不動産投資(管理)

物件管理をまかせるとき、管理会社に伝えるべきこと

不動産投資で購入した収益物件の管理や家賃の回収業務などは、管理会社に委託するオーナーが多いでしょう。彼らとの長い付き合いの中で、良い仕事ぶりを期待したいならば、最初の段階で運営の目的や管理会社に期待することを、しっかりと伝えておくことが重要です。なぜなら、このときのやりとりで、彼らの本気度や提案してもらえる内容が変わるからです。

収益への期待もさまざま。目的はきちんと説明を

不動産投資の目的は家賃収入の獲得です。しかし、「どのように収益を確保するのか」「何の目的で確保したいのか」は、それぞれのオーナーによって違うでしょう。土地の値上がりによる売却益や賃貸需要増大による家賃収入の拡大、株式やFX投資とは異なるローンのレバレッジ効果を期待する人もいます。収益は日常生活を充実させるために使いたいという人もいれば、退職後の生活費にあてたいという人もいるはずです。

このほか、所得税や法人税、固定資産税や都市計画税以外に、相続税の節税効果を目的にしている人もいます。また、インフレによる現金資産の目減り回避を目的にしたり、不動産を所有することそのものに、魅力を感じたりしている人もいるかもしれません。このようにオーナーの目的の違いがあって初めて、期待する収益額や収益率に違いが出ます。

管理会社はこうしたオーナーの意向を踏まえたうえで、物件運営について最適な提案をするのが仕事です。優秀な管理会社であれば、短期売買で売却益を得たいと考えるオーナーには、壁や屋上などの根本的な部分の改修はすすめません。逆に家賃アップを可能にして、売るときにも高値がつくようなリフォームや修繕の提案は、お金が多少かかるものであってもしてくるでしょう。

節税目的のオーナーには、修繕などの経費を利用した節税方法のヒントをくれるでしょうし、長期保有で年金目的のオーナーには、資産価値が落ちにくくするための提案をしてくれるはずです。

トラブル発生前に改善策を聞く姿勢

優秀な管理会社は、管理状況や設備の問題点を見つけると、すぐに改善策とともに報告してきます。後回しにして改善のタイミングを逸してしまうと、事故があったときに「実は以前から把握はしていました」といっても言い訳のようで、オーナーから信頼されなくなることを知っているからです。管理受託の早い段階で、管理会社が把握する問題点は以下のようなものがあります。

  • ・消防設備など必要な法定点検が未実施
  • ・賃貸借契約書などの契約書面が未回収
  • ・入居者からのクレーム
  • ・家賃滞納者に対する未対応などの問題
  • ・共用部分の清掃や整理
  • ・建物設備の不具合、不十分な修繕など

これらは、今後の入居者募集に悪影響がありそうな問題です。オーナーも不動案投資を始めたばかりの不安やストレスの多い時期に、あれこれ言われて対応するのは面倒くさいかもしれません。しかし、トラブルが発生してからでは遅いので、耳を傾ける姿勢を持ちましょう。

仲介や相続相談ができる会社ならワンストップで済む

管理会社の中には、管理業務だけでなく、売買仲介や相続相談もできるところがあります。短期売買や、相続対策を不動産投資の目的としているオーナーにとっては、大きな味方になるでしょう。多額の仲介手数料が見込める物件の売買は、大きなビジネスチャンスです。そのため、「いずれ売却をお願いするだろう」と伝えておくだけで、手続きがワンストップで済むというメリットがあります。

それ以外にも、より積極的に関わってくれるようになるはずです。最初のコミュニケーションで、不動産投資の目的と管理会社への期待を明確に伝えておくことが、後々の管理業務をより適切かつ、スムーズに行われるために必要なことではないでしょうか。

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