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副業解禁時代にフルコミッションで不動産を選ぶ人が知っておきたいこと

2019年4月から働き方改革関連法が施行されました。残業時間が減るとともに、休暇時間が増え、多くの会社で禁止されていた副業も解禁されます。余った時間と自分の得意とするスキルを生かして、お金を稼ごうという人も増えているのではないでしょうか。営業やセールスで稼ぎのいいフルコミッションの仕事というと、「不動産関連」というイメージがありますが、それはどのようなもので、どんなような働き方をするのでしょうか。

副業解禁時代にフルコミッションで不動産を選ぶ人が知っておきたいこと

2019年4月1日から本格的に副業解禁。そのメリットや注意点

副業をすることのメリットを考えてみましょう。それは、本業を持ったまま、別の仕事に就くことによって、本来やりたい仕事に挑戦することができたり、新たな知識や人脈を獲得することができたりすることでしょう。そして、なによりも収入アップにつながることです。一方、デメリットは副業により働く時間が長くなり、無理をすれば健康を害する恐れがあることでしょう。

せっかく政府が旗振り役となり、長時間労働を是正するために法律が制定されたのに、自ら労働に縛られるのでは、元も子もありません。

2019年4月1日から本格的に副業解禁。そのメリットや注意点

フルコミッションは成果が出ないと報酬もゼロ

まず、フルコミッションという働き方です。フルコミッションとは「完全歩合制」のことです。賃金は、仕事の成果に応じて支払われます。フルコミッションは、不動産以外にも保険や通信回線の営業、フリーランスのライター、カメラマン、イラストレーターなどに多く、収入があるかどうかは自分自身の頑張りにかかっています。

勤務形態は自由度が高く、応募資格は学歴や経験が不問の場合もあり、休日の設定は自由、働く場所も自由ですが、成果が出ない場合は、報酬がゼロになるということです。このほか、移動費や通信費など、仕事にかかる経費が自己負担となることも少なくありません。時間を費やしても、収入アップにつながらなければ、副業も継続するのが難しくなります。

不動産営業は儲かる?!

フルコミッションで働く場合、不動産仲介は週末に動きやすく、成果が上がれば報酬も大きいとされます。不動産会社で事情は異なりますが、歩合は土地や建物の売却契約が成立するまでの貢献度で変わります。宅地建物取引士の資格を保有していて、集客から契約締結までを一人で担当できる場合は、仲介手数料の約7割を支払っている不動産会社があります。一方、ガソリン代やチラシ広告費、通信費やデスクなどの営業経費を、会社が負担する場合は、5割前後になるようです。
不動産会社の収入源は、物件売買を仲介したときの仲介手数料です。宅建業法で、その上限額は、「売却価格の3%+6万円+消費税(400万円以上の取引の場合)」と定められています。そのため、例えば、2,000万円のマンションの買い手を見つけて、無事に売却することができれば、66万円+消費税が会社に入ることになります。そのうちの7割が報酬としてもらえるのならば、コミッション料は46万2,000円(消費税含まず)です。このとき、売り手と買い手の両方を見つけて仲介すれば、仲介手数料は倍額になるので、報酬も倍の92万4,000円ということになります。

ただ、何より大変なのが集客です。自分の人脈を利用するには限界があるため、「チラシを作る」「インターネットを使う」など、やり方は人それぞれですが、そのための経費は、自腹をきることもあります。そうなると、せっかく高い報酬を得たとしても、経費をかけすぎると手元にお金が残らないことになります。フルコミッションでやる場合は、いかに効率良くできるかが大切になります。

不動産フルコミッション営業の注意点

注意すべきことはほかにもあります。上記のほかに、不動産の購入の希望がある見込み客を紹介したり、客に物件の案内をしたりして、その後の契約にかかる業務は、会社に引き継ぐというパターンがあります。ただ、実際に購入契約にいたらなかった場合、「報酬がゼロ」と決められていることがほとんどです。

報酬以外でも、複数の不動産会社で営業をする場合、守秘義務違反やコンプライアンス違反を起こさないように注意することも重要です。不動産仲介業務では、顧客の個人の事情に深入りすることがあります。大切な個人情報を扱うことになるのです。会社に属していないからと言って、こうしたところの感度が鈍いと、大変なことになる可能性も否定できません。

不動産に限らずフルコミッションで報酬を得るには、自分を厳しく律する力が必要になります。自分に甘く、仕事を怠ける人は安定した報酬が得られません。また、仕事の自由度が高いとはいえ、相手のいる仕事ですから、気軽に休むことはできないと思っておくべきです。そして、自分の能力以上に仕事を抱えてしまうと大変になります。無理のないペースで仕事をするように心がけましょう。
今回はフルコミッションで働く上で大切なことを考えてみました。上述した注意点などを参考にしながら、ぜひ不動産売買仲介のフルコミッションで、ご自身の人生を充実させることにチャレンジしてみてはどうでしょうか。

3年以上勤めた会社員へ。
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