リノベーション

リノベーションで中古ワンルームの家賃はどこまでアップできるか?

リノベーションとは、「古くなった建物や部屋に大規模な工事を行い、物件価値を高めること」などと言われます。特にリノベーションでキーワードになるのは不動産価値の「再生」で、単に古くなった建物をリフォームによって原状回復するのではなく、それまでにはなかった新しい付加価値を創造するところが大きなポイントです。

リノベーションによって新たな付加価値を創りだすことで人気を高めることができれば、本来であれば時間とともに下げざるを得ない家賃を下げることなく、むしろ高く設定することもできます。家賃をアップできれば収益性が向上するというロジックですが、実際のところどの程度高く設定できるのでしょうか。

この記事では、リノベーションによる中古ワンルームマンションの「再生」にスポットを当てて、それがもたらす効果について解説します。

<目次>
1.リノベーションによる価値とは何か
1-1.ここに住みたいと思われる、入居者が主役の賃貸物件
1-2.どんなデザインで勝負するのかも重要

2.実際のところ、家賃はどの程度「高く」設定できるの?
2-1.リノベーション家賃アップ事例1 都内ワンルーム
2-2.リノベーション家賃アップ事例2 都内ワンルーム

3.過剰な期待は禁物

1.リノベーションによる価値とは何か

物件探しでは通常、不動産会社の担当者と一緒に候補物件を見て回ります。その際に、まず「ユニークさ」「オリジナリティ」があったほうが、入居を決めてもらう上で有利だといえるでしょう。「人と会うときは第一印象が重要」などと言われますが、部屋も同様です。特にワンルームマンションであればなおさらでしょう。内装・デザインなど、最初の「見た目」はとても大切で、住むかどうかの判断に与える影響はとても大きいのです。

ただし物件オーナーが自分好みにリノベーションをしても、気に入ってもらえるとは限りません。それだけだとオーナーの好みと入居者の好みが一致するかどうか、偶然の世界です。そうではなく、その物件のターゲットとなる入居者のライフスタイルを考慮して、「住みたい」と思ってもらえるようなデザインが必要になります。

その中でも水回りは重要です。なぜなら、女性を中心に水回りを重点的にチェックする人が多いからです。キッチンや、風呂・トイレなどの設備には細心の注意を払い、入居者の目にどう映るかを考えてリノベーションを行うと良いでしょう。

最近は、モノトーンを基調にした、落ち着いた雰囲気のモダンなデザインや、人気のカフェで取り入れられているような、木材やウッドプリントを使った自然な風合いのデザインが人気のようです。休日に、ゆったりとくつろげるような空間づくりが好まれています。

1-1.ここに住みたいと思われる、入居者が主役の賃貸物件

実はワンルームマンションのコンセプトとは、とても画一的なものです。都会的で機能的といったコンセプトで作られているワンルームマンションは、おそらく全体の9割以上を占めるでしょう。例えば「和モダンをイメージした部屋」といったようにエッジの効いたデザインコンセプトになっている物件を見たことがあるかというと、ほとんどの方はないと思います。

このように画一的なコンセプト、デザインで作られたワンルームマンションは「新しさ」「きれいさ」の勝負になってしまい、新築時の新しさやきれいさが失われてくると最後は「安さ」の勝負になってしまい、収益性を損ねてしまいます。

リノベーションによる中古ワンルームマンションの再生は、これとはまったく異なるコンセプトです。例えば世界各地の住宅文化をイメージさせるような内装をデザインし、他では見られないような空間を提案することは、住む人の潜在的なニーズを刺激します。オーナーの好みではなく、入居者マーケットのニーズがどこにあるのかを分析し、それに応えるのが正しいリノベーションのあり方です。

1-2.どんなデザインで勝負するのかも重要

それでは入居者マーケットのニーズに応えるデザインとは、どんなものが支持されるのでしょうか。たとえばREISMのリノベーション物件には、「AMERICAN」というテイストがあります。その中にはさらに細分化された3つのコンセプトがあり、それぞれアーリーアメリカン、西海岸のライフスタイル、そしてニューヨークの都会的なイメージを表現しています。

同じアメリカをテーマとしたデザインであっても、このように細かく選択肢を設けることで多様化するニーズに応えることができるわけです。

しかも、こうした内装デザインを実現するためには材料にも良いものを使うことが大切です。「ハリボテ」のような内装だと本当の意味でリノベーションとは言い難いでしょう。「ここに住みたい」というだけでなく「長く住みたい」と思ってもらえるかどうかが賃貸経営の成否に深く関わるのです。

2.実際のところ、家賃はどの程度「高く」設定できるの?

それでは、入居者の目線で内装・デザインに気を遣ってリノベーションしたとして、どの程度価値がアップするのでしょうか。リノベーションによって極端な話、新築時と同じくらいの家賃を設定できるものなのかというのは気になるところです。

高い家賃を設定しても、借り手がつかなくては意味がありません。部屋を探している人が「この部屋にならここまでの家賃を払ってもいいな」と思って実際に借りるというように、需要と供給のバランスから家賃水準が決まります。

実際の家賃は、同じエリア・築年数の物件の家賃相場を基準にある程度決まるといえるでしょう。経年劣化によって物件価値は徐々に下がり、同時に家賃も下がっていきます。これをリノベーションである程度まで回復させられるのは間違いありませんが、同条件の物件との比較では、数千円〜1万円程度高く設定することが一般的のようです。しかしリノベーションの内容によっては、これ以上の家賃アップを見込むことも可能です。

すでに述べているとおり、賃貸物件の家賃は需給で決まります。不人気であれば家賃をどんどん下げていくスパイラルに陥ってしまいますが、逆に行列ができるような人気物件を創りだすことができれば、家賃は自ずと高くすることができます。リノベーションによる物件の再生が目指すゴールは、こうした行列ができる物件づくりです。

それでは次項からは、REISMが実際に手がけたリノベーション物件を2つご紹介します。それぞれのコンセプトと、リノベーションによってどれだけ家賃上昇効果があったのかをご確認ください。

2-1.リノベーション家賃アップ事例1 都内ワンルーム

東京都世田谷区内の中古ワンルームマンションをリノベーションによって再生した事例です。リノベーション前は畳敷きの部屋と押し入れという間取りで、築年数が30年を超えている物件にありがちな仕様でした。それまでの家賃相場は9万8,000円です。

【リノベーション内容】
このリノベーションでコンセプトとなったのは、「静かに洒落た、スローな空間」です。縦長の物件であることを活かして開放感と立体感を持たせるために中央にはカウンターキッチンを配し、これがアクセントとなっています。キッチンスペースと居室を仕切るパテーションには沖縄産の花ブロックを用いるこだわりによって、東京の中にあってリゾート空間で感じられる「スローな空間」を演出しています。

築30年以上でありながらこうしたオリジナリティあふれる空間を創造したことにより、リノベーション後の家賃は12万円となりました。もちろん入居中であり、22.4%もの家賃アップに成功した事例です。

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2-2.リノベーション家賃アップ事例2 都内ワンルーム

2つめにご紹介するリノベーション物件は、渋谷へ2駅の好アクセスを誇る三軒茶屋駅徒歩10分のワンルームマンションです。この物件のコンセプトは、「明かりが灯る、三茶deおうちカフェ」です。このコンセプトにあるように内装デザインはまるでカフェのようなスペースです。この物件のリノベーション前の家賃相場は、10万8,000円です。

【リノベーション内容】
物件の内装を一目見て印象的なのは、コンクリートの表情が見える天井と、足場板が使われたフローリングです。リノベーションは必ずしも新品同様にすることが目的ではありません。ファッションでいう古着感のようにUsed感を演出するのもカフェの雰囲気を醸し出すのに一役買っています。なかなか住宅では見ることのないペンダントライトを灯し、それに照らされるキッチンカウンターは自宅にいながらにしてカフェのようなくつろぎを感じることができます。

リノベーション後の家賃は、12万3,000円です。リノベーション前と比較して13.9%の家賃アップに成功しました。

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3.過剰な期待は禁物

ここでご紹介したリノベーション物件の事例はいずれも家賃アップに成功しており、しかも高い入居率で賃貸経営の安定化に大きく寄与しています。これを可能にしたのがリノベーションですが、リノベーションには当然ながら費用がかかります。

しかも「ハリボテ」のように上辺だけをきれいにしただけだとリノベーションとはいえず、住み続けることによって入居者の満足度は低下してしまいます。やはり、リノベーションには適正な費用をかける必要があります。

投資としてリノベーション済みの物件を購入する場合は、リノベーション費用が購入費用に含まれています。また、すでに取得した物件の年数が経ち、改めてリノベーションを施す場合は、それまでに得た家賃収入の中から費用を捻出することになります。

費用をかければ、人気の内装・デザインにすることは可能ですが、際限なくお金をかけるべきではありません。回収できないほどの費用をかけては意味がなくなってしまいます。そこで重要になるのが適正な費用であり、コストパフォーマンスです。

家賃を決めるにあたっては、そうしたコストの部分も考慮して、どの程度の頻度で修繕やリノベーションが必要になるのか、それにいくらかかるのかを考えます。長期的な計画に落とし込んだうえで、トータルで利益を上げられるかどうかを計算する必要があるのです。また、そのエリアの需要予測も併せて考慮する必要があるでしょう。

せっかく費用をかけてリノベーションをするのであれば、それが入居者から支持されるものでなければなりません。その方向性がずれていると費用をかけたものの入居率の改善や家賃アップが見込めず、賃貸経営をより厳しいものにしてしまいます。重要なのは「マーケットイン」の発想であり、入居者のニーズをしっかりと分析したうえでそれに応えられる物件づくりなのです。

キーワード: リノベーション 家賃賃料
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