資産運用

複利で資産を増やす!「積立投資」のすすめ

近年、政府による景気刺激策の一環として、「貯蓄から投資へ」という合い言葉のもと、個人投資家を増やす施策が行われた結果、実際に資産運用を始める人が増えました。しかし、日本人の投資傾向は諸外国に比べると消極的です。本来は、投資を行うべきなのに、未経験の人たちも多く社会に十分に浸透していないという一面もあります。そこで、今回は投資初心者が始めやすく、おすすめできる積立投資について解説します。

投資に消極的な日本人

1990年代前半は、株式や投資信託で資産運用を始めようと思っても現代ほど簡単なものではありませんでした。証券会社に直接出向いたり、営業マンに来てもらって証券口座を開いたりするなど、営業マンとコンタクト取りながら売買をするしかなかったのです。しかし、1990年代の後半から、インターネットなどの通信インフラが整い始めます。

また、ネット専業の証券会社が誕生するなど、パソコンを使って簡単に証券口座が開設および、株式などの売買が行えるようになったため、資産運用の「敷居」は大幅に下がりました。特に、近年はスマートフォンに対応したサービスも多く生まれており、より身近になったといえます。インターネットが普及し始めたころは、日本債券信用銀行や日本長期信用銀行などが破綻し、私たちは日本経済の先行きや将来の年金に対して大きな不安を抱くようになりました。「銀行貯金をするだけではダメ」という認識が多くの人たちの間で共有されるようになったのです。

しかし、そうはいっても、まだまだ日本人の投資状況は諸外国に比較すると消極的です。例えば、個人金融資産の配分が日本では預貯金が52.1%、株式・債券などが18.3%、保険・年金が25.3%、残りがその他という構成です。これが、「保守的な国民性が特徴」といわれるドイツでも、預貯金が39.3%、株式・債券などが23.2%、保険・年金が30.9%になります。最も投資が盛んなアメリカでは、預貯金が13.2%、株式・債券などが52.5%、保険・年金が32.4%です。

こうした状況から、「日本人には、資産運用を行う余地が、まだまだたくさん残っている」ということでしょう。

投資を行ったほうが良いのはなぜ?

そもそも、どうして積極的に資産運用を行ったほうが良いのでしょうか。もちろん、資産運用には、失敗するリスクがありますし、個人の経済状況によっては、資産運用を行う必要がない場合もあります。しかし、そうしたリスクや個別の事情は、いったん「脇」に置いたうえでも銀行に預けているだけでは、お金が増えないという現状があるのです。

1980年代であれば、定期預金に8%の年利が付くときもありました。元本が保証されていて高利回りであれば、貯金をしているだけということも、決して悪い選択肢ではなかったでしょう。しかし、2018年現在はマイナス金利の時代であり、都市銀行の定期預金は0.01%という状況です。これでは銀行に1,000万円預けても、1年の利息で1,000円(税引き前)しか増えません。一方、株式や投資信託などは確かに元本割れなどのリスクがありますが、預金よりもはるかに高い利回りで、お金を増やせる可能性があるのです。

はじめての資産運用には積立投資がおすすめ

資産運用をこれから始める方の中には、いきなりリスクの高い方法で投資することに抵抗感がある方もいるかもしれません。そこで、おすすめなのが積立投資という方法です。積立投資は、株式や投資信託などの金融商品を定期的(毎月の給与や、ボーナスなど)に購入し続けるというものです。購入金額が同額で投資している場合、株価や投資信託の価格が高いときは買える量が少なくなります。

逆に価格の低いときは購入できる量が多くなるため、長期間になればなるほど購入金額は平均化され、極端に高いタイミングで、「高値づかみ」をしてしまうリスクが減るのです。これは、ドルコスト平均法として知られるリスク分散の方法の一つです。もちろん、最終的に売却するタイミングで大暴落していたら損失になってしまいますが、そういう時期を避けて売却を検討するので問題はありません。ただし、急な資金需要と恐慌期が重なってしまう場合に備えて、一定の現金を持つことは必要です。

積立投資で資産運用を行いたい方に向けて、すでに多くの金融機関が「投信積立」という月々決まった額から投資信託に積立投資が行えるサービスを提供しています。積立額が低いものであれば、月々100円からスタート可能です。投資初心者で「本格的な投資をするために資産運用を体験してみたい」という方にはおすすめでしょう。

銀行預金ではなく、できるだけリスクの低い方法で資産の運用を検討することは重要です。新たな投資用の資金ができたら不動産や株式、債券、外貨など、種類の異なる金融商品に投資して資産運用のリスクを分散させましょう。一つのかごにタマゴをもってはいけません。上手に運用して将来不安に備えることが賢明な投資方法です。

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