不動産投資

法定耐用年数の短い中古物件でもローンの返済期間を長めにしてもらうポイント

新築物件の価格が上昇している都心で不動産投資を行う場合は、値ごろな中古物件を探すことが不動産投資を成功させるポイントになります。ただし中古物件は法定耐用年数が短くなるため、金融機関から融資の返済期間を短めに設定されてしまうことがあります。

今回は法定耐用年数が少ない物件でも、返済期間を長めに設定してもらうことができるのか、もし可能ならば、どういった方法をとればよいのかなどについて考えてみたいと思います。

法定耐用年数の短い中古物件でもローンの返済期間を長めにしてもらうポイント

返済期間は長めに設定するのがポイント

家賃収入からさまざまな経費を支払ってローンの返済を行い、手元に残ったキャッシュが不動産投資で得られる利益です。これをインカムゲインと呼びます。一方、不動産を売買し、差額で得られた利益はキャピタルゲインと呼びます。不動産が値上がりすることで初めて得られる利益のため、バブルの頃とは異なり、最近の不動産投資では長期間に渡って毎月得られるインカムゲインが重要視されています。

インカムゲインを増やすためには、収入と支出の差を大きくしなければなりません。家賃の値上げは簡単なことではないため、毎月の支出をどうやって減らすかが鍵になります。そこでポイントになるのがローンの支払いです。

仮に2,000万円を固定金利1.5%で20年間借り入れた場合、毎月の支払いは96,509円となります。この借入期間を30年まで延ばせたら、毎月の支払いは69,024円にまで下がって、毎月約27,000円も少なくなります。

もちろん、借入期間が20年間ならローンの残債は早く減るので、売却する場合は手元に残るキャッシュは増えるでしょう。しかし、毎月の収支差が少ないと手元のキャッシュが増えないため、新しい投資案件などに手を広げるのが難しくなります。そのため、返済期間は長めに設定して十分なインカムゲインを獲得することが、不動産投資を成功させる上で重要なポイントになるのです。

土地の価値が高い物件は有利

それでは、どうすれば返済期間を延ばせるのでしょうか。金融機関ではローン審査の際、オーナーの年収や負債などと同時に投資物件の担保価値を評価しています。例えば、10年間しかローンが組めない物件で「30年間のローンを組んでほしい」と頼んでも、金融機関にしてみれば11年目からの20年間は無担保で資金を貸し出すことになります。それが相当に難しいことは誰でも分かるでしょう。

返済期間の長いローンにしてもらうためには、時間が経過しても担保評価ができる限り変動しないことが重要になります。ご存知の通り、物件価値は建物と土地の評価で決まります。建物は経年劣化で少しずつ担保評価は下がりますが、一方で土地は経年で担保評価が下がることはありません。つまり、不動産で良い担保評価を得るには、土地の価値が大事だということです。

例えば、駅近など利便性の高い、良いロケーションに建てられた物件は、担保評価が下がりにくく返済期間の長いローンが組める可能性も高まるというわけです。

土地の価値が高い物件は有利

物件のリノベーションで付加価値を

物件のリノベーションも担保評価を高めるのに重要な役割を果たしてくれます。リノベーションを行い、給排水管を更新したり、最近のトレンドに合った設備仕様や間取りに変更したりすることで、物件は新築同様に生まれ変わります。

金融機関の中にはこういった点を評価してローンの期間を見直してくれるところもあります。空室率の低い物件ということを金融機関から高く評価されることで、ローンの期間を長めに設定してもらえる可能性も高まるでしょう。

耐震補強工事済みかどうかを確認

昭和56年6月に建築基準法は改正されました。それまでに建てられた建物は「旧耐震」、それ以降の建物は「新耐震」と呼ばれています。旧耐震の建物は構造設計の基準が現在とは異なり、自然災害での破損や倒壊の恐れが新耐震よりも高く、高い担保評価を得るのが難しいとされています。

なお、旧耐震の建物でも適切な耐震補強工事を施して、耐震性を高めているものもあります。このようなマンションは、大規模修繕や給排水管設備の更新などが実施され、管理状態の良いマンションだといえるでしょう。こうした物件であれば、金融機関から良い評価を得られて、ローンの期間を長めに設定してもらえるかもしれません。

このように中古物件でも、ローンの期間を長めに設定してもらうためのアプローチは色々と考えられます。法定耐用年数で簡単に判断せず、さまざまな可能性を模索しながら、金融機関との交渉に臨んでみましょう。

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