不動産投資

玄関オートロック物件でなくても大丈夫。IoT導入でもっと強くなる安心感

玄関にオートロックが付いた物件の人気が高まっています。住居侵入や押し売りセールスなどの訪問を防ぐ手段として、入居の決め手とする人は多いかもしれません。特に、一人暮らしの女性にとっては関心が高いポイントでしょう。ただ、築古物件ではなかなか導入しにくい設備ですし、初期費用と維持管理費用がかかります。

そのため、導入を思いとどまっているオーナーも多いのではないでしょうか。ところが、あらゆるモノをネットにつなぐ「IoT」(Internet of Things)が、既存の物件をオートロックに匹敵するほどのセキュリティを備えた物件へ手軽に変えてしまうのです。

家賃が高くなってもほしい設備は防犯インフラ

リクルート住まいカンパニーが2016年に発表した「家賃が上がってもほしい設備」のアンケート調査結果によると、「ディンプルキーなどピッキング対策のカギ」が3位(66.5%)でした。また、「TVモニターつきインターフォン」が4位(65.7%)、「玄関ドアのオートロック」は6位(64.8%)とセキュリティに関する設備が上位に食い込んでいます。

犯罪の少ない国に住んでいるとはいえ、個人が防犯設備を求める意識は強い傾向です。もはや、電気や水道、インターネットなどの通信環境と同様に重要な社会「インフラ」化してきたともいえるでしょう。最近では、「IoTアパート」といって、スマートフォンやタブレット端末などで空調管理や電灯の照度調整ができる物件が出始めました。

空調管理や電灯調整も魅力的かもしれません。しかし、最も強みを発揮するのは玄関ドアや窓の施錠や、侵入者があったときの通知といったセキュリティにかかわる部分です。まさに現代的なニーズといえるでしょう。

スマートロックは最強のカギ

一例として、真っ先に導入の検討をしたいものは「スマートロック」でしょう。鍵穴に差し込んで回して開けるタイプのカギを、電子錠に切り替えるだけで玄関オートロックのない古いアパートが、オートロック付き物件に早変わりします。他人に無断で合鍵を作られることもなく、退去時のカギ交換も不要という優れものです。

スマートロックはカギではなく、スマートフォンのアプリと連動して番号を入力すれば開くものや、専用キーカードやSuicaなどの電子マネーカードをかざせば、開錠できるものがあります。現在、出回っている製品は、4万~5万円で購入できるものが中心です。なかには24時間のサポート体制が付いて、月額1,000円程度でリースできるものもあります。もっと手軽なものとして、サムターンの上から貼り付けるだけで、スマートフォンのアプリで施錠ができるというアイテムもあるのです。

ドアスコープに録画カメラ

また、古い物件における来訪者の確認は、玄関扉に取り付けられているドアスコープ(のぞき穴)で確認することしかできませんでした。ドアスコープで確認すると、気配や足音から在室がばれてしまい、居留守を使うことがなかなか難しい傾向です。ところが、最近はドアスコープに特別な工事をしなくても取り付けられて、その映像をパソコンの画面で見ることができる監視カメラが発売されています。

留守の時間は映像を録画してくれますし、暗くても録画ができる機能も付いています。既存の玄関オートロックは音声のみのやりとりで、カメラが付いていないものも多い傾向です。しかし、ドアスコープカメラは、そんな玄関オートロックの機能をすでに上回っています。物件の廊下やドア周辺に取り付けられるカメラもありますが、機能的には、これで十分ですし、あまり費用をかけすぎずに導入しないと意味がありません。

オートロックのない物件のオーナーには逆転のチャンス

今回は、IoTを利用して住居侵入などを防ぐ防犯設備の導入についてお伝えしてきました。住居侵入など事件が発生して、金品の窃盗程度で済めば、まだ良いほうでしょう。なかには、強盗傷害事件や殺人事件などの凶悪犯罪に発展する可能性もあります。また、事件・事故などが起きて、近所で悪い評判が広まってしまうと、その後の入居者探しで不利になり、家賃を下げざるを得ない状況に追い込まれる可能性もあるでしょう。

被害者にとって、どんなにお気に入りの部屋だったとしても、他人に踏み荒らされた部屋に住み続けたいと思う人はあまりいません。IoTは、2018年時点でタイムリーなトレンドキーワードです。導入すれば、ネットなどに対する意識の高い若者への訴求力は高まるでしょう。物件に付加価値をつけて、収入アップを狙うことも一つの方法ですが、不動産の経年劣化は避けられません。しかし、やり方によっては、価値を維持して収入をアップする方法もあるのです。所有不動産のセキュリティの付加価値を高めたいのであれば、一度、IoTについて検討してみてはいかがでしょうか?

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