リノベーション

入居率を爆アゲ。アーバンライフの「三種の神器」とは

賃貸物件に求められるものは時代とともに移り変わります。ひところは、オートロック、テレビモニター付きドアホン、バス・トイレ別などの条件で物件を探す入居者が多かったのですが、こうした条件を満たす物件は増えており、差別化を図れるものではなくなっています。これらに代わって最近の入居者に人気の設備とはどういうものなのでしょうか。導入することで入居率を「爆上げ」するような、新しい「三種の神器」を紹介します。

インターネット無料

全国賃貸住宅新聞が発表した「入居者に人気の設備ランキング2018年度版」によると、ランキングの1位は、単身者向け、ファミリー向けともに「インターネット無料」でした。単身者向けで4年連続、ファミリー向けでも3年連続です。

若者世代にとってネット環境は水道や電気のようなインフラと並んで重要なものです。入居者が自分でネット環境を整備するとなると、Wi-Fiルーターを購入したり、業者を呼んで設置工事をしたりと手間や費用がかかります。

また、最近では、高齢者でもインターネットを使う人が増えています。2015年の総務省の調査では、70~79歳で、インターネットを使用しているのは全体の53.5%で、2010年と比較して14.3ポイントも増えたそうです。60~69歳でも、2015年には全体の76.6%(2010年より12.2ポイント増)が使っているほか、65歳以上の45.2%が、毎日少なくとも1回は利用しているという結果が出ています。つまり、若者だけでなく、幅広い層で、インターネットが手軽に使えることが求められているということです。

カフェや駅でも無料Wi-Fiサービスが始まっています。自宅は1日の中で一番長く過ごす場所です。プロバイダの料金は一般に月額4000円程度、個人のスマートフォンの契約形態はさまざまですが、データ通信料も5000円を超えることが多いようです。インターネットが無料であれば、毎月1万円近くを節約することができます。全国賃貸住宅新聞の調査結果は、こうした入居者の動向を示したものと言えるでしょう。

宅配ボックス

アマゾンや楽天などネット通販の急速な普及によって需要が伸びているのが宅配ボックスです。男性、女性に関係なく、仕事で平日の夜遅くまで自宅に帰れない人が増えています。注文から数日で届くのがネット通販のメリットのひとつですが、結局、荷物を受け取れずに、週末まで待たなければならなくなったり、後日、改めて再配達してもらったり、時間や手間がかかっては意味がありません。何日も受け取れないのはストレスがたまりますし、受け取りのためだけに自宅を留守にできないのも困ります。

全国賃貸住宅新聞の設備ランキングでは、単身者向けで前年3位から2位にワンランクアップしました。ファミリー向けも前年同様に4位にランクインしています。最近では、生鮮食料品も受け取れる冷蔵機能付きの宅配ボックスが登場しています。また、ゴルフクラブを収納できる大型サイズのものも登場しています。

防犯カメラ

これまでも高い防犯機能を求める入居者は多かったのですが、犯罪や迷惑行為を記録し、抑止にもつながる防犯カメラのニーズも高くなっています。ホームセキュリティ・システムがあると、女性からの評価はさらに高くなるはずです。最近はスマホアプリで扉や窓の施錠を確認できたり、外出時に室内の様子を録画したり、異常を検知したらすぐに知らせ、警備員が駆けつけるサービスもあります。これらにはネット環境が含まれているサービスもあり、月額3,000円前後から契約ができます。

「インターネット無料」「宅配ボックス」「防犯カメラ」が、最近の賃貸物件に求められる「三種の神器」ではないでしょうか。これらの設備を導入して他物件との差別化を図ることで、入居率をアップし、高めの家賃設定ができるような賃貸経営を目指しましょう。

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