不動産投資(管理)

不動産投資家のマンション管理組合との付き合い方

不動産投資の経験がない方の多くが、マンションの区分所有から始めようと考えるのではないでしょうか。田舎であれば地価も安いので、一戸建てに投資をすることも可能でしょう。それも悪くない選択なのですが、東京などの都会では、物件価格が高すぎて、現実的な選択肢になりえません。また、マンションなどの集合住宅の1棟買いは、1億円を超えるような高額になるので、同じ不動産投資でもハードルが非常に高いと言えるでしょう。

そうなると、現実的な落とし所として、マンションの区分所有ということになります。ところが分譲マンションの購入者は、必ずマンションの管理組合に加入しなければなりません。今回は不動産投資家のマンション管理組合との付き合い方について考えてみます。

マンション管理組合とは

そもそもマンション管理組合とは、区分所有者全員で構成される組織です。目的はマンションの敷地、建物、および付属設備に対する管理を住人が共同して行うことであり、法律上では、居住者に限らず、すべての区分所有者が組合員として加入するものとされています。つまり、投資用マンションを買えば、不動産投資家も自動的にマンション管理組合に参加することになります。

なお、マンション管理組合の運営は、一般的に、円滑な管理業務の実施のために、役員が執行機関として選任され、理事や理事長、監事などは、マンション管理組合の総会で選ばれます。マンション管理組合の意思決定は、その総会で行われます。マンションによっては、積極的な役員が諸々を取り仕切っている場合もあれば、ほんとどの業務が管理会社に委託され、不動産投資家を含む区分所有者は、それを追認するだけという場合もあります。

管理組合に参加義務はあるの?

最近増えているのが、副業で不動産投資を行う投資家です。言い換えると、他に本業があるため、忙しく毎日を送っている方が多いということです。マンション管理組合に関する事柄は煩雑なので、できれば関わりたくないという方も少なくないはずです。しかし、区分所有者である以上、管理組合から脱退することはできません。不動産投資家であっても、管理規約を遵守し、管理費の負担も応じなければなりません。また、自分の賃貸物件の入居者にも、マンションの管理規約を守らせる義務を負います。

ただ、マンション管理組合への参加はデメリットばかりではありません。マンション管理組合の総会における議決権を行使できる立場になりますので、他の区分所有者の方と協力し、マンションの居住性向上や資産価値を高めるための施策を実行させることもできるのです。

マンション管理組合で物件の資産価値を高める

マンション管理組合を通じて、物件の居住性や資産価値を向上させる方法は、大きく分けて2つです。簡単に言えば、日常管理の徹底と建物や設備の改修です。

当然ですが、共用部分の掃除や電球・ガラス類のメンテナンスなど、日常管理が疎かなマンションは、美観を損ね、居住性も資産価値も下がります。マンションのすべての所有者で決めた管理方法を実行するのが管理組合の役割です。つまり、管理組合がしっかりしているかどうかが、とても重要になるというわけです。

大勢の人たちが一緒に暮らすマンションでは、どうしてもルール違反をする人が出てきます。そうした違反者に対して、勧告や指示を出して、行動を改めてもらわなければなりません。こうしたことは、個人ではなかなかできません。管理組合という母体があってこそできる行為です。

また、マンションの資産価値を長期で維持するためには、定期的に設備を交換し、十数年に一度行う大規模改修に備えて、きちんと修繕積立金を徴収するなど、しっかりとした修繕計画に基づいて管理することがとても大切です。こうしたことを行うのが管理組合です。組織の体制や運営が、しっかりしていることが重要になります。

もし、管理組合の運営が脆弱だと感じた時は、面倒かもしれませんが、自ら積極的に関わっていく必要があります。結論を言えば、不動産投資では、きちんと管理組合が機能している物件を投資対象にすることが大切なのです。

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