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着々と進む再開発!2020年の東京はこうなる

2020年開催の東京オリンピックに合わせるように、現在、東京ではさまざまな再開発が進行しています。オリンピック開催決定前、2000年代に入ると老朽オフィスビルなどの新陳代謝のために、丸の内、汐留、品川、豊洲など、多くのエリアが再開発されてきました。例えば、渋谷マークシティ、六本木ヒルズ、新丸ビル、そして、豊洲のタワーマンション群などが誕生し、東京の景観を変え、東京の不動産市場に大きな影響を与えました。

現在もその再開発が続いているということです。2020年の東京オリンピック、2027年の中央リニア新幹線開通など、今後、大きなイベントが控えており、それに間に合わせるように、続々と新しい再開発が着手されています。

高層化する東京

東京の再開発の特徴は、一言で言うと、「高層化」です。2018年2月現在、国内で300メートル超の高さを誇るビルは、大阪のあべのハルカス(300メートル)だけです。2位の横浜ランドマークタワーが295.8メートル。しかし、2027年度竣工予定の「常盤橋再開発B棟(390メートル)」や、2022年度竣工予定の「虎ノ門・麻布台地区 A街区(330メートル)」などで、300メートルを超える高層ビルが誕生するほか、都内では多くの高層ビルの計画や建設が進んでいます。

100年に1度の渋谷再開発

現在、東急グループが渋谷駅周辺で行っている再開発も、同様の高層ビル建設に属します。この再開発は「100年に1度」と称されるほど大規模です。2012年オープンの「渋谷ヒカリエ」もそのひとつで、他に7つのプロジェクトが進行中です。多くの工事は東京オリンピック開催の2020年までに終了する予定です。

なかでも象徴的な建物が、渋谷のスクランブル交差点を見下ろすように建設されるタワービル、「渋谷駅街区」の東棟建設でしょう。渋谷駅の上部で建設が進んでおり、完成すれば、地上46階・地下7階建て、高さ230メートルと、渋谷ヒカリエよりも、約50メートル高い大型ビルになります。また、最上階には、超高層ビルの特徴を全面的に活かして、屋内外のそれぞれに展望施設が設置される予定です。

渋谷の再開発では、高層ビルの建設以外にも、鉄道・バスの乗り換えが便利になります。タクシーの乗降場所は地下に集約され、地上ではハチ公で有名な「ハチ公広場」が、現在の1.5倍に拡大される予定です。

「街がひとつ増える」、東京駅周辺の再開発

また、東京駅周辺の再開発も見逃せません。丸の内エリアで2000年代にスタートした大型開発の波が、大手町、八重洲、東京駅北側の常盤橋エリアへと広がっており、街の景色を大きく変えています。2016年4月に完成した「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」は、「丸の内の大家」とも言える三菱地所によるもので、現在、同社が大手町パークビルディングの建設を進めているほか、三井不動産と三井物産による2棟の超高層オフィスビル計画なども進んでいます。建設の大半が終了する2028年頃には、「街がひとつ増える」ほど、オフィス・スペースの大量供給が行われる予定です。

山手線新駅、JR品川新駅 (仮称)の開発

現在進んでいる東京の再開発は、高層ビル建設だけではありません。2015年から工事が開始され、2020年の開業を目標に進んでいる山手線の新駅も重要な再開発です。この再開発では、新駅建設以外に、約13ヘクタールもある駅隣接のJR操車場跡地を利用し、副都心になるような大規模な再開発が計画されています。

新駅舎はそうしたエリアの顔となるような独創的なデザインが採用されており、膜構造の大屋根の下に、開放的で明るい空間が広がり、地域住民が集う交流の拠点となる広場をイメージした空間が誕生する予定です。

さて今回は、東京で現在進行中の主な再開発について調べてみました。紹介したもの以外にも、多くの地域で高層ビルの建設や複合施設の建設が進んでいます。再開発で東京という街は、国際競争力をさらに高めるでしょう。それは都心の不動産価値向上につながります。そうしたチャンスを見逃さないようにするのが投資家の務めです。

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