験が乏しいオーナーがトラブルに巻き込まれているケースが目立ちます。

新法制定とともに公表されたガイドラインでは、そうしたトラブルを防ぐため「1.誇大広告の禁止」と「2.不当な勧誘等の禁止」について具体的な禁止事例を数多く示しています。

1.誇大広告の禁止

これはサブリースのメリットのみを強調したり、サブリース会社が支払う家賃の改定や契約解除の条件を明らかにしなかったりと、広告においてリスクを小さく見せることを禁じるものです。

新法制定以降は、例えば広告で「家賃保証」「空室保証」などの言葉を使う場合は、横に定期的な家賃の見直しがあることや減額する旨を表示する必要があります。また「利回り◯%」と利回りのみを表記するなど、利回りが保証されるような誤解を生む表現にならないようにしなければなりません。

また「◯年間借り上げ保証」など契約期間中の解約がないようにも取れる表示ではなく、期間中でも業者から解約する可能性があることやオーナー側からの中途解約には条件があることを、あわせて表示するよう定めています。

他にも、サブリース会社が実施しない維持保全を実施するように誤解される表現をしない、維持保全費用をオーナーが負担することがあるときはその旨や割合などを明示する、など維持管理についても詳しく事例が示されています。

2.不当な勧誘等の禁止

これはサブリース会社やその勧誘者が、誤った情報や不正確な情報で勧誘したり、強引に契約をさせようとしたりすることを禁じています。将来家賃減額のリスクがあることや、契約期間中であってもサブリース会社から契約解除の可能性があることなど、不利な点を故意に告げないことも含みます。

また「家賃が下がらない」「確実に入居者がつく」「家賃保証が確実である」「損はしない」「家賃を相場より高く設定できる」など具体的な言葉をあげて、不確実なことを告げるのも禁止しています。

さらに原状回復費や大規模修繕費をオーナーが負担することがあるにもかかわらず、その事実を告げないことも禁止の例としてあげています。

3.契約締結前における契約内容の説明及び書面交付

サブリースは投資初心者に魅力的に映る仕組みのため、賃貸の不動産投資の経験や知識の乏しいオーナーが多く見られます。そのためサブリース会社からの説明が、十分に理解されていないまま契約するケースがガイドラインでも指摘されています。

このため契約について留意すべき点を事前に書面で交付し、説明することが義務づけられました。

契約前に確かめたい2つのポイント

これからサブリース契約を結ぶ前に、しっかりと確かめておきたいポイントを紹介します。サブリース新法のガイドラインではさまざまな注意喚起をしていますが、以下の2つは繰り返し触れられています。

支払われる家賃の見直しや契約の打ち切り

実際にこの家賃見直しや契約打ち切りに関連するトラブルが最も多く、ガイドラインの中でもたびたび注意例として紹介されています。それだけ今までのサブリース契約では、この点がオーナーに十分理解されていなかったと言えます。

もしこの条項が契約書に盛り込まれていたときは、解釈を曖昧にせず納得いくまで説明してもらうようにしましょう。

物件の修繕費は誰が負担するか

物件の修繕費は誰が負担するのかという点においても、事前に意思の疎通を図っておくことが大切です。一般的に物件の修繕費はオーナーが負担するものです。

しかしガイドラインの事例を見ると、あたかもサブリース会社が負担するような勧誘をしていたケースもあったようです。極端に都合の良いメリットばかりを並べる相手には注意をすべきでしょう。

リスク回避できる物件選びが重要

サブリースであっても空室が発生し続ければ、保証期間終了後に賃料の見直しが発生したり売却時に物件価値が下がったりする可能性があります。そのためしっかりと入居者が見込める物件かどうか、自分でもできる限りの情報を集め判断することが大切です。

部屋数の多い1棟物件の中には利回りの高いものがあり、有利な投資ができるように見えます。しかし、駅までの距離が遠かったり部屋がニーズに合っていなかったりすれば、入居者が集まらない可能性があります。また、1棟物件の場合は初期投資が高額になり、損失も大きくなる恐れがあるでしょう。

初めての不動産投資なら、ワンルーム物件で出費を抑え、駅に近いなど条件の良い物件に投資して勉強していくのも立派なリスク回避です。どんな投資も良い面とともにリスクがあることを十分理解し、投資先を判断するようにしましょう。

より安全に変わりメリットが生きる

新たに設けられた規制からわかるように、サブリースにおけるトラブルの原因は、契約内容や物件情報が誤ったかたちでオーナーに伝わっていたことにあります。それらを伝えるサブリース会社に問題の多いところがあったのは事実ですから、特に不動産投資初心者の方にとって今回の新法は歓迎すべきことでしょう。

これから契約の細かな内容やリスクが正しく理解されるようになれば、サブリースが本来持つメリットがより活かされるはずです。安全に生まれ変わるサブリースの仕組みを上手に利用し、将来の資産形成を進めていきましょう。

キーワード: 不動産投資(管理)
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