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不動産投資はいくらから始められる?ローンと一括購入のどっちがお得なの?

不動産投資を始める際、まず気になるのが「どれくらいの資金が必要なのか」ということです。100万円で足りるのか、あるいは500万円以上必要なのかがわからなければ、自分に適した投資かどうかの判断が難しくなってしまいます。

本記事では、不動産投資を始めるために必要な資金の目安と、その資金の内訳などについて解説します。

不動産投資はいくらから始められる?ローンと一括購入のどっちがお得なの?

1.不動産投資はいくらから始められる?物件タイプ別の特徴

不動産投資を始めるためには、どれくらいの資金を用意すればよいのかを整理しました。物件価格帯を3つに分け、それぞれで購入できる投資物件タイプと自己資金の目安を以下の表にまとめています。
 

物件価格帯 購入できる投資物件タイプ 自己資金の目安
(物件価格の20%の場合)
1,000万円~3,000万円 区分マンション など 200~600万円
4,000万円~ 区分ファミリー向けマンション
一棟アパート など
800万円以上
1億円~ 区分タワーマンション
一棟マンション・ビル など
2,000万円以上

※この表は一例です。実際の金額は、物件の種類や立地、融資条件などに応じて変わる場合があります。

不動産投資を始める際、ほとんどの方はローンを利用して物件を購入します。金融機関から求められるローンの頭金は物件価格の10~20%程度だと言われていますが、頭金以外にもさまざまな初期費用がかかるため、物件価格の20~30%ほどの資金を準備しておくと安心です。

また、物件の担保価値や購入者の属性によっては、少額の自己資金でスタートできる場合もあります。例えば、区分マンションなら自己資金が10万円程度でもスタートできるケースがあります。

ここでは、投資物件タイプごとの特徴も紹介します。

1-1.区分マンション

少ない資金でも始めやすく、投資のハードルが低いのが魅力です。ワンルームタイプの物件は、投資用として購入されることが多いため、売却時の買い手も主に不動産投資家となる傾向があります。

また、区分マンションのオーナーが管理するのは専有部分のみのため、管理会社に任せることで忙しい方でも安心して不動産経営が可能です。複数の区分マンションを購入する場合は、物件やエリアを分散させることで、災害リスクなどを軽減できます。

1-2.区分ファミリー向けマンション・一棟アパート

区分ファミリー向けマンションには投資用と分譲用があり、広さや設備は家族向けです。ワンルームタイプと同様に売却時は投資家が主な買い手ですが、分譲用は一般の購入者もいます。管理は専有部分のみで、管理会社に任せれば手間がかかりません。

同じくらいの価格帯に一棟アパートもあり、ほとんどがオーナーチェンジ物件です。2~3階建てが多く、部屋ごとに家賃収入が得られますが、一棟全体の管理が必要です。

1-3.区分タワーマンション・一棟マンション・ビル

タワーマンション(タワマン)を購入して人や企業に貸す不動産投資もあります。初期費用は高額ですが、入居者の収入やステータスが高く、安定した賃貸経営が期待できます。管理は専有部分のみですが、分譲タイプの場合は管理組合に加入が必要です。売却時は、不動産投資家だけでなく一般の購入者や企業も買い手となります。

一棟マンションやビル投資では、建物全体を購入して住居やテナントとして貸し出し、収益を得ます。建物全体の管理が必要ですが、管理会社に賃貸と建物管理の両方を委託することが一般的です。

2.不動産投資の初期費用の内訳

不動産投資の初期費用は、物件価格の約20~30%が目安となります。大きな金額に感じるかもしれませんが、内訳を確認すれば納得できる内容です。

  1. ローンの頭金
  2. 不動産登記費用
  3. 各種税金
  4. ローン事務手数料・保証料
  5. 保険料
  6. 仲介手数料

2-1.ローンの頭金

多くの方は、物件購入時にローンを利用します。先述したように、金融機関から求められる頭金は、物件価格の10~20%ほどです。頭金の金額は、申込者の年収や勤務先、物件の担保価値などによって変わるため、具体的な金額は条件次第で異なります。

事前に、不動産会社や金融機関に確認しておきましょう。

2-2.不動産登記費用

不動産登記とは、購入した不動産と名義人を登記簿に登録する手続きで、登録免許税がかかります。税額は固定資産税評価額の2%で、例えば1,000万円の物件なら20万円です。

またローンを組む場合、物件には抵当権が設定され、抵当権設定登記には借入額の0.4%が必要です。1,000万円のローンなら4万円になります。これらの手続きは自分でも可能ですが、司法書士に依頼すると3~8万円程度の報酬がかかります。

2-3.各種税金

不動産を購入すると、さまざまな税金が発生します。代表的なものには、不動産取得税、印紙税、固定資産税、都市計画税があります。

まず、不動産取得税は、不動産を取得した際に課され、税額は固定資産税評価額の4%です。例えば、評価額1,000万円の物件なら40万円となり、購入後半年以内に納税通知が届きます。購入時に支払う必要はありませんが、後で必ず支払うため準備が必要です。

また、不動産売買契約書には収入印紙が必要で、1,000万円超~5,000万円以下の物件では印紙税は2万円です。

さらに、物件を所有していると、毎年1月1日時点の所有者に対して固定資産税と都市計画税が課されます。特に都心部では、都市計画税も対象となります。固定資産税は評価額の1.4%、都市計画税は0.3%で、例えば評価額1,000万円の物件では、固定資産税が14万円、都市計画税が3万円で、合計17万円が必要です。

なお、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課されますが、中古物件の場合は売買契約時に、日割りで税額を清算することが一般的です。

2-4.ローン事務手数料・保証料

ローンを組む際には、金融機関で事務手数料が発生します。金額は借入額の1~3%程度(定率制の場合)が一般的で、例えば1,000万円を借りる場合、手数料は10~30万円ほどかかります。

保証料は連帯保証人の役割を担う保証会社に支払う費用で、支払い方法には一括払いと金利に上乗せして分割払いする方法があります。一括払いなら融資総額の2%程度、金利上乗せなら0.2~0.3%程度が相場となっています。

これらの費用は金融機関や借入期間、借入額、申込者の属性、支払い方式などによって変わるため、事前にしっかり比較検討することが大切です。

2-5.保険料

保険料とは、物件にかける火災保険や地震保険などのことです。ただし、一般的な損害保険ではなく、不動産オーナー向けの保険商品を選ぶ必要があります。

保険料は、基本金額で年間5~10万円程度が相場ですが、特約を追加して補償範囲を広げることも可能です。できれば物件購入と同時に、遅くとも入居者が決まるまでに加入しておくことをおすすめします。

なお、金融機関によってはローンと損害保険がセットになっている場合や、不動産会社が保険代理店として保険商品を提供していることもありますので、事前に確認しておきましょう。

2-6.仲介手数料

仲介手数料は「宅地建物取引業法」によって、以下のように段階的に上限が定められています。

売買価格 上限額
200万円以下の部分 売買価格の5%+消費税
200万円超400万円以下の部分 売買価格の4%+消費税
400万円超の部分 売買価格の3%+消費税

ただし、金額ごとに計算するのは慣れていないと時間がかかることがあります。そこで、以下の「速算式」を使えば、仲介手数料を簡単に計算することができます。

売買価格 上限額
800万円以下(特例適用) 30万円+消費税
800万円超 売買価格×3%+6万円

3.不動産投資物件は現金一括購入がお得?ローンとの7つの比較ポイント

不動産投資を始める際、初期費用として物件価格の20~30%程度を用意していれば、スムーズにスタートできます。ただ、資金に余裕がある方や、ローンに抵抗がある方は「現金一括で購入したほうが得なのでは?」と考えることもあるかもしれません。

以下の表は、不動産投資を現金一括で始める場合とローンを利用する場合とで、不動産投資のポイント別に比較したものです。

現金一括で始める場合 ポイント別比較 ローンを利用する場合
手持ち資金が大きく減る 購入時 手持ち資金を減らさずスタート可能
ローンの諸経費・金利がない 諸経費 ローンの諸経費・金利が発生する
資金の範囲内で物件を探す必要あり 手に入る物件 自己資金以上の好物件を購入可能
空室リスクの影響が大きい 経営開始後 空室リスクの影響が大きい
いつでも売却できる 売却時 綿密な出口戦略が必要
節税効果が小さくなる可能性あり 税金対策 相続税対策としては万全
大金を長期間動かせなくなる 投資効果 レバレッジによる投資効果が高い

3-1.購入時

投資物件をローンで購入する場合、融資金額の10~20%が頭金として必要で、その他の初期費用も含め、1,000万円の物件なら合計で200~300万円程度の初期費用が一般的な目安となります。一方で、1,000万円の物件を現金一括で購入すると、手持ち資金が大きく減ります。購入後に資金に余裕がないと、経営開始後の突発的な出費に対応しにくくなる可能性があるため、注意が必要です。

なお、売主が早急に現金化を希望している場合、「現金払い」を求められることがあります。このような場合は値引き交渉がしやすく、思ったよりお得に物件を購入できることもあります。

預貯金が潤沢にある場合は、あえてローンを組む必要もありませんので、他の項目も考慮したうえで、どちらでも自由に選択できます。

3-2.諸経費

不動産取得税や固定資産税、保険料、仲介手数料などは、ローンで購入しても現金一括で購入しても同じように発生します。

ただし現金一括購入なら、ローンを利用した際に発生する利息や事務手数料、保証料などは一切不要になります。融資審査も必要がないので、スピード感のある不動産投資が可能です。

ローンを組むと、これらの費用がかかってくるため、物件価格以上の支払額になります。例えば、1,000万円の物件を2%金利で20年払いにすると、金利合計は約214万円となり、1,214万円の物件を購入したことになります。

3-3.手に入る物件

現金一括で購入する場合は、手持ち資金の範囲内で物件を探すことになります。別の言い方をすれば、用意できる資金よりも金額の大きな物件には投資ができないことになります。

また、ローンを組むことに抵抗があり現金一括購入を検討している場合、必要な金額が準備できるまでには時間もかかりますので、不動産投資を始めるタイミングが遅くなってしまう可能性もあります。

一方でローンを利用する場合、手持ち資金が少なくてもその資金を頭金にすることで、より大きな金額を動かして好物件への投資が可能です。ローンを賢く利用すると、投資効率の良い不動産投資ができます。

3-4.経営開始後

経営開始後のリスクは、現金一括購入でもローンを組んでいる場合でも共通して存在します。不動産投資のリスクについては、関連記事「不動産投資のリスクはすべて解決できる!6大リスクと解決法を解説」をご覧ください。

特に大きな影響を与えるのは、空室が発生するリスクです。このリスクは、ローン返済に直接影響を与えるため、ローンを組んでいる場合のほうが、リスクが高くなる傾向があります。

3-5.売却時

不動産は周辺環境に大きく影響されるため、購入時に良好な土地条件であっても、数十年後も同じ環境が維持される保証はありません。たとえ優良物件でも、空室の増加や家賃の下落で利益が減少した場合、物件を売却してより利益の出る物件に買い替えることも重要です。これを「出口戦略」と呼びます。

また経営が順調でも、地価の上昇により大きな利益が見込まれる場合は売却を検討する価値があります。特にインフレ時には不動産価格や賃料が上昇するため、シミュレーションを行い、継続するか売却するかを判断することが大切です。

現金一括購入の場合、売りたいときにいつでも売却が可能です。一方、ローンを利用している場合は、売却代金で残債を完済できるかどうかがポイントになります。売却価格が想定を下回り、完済できない場合、不動産投資全体がマイナスになる可能性もあるため、注意が必要です。

売却を検討する際は、現金一括でもローンでも、不動産投資全体でプラスとなるように慎重に判断する必要があります。

3-6.税金対策

不動産投資における一般的な節税対策は、不動産経営にかかる経費を多く計上し、収支を赤字にすることで所得税や住民税を抑える方法です。特に、ローンを組む場合は、手数料や毎月の利息が経費として扱われるため、節税がしやすくなります。現金一括購入では利息が発生しないため、その分の経費は発生せず、税金対策としてはローンのほうが有利です。

相続税対策としては、不動産を購入することで現金資産を減らし、相続税の課税対象額を抑える効果があります。現金は時価で評価されるため、多額の現金資産を持つ方は不動産を購入しておくと相続税評価額を下げられます。

さらに、ローンで不動産を購入すると、残債はマイナスの資産として扱われ、他の資産と相殺されるため、相続税評価額をさらに引き下げることが可能です。手持ちの現金を頭金にして借り入れを増やし、賃貸経営を行うことで、相続税対策の効果を最大化できます。詳細は関連記事をご確認ください。

関連記事:不動産の相続対策で知っておくべき3本柱と節税に関する最新事情

3-7.投資効果

投資効果とは、投資した金額をどれだけ効率的に増やし、早く確実に資産を拡大できるかということです。例えば、1,000万円の預金で1,000万円の不動産を購入し、年間80万円の家賃収入を得る場合、利回りは8%です。

しかし、同じ1,000万円をローンの頭金にして2,000万円を借り入れ、合計3,000万円の物件を購入した場合、収益は3倍の240万円となります。

手持ち資金 購入方法 購入価格 借入額 利回り 年間収益 投資効果
1,000万円 現金一括 1,000万円 0円 8% 80万円
1,000万円 ローン購入 3,000万円 2,000万円 8% 240万円

同じ1,000万円を使った場合でも、ローンを利用すれば収益が3倍になります。このように、借り入れを活用して利益を最大化する方法を「レバレッジ(てこの原理)」と言い、投資効果を高めるための手段として使われます。

現金一括購入とローン購入を比較する際には、手持ち資金の額や手残りの資金も重要ですが、投資においては資産をいかに効率よく増やせるかも大切なポイントです。

実際、多くの資産を持つ富裕層でも、不動産投資ではローンを利用することが一般的です。ローンを利用することで、少ない労力でより効率的に資産を増やせることを理解しているからです。

どちらを選択するかは、預金残高や投資効果への期待だけでなく、性格やリスク許容度などにも関わってきますので、自分が納得できる方法を選ぶことが大切です。

4.不動産投資で成功するために大切な3つのポイント

不動産投資で成功するために大切な3つのポイント

不動産投資は長期にわたる投資ですので、持続的に利益を上げるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、不動産投資で成功するための3つのポイントを紹介します。

  1. ローンを組むメリットを理解しておく
  2. 資産価値の高い物件を選ぶ
  3. 信頼と実績のある不動産会社にサポートしてもらう

4-1.ローンを組むメリットを理解しておく

不動産投資用のローンでは、一般的に年収の5~10倍程度までの融資が受けられることが多いため、手持ち資金が少なくても条件の良い物件に投資しやすくなります。ローンを活用することで、投資の幅が広がり、不動産投資が成功しやすくなる傾向があります。

さらに、ローンを組む際には団体生命保険に加入することが推奨されるため、万が一の際には借金のない物件を家族に遺すことができるというメリットもあります。

現金一括購入を検討する方もいますが、資金を貯めるまでに時間がかかり、その間に投資の機会を逃してしまう可能性があります。不動産投資は長期的な視点が重要なため、ローンを活用して早めにスタートし、繰り上げ返済などで早期完済を目指すほうが、成功への近道となります。

4-2.資産価値の高い物件を選ぶ

不動産投資における資産価値とは、物件自体だけでなく、そのエリア全体の評価が高いことを意味します。例えば、都心部の人気エリアにある物件は資産価値が高く、築年数が経っていても、需要が安定しているため、空室リスクが低く、経営がしやすい物件です。

資産価値の高い物件は価格も高めですが、経営リスクが低いため、投資効果が高く、長期的には安定した利益を得やすいと言えます。

4-3.信頼と実績のある不動産会社にサポートしてもらう

はじめての不動産投資では、信頼と実績のある不動産会社のサポートを受けることで、成功率が大幅に高まります。例えばREISMでは、セミナーや相談会などで不動産投資に関するノウハウを提供し、初心者でも安心して始められるようにサポートしています。

不動産投資を成功させるには、資金の準備だけでなく、どの物件を選ぶかも非常に重要です。REISMが推奨する物件は、主に都心部駅近にある資産価値の高い中古マンションに限定されています。

良い時代に建てられたマンション物件にフルリノベーションを施し、時代とエリアにマッチした全く新しい物件へと生まれ変わらせます。手を加えるときには、REISMオリジナルの内装や間取りのアイデアを駆使し、住む人の感性に合った、住み心地の良い物件になるようにしています。

「ずっとここに住んでいたい」と思わせる付加価値の高い部屋は、長期更新による安定した経営状態を生み出しますので、オーナーの不動産経営は成功しやすくなります。

このような不動産経営のノウハウを含め、資産運用の基礎や不動産投資に関したセミナーを開催し、はじめての不動産投資をしっかりとサポートできる体制が整っています。

不動産投資をやってみたい、でも、わからないことがたくさんあると感じている方は、まずはREISMの不動産投資セミナーを活用し、不動産投資を正しく学ぶところからスタートしてみてください。

5.まとめ

不動産投資を始めるためには、どれくらいの資金が必要なのかをまとめました。

最初に必要な金額を「初期費用」と言いますが、購入しようとしている物件価格の20~30%程度の金額が準備できていれば安心です。

金額が確認できたら、あとは不動産投資の基礎をしっかり学び、信頼できる不動産会社とパートナーシップを組むことが成功へのカギです。まずは、無料の不動産投資セミナーに参加して、情報収集をするところから始めてみてください。 

関連記事:少額からはじめられる「不動産投資」4選と区分マンション投資のススメ

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